Eternal Party 2014も終了してレガシーは一段落つきましたが、皆さんはどうお過ごしですか?
さて、今回の記事ではEternal Party 2014とSCGO Portland, SCG Premier IQ Seattle, SCG Invitational Seattleの結果を追っていきたいと思います。
Eternal Party 2014 トップ8
~国内最後の大規模なレガシーの大会を制したのはMiracles~
2014年12月6-7日
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1位 Miracles/白青奇跡
2位 Mono Black Pox/黒単コントロール
3位 UR Delver/青赤デルバー
4位 Miracles/白青奇跡
5位 Elves/エルフ
6位 Jeskai Stoneblade/白青石鍛冶
7位 Omni-tell/実物提示教育
8位 UR Delver/青赤デルバー
今大会最大勢力のUR Delverはトップ8に2名と安定した成績を収めています。GP New Jerseyを制したJeskai StonebladeやElves、Omni-tell、珍しい部類に入るMono Black Poxといったデッキが入賞する中、優勝を収めたのはBMOでも入賞経験のある強豪プレイヤーの安田 真幸さんが操るMiraclesでした。
Eternal Party 2014 デッキ解説
「Miracles」「Omni-tell」
4 《島》 2 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 2 《不毛の大地》 1 《Karakas》 -土地(23)- 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(1)- |
4 《渦まく知識》 3 《剣を鍬に》 2 《呪文貫き》 2 《赤霊破》 1 《議会の採決》 4 《Force of Will》 4 《終末》 1 《時を越えた探索》 2 《天使への願い》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 2 《大祖始の遺産》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(36)- |
3 《紅蓮破》 2 《石鍛冶の神秘家》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《摩耗+損耗》 1 《外科的摘出》 1 《狼狽の嵐》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《世界のるつぼ》 1 《謙虚》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
今大会見事に優勝を収めた安田さんのリストはMiraclesには珍しく《不毛の大地》が採用されています。これにより《すべてを護るもの、母聖樹》やミシュラランド等、厄介な特殊地形に対処ができるようになりました。サイドには《世界のるつぼ》も採用されているので、SultaiやJund等マナベースを特殊地形に頼ったデッキをロックすることも可能です。
「探査」ドロースペルにより環境の多くのデッキが墓地を利用しているため、墓地対策の《大祖始の遺産》もメインから積まれています。
クリーチャーはメインではわずか《ヴェンディリオン三人衆》1枚とほぼノンクリーチャーですが、サイド後は追加の《ヴェンディリオン三人衆》や《石鍛冶の神秘家》が投入されるため、相手からしたらサイドプランを立てるのが難しい構成です。
8 《島》 4 《汚染された三角州》 3 《霧深い雨林》 1 《溢れかえる岸辺》 3 《裏切り者の都》 -土地(19)- 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(1)- |
2 《否定の契約》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 3 《定業》 1 《狼狽の嵐》 1 《衝動》 4 《実物提示教育》 4 《狡猾な願い》 1 《直観》 4 《時を越えた探索》 4 《Force of Will》 4 《全知》 -呪文(40)- |
2 《防御の光網》 2 《拭い捨て》 2 《すべてを護るもの、母聖樹》 1 《殺戮の契約》 1 《否定の契約》 1 《サファイアの魔除け》 1 《狼狽の嵐》 1 《有毒の蘇生》 1 《エラダムリーの呼び声》 1 《四肢切断》 1 《巣穴からの総出》 1 《火想者の予見》 -サイドボード(15)- |
最近は《封じ込める僧侶》の影響でSneak and Showよりも使用率が高くなってきているOmni-tell。《全知》からのコンボなら《封じ込める僧侶》で対策されず、カウンターもサイドからの《すべてを護るもの、母聖樹》や《防御の光網》でケアしています。
サイドボードには《拭い捨て》《四肢切断》《サファイアの魔除け》など、ヘイトベアーを除外できるカードが多めに採られています。「探査」ドロースペルの《時を越えた探索》も4積みされ、代わりに単体では重く《全知》とのコンボ専用のカードだった《無限への突入》が抜けています。コンボによる瞬殺よりも安定性を重視しているようです。
SCGO Portland トップ8
~トップ8の半分がDelver系、Maverickが久々に優勝~
2014年12月7日
