USA Standard Express vol.7 -SCG Invitational/Open Indianapolis, SCGO Los Angeles, SCG Classic Charlo

Kenta Hiroki



皆さんこんにちは。

テーロスがスタンダード解禁になって一か月以上経ちますが皆さんの好きなデッキは見つかりましたか?筆者はプロツアー・テーロス直後はMono Blue Devotionを使っていましたが、流石に最近はメタられてきて厳しくなってきたのでEsper Controlに乗り換えています。

さて、今回はSCG Invitational/Open Indianapolis, SCGO Los Angeles, SCG Classic Charlotteの入賞デッキを見ていきたいと思います。SCG Invitational Indianapolisの決勝ラウンドはレガシーで行われたので、スタンダード部門で優秀な成績を収めたデッキを中心に見ていきたいと思います。



SCGO Indianapolis トップ8 デッキアーキタイプ

2013年10月27日
1位 Esper Control/白青黒コントロール
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 GW Aggro/緑白ビートダウン
4位 BG Devotion/黒単
5位 Mono Black Devotion/黒単
6位 Mono Blue Devotion/信心青単
7位 GR Monsters/赤緑怪物
8位 GR Devotion/赤緑怪物

700人近くの参加人数を出した今大会の決勝戦はEsper Controlのミラーでした。この環境のコントロールミラーのプレイングは難しくSCGOのプレイオフは時間制限が無かった為マッチの終了まで2時間以上かかりました。他には使用人数こそ多かったもののプロツアー・テーロスではあまり勝ち残れていなかったGW Aggroも入賞していました。



SCGO Indianapolis デッキ解説

「Esper Control」「GW Aggro」


Harry Corvese 「Esper Control」 SCGO Indianapolis (1位)

4 《島》
3 《平地》
4 《神無き祭殿》
4 《神聖なる泉》
4 《湿った墓》
4 《欺瞞の神殿》
4 《静寂の神殿》

-土地(27)-

1 《霊異種》

-クリーチャー(1)-
2 《思考囲い》
1 《中略》
4 《アゾリウスの魔除け》
3 《解消》
3 《英雄の破滅》
4 《スフィンクスの啓示》
4 《至高の評決》
1 《無慈悲な追い立て》
4 《拘留の宝球》
4 《思考を築く者、ジェイス》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(32)-
4 《破滅の刃》
3 《真髄の針》
2 《ヴィズコーパの血男爵》
2 《否認》
1 《霊異種》
1 《思考囲い》
1 《反論》
1 《交易所》

-サイドボード(15)-
hareruya



Jonathan Cheng 「Esper Control」 SCGO Indianapolis (2位)

4 《島》
3 《平地》
4 《神無き祭殿》
4 《神聖なる泉》
4 《湿った墓》
4 《欺瞞の神殿》
4 《静寂の神殿》

-土地(27)-

1 《霊異種》

-クリーチャー(1)-
3 《アゾリウスの魔除け》
2 《究極の価格》
1 《破滅の刃》
1 《遠隔+不在》
4 《スフィンクスの啓示》
3 《解消》
2 《予言》
2 《英雄の破滅》
4 《至高の評決》
4 《拘留の宝球》
4 《思考を築く者、ジェイス》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(32)-
4 《反論》
3 《ヴィズコーパの血男爵》
3 《思考囲い》
2 《漸増爆弾》
1 《否認》
1 《真髄の針》
1 《記憶の熟達者、ジェイス》

-サイドボード(15)-
hareruya


今回ワンツーフィニッシュを果たしたEsper Control。RTRブロック構築でもトップメタの一角として活躍していたことからテーロスリリース以前から新スタンダードでも活躍が予想されていました。

