皆さんこんにちは。
プロツアー・テーロスから早2週間近く経ちますが皆さんどうお過ごしですか?
日本人プレイヤーでは山本 賢太郎さんと三原 慎仁さんがトップ8に入賞しました。
新環境のスタンダードで行われたSCGOが既に二つ終了していましたが、ISDローテーション後のスタンダードはM10ランドの退場によって激変しており試行錯誤の段階でした。そんな中プロツアー・テーロスはスタンダードで行われました。
今回のプレイオフはアメリカのトッププレイヤーでStarcitygamesのプレミア記事のライターであるSam Blackやプロツアーに復帰し見事にトップ8入りを果たしたコントロールマスターのGuillame Wafo-Tapa等に加え、日本勢からトップ8入りを果たした山本さんと三原さんの試合等見応え満載です。
プロツアー・テーロス トップ8 デッキアーキタイプ
2013年10月11日-13日
1位 Mono Blue Devotion/信心青単
2位 Mono Blue Devotion/信心青単
3位 Mono Blue Devotion/信心青単
4位 GR Devotion/赤緑怪物
5位 Esper Control/白青黒コントロール
6位 BW Midrange/白黒コントロール
7位 Mono Black Devotion/黒単
8位 Mono Red Devotion/赤単
テーロスのメカニックの一つであるDevotionは予想以上に強力だったようです。トップ8の内なんと6名のプレイヤーがDevotionを活用したデッキでした。その中でもMTG MadnessのメンバーやStarcityのメンバーが持ち込んだMono Blue Devotionのパフォーマンスは凄まじく同デッキはトップ8に3名送り込む強さを見せ、優勝を果たしました。
Devotionというメカニック自体が単色での構築を促しているのは勿論の事M10ランドの退場の影響は大きく3色以上でのデッキ構築は依然と比べて色事故やタップインランドによるテンポロスのリスクが大きいようです。その為、上位入賞デッキは5位のEsper Controlを除いて単色または2色で構成されています。
プロツアー・テーロス デッキ解説
「Mono Blue Devotion」「Mono Black Devotion」「GR Devotion」
「Esper Control」「BW Midrange」
21 《島》 3 《変わり谷》 -土地(24)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《潮縛りの魔道士》 2 《前兆語り》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(30)- |
2 《サイクロンの裂け目》 1 《分散》 1 《タッサの二叉槍》 2 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(6)- |
3 《霜の壁》 3 《否認》 2 《霊異種》 2 《漸増爆弾》 2 《思考を築く者、ジェイス》 1 《トリトンの戦術》 1 《真髄の針》 1 《変わり谷》 -サイドボード(15)- |
20 《島》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(25)- 4 《雲ヒレの猛禽》 4 《審判官の使い魔》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《潮縛りの魔道士》 1 《前兆語り》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(29)- |
2 《サイクロンの裂け目》 3 《タッサの二叉槍》 1 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(6)- |
3 《急速混成》 3 《反論》 3 《思考を築く者、ジェイス》 2 《霊異種》 2 《否認》 1 《前兆語り》 1 《解消》 -サイドボード(15)- |
ヨーロッパのプロチームMTG MadnessとアメリカのプロチームのStarcityはカード選択の細部こそ異なりますが共に同様のコンセプトのMono Blue Devotionで入賞しました。
《雲ヒレの猛禽》や《潮縛りの魔道士》、《夜帷の死霊》等の軽いクリーチャーを展開していきつつ青への信心を高め大量のトークンを並べる《波使い》と自軍のクリーチャーをアンブロッカブルにすることができる《海の神、タッサ》で勝利します。《海の神、タッサ》は《拘留の宝球》以外ではほぼ除去されず、占術は信心を高めるのに必要なクリーチャーやフィニッシャーの《波使い》を引く確率を高めます。デッキの構成上Mono RedやGW Aggroに対して有利で《至高の評決》を等のスイーパーや《破滅の刃》等の除去を大量に搭載したEsper Controlに対しては分が悪いようです。