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1位 Maverick/マーベリック
2位 UR Delver/青赤デルバー
3位 Burn/赤単
4位 Elves/エルフ
5位 UR Delver/青赤デルバー
6位 Shardless Sultai/続唱青黒緑
7位 Sultai Delver/青黒緑アグロ
8位 Temur Delver/カナディアン・スレッショルド
SCGO Portlandはトップ8の半分以上がDelver系という相変わらずの祭りっぷりでした。そんな中優勝を収めたのはMaverickでした。最近のアメリカのレガシーの大会ではあまり見かけませんでしたが、Delver系に強く、ヘイトベアーを多数搭載しているためコンボとの相性も悪くないデッキです。今大会でもプレイオフでTemur DelverとUR Delverを倒しての優勝でした。
SCGO Portland デッキ解説
「Maverick」「Sultai Delver」
1 《森》 2 《Savannah》 1 《Bayou》 1 《Scrubland》 1 《ドライアドの東屋》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《新緑の地下墓地》 1 《湿地の干潟》 4 《不毛の大地》 2 《魂の洞窟》 1 《地平線の梢》 1 《Karakas》 1 《ボジューカの沼》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《石鍛冶の神秘家》 2 《ガドック・ティーグ》 2 《迷宮の霊魂》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 4 《聖遺の騎士》 -クリーチャー(24)- |
4 《緑の太陽の頂点》 3 《剣を鍬に》 3 《突然の衰微》 1 《森の知恵》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 -呪文(13)- |
3 《思考囲い》 2 《封じ込める僧侶》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《盲信的迫害》 1 《ブレンタンの炉の世話人》 1 《真髄の針》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《窒息》 1 《光と影の剣》 1 《大変動》 -サイドボード(15)- |
最近あまり見かけなくなっていたMaverickでしたが、UR Delverに対してクリーチャーの質とサイズで勝り、苦手なMiraclesが少なかったのもあり久々に入賞を果たしその勢いのままに優勝を飾りました。黒を足してコンボやコントロールに対して耐性を上げたDark Maverickと呼ばれるバージョンです。
環境に蔓延る《宝船の巡航》デッキ対策も《迷宮の霊魂》と《ガドック・ティーグ》が2枚ずつと徹底しています。忘れられがちですが《宝船の巡航》や《時を越えた探索》といった「探査」ドロースペルは8マナのスペルなので《ガドック・ティーグ》が場にいる間はキャストすることすら叶いません。
サイドの《ブレンタンの炉の世話人》も地味ながら《僧院の速槍》を止めつつ自軍のクリーチャーを火力から守ったりと赤系のデッキが人気の現環境では活躍が期待できるクリーチャーです。《盲信的迫害》はElvesや《真の名の宿敵》《若き紅蓮術士》対策だけでなく小型のクリーチャーを展開してくるDeath and Taxesにもよく効きます。《窒息》は青いデッキ相手に場に出すことが出来れば場合によってはそれだけで勝てることがあります。苦手なMiraclesとのマッチアップでは特に重要になってきそうです。
追加の装備品でクリーチャーにプロテクション白の能力を与える《光と影の剣》もMiracles戦ではキーとなります。「奇跡」スペルや《精神を刻む者、ジェイス》、 《至高の評決》といったスペルをまとめてシャットアウトする《ガドック・ティーグ》に装備させればゲームをかなり有利に進めることが出来ます。
1 《島》 1 《沼》 4 《汚染された三角州》 3 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 1 《新緑の地下墓地》 2 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 1 《湿った墓》 1 《繁殖池》 1 《草むした墓》 1 《忍び寄るタール坑》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《死の影》 1 《漁る軟泥》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 3 《思案》 3 《呪文貫き》 3 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《スゥルタイの魔除け》 4 《Force of Will》 2 《宝船の巡航》 1 《森の知恵》 -呪文(30)- |
3 《狼狽の嵐》 3 《Hymn to Tourach》 2 《外科的摘出》 1 《漁る軟泥》 1 《概念泥棒》 1 《真髄の針》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《仕組まれた疫病》 1 《毒の濁流》 1 《大渦の脈動》 -サイドボード(15)- |