優勝したHarryのリストは《スフィンクスの啓示》が4枚採用されています。Mono Black Devotionなど《思考囲い》をメインから採用しているデッキが多く、1枚は手札から落とされてしまいがちであることを前提とした結果の増量だと思われます。そのため、土地が27枚と多めです。Mono Black Devotionが使う《地下世界の人脈》《死者の神、エレボス》《エレボスの鞭》など、厄介なパーマネントが環境に多数存在するため、《拘留の宝球》もフル投入されています。サイドボードに3枚と多めに積まれている《真髄の針》を見ても、Mono Black Devotionを意識して構築されていることが分かります。他のデッキ相手にも《歓楽者ゼナゴス》《ドムリ・ラーデ》《獣の統率者、ガラク》《霊異種》など、現環境には問題となるカードが多数存在するので、腐る場面がほとんどありません。

1枚だけ採用されている《交易所》も面白い選択です。Mono Black Devotionに対してライフを回復することで《アスフォデルの灰色商人》の射程圏外に調整したり、トークンを生み出して《冒涜の悪魔》を止めたり、不必要になった《真髄の針》をドローに変換した後、墓地から回収して他の問題となるパーマネントの起動能力を封じたりと、幅広い活躍が期待できます。また、赤系のアグロに対してもサイドインできます。

Jonathan Chengのリストはメインに除去が多めに採られています。サイドはMono Blue Devotionや同系に対して使える《反論》が4枚採用されています。《漸増爆弾》はGW Aggroとマッチアップされた準決勝戦で活躍したことが予想できます。

この時点のスタンダード環境は仮想敵が未だはっきりしていないことが多くコントロールが活躍することは難しかったのですが、現スタンダードで行われたプロツアー・テーロスGP Luisvilleがあったこともあり、メタの変化するスピードが例年よりも早く仮想敵もはっきりしてきているので、Esper Controlは安定した選択と言えます。

スフィンクスの啓示拘留の宝球交易所






Ryan Archer 「GW Aggro」 SCGO Indianapolis (3位)

9 《森》
7 《平地》
4 《寺院の庭》
4 《セレズニアのギルド門》

-土地(24)-

4 《実験体》
4 《復活の声》
3 《羊毛鬣のライオン》
2 《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》
4 《ロクソドンの強打者》
4 《加護のサテュロス》
1 《放逐する僧侶》
1 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
3 《ヴィトゥ=ガジーの末裔》

-クリーチャー(26)-
4 《セレズニアの魔除け》
2 《根生まれの防衛》
4 《ワームの到来》

-呪文(10)-
3 《霧裂きのハイドラ》
2 《放逐する僧侶》
2 《ひるまぬ勇気》
2 《真髄の針》
1 《セレズニアの声、トロスターニ》
1 《ヴィトゥ=ガジーの末裔》
1 《精霊への挑戦》
1 《神々の思し召し》
1 《ドルイドの講話》
1 《今わの際》

-サイドボード(15)-
hareruya


《潮縛りの魔道士》などこのデッキにとって対処の困難なカードをメインから搭載したMono Blue Devotionや、除去を多用するMono Black Devotionが幅を利かせているため、肩身の狭い思いをしていたGW Aggroでしたが、クリーチャーを除去できる《放逐する僧侶》や小型クリーチャーを一掃することができる《世界を喰らう者、ポルクラノス》をメインに採用するなど環境に合わせた調整を施し、見事に入賞しました。

サイドにはMono Black DevotionやEsper Controlの使ってくる単体除去を弾ける《精霊への挑戦》《神々の思し召し》、追加の《放逐する僧侶》、Mono Blue Devotionに対する最終兵器の《霧裂きのハイドラ》が採用されています。

羊毛鬣のライオン放逐する僧侶世界を喰らう者、ポルクラノス





SCG Invitational Indianapolis トップ8 デッキアーキタイプ

2013年10月27日
1位 Naya Control/白赤緑コントロール
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 Esper Control/白青黒コントロール
4位 Mono Black Devotion/黒単
5位 Mono Black Devotion/黒単
6位 Mono Blue Devotion/信心青単
7位 Mono Blue Devotion/信心青単
8位 UW Control/白青コントロール

スイスラウンドはレガシーとスタンダードで行われ、決勝ラウンドはレガシーで行われたSCG Invitational Indianapolis。予想通りMono Black Devotionが多く、トップ8に入賞したトッププレイヤーのGerry ThompsonやGP Luisvilleを優勝したBrian Braun-Duinも使用するなど、今大会のトップメタでした。Esper ControlやMono Blue Devotionも多く、スタンダード部門で優秀な成績を収めていました。