両者共にコントロールにとって戦闘で破壊することが難しく除去手段も限られている《思考を築く者、ジェイス》を初め、カード単体のパワーが高く除去耐性の高い《霊異種》や打消し呪文の《反論》《否認》を採用する等、ほぼ青単コントロールへの変形サイドボードと言ってもよいほどの大胆な戦略を採っています。青単色の高速ビートダウンだと思った相手の意表を突いたクレバーな戦略で、特にデッキの正体が明らかになっていない初日では相手側も見極めるのは困難だったことが大いに予想できます。
優勝したJeremy Dezani のリストは緑系のアグロよりもコントロールやMono Redとの対戦を意識していたようでメインに《思考を築く者、ジェイス》が多目に採用されています。メインでは4枚目の《変わり谷》よりも《島》を優先的に採用しておりマナ基盤の安定を重視しています。《潮縛りの魔道士》や《夜帷の死霊》等色拘束の強いカードが多くデッキの構成上カーブに沿った展開が望ましいので順当な選択と言えます。《霜の壁》や《漸増爆弾》等アグロに対して有効なカードをサイドに多目に採っているのも特徴です。
Sam Blackのリストは《変わり谷》を4枚メインに採用しています。また、 25枚目の土地として《ニクスの祭殿、ニクソス》がメインに1枚だけ採用されています。信心を高めた際は大量のマナを生み出すことが可能で《サイクロンの裂け目》を超過でキャストして相手の場を平らにした後にアタックして勝利というシナリオも実現し易くなります。Sam Blackはクリーチャーに依存するもののコントロールに対してアドバンテージを稼ぐことができる《タッサの二叉槍》をメインに3枚と多目に採っています。
16 《沼》 4 《静寂の神殿》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(25)- 2 《群れネズミ》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 1 《死者の神、エレボス》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 4 《破滅の刃》 2 《肉貪り》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 2 《エレボスの鞭》 -呪文(20)- |
4 《ザスリッドの屍術師》 4 《ファリカの療法》 4 《強迫》 1 《肉貪り》 1 《死者の神、エレボス》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
信心ギミックを活用した黒単色の中速デッキ。ハンデスや除去でゲームをコントロールしつつ《地下世界の人脈》や《死者の神、エレボス》でアドバンテージを稼ぎます。このデッキの《エレボスの鞭》は《再活性》として使うよりも《地下世界の人脈》や《思考囲い》で失ったライフを回復させる手段として採用されているようです。
《アスフォデルの灰色商人》は《エレボスの鞭》との相性も抜群です。《アスフォデルの灰色商人》でチャンプブロックして墓地に落とした返しのターンに《エレボスの鞭》で場に戻して相手のライフを大量にドレインという事もできるので、《アスフォデルの灰色商人》と《エレボスの鞭》が場に揃ってしまえば相手も迂闊に大型クリーチャーでアタックにいけなくなります。《アスフォデルの灰色商人》を活用するために黒への信心を集める事は勿論重要ですがこのデッキは信心ギミックに依存せずとも十分機能するような構成になっています。
9 《森》 2 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 4 《旅するサテュロス》 4 《炎樹族の使者》 3 《漁る軟泥》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 2 《狩猟の神、ナイレア》 3 《高木の巨人》 -クリーチャー(28)- |
3 《ドムリ・ラーデ》 2 《歓楽者ゼナゴス》 4 《獣の統率者、ガラク》 -呪文(9)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 2 《不毛の地のバイパー》 2 《ナイレアの信奉者》 2 《燃え立つ大地》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《霧裂きのハイドラ》 1 《森林の始源体》 1 《破壊的な享楽》 1 《歓楽者ゼナゴス》 -サイドボード(15)- |
《ニクスの祭殿、ニクソス》をフル投入したDevotionを利用したコンボデッキ。《旅するサテュロス》を使って《ニクスの祭殿、ニクソス》をアンタップすれば大量のマナを生み出すことができます。そのマナを使って《世界を喰らう者、ポルクラノス》を場に出して怪物化させて相手の場を壊滅させたり《狩猟の神、ナイレア》の能力で自軍のクリーチャーを強化させます。
