皆さんこんにちは!
先週末にはエターナルフェスティバル2014がありましたが皆さん参加されましたか?アメリカでも先々週にエターナルの祭典であるEternal Weekend 2014があり、Legacy Championship 2014 は500人近くの参加者を出すなど大盛況でした。
さて、今回の記事ではいつものStarCityGames.com Open(SCGO)2週分の結果に加えて第2回BIGMAGIC OPENとLegacy Championship 2014 の結果も見ていきたいと思います。今週末の第一期レガシー神への挑戦者を決めるレガシー神挑戦者決定戦の参考になれば幸いです。
SCGO Minneapolis トップ8
~近年のレガシー環境では珍しく多様性に満ちたトップ8を制したのは《宝船の巡航》入りのJeskai Delver~
2014年10月26日
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1位 Jeskai Delver/パトリオット
2位 Helm Peace/白青奇跡
3位 Lands/土地単
4位 Slivers/カウンタースリヴァー
5位 UR Painter/ペインター
6位 ANT/むかつきストーム
7位 Reanimator/リアニメイト
8位 UR Delver/青赤デルバー
Delver系やElvesなどが多くを占める最近のレガシー環境では珍しく入賞者全員が全て異なるデッキでした。使用されていたアーキタイプもSliversやLandsなどレアなものが多く、ANTやReanimatorといったコンボデッキも見られます。優勝こそ《宝船の巡航》入りのDelver系のバリエーションであるJeskai Delverでしたが、非常に面白い結果となりました。
SCGO Minneapolis デッキ解説
「Jeskai Delver」「Helm Peace」「Slivers」
4 《Tundra》 3 《Volcanic Island》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(10)- | 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《稲妻》 3 《ギタクシア派の調査》 2 《剣を鍬に》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 3 《宝船の巡航》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(30)- | 4 《翻弄する魔道士》 2 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 2 《Wear》 1 《議会の採決》 2 《安らかなる眠り》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
MOでもコンスタントに結果を残し続けているJeskai Delver。《稲妻》と《剣を鍬に》の両方を使用可能な上に《石鍛冶の神秘家》パッケージを採用しているためクリーチャーデッキに強いのが特徴です。
軽いスペルを多用するこのデッキにも《宝船の巡航》はフィットしています。メインの3枚の《宝船の巡航》以外で墓地に特に依存するわけでは無いため、他のDelver系と異なり墓地対策の影響を大きく受けないのが強みで、《安らかなる眠り》にアクセス可能なためにTemur DelverやSultai Delverなどのより墓地に依存したDelver系のデッキに強くなります。
Delver系の中ではクロックが遅いのでこれまではコントロールに対して不利が付いていましたが、《宝船の巡航》で中盤以降のゲームでアドバンテージを稼げるようになり、以前よりも相性が改善された印象です。サイドの《遍歴の騎士、エルズペス》は最近はメインから積まれていることも多く、《紅蓮破》に引っかからない脅威としてMiraclesなどにサイドインされます。
6 《島》 2 《平地》 4 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 2 《乾燥台地》 1 《霧深い雨林》 1 《Karakas》 -土地(23)- -クリーチャー(0)- | 4 《渦まく知識》 3 《剣を鍬に》 1 《対抗呪文》 2 《議会の採決》 2 《天使への願い》 4 《Force of Will》 4 《終末》 4 《相殺》 3 《安らかなる眠り》 2 《エネルギー・フィールド》 4 《師範の占い独楽》 2 《Helm of Obedience》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(37)- | 3 《聖トラフトの霊》 2 《翻弄する魔道士》 2 《狼狽の嵐》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《対抗呪文》 1 《議会の採決》 1 《天使への願い》 1 《至高の評決》 1 《誤った指図》 1 《エネルギー・フィールド》 1 《安らかなる眠り》 -サイドボード(15)- |
惜しくも優勝は逃したものの久々の入賞のHelm Peace。《安らかなる眠り》をメインから無理なく詰めるのがこのバージョンのメリットです。「探査」カードの流行により現在は多くのデッキが墓地をリソースとしているために単体でも無駄カードになりにくいカードで、《Helm of Obedience》との組み合わせで勝ち手段にもなります。