SCG Invitational Indianapolis デッキ解説

「Naya Control」「Mono-Blue Devotion」「Esper Control」「GU Devotion」


Brad Nelson 「Naya Control」 SCG Invitational Indianapolis (1位)

4 《山》
1 《森》
1 《平地》
4 《聖なる鋳造所》
4 《踏み鳴らされる地》
4 《奔放の神殿》
4 《寺院の庭》
3 《凱旋の神殿》
1 《セレズニアのギルド門》

-土地(26)-

4 《ロクソドンの強打者》
3 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(7)-
4 《ミジウムの迫撃砲》
4 《セレズニアの魔除け》
4 《神々の憤怒》
2 《ワームの到来》
4 《岩への繋ぎ止め》
2 《軍勢の集結》
2 《セレズニアの魔鍵》
3 《歓楽者ゼナゴス》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(27)-
4 《霧裂きのハイドラ》
2 《サンホームのギルド魔道士》
2 《自由なる者ルーリク・サー》
2 《摩耗+損耗》
2 《今わの際》
2 《軍勢の集結》
1 《真髄の針》

-サイドボード(15)-
hareruya


今回のデッキテクにもなっています。スイスラウンドにてスタンダード部門で8-0という、素晴らしい成績を残しました。

インタビューによると、このデッキを選択した理由はMono Black Devotionとの相性の良さからのようです。このデッキのメインに採用されている《軍勢の集結》は、Enchantmentに触ることができないMono Black Devotionに対して強力なフィニッシャーとなります。トークンを並べることで《群れネズミ》の群れをブロックし続けたり《冒涜の悪魔》を止めたりと、防御面でも活躍が期待できます。Esper等のコントロールに対しても《英雄の破滅》で落ちない《太陽の勇者、エルズペス》のように振る舞えます。

アグレッシブなデッキに対してはメインに4枚ずつ採用された《神々の憤怒》《ミジウムの迫撃砲》で迎え撃ちます。プロテクションを持つ《波使い》は除去できませんが、トークンや他のクリーチャーを除去できるので、Mono Blue Devotion側は青への信心を集めにくくなります。《セレズニアの魔鍵》はあまり見かけないカードですが、3色のデッキのマナ基盤を支えると同時に、多色クリーチャーになる能力も《究極の価格》が主力の単体除去として採用されている現在のメタでは地味に強力です。

《岩への繋ぎ止め》《セレズニアの魔除け》と単体除去も多めに採用されているので、クリーチャー化した《海の神、タッサ》《死者の神、エレボス》《冒涜の悪魔》などの大型クリーチャーも処理できます。フィニッシャーにも 《歓楽者ゼナゴス》《太陽の勇者、エルズペス》等、プレインズウォーカーが多く採られています。

サイドに採用されている《サンホームのギルド魔道士》はトークンを強化することが可能で、《思考を築く者、ジェイス》を使ったデッキに対してサイドインされるようです。他には、Mono Blue Devotionに対して決定打となる《霧裂きのハイドラ》や、追加の《軍勢の集結》が見られます。

軍勢の集結神々の憤怒サンホームのギルド魔道士






Evan West 「Mono-Blue Devotion」 SCG Invitational Indianapolis (7位)

20 《島》
4 《変わり谷》
1 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(25)-

4 《雲ヒレの猛禽》
4 《審判官の使い魔》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《潮縛りの魔道士》
4 《海の神、タッサ》
4 《夜帷の死霊》
4 《波使い》

-クリーチャー(28)-
1 《急速混成》
2 《サイクロンの裂け目》
2 《タッサの二叉槍》
2 《思考を築く者、ジェイス》

-呪文(7)-
4 《反論》
2 《急速混成》
2 《思考を築く者、ジェイス》
2 《記憶の熟達者、ジェイス》
1 《サイクロンの裂け目》
1 《解消》
1 《家畜化》
1 《タッサの二叉槍》
1 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-サイドボード(15)-
hareruya