1ターン目に《エルフの神秘家》2ターン目に《炎樹族の使者》2枚と《ニクスの祭殿、ニクソス》で2ターン目にして5マナを生み出すことができ《世界を喰らう者、ポルクラノス》や《狩猟の神、ナイレア》を2ターン目にプレイすることが可能になります。マナを大量に生み出すことのできるこのデッキでは6マナと重めの《獣の統率者、ガラク》もカードアドバンテージエンジンとして活用することが容易です。
サイドボードにもいくつか興味深いアプローチがされています。《不毛の地のバイパー》は《世界を喰らう者、ポルクラノス》と組み合わせは相手の場を一気に壊滅させることが可能でクリーチャーサイズが大きめな緑系のクリーチャーデッキに対して有効です。Mono Blue Devotionがメタに存在することを想定していたようで《霧裂きのハイドラ》も採用されています。コントロールに対しては追加のPWの《歓楽者ゼナゴス》と《紅蓮の達人チャンドラ》に加えて《森林の始源体》が採用されています。《ナイレアの信奉者》はMono Red等の高速ビートダウンに対してサイドインされます。
4 《島》 2 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 4 《欺瞞の神殿》 4 《静寂の神殿》 -土地(26)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
2 《思考囲い》 4 《破滅の刃》 4 《アゾリウスの魔除け》 4 《英雄の破滅》 3 《解消》 3 《スフィンクスの啓示》 2 《予言》 4 《至高の評決》 1 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(33)- |
4 《万神殿の兵士》 2 《罪の収集者》 2 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《否認》 2 《拘留の宝球》 1 《霊異種》 1 《思考囲い》 1 《反論》 -サイドボード(15)- |
RTRブロックでも活躍していた青白黒の重コントロールデッキ。コントロールマスターのWafo-tapaらしく独特の調整が加えられています。
まず特徴的なのはマナ基盤。《欺瞞の神殿》と《静寂の神殿》の2種類の占術ランドが4枚ずつ採用されています。軽いドロースペルであった《熟慮》を失ったこのデッキの安定性を支えます。前半は土地が並べやすくなり、後半はマナフラッドを防止させます。《思考囲い》以外では1ターン目のアクションが無いのでタップインなことも見た目よりは気になりません。メインからのEnchantment対策が増加したことと《加護のサテュロス》等の瞬足持ちクリーチャーや《変わり谷》の存在から《拘留の宝球》がメインから削られ、代わりにクリーチャーとPWをインスタントスピードで除去できる《英雄の破滅》がフル投入されています。《破滅の刃》と合わせて単体除去8枚体制で相手の脅威は打ち消しよりも除去することを重視しています。《スラーグ牙》のように場から離れた時も能力を誘発させる能力を持つクリーチャーがいなくなったことも大きいと思います。コントロールとの同系を意識していたようで《思考囲い》が2枚メインに採用されています。
サイドには各種GOD対策に追加の《拘留の宝球》が採られています。他には《万神殿の兵士》がフル投入されていることが特徴です。Mono Red等の速攻デッキに対してサイドインされるようでプロテクション多色は相手の《ラクドスの哄笑者》や《炎樹族の使者》がピタリと止まります。相手のサイドボードによっては同系でも追加の脅威としてサイドインされるかもしれません。サイド後は相手も除去を減らしてくることが予想されるので《アゾリウスの魔除け》や《拘留の宝球》で触れない事も合わせて考慮に値します。
7 《平地》 6 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《静寂の神殿》 4 《オルゾフのギルド門》 1 《変わり谷》 -土地(26)- 4 《万神殿の兵士》 4 《管区の隊長》 2 《罪の収集者》 4 《冒涜の悪魔》 3 《幽霊議員オブゼダート》 1 《ヴィズコーパの血男爵》 -クリーチャー(18)- |
4 《思考囲い》 3 《破滅の刃》 4 《英雄の破滅》 3 《骨読み》 1 《エレボスの鞭》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(16)- |
3 《鬼斬の聖騎士》 2 《生命散らしのゾンビ》 2 《罪の収集者》 1 《ヴィズコーパの血男爵》 1 《肉貪り》 1 《破滅の刃》 1 《今わの際》 1 《ファリカの療法》 1 《地下世界の人脈》 1 《真髄の針》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