《死の影》を軸に構築された珍しいタイプのDelverデッキです。定番のフェッチランド、《ギタクシア派の調査》に加えて、《思考囲い》、 《森の知恵》、ショックランド等、ライフを減らす手段には事欠かないので《死の影》のサイズも上がりやすくなっています。
戦略上ライフの損失が激しいため、相手の火力呪文一発でうっかり死なないために 《死儀礼のシャーマン》や《漁る軟泥》といったライフゲイン手段も採用されています。これらのカードは同時に墓地対策にもなり、相手の「探査」の邪魔をすることも可能です。
SCG Premier IQ Seattle トップ8
~様々なデッキが入り乱れる中Miraclesが優勝~
2014年12月14日
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1位 Miracles/白青奇跡
2位 Grixis Painter/ペインター
3位 Maverick/マーベリック
4位 Lands/土地単
5位 ANT/むかつきストーム
6位 UR Delver/青赤デルバー
7位 Omni-tell/実物提示教育
8位 Elves/エルフ
SCGOのシステムの変更により、Openで採用されなかったフォーマットは併催イベントのSCG Premier IQで採用されることになりました。今回が初のSCG Premier IQレガシーでしたが、参加者200人越えと以前のSCGOレガシーと比べるとイベントのサイズはやや劣るものの、多くのプレイヤーがOpenの2日目に参加していたことを考えると決して少なくない人数だったと言えます。
トップ8はコンボ、テンポ、部族、コントロールと一通り揃っていました。そんな中、優勝を収めたのは《石鍛冶の神秘家》パッケージをメインに採用したMiraclesでした。
SCG Premier IQ Seattle デッキ解説
「Miracles」「Grixis Painter」
4 《島》 2 《平地》 1 《山》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 3 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 1 《Karakas》 -土地(22)- 2 《石鍛冶の神秘家》 1 《瞬唱の魔道士》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(4)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《赤霊破》 1 《呪文嵌め》 1 《思案》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 4 《終末》 1 《時を越えた探索》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 1 《殴打頭蓋》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(34)- |
2 《青霊破》 2 《紅蓮地獄》 2 《安らかなる眠り》 1 《石鍛冶の神秘家》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《真髄の針》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《呪文嵌め》 1 《摩耗+損耗》 1 《血染めの月》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
Miraclesを得意とし過去のSCGOでも優勝経験のあるJoe Bassはやはり今大会でも使い慣れたMiraclesを使用し、見事に優勝を果たしました。
彼のリストの特徴はMiraclesの定番フィニッシャーで「奇跡」スペルの1枚である《天使への願い》が不採用な点です。《石鍛冶の神秘家》がメインから採用されており、以前BBDが入賞を果たしたMiraclesのリストを参考にしているようです。
カウンタースペルのチョイスで印象的だったのはメイン、サイドにそれぞれ1枚ずつ採用されている《呪文嵌め》です。人気のUR Delverの《若き紅蓮術士》をはじめ、環境のデッキの主力スペルに2マナが多く、Jeskai Stoneblade、同系にも強いので良い選択です。
追加の《殴打頭蓋》を採用している《石鍛冶の神秘家》デッキは少ないので、1枚目を除去して安心しているプレイヤーの不意を付きます。メインからの《石鍛冶の神秘家》は本来なら無駄碑になるはずの相手の除去を有効碑に変えてしまうため、サイドに忍ばせるのが多数派ですが、UR Delverはメイン戦では《石鍛冶の神秘家》を除去できなければ勝つことが難しくなります。《渦まく知識》で戻せるとはいっても《天使への願い》は序盤に来て欲しくないカードです。その点《石鍛冶の神秘家》は2ターン目にプレイすることが可能で相手に対策を迫ることができ、その分ゲームも長引くのでMiraclesの得意とするロングゲームに持ち込むことも容易になります。
しかし、中盤以降の《天使への願い》はそれだけでゲームを終わらせるインパクトがあるので、どちらを取るかは悩ましいところでもあります。