サイドにはコンボ対策として《翻弄する魔道士》、 《ヴェンディリオン三人衆》、追加のクロックとして《聖トラフトの霊》とクリーチャーが多めで、クロックパーミッション風に変形することも可能なようです。以前と比べてSultai系のデッキなど《突然の衰微》を使ったデッキが減少傾向にあるので、置物が除去され難くなったのも勝因だと思われます。
1 《島》 1 《Tropical Island》 1 《Tundra》 1 《Underground Sea》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 4 《魂の洞窟》 3 《スリヴァーの巣》 4 《変わり谷》 -土地(20)- 4 《風乗りスリヴァー》 4 《水晶スリヴァー》 4 《冬眠スリヴァー》 4 《捕食スリヴァー》 4 《筋力スリヴァー》 3 《筋肉スリヴァー》 1 《有翼スリヴァー》 -クリーチャー(24)- | 4 《渦まく知識》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《霊気の薬瓶》 2 《大祖始の遺産》 -呪文(17)- | 3 《スレイベンの守護者、サリア》 3 《暗心スリヴァー》 3 《調和スリヴァー》 2 《誘惑蒔き》 2 《狼狽の嵐》 2 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
懐かしい「カウンタースリヴァー」の現代版。カジュアルな部族という印象のスリヴァーですが、現在はスリヴァーの種類も増えクリーチャーの質の上昇も手伝い、SCGOのような大きな大会でも結果が残せるほどのデッキパワーのようです。
《目くらまし》や《Force of Will》でバックアップしつつ《筋肉スリヴァー》、《捕食スリヴァー》、《筋力スリヴァー》で自軍を強化してビートダウンしていくところまではMerfolkとあまり変わりませんが、《水晶スリヴァー》は全てのスリヴァーを単体除去から守り、《風乗りスリヴァー》は回避能力を与えます。Merfolkの「島渡り」と異なり、相手が青くなくても安定して攻撃を通せるところが強みです。単体除去が中心のレガシーでは《水晶スリヴァー》がいったん場に出るとスイーパー以外では対処が困難で、そのスイーパーに対しても《冬眠スリヴァー》のバウンス能力で仕切りなおすことが可能です。
M15から加入した《スリヴァーの巣》はメインのクリーチャーがスリヴァーのこのデッキではペイライフが必要のない《真鍮の都》です。
サイドの《スレイベンの守護者、サリア》はコンボとの対戦では勿論のこと、Delver系とのマッチアップでも強いクリーチャーです。
Legacy Championship 2014 トップ8
~UR Delverが対策の嵐を潜り抜け2014年度のLegacy Championshipの頂点に~
2014年10月25-26日
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1位 UR Delver/青赤デルバー
2位 Jeskai Delver/パトリオット
3位 Maverick/マーベリック
4位 Jeskai Delver/パトリオット
5位 Tezzereter/テゼレッター
6位 Temur Delver/秘密を掘り下げる者
7位 Sultai Delver/青黒緑アグロ
8位 UR Delver/青赤デルバー
SCGO Minneapolisの結果と大きく異なり、Eternal Weekend 2014は上位8人中6人がDelver系と見事な祭りっぷりでした。優勝したUR Delverをはじめとして今大会入賞を果たした全てのDelver系のデッキに《宝船の巡航》が採用されていることからも、《宝船の巡航》が環境を支配しているのは明らかです。しかし惜しくも優勝は逃したものの3位に入賞していたMaverickと5位入賞のTezzereterは、「探査」の重要なリソースとなる墓地対策も含めて各種Delver系の対策を多めに採っているデッキで、可能性を感じさせます。
Legacy Championship 2014 デッキ解説
「Maverick」「Tezzereter」
1 《森》 4 《Savannah》 2 《Taiga》 1 《ドライアドの東屋》 4 《樹木茂る山麓》 3 《吹きさらしの荒野》 3 《燃え柳の木立ち》 1 《地平線の梢》 1 《Karakas》 3 《不毛の大地》 1 《Maze of Ith》 -土地(24)- 4 《ルーンの母》 1 《極楽鳥》 3 《石鍛冶の神秘家》 1 《漁る軟泥》 1 《スクリブのレインジャー》 1 《復活の声》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 -クリーチャー(17)- | 4 《剣を鍬に》 4 《緑の太陽の頂点》 3 《罰する火》 1 《議会の採決》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 2 《ドムリ・ラーデ》 -呪文(16)- | 2 《赤霊破》 2 《流刑への道》 2 《窒息》 1 《漁る軟泥》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《壌土からの生命》 1 《議会の採決》 1 《森の知恵》 1 《火と氷の剣》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -サイドボード(15)- |