今回入賞したチームStarcityのメンバーのPaul Rietzl や9位に入賞したPatrick Chapinらが持ち込んだ白黒の中速ビートダウンデッキ。《冒涜の悪魔》や《幽霊議員オブゼダート》等の中スペルをハンデスや除去、《エレボスの鞭》でサポートしていきます。サイドには《ファリカの療法》等4種類の除去が散らされているのが特徴です。
SCGO Milwaukee トップ8 デッキアーキタイプ
2013年10月13日
1位 RG Monsters/赤緑怪物
2位 Mono Red/赤単
3位 Esper Control/白青黒コントロール
4位 RW Aggro/赤白ビートダウン
5位 GW Aggro/緑白ビートダウン
6位 BWR Midrange/白黒赤コントロール
7位 GW Aggro/緑白ビートダウン
8位 RW Aggro/赤白ビートダウン
PTテーロスと同時進行だった今回のSCGO Milwaukee。まだPTが進行中だった為情報が入っておらずメタが異なります。RW Aggro等赤系のビートダウンデッキの活躍が目立ちました。
SCGO Milwaukee デッキ解説
「RG Monsters」「RW Aggro」
8 《森》 6 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 4 《森の女人像》 3 《漁る軟泥》 4 《燃えさし呑み》 3 《ゴーア族の暴行者》 3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 2 《自由なる者ルーリク・サー》 -クリーチャー(27)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 4 《ドムリ・ラーデ》 3 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(10)- |
3 《神々の憤怒》 3 《漸増爆弾》 2 《霧裂きのハイドラ》 2 《燃え立つ大地》 2 《真髄の針》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 1 《破壊的な享楽》 -サイドボード(15)- |
今回優勝したZach Stern のリストはPTテーロスで入賞していたリストと異なりコンボ要素は無く、赤緑中速ビートダウン寄りの構成になっています。
メインは《自由なる者ルーリク・サー》を採用する等コントロールに対して有利になるように調整されていますがサイドには《漸増爆弾》、《神々の憤怒》等アグロに対しても有効なカードが多数積まれています。
13 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 4 《火飲みのサテュロス》 4 《ラクドスの哄笑者》 4 《灰の盲信者》 4 《チャンドラのフェニックス》 4 《ボロスの反攻者》 4 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(24)- |
4 《稲妻の一撃》 3 《ボロスの魔除け》 2 《ミジウムの迫撃砲》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -呪文(11)- |
3 《凍結燃焼の奇魔》 3 《ショック》 3 《岩への繋ぎ止め》 2 《ミジウムの迫撃砲》 1 《軍勢の刃、タージク》 1 《ボロスの魔除け》 1 《チャンドラの憤慨》 1 《摩耗+損耗》 -サイドボード(15)- |
Mono Redに《ボロスの魔除け》と《岩への繋ぎ止め》の為に白を足したバージョンです。《ボロスの魔除け》はコントロール相手に4点火力でPWを除去したり自軍のクリーチャーを全体除去などから護ったりと用途の広いカードです。《岩への繋ぎ止め》はこのタイプのデッキにとってキツイ《冒涜の悪魔》等の大型クリーチャー対策になります。《嵐の息吹のドラゴン》を採用する等中速寄りの構成になっています。
SCGO Seattle トップ8 デッキアーキタイプ
2013年10月20日
1位 UW Control/白青コントロール
2位 BW Midrange/白黒コントロール
3位 GR Devotion/赤緑怪物
4位 Esper Control/白青黒コントロール
5位 BG Midrange/黒緑コントロール
6位 BW Midrange/白黒コントロール
7位 Mono Red Devotion/赤単
8位 GR Devotion/赤緑怪物
PTテーロス直後に行われたSCGO Seattle。PTでも活躍していたMono Blue Devotionは今大会のトップメタでしたが、勝ち残ったデッキは優勝したUW Control等全体除去を採用したコントロールデッキでした。他にはPTでも活躍していたRG DevotionやBW Midrange等が入賞していました。