1 《島》 1 《山》 1 《沼》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 3 《沸騰する小湖》 3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Badlands》 1 《教議会の座席》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(22)- 3 《ゴブリンの溶接工》 3 《悪意の大梟》 2 《絵描きの召使い》 2 《帝国の徴募兵》 1 《月の大魔術師》 1 《粗石の魔道士》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 1 《赤霊破》 3 《Force of Will》 1 《時を越えた探索》 3 《相殺》 1 《Transmute Artifact》 4 《師範の占い独楽》 1 《丸砥石》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《罠の橋》 1 《仕組まれた爆薬》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(27)- |
3 《思考囲い》 2 《狼狽の嵐》 1 《月の大魔術師》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《呪文貫き》 1 《炎の稲妻》 1 《弱者の石》 1 《真髄の針》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《毒の濁流》 1 《Force of Will》 -サイドボード(15)- |
《絵描きの召使い》+《丸砥石》のコンボで瞬殺を狙うデッキ。時折姿を現すデッキで、赤単色だったり青を足していたりといくつかバリエーションが存在します。
今回準優勝を果たしたJonathan Salemは《師範の占い独楽》+《相殺》のコンボも採用しています。Delver系は勿論のこと、このデッキが苦手とするコンボやコントロールに対して耐性を高めています。《精神を刻む者、ジェイス》も採用されていることからコンボに頼らずともゲームに勝利することが可能になっており、カードアドバンテージを稼ぐ手段にも長けています。
サイドは《思考囲い》、《狼狽の嵐》、追加のカウンター等、コンボ対策に重点を置いています。
SCG Invitational Seattle トップ8
~ストームコンボ多数、モダンで活躍しているあのデッキも。~
2014年12月12日
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1位 UR Delver/青赤デルバー
2位 UR Delver/青赤デルバー
3位 ANT/むかつきストーム
4位 ANT/むかつきストーム
5位 Jeskai Ascendancy Combo/ジェスカイの隆盛コンボ
6位 ANT/ストーム
7位 Miracles/白青奇跡
8位 Jeskai Stoneblade/白青石鍛冶
今回のInvitationalのプレイオフはスタンダードで行われました。今回入賞を果たした多くのプレイヤーはレガシーではコンボを選択しており、レガシー部門で優秀な成績を収めたデッキもANTが最大勢力のUR Delverと並びます。
SCG Invitational Seattle デッキ解説
「ANT」「UR Delver」「Jeskai Ascendancy Combo」
1 《島》 1 《沼》 4 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 1 《新緑の地下墓地》 2 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 1 《Volcanic Island》 -土地(15)- -クリーチャー(0)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《暗黒の儀式》 4 《陰謀団式療法》 3 《強迫》 2 《定業》 4 《陰謀団の儀式》 4 《冥府の教示者》 1 《Grim Tutor》 1 《炎の中の過去》 1 《苦悶の触手》 1 《むかつき》 4 《水蓮の花びら》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 -呪文(45)- |
3 《ザンティッドの大群》 3 《突然の衰微》 2 《夜の戦慄》 2 《蒸気の連鎖》 1 《師範の占い独楽》 1 《根絶》 1 《虐殺》 1 《巣穴からの総出》 1 《苦悶の触手》 -サイドボード(15)- |
今大会で上位入賞を果たした多くのプレイヤーが選択した、レガシーを代表するコンボデッキの一つであるANT。レガシー部門での唯一の全勝者もANTで今大会の勝ち組だったようです。
コンボデッキが躍進した理由の一つには、現環境のトップメタのUR DelverがTemurやSultaiなどの他のDelver系と比べて妨害要素が少ないことが挙げられます。Jeskai Stonebladeをはじめとした他の青いデッキも「探査」ドロースペルの《宝船の巡航》を如何に効率的にキャストするかに重点が置かれ、受動的なカウンターよりも能動的なスペルやキャントリップスペルが多く積まれているのが現状です。この点ハンデスを搭載したこのデッキにとっては、相手の妨害スペルが《Force of Will》だけならコンボを押し通すことも容易です。
サイドの《突然の衰微》は《相殺》やDelver系のクロック、各種ヘイトベアー対策になります。そのヘイトベアーを多数搭載したDeath and Taxes対策には追加で《虐殺》や《夜の戦慄》と徹底しています。
