第7回 前編は【こちら】
斉藤 「前回はデッキ構造について解説していただきました。続く今回は、エルフの弱点やサイドボーディングなどプレイ中のテクニックについて教えていただきたいと思います。高野 成樹さん今回もよろしくお願いします。」
高野 「はい。よろしくお願いします!」
■弱点・やられて嫌なことは?
斉藤 「エルフを使っていて、やられたら嫌なことや苦手なカードを教えてください。」
高野 「やられるときついと感じることは、特に1ターン目のマナエルフへの除去や、エンド時にサーチした<ドライアドの東屋>への即除去ですね。
マナエルフや《ドライアドの東屋》を介して2ターン目に3マナ以上出る状況になっているかどうかはエルフにとって死活問題です。また、《ドライアドの東屋》もマナクリーチャーのように《クウィリーオン・レインジャー》や《ワイアウッドの共生虫》でアンタップしてマナを増やすことはもちろん、《ガイアの揺籃の地》と合わせると実質2マナ分のカードとして働くため、見た目以上に重要な役割を担っています。これらが早々と除去されてしまうことは辛いですね。」
斉藤 「なるほど。確かに2ターン目に《森》とマナエルフがあると、『《垣間見る自然》をプレイ⇒1マナクリーチャー⇒《ガイアの揺籃の地》を置いて2マナ出してコンボスタート』といった流れで、2ターンキルを狙うこともできますからね。しかし、2ターン目にマナクリーチャーがいない場合は、《エルフの幻想家》をプレイしたり、マナクリーチャーを再び出し直したりと、コンボを始めるための準備が必要になってしまいます。」
高野 「そのとおりです。あと、意外かもしれませんが、相手の《死儀礼のシャーマン》が立っていることも嫌ですね。こちらの《死儀礼のシャーマン》が牽制しあってマナを生み出してくれないので。」
斉藤 「マナが増えないゲーム展開が苦手なんですね。1枚で致命的なカードとしては何がありますか?」
高野 「全体除去全般・《渋面の溶岩使い》・《梅澤の十手》など、1枚で複数体のクリーチャーを除去できるカードはやはり厳しいです。
また、土地が少ないデッキなので、マナクリーチャーと土地を同時に潰される《小悪疫》もとても嫌なカードですね。
サイドボードから入ってくるカードしては、《墓掘りの檻》、《エイヴンの思考検閲者》などのサーチ制限カードや、《虚空の杯》、《仕組まれた疫病》などの対策カードも対処できないと負けてしまいますね。」
斉藤 「前編で紹介したようにエルフというデッキがクリーチャーコンボであることによるメリットもありますが、当然ながらクリーチャー除去が刺さってしまうというのはデメリットにもなるわけですね。」
■サイドボード後のゲームプラン
斉藤 「まずはアーキタイプごとの話をする前に、サイドボード後の基本的な考え方を聞かせてもらえればと思います。
先ほども触れたようにエルフはコンボデッキでありながらビートプランももっていますが、デッキの中のコンボ要素である<垣間見る自然>や<自然の秩序>を抜いてしまうことはあるのでしょうか?」
高野 「《垣間見る自然》はほとんど抜かないですね。サイド後の《垣間見る自然》はゲームを終わらせるカードではなく、《予言》や《集中》のようなドローソースとしても活躍するからです。 サイドボード後はデッキからクリーチャーの枚数が減ることが多いので、サイドカードを引くためのドローソースとして使用するイメージですね。サイド後はチェインコンボが止まりやすく、そのターン中に勝利できない可能性はどうしても増えますが、コンボが成立しなくてもカードを引き増しつつ3~4点分のクロックを展開して、サイドインした《突然の衰微》を引いてダメージレースで勝ったりもします。
引き増すなかで《ワイアウッドの共生虫》と《エルフの幻想家》が揃えばさらなるアドバンテージを獲得できますし、《緑の太陽の頂点》や《自然の秩序》といったフィニッシャーに辿り着けば次のターン以降に勝てるので速度勝負でもなければ問題ないでしょう。土地しか引けないのは困りますが(笑)
《自然の秩序》は、メインに4枚積みしている場合、クロックパーミッション相手には1枚減らします。4マナと大ぶりな呪文かつ生贄に捧げるためのリソースが必要な呪文なので、複数枚引いても連打しにくいことが理由です。固めて引いてしまうとプレイしきれず負けに繋がってしまいます。