SCGO Seattle デッキ解説
「UW Control」「BG Midrange」「BW Midrange」
8 《島》 8 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《アゾリウスのギルド門》 2 《変わり谷》 -土地(26)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
1 《急かし》 2 《中略》 4 《アゾリウスの魔除け》 2 《本質の散乱》 2 《天界のほとばしり》 3 《予言》 3 《解消》 4 《スフィンクスの啓示》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(33)- |
4 《今わの際》 2 《鋤引きの雄牛》 2 《払拭》 2 《否認》 2 《異端の輝き》 2 《真髄の針》 1 《霊異種》 -サイドボード(15)- |
優勝したJesse HamptonがMono Blue Devotion対策として選択したのは、場のクリーチャーを速やかに除去し青への信心を増やされる事を防ぐことでした。青への信心が足りなければ《海の神、タッサ》も占術付の只の置物と化します。《至高の評決》にアクセスできるUW ControlやEsper Controlは今大会ではベストチョイスだったようです。
今回優勝したJesse Hampton のリストはメインの勝ち手段は《霊異種》のみです。 《思考を築く者、ジェイス》の能力で相手の勝ち手段を奪えるとは言えかなり思い切った構成だと言えます。サイドは追加の除去の《今わの際》やフィニッシャーの《霊異種》等オーソドックスな構成です。
10 《沼》 7 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《静寂の神殿》 -土地(25)- 3 《贖罪の高僧》 4 《生命散らしのゾンビ》 4 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 2 《幽霊議員オブゼダート》 1 《ヴィズコーパの血男爵》 -クリーチャー(18)- |
3 《肉貪り》 3 《破滅の刃》 1 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 2 《骨読み》 2 《地下世界の人脈》 2 《エレボスの鞭》 -呪文(17)- |
4 《強迫》 4 《思考囲い》 3 《罪の収集者》 1 《究極の価格》 1 《死者の神、エレボス》 1 《真髄の針》 1 《漸増爆弾》 -サイドボード(15)- |
PTでも入賞していたMono Black Devotionに白を足した型のようです。《贖罪の高僧》はMono Blue Devotion等のアグロデッキに対して優秀なブロッカーとして機能します。白を足したことにより《幽霊議員オブゼダート》や《ヴィズコーパの血男爵》等のより強力なフィニッシャーにアクセスできるようになったのは魅力です。
メインでは黒の定番の《思考囲い》が不採用で除去が多目なのが特徴です。コントロール相手に無駄になり易い除去が多いためサイドには《思考囲い》と《強迫》が4枚ずつ採用されています。《罪の収集者》も含めると合計11枚のハンデスを搭載しているのが特徴です。
11 《沼》 3 《森》 4 《草むした墓》 4 《ゴルガリのギルド門》 3 《変わり谷》 -土地(25)- 3 《漁る軟泥》 4 《生命散らしのゾンビ》 3 《夜帷の死霊》 2 《荒野の収穫者》 2 《冒涜の悪魔》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(18)- |
4 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 3 《究極の価格》 3 《英雄の破滅》 2 《地下世界の人脈》 1 《エレボスの鞭》 -呪文(17)- |
2 《空殴り》 2 《骨読み》 2 《真髄の針》 2 《漸増爆弾》 1 《霧裂きのハイドラ》 1 《肉貪り》 1 《究極の価格》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《ファリカの療法》 1 《地下世界の人脈》 1 《憑依された板金鎧》 -サイドボード(15)- |
Harrison Hite のリストはMono Black Devotionに緑を足したバージョンです。緑を足したことにより他のクリーチャーが墓地におかれた際に占術を発動させる《荒野の収穫者》や相手の《エレボスの鞭》を牽制する《漁る軟泥》、除去の《突然の衰微》、《ゴルガリの魔除け》にアクセスが可能になりました。特に《ゴルガリの魔除け》はMono Blue Devotionのエレメンタルトークンを一掃したり同系において相手の除去から自軍のクリーチャーを守ったり《地下世界の人脈》を除去したりと優秀なスペルです。