プロツアー・テーロスにて輝かしいデビューを飾って以来、トップメタの一角として活躍し続けている青単色のビートダウンデッキ。スタンダード部門でも7-1という好成績を残していました。

メインにほとんど変化は見られませんが、サイドのカード選択に特徴があります。まず目にするのは《記憶の熟達者、ジェイス》です。Esper Control等、除去を大量に採用したデッキに対してサイドインされるカードで、ライブラリーアウトという軸をずらした勝ち手段を投入することでサイド後の相性の改善を図っています。

コントロールにとっては戦闘によって破壊することは困難で、主な対処法も青いスペルの《拘留の宝球》なので、《反論》でカウンターすることができます。サイド後は序盤に脅威を展開し、相手が除去やスイーパーを撃つ為にタップアウトした隙に《記憶の熟達者、ジェイス》を場に出すというゲームになります。勿論《反論》を駆使して押し通す事も可能です。コントロール側もこのデッキを相手にする際には、これらのカードの存在を覚えておいたほうが良さそうです。

海の神、タッサ波使い記憶の熟達者、ジェイス






William Jensen 「Esper Control」 SCG Invitational Indianapolis (2位)

4 《島》
3 《平地》
4 《神無き祭殿》
4 《神聖なる泉》
4 《湿った墓》
4 《欺瞞の神殿》
4 《静寂の神殿》

-土地(27)-

2 《ヴィズコーパの血男爵》
1 《霊異種》

-クリーチャー(3)-
2 《思考囲い》
4 《アゾリウスの魔除け》
4 《スフィンクスの啓示》
3 《解消》
2 《英雄の破滅》
2 《予言》
4 《至高の評決》
4 《拘留の宝球》
4 《思考を築く者、ジェイス》
1 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(30)-
4 《反論》
2 《ヴィズコーパの血男爵》
2 《破滅の刃》
2 《否認》
2 《記憶の熟達者、ジェイス》
1 《闇の裏切り》
1 《究極の価格》
1 《真髄の針》

-サイドボード(15)-
hareruya


Hall of famerのWilliam Jensenは今大会もGP Luisvilleと同様にEsper Controlで見事トップ8への入賞を果たしました。

メイン、サイドと合わせてトータル4枚搭載された《ヴィズコーパの血男爵》やサイドの《闇の裏切り》からも分かるように、Mono Black Devotionを意識した構成になっています。また、サイドに《記憶の熟達者、ジェイス》を採用しているなど、同型との対戦も想定していたようです。サイド後に《記憶の熟達者、ジェイス》《霊異種》を投入してくるMono Blue Devotionに対しても、4枚の《反論》で対抗することができます。

ヴィズコーパの血男爵反論闇の裏切り






Robert Graves 「GU Devotion」 Starcity Invitational Indianapolis スタンダード部門7-1

9 《森》
3 《島》
4 《繁殖池》
4 《神秘の神殿》
4 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《森の女人像》
4 《旅するサテュロス》
4 《炎樹族の使者》
2 《恭しき狩人》
3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
2 《狩猟の神、ナイレア》
2 《高木の巨人》
2 《クルフィックスの預言者》
2 《首席議長ゼガーナ》

-クリーチャー(29)-
3 《サイクロンの裂け目》
4 《獣の統率者、ガラク》

-呪文(7)-
3 《ナイレアの信奉者》
3 《反論》
2 《霧裂きのハイドラ》
2 《霊異種》
2 《茨潰し》
2 《タッサの二叉槍》
1 《魔女跡追い》

-サイドボード(15)-
hareruya


惜しくもトップ8入賞は果たせなかったものの、スタンダード部門で7-1と優秀な成績を残していました。緑系のDevotionデッキは単色やプロツアー・テーロスでも入賞していた赤緑が知られていますが、Robert Gravesは青を2色目に選んでいます。