《罰する火》エンジンを搭載したPunishing Maverick。大きな大会の上位で見るのは久々ですが、《罰する火》エンジンはDeath and Taxesなどのクリーチャーデッキに強く、《宝船の巡航》などの高コストの強力なスペルを封じる《ガドック・ティーグ》や、「探査」のために墓地を肥やすことを妨害する《漁る軟泥》を採用しているため、コンボが少なくUR Delverなどの《宝船の巡航》を使ったデッキが多い現在のレガシーでは良い選択です。
サイドには《窒息》や《赤霊破》、フェアデッキにとって対処の難しい《最後のトロール、スラーン》、カードアドバンテージを取れる《森の知恵》を採用するなど、青対策に大きく力を入れています。 部族などのクリーチャーを横に並べるタイプのデッキ対策に《The Tabernacle at Pendrell Vale》も採られています。
1 《冠雪の島》 1 《冠雪の沼》 4 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 1 《ダークウォーターの地下墓地》 1 《闇滑りの岸》 1 《教議会の座席》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(22)- 4 《悪意の大梟》 -クリーチャー(4)- | 3 《Transmute Artifact》 4 《Force of Will》 4 《虚空の力線》 4 《虚空の杯》 4 《ディミーアの印鑑》 2 《威圧のタリスマン》 2 《飛行機械の鋳造所》 1 《弱者の剣》 2 《罠の橋》 1 《三なる宝球》 1 《Helm of Obedience》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 2 《求道者テゼレット》 -呪文(34)- | 3 《毒の濁流》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《磁石のゴーレム》 2 《狼狽の嵐》 1 《仕組まれた疫病》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《漸増爆弾》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
軽いスペルを多用するDelver系のデッキに刺さる《虚空の杯》や対戦相手の墓地に落ちるカードを全て取り除く《虚空の力線》がメインから採用されるなど、強烈に《宝船の巡航》デッキをメタった構成で、墓地をリソースとしないデッキ相手に対しても《虚空の力線/Leyline of the Void(GPT)》を有効活用するために《Helm of Obedience》も採用しています。《Transmute Artifact》や《ボーラスの工作員、テゼレット》、《Tezzeret, the Seeker》でサーチして来ることも可能です。
Thopterコンボも搭載されているためクリーチャーデッキに強い構成ですが、メインからの妨害要素が少ないのでコンボには不利な印象です。サイドには追加のカウンターや《ヴェンディリオン三人衆》《磁石のゴーレム》といった妨害要素を含んだクロックが多く採られています。
第2回BIGMAGIC OPEN(BMO) トップ8
~トップ8は強豪揃い、優勝はEsper Deathblade~
2014年10月25日
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1位 Esper Deathblade/デスブレード
2位 Temur Delver/カナディアン・スレッショルド
3位 Temur Delver/カナディアン・スレッショルド
4位 ANT/むかつきストーム
5位 Sneak and Show/スニーク・ショー
6位 Elves/エルフ
7位 Sultai Delver/青黒緑アグロ
8位 UWR Miracles/白青奇跡
第2回BMOは参加者336人とSCGOに負けないぐらいの大盛況でした。トップ8入賞者は殿堂プレイヤーの津村 健志さんや第1回BMO優勝者の高野 成樹さん、プロツアーサンデー経験者の市川 ユウキさんや井川 良彦さんらが名を連ねる強豪揃いのプレーオフでした。
第2回BIGMAGIC OPEN(BMO) デッキ解説
「RUG Delver」「Sneak and Show」
3 《Volcanic Island》 3 《Tropical Island》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(12)- | 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《もみ消し》 4 《稲妻》 2 《呪文嵌め》 2 《呪文貫き》 1 《二股の稲妻》 1 《Dead》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 -呪文(30)- | 3 《水没》 3 《硫黄の渦》 2 《赤霊破》 2 《Rough》 1 《二股の稲妻》 1 《呪文貫き》 1 《破壊的な享楽》 1 《真髄の針》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
今大会惜しくも優勝は逃したものの準優勝という好成績を残したプラチナプロの市川さんは、以前から使い続けているスレッショルド型のTemur Delverを使用していました。
本人によるインタビュー解説もBIGMAGICのサイトに載せられています。
http://sanc.jp/bmo02/legacy/09.html
