先週末はモダン神決定戦がありました。レガシーとはまた少し違ったフォーマットではありますが、皆さんは参加されましたか?
さて、今回の記事ではStarCityGames.com Open Series(SCGO) Providence、SCG Invitational Columbus, SCGO Columbusの解説をしていきます。
SCGO Providence トップ8 ~群雄割拠~
2014年6月8日
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1位 Death and Taxes/白ウィニー
2位 Elves/エルフ
3位 BUG Delver/青黒緑アグロ
4位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
5位 Sneak and Showr/スニーク・ショー
6位 4 Color Delver/青黒赤ジャンク
7位 High Tide/ハイタイド
8位 Death and Taxes/デス&タックス
Death and Taxesの優勝で幕を閉じたSCGO Providence。
Delver系のテンポデッキやSneak and Show、High TideやElvesなど非常に多くのアーキタイプが入賞していました。
SCGO Providence デッキ解説
「Death and Taxes」「High Tide」
10 《平地》 1 《地平線の梢》 3 《Karakas》 1 《トロウケアの敷石》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ファイレクシアの破棄者》 3 《セラの報復者》 1 《迷宮の霊魂》 3 《ちらつき鬼火》 2 《ミラディンの十字軍》 2 《エイヴンの思考検閲者》 -クリーチャー(27)- |
4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 -呪文(10)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《萎れ葉のしもべ》 2 《大変動》 2 《安らかなる眠り》 1 《太陽の槍》 1 《忘却の輪》 1 《墓掘りの檻》 1 《真髄の針》 1 《万力鎖》 1 《殴打頭蓋》 1 《幽霊街》 -サイドボード(15)- |
Death and Taxesは今回入賞していたSneak and ShowやDelver系のデッキに対して有利なデッキです。本来は不利とされるElvesにも、第1ゲームこそ落とすものの第2ゲーム以降は《ファイレクシアの破棄者》や《迷宮の霊魂》、サイドの《エーテル宣誓会の法学者》等のヘイトベアーによって相手の行動を制限して勝利しています。
白単色で基本地形を多数採っているためマナ否定戦略に強く、《スレイベンの守護者、サリア》と《リシャーダの港》、《不毛の大地》で相手の行動を著しく制限します。コンボに対しても先程の《スレイベンの守護者、サリア》や《ファイレクシアの破棄者》、《迷宮の霊魂》、《エイヴンの思考検閲者》、サイドの《エーテル宣誓会の法学者》など妨害要素を含んだクリーチャーを多数採用しているので、Belcherのような1ターン目に仕掛けてくるコンボデッキ以外には有利が付きます。
白単色でクリーチャーでビートしていくデッキなのでアグロデッキと形容されがちですが、各種ヘイトベアーやアドバンテージを取れる《石鍛冶の神秘家》+装備品、除去の《剣を鍬に》や 《太陽の槍》、《大変動》などリストをよく見てみると比較的コントロール要素の多いデッキです。
12 《島》 3 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 -土地(18)- -クリーチャー(0)- |
4 《High Tide》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《定業》 3 《狼狽の嵐》 4 《商人の巻物》 3 《狡猾な願い》 1 《転換》 4 《Force of Will》 4 《時のらせん》 4 《Candelabra of Tawnos》 4 《師範の占い独楽》 -呪文(42)- |
4 《相殺》 2 《拭い捨て》 1 《否定の契約》 1 《狼狽の嵐》 1 《思考停止》 1 《断絶》 1 《直観》 1 《再建》 1 《青の太陽の頂点》 1 《転換》 1 《外科的摘出》 -サイドボード(15)- |
トップ8入賞は久々のHigh Tide。Feline Longmoreは同デッキで2012年に開催されたSCGO Seattleでも優勝しているHigh Tideのエキスパートで、マナの計算や《時のらせん》によるシャッフルなどで時間が掛かるのが難点とされている中、彼女のプレイングは速く正確です。
サイドボードには《相殺》が採用されています。他のコンボデッキやDelver系のデッキに対してはサイド後は《師範の占い独楽》+《相殺》で相手をコントロールしつつコンボを決めることが可能で、このデッキ相手によくサイドインされる《紅蓮破》からコンボを護ることもできます。
SCG Invitational Columbus トップ8 ~安定したデッキが多数入賞~
2014年6月15日
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1位 UG Infect/感染アグロ
2位 UWR Delver/白青石鍛冶