青を足すことで、相手側の場を平らにできる《サイクロンの裂け目》や、《高木の巨人》をはじめとする緑の大型クリーチャーがお供にいればカードを大量に引くことができる《首席議長ゼガーナ》、自分のターンと相手のターンにマナを使用することを可能にさせクリーチャーを『瞬速』で出せるようにする《クルフィックスの預言者》にアクセスできるようになりました。このデッキなら《サイクロンの裂け目》を超過でキャストするのも容易です。

ですが、青を足したメリットはメインの変化よりも、サイドに採用されているカウンターの《反論》や、小粒のマナクリーチャーを脅威に変える《タッサの二叉槍》、青の定番のフィニッシャーの《霊異種》にアクセスできることだと思います。これらのカードはEsper Controlに対して強く、相性をひっくり返せる可能性を秘めています。

首席議長ゼガーナクルフィックスの預言者ニクスの祭殿、ニクソス





SCGO Los Angeles トップ8 デッキアーキタイプ

2013年11月3日
1位 Boros Aggro/白単ビートダウン
2位 RW Devotion/赤単
3位 Esper Control/白青黒コントロール
4位 GW Aggro/緑白ビートダウン
5位 BWR Midrange/白黒赤コントロール
6位 Mono Red /赤単
7位 Mono Blue Devotion/信心青単
8位 Naya Control/白赤緑コントロール

Esper ControlとMono Black Devotionが優勢だった前回とはうって変わって、ビートダウンの活躍が目立ったSCGO Los Angeles。優勝はBoros Aggroでした。

印象的だったのは、現環境のトップメタのMono Black Devotionが今大会では一人もトップ8に残らなかったことです。ライフを支払うことが多く、単体除去が中心でスイーパーを採用していないので、軽いクリーチャーを大量に高速展開してくるMono Redや除去を弾く手段を多数搭載しているBoros Aggroが存在するメタでは分が悪かったことが予想できます。



SCGO Los Angeles デッキ解説

「Boros Aggro」「RW Devotion」


Ben Lundquist 「Boros Aggro」 SCGO Los Angeles (1位)

10 《平地》
4 《聖なる鋳造所》
4 《凱旋の神殿》
4 《変わり谷》

-土地(22)-

4 《ボロスの精鋭》
4 《ドライアドの闘士》
4 《万神殿の兵士》
4 《果敢なスカイジェク》
4 《管区の隊長》
2 《アゾリウスの拘引者》
4 《前線の衛生兵》

-クリーチャー(26)-
4 《精霊への挑戦》
4 《ボロスの魔除け》
3 《群れの統率者アジャニ》
1 《ヘリオッドの槍》

-呪文(12)-
4 《鬼斬の聖騎士》
3 《放逐する僧侶》
2 《異端の輝き》
2 《燃え立つ大地》
1 《摩耗+損耗》
1 《ミジウムの迫撃砲》
1 《戦導者のらせん》
1 《平和な心》

-サイドボード(15)-
hareruya


今大会のデッキテクとしても紹介されています。

使用者はSCG Invitational Atlantaでもトップ8に入賞していた強豪プレイヤーのBen Lundquist。インタビューによればスタンダードからは遠ざかっており、現環境の経験の少なさからEsper Controlなどを使うのは不利と判断したようで、Esper ControlやMono Black Devotionに対して有利な要素を含むビートダウンデッキを選択したようです。

デッキは白ウイニーに赤をタッチした構成です。赤を足したことで直接火力や相手のスイーパーや除去を弾くことのできる《ボロスの魔除け》にアクセスできるのが最大の魅力です。メインに《ヘリオッドの槍》よりも優先して採用されている《群れの統率者アジャニ》の-3能力は白ウイニーにとっての永遠の課題であった最後の数点を削ることを容易にしてくれます。

《精霊への挑戦》は相手の単体除去を実質カウンターすることが可能なほか、ビートダウン同士の対戦での膠着状態を突破するのにも役に立ちます。サイドは特殊地形を多数搭載したEsper Controlに対して強い《燃え立つ大地》や、Mono Blue Devotionの《波使い》を除去できる《放逐する僧侶》、Mono Black DevotionやMono Redに対してはHex Proof持ちのクリーチャーと同様に扱える《鬼斬の聖騎士》が採用されています。