しかし3枚以下には減らしません。ある程度アドバンテージを取って準備が整ってからは、エルフデッキの中で最も簡単に勝てるカードなので1枚は引きたいからです。 サイド後は対戦相手の除去が増えて大量のマナが出せないので、《垣間見る自然》から始まるチェインコンボよりも頼れる印象です。
また、《垣間見る自然》には《エーテル宣誓会の法学者》《虚空の杯》《仕組まれた疫病》など致命的な対策カードが多くありますが、《自然の秩序》には《墓掘りの檻》以外にメジャーな対策カードがありません。そのため、カウンターさえされなければ、劣勢からでも逆転できるカードです。」
斉藤 「では、サイドボード後のコンボプランとビートプランについてはどう考えていますか?」
高野 「メイン戦の場合は、初手を見て<垣間見る自然>がなかったら殴りきるつもりで並べます。メインから全体除去が入っているデッキは少ないですし、あとはドロー次第ですね。あとから《垣間見る自然》引いた場合は、《ワイアウッドの共生虫》でクリーチャーを手札に戻してからスタートしたりします。
それに比べてサイド後からは、《乱暴+転落》《ゴルガリの魔除け》《仕組まれた爆薬》などの全体除去を使うデッキが多いので、その被害を最小限に抑えるためのケアをしながら展開します。
被害を抑えられる例を挙げると、『《死儀礼のシャーマン》+《クウィリーオン・レインジャー》』、『《ワイアウッドの共生虫》+《クウィリーオン・レインジャー》+《ドライアドの東屋》』、『《エルフの幻想家》+《ワイアウッドの共生虫》』などの組み合わせです。
全体除去で致命的な被害を受けないようにしつつ、少しずつライフを削りながらドローを進め、《垣間見る自然》や《自然の秩序》を引き次第仕掛けます。
対コンボ戦では、サイドカードの手札破壊やカウンターで妨害しつつ、<自然の秩序>による一撃での勝利を目指します。
サイドボード後はクリーチャーの数が減るので、《垣間見る自然》がコンボカードというよりは《自然の秩序》やサイドカードを探すドローカードとして活躍します。
《自然の秩序》が引けなかったときは、サイドカードで妨害しながら地道に殴りきりましょう。」
斉藤 「普段のプレイを拝見しているとよく《遺産のドルイド》をサイドアウトしているようですが、似たような能力の《樺の知識のレインジャー》はサイドアウトしないのですか?」
高野 「はい。《樺の知識のレインジャー》は《遺産のドルイド》とは違い、能力が3体でなく2体でもマナがでるということが重要です。サイドボード後は対戦相手の除去が多く、全体除去もケアしたゲーム展開を目指すと、戦場に並ぶエルフの数には期待できませんからね。また、サイドカード用の色マナを捻出する意味合いもあります。クリーチャーを展開しつつ《白鳥の歌》の青マナを構えることができて便利ですよ。
あと、忘れがちですが変異を持っているので、《虚空の杯》(X=1)を無視して場に出せることも覚えておくとよいでしょう。」
■各主要デッキに対するサイドボーディング
2 《吹きさらしの荒野》 2 《霧深い雨林》 2 《樹木茂る山麓》 2 《新緑の地下墓地》 2 《森》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《ガイアの揺籃の地》 2 《ドライアドの東屋》 -土地(19)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《遺産のドルイド》 4 《クウィリーオン・レインジャー》 4 《イラクサの歩哨》 4 《ワイアウッドの共生虫》 4 《エルフの幻想家》 1 《Fyndhorn Elves》 1 《樺の知識のレインジャー》 1 《ヴィリジアンのシャーマン》 1 《威厳の魔力》 1 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(29)- |
4《緑の太陽の頂点》 4《垣間見る自然》 4《自然の秩序》 -呪文(12)- |
3《白鳥の歌》 3《思考囲い》 3《突然の衰微》 2《漁る軟泥》 1《世界棘のワーム》 1《陰謀団式療法》 1《トーモッドの墓所》 1《弱者の石》 -サイドボード(15)- |
●対RUGデルバー
in 3 《突然の衰微》 2 《漁る軟泥》 1 《弱者の石》 |
out 2 《遺産のドルイド》 1 《クウィリーオン・レインジャー》 1 《イラクサの歩哨》 1 《自然の秩序》 1 《ドライアドの東屋》 |