3位 Esper Deathblade/デスブレード
4位 Grixis Painter/ペインター
5位 Omni-tell/実物提示教育
6位 Esper Deathblade/デスブレード
7位 UWR Miracles/白青奇跡
8位 UWR Miracles/白青奇跡
レガシー部門7-1以上の成績のデッキ
8-0 BUG Delver
7-0-1 ANT
7-1 RUG Delver
7-1 Sneak and Show
7-1 BUG Control
7-1 Lands
7-1 Esper Deathblade
7-1 UWR Miracles
今回のInvitationalのトップ8はスタンダードで競われました。ですので、参考としてスイスラウンドのレガシー部門で7-1以上の成績を収めたデッキも載せておきました。
トップ8の入賞したアーキタイプを見るとEsper DeathbladeとUWR Miraclesなど安定した成績が期待できるデッキを選択したプレイヤーが多い印象です。
SCG Invitational Columbus デッキ解説
「UWR Miracles」「Esper Deathblade」「Grixis Painter」
5 《島》 2 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 3 《Tundra》 2 《乾燥台地》 1 《Volcanic Island》 1 《Karakas》 -土地(22)- -クリーチャー(0)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 1 《予報》 1 《赤霊破》 1 《呪文貫き》 2 《対抗呪文》 2 《天使への願い》 1 《議会の採決》 4 《Force of Will》 4 《終末》 4 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 2 《大祖始の遺産》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(38)- |
2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《紅蓮破》 2 《血染めの月》 1 《山》 1 《赤霊破》 1 《呪文貫き》 1 《紅蓮地獄》 1 《天使への願い》 1 《至高の評決》 1 《謙虚》 1 《真髄の針》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
今回見事にトップ8入賞を果たしたプロプレイヤーのReid DukeはUWR Miraclesでレガシー部門を7-1と優秀な成績を収めています。Reidのリストは《大祖始の遺産》をメインに採用されているなど特徴があります。《大祖始の遺産》はドローできるので無駄になりにくく、《タルモゴイフ》《死儀礼のシャーマン》など墓地の状況に依存したカードが多いのでメインでも活躍の機会が多数存在します。メインはノンクリーチャーで勝ち手段はフル搭載された《精神を刻む者、ジェイス》と2枚の《天使への願い》のみです。
Conspiracyからの新カードの《議会の採決》も採用されています。このデッキにとって厄介なPWを除去することが可能で、対象を取らないので《真の名の宿敵》も除去できるため、腐る場面が少ない万能除去として今後もよく見かけそうです。
サイドに2枚採用されている《血染めの月》はShardless BUGやEsper Deathbladeといった特殊地形に依存したデッキに刺さります。今大会では特にEsper Deathbladeは人気のあるデッキの一つだったので活躍したことが予想されます。
3 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《Underground Sea》 2 《湿地の干潟》 1 《Tropical Island》 1 《Scrubland》 1 《Karakas》 3 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《石鍛冶の神秘家》 1 《瞬唱の魔道士》 3 《真の名の宿敵》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(13)- |
4 《渦まく知識》 4 《思考囲い》 4 《剣を鍬に》 2 《呪文貫き》 1 《思案》 3 《Force of Will》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 2 《ヴェールのリリアナ》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(24)- |
3 《翻弄する魔道士》 2 《至高の評決》 2 《安らかなる眠り》 2 《真髄の針》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《議会の採決》 1 《呪文貫き》 1 《Force of Will》 1 《盲信的迫害》 1 《コジレックの審問》 -サイドボード(15)- |
SCGのサイトのライターでプロプレイヤーのBrad Nelsonは今回Esper Deathbladeを使用してトップ8に入賞を果たしました。Brad Nelsonのリストはメイン・サイド共にオーソドックスで多くのプレイヤーが似たリストを使用していたことから、デッキとしてはほぼ完成していると言えます。