万神殿の兵士群れの統率者アジャニボロスの魔除け






James Gates 「RW Devotion」 SCGO Los Angeles (2位)

11 《山》
4 《聖なる鋳造所》
4 《凱旋の神殿》
2 《ボロスのギルド門》
4 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(25)-

4 《ラクドスの哄笑者》
4 《炎樹族の使者》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《灰の盲信者》
4 《ボロスの反攻者》
4 《モーギスの狂信者》
4 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(28)-
3 《ミジウムの迫撃砲》
1 《岩への繋ぎ止め》
3 《パーフォロスの槌》

-呪文(7)-
4 《火飲みのサテュロス》
4 《ボロスの魔除け》
3 《岩への繋ぎ止め》
2 《軍勢の集結》
1 《鍛冶の神、パーフォロス》
1 《ミジウムの迫撃砲》

-サイドボード(15)-
hareruya


こちらも今回のデッキテクとして紹介されています。Ben Lundquistのリストは白をベースにしていたのに対し、James Gatesのリストは赤をベースにしています。《ラクドスの哄笑者》という1マナクリーチャーを採用していることから一見すると高速ビートダウンのようですが、《嵐の息吹のドラゴン》などの大型クリーチャーも採用されていることから、若干中速寄りの構成となっています。白をタッチしていますがメインに採用されている白いカードは1枚の《岩への繋ぎ止め》だけで、サイドボードのカード選択を広める為に白が足されている感じです。

メインに3枚と多めに採用されている《パーフォロスの槌》はEsper ControlやMono Black Devotionがトップメタの現環境では非常に強く、特に置物に触る手段に乏しいMono Black Devotionに対して活躍が期待できます。不要な土地を脅威へと変換することができるので、占術土地とともにビートダウンの悩みの種であったマナフラッドを緩和させる事に貢献しています。《岩への繋ぎ止め》は赤系のデッキにとって対処の困難な 《波使い》や大型クリーチャーの《冒涜の悪魔》をたったの一マナで除去できます。

サイドには追加の《岩への繋ぎ止め》や、除去を弾くことができる《ボロスの魔除け》、Mono Black DevotionやEsper Controlにとって対処の難しい《軍勢の集結》、追加の1マナクリーチャーの《火飲みのサテュロス》が採られています。《火飲みのサテュロス》はEsper Control等に対してデッキの速度を上げる為にサイドインされるようです。

パーフォロスの槌岩への繋ぎ止め火飲みのサテュロス





SCG Classic Charlotte トップ8 デッキアーキタイプ

2013年11月3日
1位 Esper Control/白青黒コントロール
2位 Esper Control/白青黒コントロール
3位 UWR Control/白青赤コントロール
4位 Esper Control/白青黒コントロール
5位 Mono Red/赤単
6位 Mono Black Devotion/黒単
7位 Esper Control/白青黒コントロール
8位 GR Devotion/赤緑怪物

SCGO Los Angelesの裏番組として行われたSCG Classic Charlotteはコントロール祭りでした。特にEsper Controlはトップ8の半分を占めるという凄まじいパフォーマンスでした。他には《スフィンクスの啓示》を使ったコントロールデッキのバリエーションとしてUWR Controlも入賞していました。



SCG Classic Charlotte デッキ解説

「UWR Control」「Mono-Red Aggro」


Gabe FormyDuval 「UWR Control」 SCG Classic Charlotte (3位)

6 《島》
1 《平地》
4 《神聖なる泉》
4 《聖なる鋳造所》
4 《蒸気孔》
4 《凱旋の神殿》
3 《アゾリウスのギルド門》

-土地(26)-

1 《霊異種》

-クリーチャー(1)-
4 《アゾリウスの魔除け》
2 《変化+点火》
1 《イゼットの魔除け》
3 《解消》
3 《スフィンクスの啓示》
2 《予言》
4 《至高の評決》
2 《戦導者のらせん》
4 《拘留の宝球》
2 《軍勢の集結》
4 《思考を築く者、ジェイス》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(33)-
2 《摩耗+損耗》
2 《ミジウムの迫撃砲》
2 《否認》
2 《神々の憤怒》
2 《真髄の針》
2 《記憶の熟達者、ジェイス》
1 《異端の輝き》
1 《戦導者のらせん》
1 《軍勢の集結》