http://sanc.jp/bmo02/legacy/11.html
SCGOやLegacy Champsの結果から、アメリカでは《宝船の巡航》加入後はスレッショルドを捨て《宝船の巡航》を活用できるように軽いキャントリップスペルを多めに採用し《若き紅蓮術士》を採用するなど、UR Delverに緑を足したような構成にシフトしていきましたが、日本ではスレッショルド要素を搭載した古典的な型が人気なようです。インタビューによれば元々長期戦に強くないTemur Delverはカードを3枚引いてアドバンテージを稼ぐよりも除去耐性が高い《敏捷なマングース》で攻めるほうが本来の戦略に合っているそうです。
サイドに3枚と多めに積まれた《硫黄の渦》はこのデッキが苦手とするMiraclesに対して決定的なカードで、サイド後に《敏捷なマングース》や《タルモゴイフ》の弱体化を狙った《安らかなる眠り》や追加のクリーチャー除去も怖くありません。最近特にコンボが少ないアメリカのメタでは《宝船の巡航》デッキの陰に隠れがちですが、スレッショルド型のTemur Delverはクロックも速く妨害要素も多いので、メイン、サイド共に妨害要素を減量しているUR Delverの流行に乗じて復権の兆しを見せているコンボデッキに対して強く、構成次第では相性の悪いとされるマッチアップでも互角以上に戦えるポテンシャルを持つデッキで、今大会やエターナルフェステイバル2014でも結果を残していることからも、今後もよく見かけることになりそうです。
2 《島》 1 《山》 3 《Volcanic Island》 2 《Tundra》 4 《沸騰する小湖》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《古えの墳墓》 -土地(19)- 4 《グリセルブランド》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(8)- | 4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《ギタクシア派の調査》 2 《呪文貫き》 2 《目くらまし》 4 《実物提示教育》 4 《Force of Will》 2 《時を越えた探索》 4 《騙し討ち》 3 《水蓮の花びら》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(33)- | 2 《赤霊破》 2 《Tear》 2 《紅蓮地獄》 2 《防御の光網》 1 《イゼットの静電術師》 1 《狼狽の嵐》 1 《紅蓮破》 1 《水流破》 1 《裂け目の突破》 1 《安らかなる眠り》 1 《すべてを護るもの、母聖樹》 -サイドボード(15)- |
もう1つの強力な「探査」スペルである《時を越えた探索》を活用するレガシーを代表するコンボデッキのSneak and Show。《時を越えた探索》はファッティと 《騙し討ち》《実物提示教育》を相手のエンド時に同時に探せるので、中盤以降も安定してコンボを狙えるようになりました。
安田さんはサイドのカードのために白を足しています。《摩耗+損耗》 は《謙虚》などこのデッキにとって厄介な置物を割ることを可能にします。墓地対策の《安らかなる眠り》はこのデッキよりもコンボスピードが速く不利が付くReanimatorやDredgeとの相性を改善させます。
SCGO Oakland トップ8
~《宝船の巡航》デッキの連勝を阻止したのはなんとDredge~
2014年11月2日
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1位 Dredge/発掘
2位 Sultai Delver/青黒緑アグロ
3位 ANT/むかつきストーム
4位 UR Delver/青赤デルバー
5位 Miracles/白青奇跡
6位 Goblins/ゴブリン
7位 Sneak and Show/スニーク・ショー
8位 Lands/土地単
UR Delver,Deathblade,Jeskai Delverと、《宝船の巡航》を採用した青いデッキが勝ち続けていたSCGOでしたが、今大会ではDredgeが優勝を収めました。準決勝ではUR Delver、決勝戦ではSultai Delverと、2つの《宝船の巡航》入りの青いデッキを倒しての優勝です。また、SCGO Minneapolisに引き続いてANTなどのコンボも見られました。
SCGO Oakland デッキ解説
「Dredge」「UR Delver」
4 《セファリッドの円形競技場》 4 《宝石鉱山》 4 《マナの合流点》 -土地(12)- 3 《朽ちゆくインプ》 4 《ゴルガリの凶漢》 4 《ナルコメーバ》 4 《臭い草のインプ》 4 《イチョリッド》 4 《ゴルガリの墓トロール》 -クリーチャー(23)- | 4 《陰謀団式療法》 4 《入念な研究》 4 《信仰無き物あさり》 3 《打開》 1 《暗黒破》 1 《戦慄の復活》 4 《黄泉からの橋》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 -呪文(25)- | 3 《突然の衰微》 3 《水蓮の花びら》 2 《炎の嵐》 2 《トーモッドの墓所》 2 《真鍮の都》 1 《灰燼の乗り手》 1 《エメリアの盾、イオナ》 1 《戦慄の復活》 -サイドボード(15)- |
「探査」を妨害するべく多くのデッキがメインから積んでいる墓地対策の被害を受けるため厳しいと思われていたDredgeでしたが、今大会久々に優勝を果たしました。