高野 「エルフに限った話ではありませんが、RUGデルバーとの戦いのコツはゲームを長引かせることです。1ターン目の《秘密を掘り下げる者》のクロックは大きな脅威になるため、それを除去する《突然の衰微》はあるだけサイドインします。また、メイン4枚の《自然の秩序》は前述の通り1枚サイドアウトします。これは《二股の稲妻》や《乱暴+転落》などの除去を擁するRUGデルバー相手に複数回《自然の秩序》をプレイできるリソースを保てないからです。
RUGデルバー側は序盤のエルフをしっかり除去して妨害してくるはずなので、どのクリーチャーが現状において大切なのかをよく考えて、プレイする順番には気をつけましょう。ゲームを長引かせることができれば《死儀礼のシャーマン》や《漁る軟泥》で相手を打ち負かせるようになります。
パワー3以上をシャットアウトできる《弱者の石》は1枚しか採用していませんが、うまく引くことができれば勝利に大きく近づきます。RUG側はこれを破壊できる《古えの遺恨》をサイドインしているかもしれませんが、こちらの《弱者の石》が場に出る前に《渦まく知識》でデッキに戻してしまっていることも多いでしょう。」
斉藤 「RUGデルバーのメインボードにはアーティファクトが入っていませんが、《ヴィリジアンのシャーマン》はサイドアウトしないのですか?」
高野 「最近のRUGデルバーは《墓掘りの檻》や《真髄の針》をサイドボードに複数枚とっていることが多いので、《ヴィリジアンのシャーマン》は残すようになりました。《突然の衰微》はなるべくクリーチャーにあてたいですしね。2/2クリーチャーが戦場に残ることも地味ながら実は大きいです。」
●対スニークショー
in 3 《白鳥の歌》 3 《思考囲い》 1 《世界棘のワーム》 1 《陰謀団式療法》 |
out 3 《エルフの幻想家》 2 《イラクサの歩哨》 1 《ワイアウッドの共生虫》 1 《威厳の魔力》 1 《ドライアドの東屋》 |
高野 「このマッチアップは、いかに相手の攻め手を邪魔しながら、こちらの<垣間見る自然>か<自然の秩序>を通すかが肝になります。そのため、初手のキープ基準としては、《垣間見る自然》か手札破壊などのサイドカードがない場合はマリガンしています。
《ドライアドの東屋》は相手が除去の少ないデッキなので2枚目はサイドアウトし、2マナかつ1/1という《エルフの幻想家》は悠長すぎるので2~3枚をサイドアウトします。」
斉藤 「意外だったのですが、《世界棘のワーム》を入れるんですね。」
高野 「《世界棘のワーム》は《実物提示教育》に合わせたときに強いのでサイドインします。《引き裂かれし永劫、エムラクール》と《グリセルブランド》のどちらが出てきても、こちらから先にコンバットできるので対戦相手のライフが15を割ってさえいればマストブロックになって実質的にそれらを除去ができます。《騙し討ち》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》の”滅殺6″を食らっても、ライフさえ残ればワーム・トークンが15点分残ります。そのため、対戦相手のライフがワームたちの攻撃に耐えられないようだと攻撃できません。」
●対BG系
高野 「BG系は比較的有利なマッチアップです。BG系は妨害手段はたくさん持っていますが、妨害しつつクロックを展開することが難しいため、エルフ側は殴り倒されてしまう前に《エルフの幻想家》+《ワイアウッドの共生虫》のアドバンテージエンジンで復旧することができます。彼らには飛行クリーチャーがほとんどいないので、劣勢になったとしても『《クウィリーオン・レインジャー》+《ドライアドの東屋》』や、『《エルフの幻想家》+《ワイアウッドの共生虫》』といったブロッカーを揃えれば耐えることができます。
サイドボーディングとしては、相手がサイドインしてくる《仕組まれた疫病》や《墓掘りの檻》を対処するために《突然の衰微》をサイドインします。BG系は除去が豊富なため、こちらの盤面にはクリーチャーが残りにくく、《威厳の魔力》の能力はうまく生かされないので対処手段がない《世界棘のワーム》と入れ替えます。」
斉藤 「《威厳の魔力》がほとんどドローできないことには納得です。《遺産のドルイド》もよくサイドアウトされますが、これもエルフが3体揃わないからなんですね。」