-サイドボード(15)-
hareruya


前環境では《修復の天使》《瞬唱の魔道士》など、優秀な『瞬速』持ちのクリーチャーを駆使したUWR Flashが存在しましたが、これらのカードの退場により、青いコントロールといえば今大会でも大活躍だったEsper Controlが中心となりました。

ですが今回Gabe FormyDuval は、新環境用にチューンしたUWR Controlで見事入賞を果たしました。環境的に強い《軍勢の集結》にアクセスできることが魅力です。何度も話題に挙げていますが《軍勢の集結》は特にMono Black Devotionに対して強く、現環境で赤白を使うなら採用することを強くお勧めします。《Turn》は緑の大型クリーチャーや《ヴィズコーパの血男爵》を除去することができる優秀なスペルです。プレインズウォーカー対策も《英雄の破滅》には敵いませんが直接火力の《戦導者のらせん》と、定番の《拘留の宝球》があります。

サイドにはコントロールミラー用の追加のフィニッシャーの《記憶の熟達者、ジェイス》や、相手の《拘留の宝球》を除去できる《Tear》《異端の輝き》、追加の除去スペルの《ミジウムの迫撃砲》《神々の憤怒》が見られます。

軍勢の集結変化+点火戦導者のらせん






Zach Mcmicheaux 「Mono-Red Aggro」 SCG Classic Charlotte (5位)

22 《山》

-土地(22)-

4 《火飲みのサテュロス》
3 《ラクドスの哄笑者》
2 《軍勢の忠節者》
4 《炎樹族の使者》
4 《灰の盲信者》
4 《ボロスの反攻者》
2 《チャンドラのフェニックス》
4 《モーギスの狂信者》
2 《鍛冶の神、パーフォロス》

-クリーチャー(29)-
4 《稲妻の一撃》
4 《マグマの噴流》
1 《パーフォロスの槌》

-呪文(9)-
4 《頭蓋割り》
2 《ミジウムの迫撃砲》
2 《反逆の行動》
2 《向こう見ずな技術》
2 《真髄の針》
2 《紅蓮の達人チャンドラ》
1 《漸増爆弾》

-サイドボード(15)-
hareruya


《軍勢の忠節者》等1マナのクリーチャーを多目に採用した軽めの構成の赤単色のビートダウンです。構成上、早い段階から大量のクリーチャーを展開するのでコントロール側もスイーパーが間に合わないこともあり、特にタップインランドを多く採用しているEsper Controlに対して相性の良い構成です。

軍勢の忠節者炎樹族の使者モーギスの狂信者





総括

SCGO IndianapolisはEsper Controlの優勝で幕を閉じました。同時進行で行われていたSCG Invitational IndianapolisではMono Black Devotion, Mono Blue Devotion, Esper Controlが人気でスタンダード部門で優秀な成績を収めていました。メタがある程度固まってきた印象がありましたが、優勝したBrad Nelsonが使用していたNaya Controlやスタンダード部門で7-1という優秀な成績を残したUG Devotionなど、まだまだ研究の余地がありそうです。

そして、その翌週に行われたSCGO Los AngelesではInvitationalでトップメタだったMono Black Devotionは全滅で、Esper Controlに対抗する為にメインから《ボロスの魔除け》等を搭載したRW aggroが優勝しました。ビートダウンが多いトップ8で、それぞれが除去に対して何らかの対策手段を採用していました。その裏番組として行われていたSCG Classic CharlotteはSCGO Los Angelesと大きく異なり、コントロールが中心のメタでした。

以上SCGO Indianapolis, SCG Invitational Indianapolis, SCGO Los Angeles, SCG Classic Charlotteの解説でした。

それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!