MTG Just Now! vol.3 -師範の占い独楽 etc.-

晴れる屋メディアチーム

情報を制す者はマジックを制す。

特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。
すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。
当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。


【『マジック・オリジン』プレリリース】
先週末(7/11~7/12)には『マジック・オリジン』のプレリリースが世界各国で開催された。
今回、プレリリースパックからPWの刻印プロモカードが出るということだったが、みなさんは手に入れることができただろうか?

「プレリはお祭り」ともよく言われる。普段のトーナメントとはまったく違った空気感と、プレリリースごとに行われる催し、発売前の新しいカードたち。そこにはシンプルに「遊び」としての楽しみがある。
もし参加したことがないという方がいれば、ぜひ今年9月に発売される新セット『戦乱のゼンディカー』のプレリリースに足を運んでいただきたい。


【「Magic Duels」iOS版が配信開始】
App Storeにてマジックを扱ったコンピューターゲーム、「Magic Duels」の配信が開始された。
同タイトルは「Duels of the Planeswalkers」シリーズの最新作と言え、『マジック・オリジン』のカードも多数(なんとPWも!)収録されている。
優雅なUIや充実のストーリーモードをはじめ、手ごわいAIとの対戦やオンラインでの対人戦機能など、基本無料のアプリとは思えないボリュームをぜひ体験してもらいたい。

また、7月中にXbox OneやWindows PC(Steam)でも配信が開始される予定となっているそうな。
より詳細についてはWizardsの公式サイトおよび公式Q&Aを参照していただきたい。



前置きはここまでに、今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top時を越えた探索/Dig Through Time


>師範の占い独楽時を越えた探索


【先週号】でも触れたが、【GPリール】の上位2位までが【白青奇跡】だったこともあり、一部のプレイヤーから「禁止カードに指定されるのでは」と危惧されていた《師範の占い独楽》
また、上述の【白青奇跡】はもちろん【実物提示教育】【秘密を掘り下げる者】など、レガシー環境の青いデッキで広く使用されている《時を越えた探索》も禁止改定の話題によく上がっていた。

しかし、それらの予想を裏切り本日7月13日(火)に告知された【DCI禁止制限カードリスト】では全フォーマットノーチェンジ。
2枚とも非常に強力なカードではあるが、現段階では禁止カードの基準を満たすものとは見なされなかったということか。
今後もまだまだこれらのカードの活躍が見れるようだ。



2. 精霊信者の剣/Sword of the Animist




【『マジック・オリジン』のリリースノート】の「カード別注釈」の項にて、あるカードとそれに関する注釈文が話題を呼んだ。


Equipping Sword of the Animist to Nissa, Vastwood Seer conveys no additional bonuses, but it’s pretty cool. Definitely tweet a pic of that using #EquippedNissa if you pull it off.

* 《巨森の予見者、ニッサ》《精霊信者の剣》を装備すると、追加のボーナス等は一切生じないが、かなりイイ感じになる。それに成功したなら、画像をハッシュタグ #EquippedNissa を用いてツイートすること。ぜひぜひ。



リリースノートでは通常、新セットに収録される新規カードやキーワード能力、変更されたルールの情報などが記載される。
性質上ややカタいエントリであり、こういった注釈文は非常に珍しく世界中で話題になった。

ちなみに、これを達成したプレイヤーは







どうやらハッシュタグ上で確認されている限り上の2名のみのようだ。
Wizardsの茶目っ気が垣間見える、心温まる(?)トピックである。



3. 空荒らしの巨人/Skyraker Giant




最後に、バズっていたわけではないが『マジック・オリジン』から興味深いカードを1枚ピックアップしてみた。

このカードを『マジック・オリジン』のプレリリースで使用したというプレイヤーは決して少なくないように思う。アンコモンは比較的遭遇しやすいレアリティであり、4マナ4/3というサイズは赤のクリーチャーとしては及第点だ。

また、パワーが1~2の飛行持ちクリーチャーが多い『マジック・オリジン』では到達能力も無駄にならない場面が多いだろう。
「リミテッドにおける赤の最高のアンコモン」とは言えないまでも、十分に実用的なカードである。

さて、話は変わるがマジック:ザ・ギャザリングの22年間の歴史の中で、到達を持った赤単色のクリーチャーはこれで何枚目だろうか?

針先の蜘蛛霊気の皮膜


気になったので検索したところ、どうやらこれで3枚目。しかも、これまで存在していた2枚は意図的にカラーパイ(色の役割)を崩してデザインされている『次元の混乱』のカードのようだ。

赤は衝動と混沌の色であり、攻撃的で無謀な性質のカードが与えられることが多い。速攻や先制攻撃、「捨ててから引く」ルーター能力がそれらを如実に表している。そのため、赤が到達という防御的な能力を能力持つことはないと思われていた。
今後も継続して到達を持った赤のクリーチャーが印刷されるかは不明だが、カラーパイは決して不変のものではないし、厳格に例外を許さないものでもない。これを機に、過去の色の役割についてや「黒の打ち消し呪文」「青の先制攻撃持ち」などを調べてみても面白いだろう。



いかがだっただろうか?

今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。

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