●対エスパー石鍛冶
in 3 《突然の衰微》 |
out 1 《遺産のドルイド》 1 《クウィリーオン・レインジャー》 1 《イラクサの歩哨》 |
高野 「このマッチは<梅澤の十手>さえケアすれば比較的楽なマッチアップになります。そのため《突然の衰微》のみサイドインします。
ゲーム中の立ち回りはアドバンテージを取れる行動を積極的に狙っていきます。《垣間見る自然》や《エルフの幻想家》+《ワイアウッドの共生虫》で相手より多くカードを引けば自然と勝利が見えてきます。」
●対ANT
in 3 《白鳥の歌》 3 《思考囲い》 2 《漁る軟泥》 1 《陰謀団式療法》 1 《トーモッドの墓所》 |
out 3 《エルフの幻想家》 2 《イラクサの歩哨》 2 《クウィリーオン・レインジャー》 2 《ワイアウッドの共生虫》 1 《ヴィリジアンのシャーマン》 |
高野 「このマッチのポイントは、いかに相手を減速させて延命するかです。そのためのキープ基準としてサイドカードが大切になります。前半は妨害を挟みながら少数のクリーチャーで攻撃します。ライフが少なくなるとANT側は《むかつき》を使いにくくなるので、《炎の中の過去》ルートで墓地を活用しなければなりません。その時は墓地対策の《漁る軟泥》や《トーモッドの墓所》で妨害します。
どのデッキでも言えることですが、対ANT戦はできるだけライフと墓地の両面を攻めるのがセオリーです。
情報がないときの《陰謀団式療法》の指定は、即死を防ぐために《冥府の教示者》か《ライオンの瞳のダイアモンド》を宣言しましょう。
ANT側は手札破壊を減らして盤面に干渉してくるカードをサイドインしてくる場合が多いので、《白鳥の歌》はかなり有効に働いてくれます。」
斉藤 「そうですね。逆に手札破壊を残して盤面に触れるカードが減っていると感じたときは《アメジストのとげ》や《ガドック・ティーグ》を入れると裏をかけます。」
●対ミラクル
高野 「ミラクルとのメイン戦は特にきついゲームになります。《終末》という軽い全体除去がある上に、《剣を鍬に》+《瞬唱の魔道士》でも細かく除去をしてきますのでケアしきれません。また、《相殺》+《師範の占い独楽》に対する明確な答えもないので、1マナクリーチャーばかりのエルフは非常にハマりやすいです。そのためメインは速度勝負を目指しています。《終末》をケアしたいという気持ちはわかりますが、遅くなればなるほど相手のペースになってしまいますので、2~3ターン目の勝利を目指して全力展開してしまいましょう。《終末》を持たれていたらどの道すぐに負けてしまいます。
サイド後はメイン戦とは違い、全体除去に対するカウンターや、《相殺》への回答となる《突然の衰微》を入れられるので比較的ゆっくりなゲームになっても大丈夫です。早い段階でコンボを狙うか、ゆっくりアドバンテージを取りながらゲームをするか、手札と相談して選択しましょう。《白鳥の歌》は《相殺》も《終末》もカウンターできる優れものです。《突然の衰微》を3枚全部入れない理由は、絶対に破壊したいパーマネントが《相殺》以外あまりないからです。
すぐにコンボを仕掛けない場合はアドバンテージを稼ぎつつコンボを狙いましょう。特に《垣間見る自然》は最も勝ちに繋がりやすいカードなので大切に使うよう心がけます。
相手のエンド時に《突然の衰微》を《師範の占い独楽》に唱えることによって、(破壊はもちろんできませんが)《師範の占い独楽》をどかし、次のこちらのターンに“奇跡”スペルを撃たれないようにしてから仕掛けたりすることもあるので、覚えておくとよいでしょう。」
●対エルフ
in 【先手】 3 《白鳥の歌》 【後手】 上記3枚+ 3 《思考囲い》 1 《陰謀団式療法》 |
out 【先手】 2 《エルフの幻想家》 1 《ヴィリジアンのシャーマン》 【後手】 上記3枚+ 2 《イラクサの歩哨》 1 《ワイアウッドの共生虫》 1 《エルフの幻想家》 |
高野 「ミラーマッチはお互い妨害できる手段に乏しいので速度勝負になり、<自然の秩序>をいかに速く通すかがカギとなります。細かなコンバットはほとんど関係ありません。先手の時は自分が先に仕掛けることができるので、デッキの中身を薄くしないように最低限のサイドインアウトに留め、後手の時は逆に妨害を重視して手札破壊まで入れます。《陰謀団式療法》の指定は多くの場合《自然の秩序》です。」