Joseph morenoのリストは《暗黒破》がメインから採られているなど、サイドの《突然の衰微》と《炎の嵐》も含めると合計6枚と多めの除去が印象的です。
サイドボードには確実に《突然の衰微》をキャストするために追加の土地とマナアーティファクトの《水蓮の花びら》が採用されています。「探査」やReanimator,同系対策に《トーモッドの墓所》も採用されています。
1 《島》 1 《山》 4 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 3 《霧深い雨林》 2 《汚染された三角州》 1 《樹木茂る山麓》 -土地(16)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《僧院の速槍》 4 《若き紅蓮術士》 -クリーチャー(12)- | 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 2 《紅蓮破》 2 《二股の稲妻》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《宝船の巡航》 -呪文(32)- | 2 《溶解》 2 《血染めの月》 2 《硫黄の渦》 2 《無のロッド》 1 《硫黄の精霊》 1 《電謀》 1 《紅蓮破》 1 《二股の稲妻》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《呪われたトーテム像》 -サイドボード(15)- |
以前からUR Delverを得意としていて何度も入賞を経験している強豪プレイヤーのGlenn Jones。今大会でも当然UR Delverを使用しトップ4まで勝ち残っています。
他のリストと比べて目立つところはわずか16枚にまで減量された土地とメインに採用されている《紅蓮破》です。《紅蓮破》は正直これだけ青いデッキが多いことと《宝船の巡航》をわずか1マナでカウンターすることが可能な点を考えるとメインでも納得です。
サイドには装備品対策で一マナと軽い《溶解》、追加の小型クリーチャー対策の《二股の稲妻》と《電謀》、Elves対策になり「探査」の妨害をしてくる《漁る軟泥》や《死儀礼のシャーマン》をまとめてシャットダウンする《呪われたトーテム像》などが見られます。《無のロッド》はMiraclesの《師範の占い独楽》だけでなくANTの《ライオンの瞳のダイアモンド》や《水蓮の花びら》も止まります。メインの妨害要素が少ないため、Delver系の中ではURはコンボにあまり強いとは言えないためにこういったサイドのコンボ対策は重要です。
《硫黄の精霊》は3マナと土地が少なめのこのデッキにとっては重いカードですが、《迷宮の霊魂》や《スレイベンの守護者、サリア》などこのデッキにとって非常に厄介なクリーチャーを多数採用したDeath and Taxesとのマッチアップで役に立ちます。
エターナルフェスティバル2014
~なんとトップ8に《宝船の巡航》は0枚?優勝はMiracles~
2014年11月1日
1位 Miracles/白青奇跡
2位 UB Reanimator/リアニメイト
3位 Abzan Aggro/アグロロック
4位 Omni-tell/実物提示教育
5位 Temur Delver/カナディアン・スレッショルド
6位 Jund/ジャンド
7位 Temur Delver/カナディアン・スレッショルド
8位 Death and Taxes/デス&タックス
第1期レガシー神の川北 史朗さんの優勝により幕を閉じたエターナルフェスティバル2014。BMOの結果と合わせて見てみたところ、アメリカの大きな大会ではほぼ毎回《宝船の巡航》を使った青いデッキがトップ8の半分を占める結果なのに対し、日本のメタは以前から存在するスレッショルド要素を搭載したTemur Delverやコンボ、Miracles、今回入賞を収めたAbzan AggroやJundなど、デッキの種類が多いのが特徴です。
エターナルフェスティバル2014 デッキ解説
「Miracles」「UB Reanimator」「Jund」
5 《島》 2 《平地》 1 《山》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《乾燥台地》 1 《Karakas》 -土地(23)- 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(1)- | 4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 1 《赤霊破》 1 《紅蓮破》 2 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《議会の採決》 1 《至高の評決》 4 《Force of Will》 3 《終末》 3 《時を越えた探索》 3 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(36)- | 2 《石鍛冶の神秘家》 2 《紅蓮破》 2 《安らかなる眠り》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《青霊破》 1 《狼狽の嵐》 1 《白鳥の歌》 1 《Wear》 1 《紅蓮地獄》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《大祖始の遺産》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
