MTG Just Now! vol.2 -地平線の梢 etc.-

晴れる屋メディアチーム

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情報を制す者はマジックを制す。
特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。
すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。
当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


いよいよ今週末は『マジック・オリジン』のプレリリースだ。
スタンダード環境はもちろん、今回収録されるカードの中からモダンやレガシーといったエターナルフォーマットでも使用されるカードが出てくることだろう。

去る7月4-5日にはフランスで【GPリール】(レガシー)が開催された。
一般的にレガシーは環境の変化に乏しいと言われているが、近年では強力なカードが増えていることと、《僧院の導師》《師範の占い独楽》のようなレガシーならではのシナジーを形成するカードもありおもしろい。


前置きはここまでに、今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。




1. 地平線の梢/Horizon Canopy


地平線の梢



『未来予知』に収録され、【GPリール】で7位に入賞した【土地単】にも採用されている緑白土地。その美麗なイラストからもファンは多いが、マナ基盤としての使い勝手は《低木林地》にも劣る。
このカードが高い人気を誇る理由は、アンタップ状態で戦場に出るためテンポアドバンテージの損失がないことと、自身を生け贄にすることでドローできる起動型能力にあると言える。

この能力により中盤以降十分に土地が並び始めた場面では手札を補充することができる上に、今回【GPリール】でも見られた【土地単】のような《壌土からの生命》を採用しているデッキで「自身を生贄に捧げ、カードを引く」という能力がどのようなシナジーを生み出すかは言うに及ばず、だ。

その活躍はレガシーのみならず、最近では【SCGO Baltimore】のモダン部門で結果を残した【ナヤZoo(《集合した中隊》)】でも採用が確認されている。



Michael Kochis「Naya Company」
SCG Premier IQ Baltimore (16位)

2 《森》
1 《山》
1 《平地》
2 《踏み鳴らされる地》
1 《聖なる鋳造所》
1 《寺院の庭》
4 《乾燥台地》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《樹木茂る山麓》
1 《地平線の梢》
1 《ケッシグの狼の地》

-土地(21)-

4 《貴族の教主》
4 《野生のナカティル》
1 《極楽鳥》
4 《タルモゴイフ》
3 《クァーサルの群れ魔道士》
3 《漁る軟泥》
4 《聖遺の騎士》
4 《ロクソドンの強打者》

-クリーチャー(14)-
4 《稲妻》
4 《流刑への道》
3 《集合した中隊》

-呪文(23)-
4 《コーの火歩き》
4 《月の大魔術師》
3 《忌むべき者のかがり火》
3 《石のような静寂》
1 《スレイベンの守護者、サリア》
-サイドボード(15)-
hareruya



採用枚数は1枚だけ、と決して多くはないのだが、主力クリーチャーの《聖遺の騎士》と、能動的に墓地に落とせる《地平線の梢》は非常に相性がいい。

さらに『マジック・オリジン』では《マグマの洞察力》《溶鉄の渦》といった土地カードを利用するカードも増えるとあって、今後はモダンでも《壌土からの生命》《地平線の梢》を利用したデッキが活躍する可能性がある。
「たかが土地、されど土地」など、もはやマジックプレイヤーには言うまでもないだろうが、これからの動向に期待の高まるカードだ。


聖遺の騎士





2. 僧院の導師/Monastery Mentor


冒頭でも軽く触れたが『運命再編』で初登場し、カードプレビューが公開された日から下馬評も上々。鳴り物入りでレガシーに殴り込んだ超新星が《僧院の導師》だ。

僧院の導師



【GPリール】でも優賞した【白青奇跡】のリストに入っており、まさに今最注目のカードと言えるだろう。

特に《師範の占い独楽》とのシナジーは非常に強力で、通常2枚目以降は不要牌とされることが多い《師範の占い独楽》だが、隣に《僧院の導師》が立っていれば話が変わってくる。
2枚の独楽が並んだ状態から2つ目の起動型能力をプレイ+引いた《師範の占い独楽》をキャストすることで、マナの続く限りモンクトークンを生み出してくれる。これは《若き紅蓮術士》にはできなかった芸当だ。

上記のコンボはレガシーでしか実現できないが、だからといって他のフォーマットでその強さが揺らぐというわけでもない。
スタンダードでは6月27-28日に開催された【GPブエノスアイレス】の上位32位に入った【白青英雄】にも採用されており、【第3期モダン神挑戦者決定戦】で作成した松本 友樹選手自身をトップ8に、そしてリストをシェアした市川 ユウキ選手を優勝に導いた【松本ハーレー】でもその雄姿が見ることができる。
自身も「果敢」能力を持ち、戦闘能力は十分。今後の活躍にも期待の高まるカードだ。



3. 食物連鎖/Food Chain


さて、次は少し趣向を変えて「まだ話題になっていないが、これから注目される(かもしれない)カード」を紹介したいと思う。
まず本項では、下記の3枚のカードに注目してもらいたい。



食物連鎖激情の共感者引き裂かれし永劫、エムラクール




これだけではまだ「《激情の共感者》《引き裂かれし永劫、エムラクール》をサーチしそう」ということ以外は何もわからないだろう。

レガシーで古くからファンの多いアーキタイプ、【食物連鎖】のキーカード《食物連鎖》
『アヴァシンの帰還』でこの《食物連鎖》クリーチャー限定の無限マナ(と無限ストーム)コンボを形成する《霧虚ろのグリフィン》や、『基本セット2015』で《食物連鎖》《霧虚ろのグリフィン》で得た無限マナの消費先として優秀な《起源のハイドラ》が追加され、非常に地味ながら常に強化され続けてきたアーキタイプである。

今回、『マジック・オリジン』で追加されるカードにより、このアーキタイプはさらに進化する。
【食物連鎖】をマジック界のヒエラルキーの頂点へと導く(かもしれない)そのカードは、これだ。





さて、さっそくこのカードが何をするのか説明しよう。


(1). 《食物連鎖》が戦場に出ている状態で《森林の怒声吠え》をキャストする。
(2). 《森林の怒声吠え》のETB能力で《激情の共感者》を戦場に出す。
(3). 《激情の共感者》のETB能力で《森林の怒声吠え》を手札に加える。
(4). 《食物連鎖》《森林の怒声吠え》を追放し、緑7マナを得る。
(5). (5)で得たマナを使用して《森林の怒声吠え》をプレイする。
(6). 《激情の共感者》を戦場に出し、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を手札に加える。
(7). 《激情の共感者》×2、《森林の怒声吠え》×1を追放して15マナを得て、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を唱える。


これぞまさに食物連鎖の体現。そのピラミッドの頂点にいる多元宇宙最強の捕食者が対戦相手のパーマネントとライフを一瞬で喰らい尽くすのだ!

既存の《食物連鎖》《霧虚ろのグリフィン》《起源のハイドラ》コンボでは必要カード枚数が3枚と多めだったが、上記コンボならば必要なカード枚数は2枚だ。
《食物連鎖》さえ戦場に出ていれば、《激情の共感者》《森林の怒声吠え》のいずれかが手札にあれば(なおかつ3or6マナあれば)コンボがスタートする。
あるいは《帝国の徴募兵》から《激情の共感者》をサーチしてくることもできるので、コンボの安定性はより高まっていると言えるだろう。





いかがだっただろうか?

今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。


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