サイドにはソーサリースピードの除去に耐性があり中盤以降は《生命散らしのゾンビ》等を強化できる《憑依された板金鎧》やMono Blue Devotionに有効な《霧裂きのハイドラ》《空殴り》等が採用されています。《漸増爆弾》や《ファリカの療法》等除去の種類が豊富なのも特徴です。
GP Louisville トップ8 デッキアーキタイプ
2013年10月19日-20日
1位 Mono Black Devotion/黒単
2位 RG Monsters/赤緑怪物
3位 Mono Blue Devotion/信心青単
4位 Esper Control/白青黒コントロール
5位 Mono Blue Devotion/信心青単
6位 Mono Black Devotion/黒単
7位 Mono Black Devotion/黒単
8位 Esper Control/白青黒コントロール
PTテーロスの直後に行われたGP LouisvilleはPT からわずか一週間という短い期間だったのにも拘らずメタが変化していました。
Mono Blue Devotionは数多く存在しましたがPT テーロスからの印象が強すぎたのか対策をされ先週ほどの活躍はできませんでした。しかし対策の嵐の中であっても、PT テーロスでも入賞していたSam Blackも含めて2人送り込むパフォーマンスを見せました。
今大会の勝ち組は優勝者を含めてトップ8に3人送り込んだMono Black Devotionでした。今大会をMono Black Devotionで入賞したBrian Braun-Duin (BBD)、Brad Nelson, Todd Andersonはプロツアーでも活躍したチームStarcityのメンバーで、個々のカードの枚数こそ僅かに違いはありますがほぼ同様のリストでの入賞です。
SCGO Worcester デッキ解説
「Mono Black Devotion」「Mono Blue Devotion」「Esper Control」「UW Control」
19 《沼》 2 《欺瞞の神殿》 4 《変わり谷》 -土地(25)- 2 《群れネズミ》 4 《夜帷の死霊》 4 《冒涜の悪魔》 1 《死者の神、エレボス》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(15)- |
4 《思考囲い》 2 《肉貪り》 2 《破滅の刃》 2 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 4 《地下世界の人脈》 2 《エレボスの鞭》 -呪文(20)- |
3 《生命散らしのゾンビ》 3 《強迫》 2 《群れネズミ》 2 《肉貪り》 2 《破滅の刃》 1 《死者の神、エレボス》 1 《闇の裏切り》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
今回優勝したBBDのリストはPT テーロスでもトップ8に入賞していた山本 賢太郎さんと同タイプのMono Black Devotionです。RTRのリミテッドフォーマットでも猛威を振るった《群れネズミ》をサイドボードに2枚追加で採用しています。《群れネズミ》は同系や中速デッキに対して強く、特に同系では《破滅の刃》では除去されないのでこれ一体とマナがあればそれだけで場を制圧できるポテンシャルを秘めています。相手の《冒涜の悪魔》も毎ターントークンを生産すれば寝かし続けることができます。同系との対戦も想定していたようで、メインの《破滅の刃》の枚数を減らして《究極の価格》を採用しています。
もう一つの大きな変化は メインの《夜帷の死霊》です。《破滅の刃》にも《究極の価格》でも除去されないので同系やコントロールに対して強く、Mono Blue Devotionの《夜帷の死霊》もブロックできます。緑系のデッキよりも同系やMono Blue Devotionと多く当たることが想定されていたようで、《生命散らしのゾンビ》はサイドに落とされています。
20 《島》 4 《変わり谷》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -土地(25)- 4 《雲ヒレの猛禽》 2 《審判官の使い魔》 4 《凍結燃焼の奇魔》 4 《潮縛りの魔道士》 4 《海の神、タッサ》 4 《夜帷の死霊》 4 《波使い》 -クリーチャー(26)- |
3 《急速混成》 2 《サイクロンの裂け目》 2 《タッサの二叉槍》 2 《思考を築く者、ジェイス》 -呪文(9)- |
4 《反論》 2 《審判官の使い魔》 2 《思考を築く者、ジェイス》 1 《霊異種》 1 《サイクロンの裂け目》 1 《否認》 1 《解消》 1 《タッサの二叉槍》 1 《家畜化》 1 《ニクスの祭殿、ニクソス》 -サイドボード(15)- |