第1期レガシー神の川北 史朗さんは今大会でもMiraclesを使用し見事に優勝を収めました。メインに「探査」カードの《時を越えた探索》を3枚採用しています。メインのクリーチャーはわずか《ヴェンディリオン三人衆》1枚のみで、「探査」との相性を考慮してか《瞬唱の魔道士》は不採用です。
メインはほぼノンクリーチャーですが、サイドには追加の《ヴェンディリオン三人衆》と《石鍛冶の神秘家》パッケージが採用されています。サイド後に除去を減らしてきた相手の意表を突きます。サイドボードの内容を把握していたとしてもこのタイプのデッキに対して除去を残しておくのは難しく、対処は困難です。
賢明なUR DelverのプレイヤーならArtifact除去をサイドインしてくることも考えられるので、《殴打頭蓋》は可能ならば除去を避けられるように3マナ残せる状態で場に出したいところです。
3 《沼》 1 《島》 4 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 1 《湿地の干潟》 1 《沸騰する小湖》 1 《血染めのぬかるみ》 -土地(15)- 4 《朽ちゆくインプ》 1 《墓所のタイタン》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 2 《グリセルブランド》 1 《灰燼の乗り手》 1 《エメリアの盾、イオナ》 -クリーチャー(10)- | 4 《渦まく知識》 4 《入念な研究》 4 《納墓》 4 《再活性》 4 《思考囲い》 3 《暗黒の儀式》 2 《定業》 4 《死体発掘》 2 《強迫》 2 《目くらまし》 2 《動く死体》 -呪文(35)- | 4 《絵描きの召使い》 4 《丸砥石》 3 《Force of Will》 2 《残響する真実》 2 《裏切り者の都》 -サイドボード(15)- |
墓地対策をメインから積むデッキが多くなっている中、惜しくも優勝は逃したものの準優勝を果たしたReanimator。《暗黒の儀式》を採用することでより高速化を図っています。
妨害要素はメインにハンデスが多くカウンターの《Force of Will》はサイドに落とされているのが特徴です。
サイド後は墓地対策に対抗するために《実物提示教育》が採られていることが多いですが、Irieさんは 《絵描きの召使い》+《丸砥石》のコンボを採用しており、奇襲性の高い構成となっています。
1 《沼》 1 《森》 3 《Badlands》 3 《Bayou》 4 《新緑の地下墓地》 3 《汚染された三角州》 1 《樹木茂る山麓》 4 《燃え柳の木立ち》 3 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 3 《ゴブリンの熟練扇動者》 -クリーチャー(15)- | 4 《思考囲い》 3 《稲妻》 4 《突然の衰微》 3 《罰する火》 3 《Hymn to Tourach》 1 《森の知恵》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(22)- | 2 《外科的摘出》 2 《強迫》 2 《赤霊破》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《仕組まれた疫病》 1 《古えの遺恨》 1 《壌土からの生命》 1 《クローサの掌握》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
《罰する火》エンジンを搭載したPunishing Jund。除去の多さからクリーチャーデッキに強いデッキです。
KageyamaさんのリストはなんとレガシーのJundの定番カードである《血編み髪のエルフ》が不採用で、その枠には《ゴブリンの熟練扇動者》が採用されています。スタンダードでは環境のベストクリーチャーの1枚としてJeskaiやMardu, Rabble Redなどで活躍している《ゴブリンの熟練扇動者》ですが、レガシーでも通用する強さのようです。
《ヴェールのリリアナ》は最近のレガシーでは相手の墓地を肥やしてしまい「探査」の手助けをしてしまうリスクもあり、トークンを生み出す 《若き紅蓮術士》の使用率の上昇と共に数を減らしていますが、今大会優勝を果たしたMiraclesや日本ではまだまだ根強い人気で大きな大会では常に一定数存在するTemur Delverに対して強いカードです。
総括
SCGO Minneapolis, Legacy Championship2014, 第2回BMO、SCGO Oakland, エターナルフェスティバル2014と5つの異なる大会の結果を追いましたが、アメリカでは《宝船の巡航》を使った青いデッキがメタを支配している一方で、日本ではBMOやエターナルフェスティバル2014の結果を見る限りでは《宝船の巡航》対策が進んでおり、コンボもアメリカよりも多いようです。MiraclesやTemur Delverなど、以前からトップメタで活躍していたデッキも結果を残しています。
UR Delverは環境のトップメタの中では比較的安価で組めることからも今後もよく見かけることになりそうなので対策はしっかりしていきたいところです。
以上で今回の解説を終わります。
次回の記事ではSCGO ColumbusとGP New Jerseyの解説を予定しています。
なお筆者も両大会に参加予定です。特にGP New JerseyはGPTで不戦勝を得ることができたのでこれを機にプロツアーの権利が発生する13-2を目指して頑張っていきたいと思います。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!