4 《沸騰する小湖》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《霧深い雨林》 4 《Volcanic Island》 1 《Underground Sea》 -土地(16)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 4 《若き紅蓮術士》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 3 《二股の稲妻》 1 《紅蓮破》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《宝船の巡航》 -呪文(32)- |
4 《陰謀団式療法》 2 《墓掘りの檻》 2 《紅蓮破》 2 《硫黄の渦》 1 《外科的摘出》 1 《水流破》 1 《電謀》 1 《粉々》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
今大会見事に優勝を果たしたDylan Doneganはレガシーでは現環境のトップメタのUR Delverに黒をタッチした型を選択しました。
アメリカのプロのOwen TurtenwaldがGP New Jerseyで使用していたリストで、サイドの《陰謀団式療法》のために黒をタッチしています。これによりコンボデッキに対して耐性が付きました。特に《ギタクシア派の調査》と《若き紅蓮術士》とのシナジーが強力で、コンボデッキ側も青いデッキ相手にはカウンターを警戒して手札を整えようとする傾向があるので、手札に抱えているコンボパーツをまとめて落とすことも可能です。
また黒を足したことによって《外科的摘出》や《四肢切断》も色マナで支払えるため、わずかながらライフの損失を抑えられます。
1 《島》 4 《霧深い雨林》 1 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 3 《Tundra》 3 《Volcanic Island》 -土地(14)- 4 《命運縫い》 -クリーチャー(4)- |
3 《否定の契約》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《留意》 4 《思考掃き》 4 《渦まく知識》 2 《はらわた撃ち》 4 《Force of Will》 4 《宝船の巡航》 2 《時を越えた探索》 2 《風のゼンディコン》 4 《ジェスカイの隆盛》 4 《水蓮の花びら》 1 《金属モックス》 -呪文(42)- |
3 《紅蓮破》 3 《剣を鍬に》 2 《稲妻》 2 《真髄の針》 1 《硫黄の精霊》 1 《二股の稲妻》 1 《水流破》 1 《狼狽の嵐》 1 《残響する真実》 -サイドボード(15)- |
毎回ユニークな構成のデッキを持ち込むアメリカのプロのSam Blackはモダンで猛威を振るう《ジェスカイの隆盛》を軸にしたコンボデッキをレガシー用に調整したバージョンで見事に入賞を果たしました。直前のSCGO PortlandでもBrad Nelsonが使用しトップ16に入賞したことで話題になっていました。
モダンと異なりレガシーではマナ加速やキャントリップも豊富で墓地も肥えやすいので「探査」もしやすくなっています。今回入賞を果たしたSamのバージョンはバックアップの《若き紅蓮術士》は不採用で、コンボで勝つことにフォーカスされています。
ミシュラランドの《フェアリーの集会場》も不採用で、代わりに《風のゼンディコン》が採用されています。基本地形に付ければ《不毛の大地》される心配もありませんし、スペルであるために《ジェスカイの隆盛》を誘発させることも可能です。メインが尖っている分サイドには除去や妨害スペルが多く積まれており、環境の様々なデッキに対して対応できるようになっています。
総括
Eternal Party 2014にSCGO Portland, SCG Premier IQ Seattle, SCG Invitational Seattleと一気に4つのイベントの結果を追っていきましたが、印象的だったのはコンボの復権でした。効率的に墓地を肥やすために多くのデッキは《呪文貫き》や《もみ消し》といった受動的なスペルよりもキャントリップやバーン等の能動的なスペルを優先する傾向にあり、コンボにとっては以前よりも勝ちやすい環境だったことが窺えます。
しかし、現環境のトップメタのUR Delverもハンデスのために黒をタッチしたりと環境の変化に合わせて進化しています。また、安定した成績を残し続けているMiraclesは環境やメタというよりも使用者の実力によるものが大きいように感じられます。
年内最後のレガシーの大イベントが終了し、レガシーの大きな大会は年明けまでお休みです。しかし、年明け早々にSCGのイベントがあるのでまた忙しくなりそうです。特に来年1月10日に開催されるSCGO Philadelphiaはレガシーなので楽しみです。
以上今回の解説を終わります。
再来週はお休みをいただきまして、次回掲載は年明けの1/15(木)になります。
次回の記事ではSCG Premier IQ ColumbusとSCGO Philadelphiaの入賞デッキの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『BIGWEB マジック:ザ・ギャザリング情報サイト』
http://www.bigmagic.net/
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/