PTテーロスから連続入賞と絶好調のSam Blackは今大会でもMono Blue Devotionで入賞していました。PTテーロスからメタが変化している事を踏まえメイン、サイド共に若干のマイナーチェンジが施されています。
まず目にするのは1マナドロップの《審判官の使い魔》が減量されていることです。同系ではあまり役に立たずPTでの活躍から同系と当たることは想像に難しくなかったと思うので順当な判断だったと思います。また、クリーチャー除去の《急速混成》がメインに昇格しています。相手に3/3をプレゼントしてしまうデメリットがありますが《潮縛りの魔道士》やタフネス4のブロッカーになる《凍結燃焼の奇魔》を採用しているのでこのデッキでは特に問題になりません。相手の除去に対応して除去されて死ぬ運命にあるクリーチャーを3/3に変化させて攻め続けることも可能です。除去としても追加の脅威としても使える優秀なスペルです。
またサイドの《反論》が4枚に増量されています。同系やEsper Controlに対して優秀な打消し呪文として活躍が期待できるカードです。《家畜化》は同系において相手の《波使い》や《夜帷の死霊》奪う事が可能で、青への信心も一気に溜まります。Mono Black DevotionやMono Red等に対してもサイドインされます。
4 《島》 3 《平地》 4 《神無き祭殿》 4 《神聖なる泉》 4 《湿った墓》 4 《欺瞞の神殿》 4 《静寂の神殿》 -土地(27)- 1 《霊異種》 -クリーチャー(1)- |
1 《思考囲い》 3 《アゾリウスの魔除け》 2 《破滅の刃》 1 《遠隔+不在》 4 《スフィンクスの啓示》 3 《解消》 2 《予言》 2 《英雄の破滅》 4 《至高の評決》 4 《拘留の宝球》 4 《思考を築く者、ジェイス》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
4 《反論》 3 《ヴィズコーパの血男爵》 2 《万神殿の兵士》 2 《思考囲い》 1 《異端の輝き》 1 《否認》 1 《悪夢の織り手、アショク》 1 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
Hall of FamerでStarcityのチームの一員であるWilliam Jensen は今回多くのメンバーがMono Black Devotionを使う中、チームメイトであるReid Dukeが調整を加えたEsper Controlで見事に入賞しました。Reid Dukeも今大会トップ16と優秀な成績を収めていることからこのリストのポテンシャルの高さが伺えます。
PTテーロスで入賞していたGuillaume Wafo-tapa のリストと似ていることから同リストを参考にして調整されたことが予想できます。
メインの土地の枚数が27枚と多目になっています。アグロ相手に《至高の評決》を4ターン目に打つ必要があるのでこの変更には納得です。各種GODや《地下世界の人脈》、《エレボスの鞭》等除去しなければならないパーマネントの増加に伴い再び《拘留の宝球》が4枚メインに採用されています。サイドにはMono Blue Devotionや同系に対してほぼ確定カウンターとして働く《反論》がフル投入されています。Mono Black Devotionが増える事が予想されていたようで《ヴィズコーパの血男爵》が3枚と多目に採られています。
総括
プロツアー・テーロスは新メカニックであるDevotionを活用した単色デッキの活躍が目立ちました。その中でもMono Blue Devotionはプロツアーで優勝、準優勝を果たしました。その翌週に行われたSCGO SeattleとGP Louisvilleではプロツアーでのパフォーマンスから対策され優勝こそ逃しましたがトップ8に二人送り込む活躍を見せました。そして優勝はMono Black Devotionで優勝者を含めて同様トップ8に3名という快挙を成し遂げました。
プロツアー・テーロスと GP Louisville の二つのスタンダードの大きな大会結果から分かったことは、多色が主流だった前環境とは大きく異なり単色寄りの環境になりつつあるということです。Esper Control等一部を除いてはM10ランドのローテーションの影響で安定した多色デッキを作るのは難しく、今後もMono Blue DevotionとMono Black Devotionはトップメタの一角として活躍し続けることが予想されます。今後は最低限これらのデッキの対策だけはしっかりしていきたいところです。
以上プロツアー・テーロスとSCGO Milwaukee、SCGO Seattle、そしてGP Louisville の解説でした。
今回は4つの大会の解説を一気にしましたが、皆さんの参考になれば幸いです。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!