斉藤 「なぜコンバットはあまり関係ないのですか?」
高野 「多少ライフを削ったとしても《自然の秩序》を通されてしまったらほぼ負けですし、《イラクサの歩哨》が他のエルフと違って2/2なので、ほとんどお互い攻撃にいけないんですよね。」
■細かいテクニックや初歩テクニック
斉藤 「初歩的なテクニックや細かい注意点などがあれば教えてください。」
高野 「まず覚えておきたいのは『<ワイアウッドの共生虫>+エルフクリーチャー』の戦闘時の使い方ですね。サイズの大きいクリーチャーや《梅澤の十手》を装備しているクリーチャーをブロックしてから、《ワイアウッドの共生虫》の能力でバウンスすることで損をせずに戦闘を終えられます。特に《梅澤の十手》にカウンターが乗ってしまうことは、エルフにとって負けに等しく致命的なので、地上クリーチャーが十手を持って殴ってきたときには必ずこの方法でブロックしてください。『<クウィリーオン・レインジャー>+<ドライアドの東屋>』でも同じことができます。
《梅澤の十手》にカウンターが乗るとほぼ負けですが、逆に言えば、地上クリーチャーしかいないときの<梅澤の十手>はこのセットが揃っていれば無効化できるということです。戻せるエルフが《エルフの幻想家》の場合はさらにアドバンテージを稼ぐこともできます。《石鍛冶の神秘家》デッキから出てくる《ヴェンディリオン三人衆》や《真の名の宿敵》は止まりませんが。」
斉藤 「《ワイアウッドの共生虫》や《クウィリーオン・レインジャー》のアンタップ能力はとても便利ですよね。防御手段やマナ加速だけでなく、前編でも紹介しましたが、《死儀礼のシャーマン》との相性は特筆に値すると思います。」
高野 「あとは、特にフェッチランドの扱いには気を遣う必要があります。有利な状況ではライブラリの圧縮効果を期待してすぐに使用したりもしますが、フェッチランドを温存しておいて、《ヴェールのリリアナ》のマイナス能力に対応して《ドライアドの東屋》をサーチすることも多いです。
対RUGデルバーのサイド後はさらにフェッチランドの扱い方は重要になります。たとえばマナクリーチャー(または《ドライアドの東屋》)に《水没》を撃たれると、戦場のテンポの損ばかりかドローも止まってしまうため、実質的にターンを飛ばされているに等しい被害を受けます。
そこで、《水没》された後にシャッフルできるよう、フェッチランドを1枚は残しておくように気をつかっています。
《ガイアの揺籃の地》に関しても気を使います。置くだけでマナを生み出さずに《不毛の大地》で破壊されてしまうことは損になので、有効に使えるターンになってから初めてセットすることが多いです。これは当たり前かもしれませんが勝敗を左右する重要なテクニックです。」
■まとめ、エルフに興味がある人へ
斉藤 「最後に、このデッキに興味がある人へアドバイスをお願いします。」
高野 「エルフを上手に使うためには、基本的なコンボの動きを覚えることはもちろんですが、能力の起動を忘れず、戦闘でしっかりとプレイできているかチェックすることを忘れないようにしましょう。
代表的なものを挙げると、
◆《イラクサの歩哨》のアンタップ能力
◆《ワイアウッドの共生虫》、《クウィリーオン・レインジャー》の能力を使ったかどうか
◆1/1クリーチャーで攻撃するチャンスを逃していないか
などがあります。」
高野 「僕はターンを渡す前に、なにかを見逃してないか確認するように癖をつけています。すべてのパターンを暗記することは大変ですが、常にシナジーがないかチェックしましょう。
どんなに経験を積んでもミスはしてしまうものですが、癖をつけることによって減らすことはできます。
エルフ達のシナジーを見つける度に少しずつ強くなれますよ。
また、<垣間見る自然>からのチェインコンボは決まるかどうか不明瞭な状態から見切り発車することも多いですが、勝つためにはそのような思い切りも大切だと思っています。
どのエルフが並んでいるときに何を引けばコンボが繋がるのか。もし止まったら残ったクリーチャーでどう戦うのか。
これらを考えながら、たくさん回して感覚をつかんでみてください。」
斉藤 「今回はありがとうございました!これからも入賞記録を伸ばし続けてください!」
次回は、リアニメイトを使っているあの人を招待して、一緒に解説していきたいと思います。
それでは、また第8回でお会いしましょう!