《議会の採決》はこのデッキでも採用されています。これまでは万能除去の枠として《名誉回復》か《拘留の宝球》が採られていましたが、相手の《真の名の宿敵》に触れることから優先して《議会の採決》が採用されているようです。
1 《島》 1 《沼》 1 《山》 4 《汚染された三角州》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《沸騰する小湖》 3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Badlands》 1 《教議会の座席》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(21)- 3 《ゴブリンの溶接工》 3 《悪意の大梟》 2 《絵描きの召使い》 2 《帝国の徴募兵》 1 《粗石の魔道士》 -クリーチャー(11)- |
4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 1 《Transmute Artifact》 4 《Force of Will》 3 《相殺》 2 《仕組まれた爆薬》 4 《師範の占い独楽》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《罠の橋》 1 《丸砥石》 1 《ダク・フェイデン》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(28)- |
3 《思考囲い》 2 《狼狽の嵐》 2 《赤霊破》 1 《月の大魔術師》 1 《呪文貫き》 1 《炎の稲妻》 1 《紅蓮破》 1 《毒の濁流》 1 《弱者の石》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
今回のデッキテクとしても紹介されています。
Conspiracyからの新PWの《ダク・フェイデン》を採用した《丸砥石》+《絵描きの召使い》のコンボを搭載したコンボコントロールです。《師範の占い独楽》+ 《相殺》や《悪意の大梟》《仕組まれた爆薬》《稲妻》で相手をコントロールしていき、《丸砥石》+《絵描きの召使い》のコンボや 《精神を刻む者、ジェイス》で勝利します。
《ゴブリンの溶接工》は墓地からコンボパーツを釣るだけでなく《仕組まれた爆薬》や《悪意の大梟》を再利用したりもできる、このデッキにとっては重要なカードの一枚です。フォーマットの様々なデッキに対応していこうとしているようで、《罠の橋》や 《虚無の呪文爆弾》など1枚刺しのカードが多いのも特徴です。
《ダク・フェイデン》の「+1」能力は《ゴブリンの溶接工》とのシナジーが強力で、「-2」能力もEsper DeathbladeやDeath and Taxesを相手にした際に装備品や《霊気の薬瓶》を奪ったりと活躍が期待できそうです。
SCGO Columbus トップ8 ~Delver祭りを制したDeath and Taxes~
2014年6月15日
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1位 Death and Taxes/白ウィニー
2位 BUG Delver/青黒緑アグロ
3位 UW Miracles/白青奇跡
4位 BUG Delver/青黒緑アグロ
5位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 BUG Delver/青黒緑アグロ
8位 UWR Delver/白青石鍛冶
Death and TaxesがSCGO Providenceに続いて優勝しました。
今回のオープンは上位8名中6名がDelver系のデッキであり、それらのデッキと相性の良いDeath and Taxesにとっては比較的勝ちやすいメタだったようです。
◆Interview with Rich Shay
4 《新緑の地下墓地》 4 《汚染された三角州》 1 《霧深い雨林》 4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 3 《思案》 4 《目くらまし》 4 《Hymn to Tourach》 4 《突然の衰微》 1 《ディミーアの魔除け》 4 《Force of Will》 1 《森の知恵》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(28)- |
2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《見栄え損ない》 2 《ゴルガリの魔除け》 2 《水没》 2 《墓掘りの檻》 1 《狼狽の嵐》 1 《森の知恵》 1 《無のロッド》 1 《真髄の針》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
Rich Shayは今大会惜しくも決勝でDeath and Taxesに敗れましたが、SCG Invitationalでのレガシー部門では8-0という優秀な成績を収め、SCG Openでもスイスラウンドを8-1-1で決勝ラウンド進出したのち準優勝を果たしました。
BUG Delverから大型クリーチャーの《墓忍び》を解雇してメインとサイドに《精神を刻む者、ジェイス》を採用した、BUG DelverとBUG Controlの中間的な印象のリストです。
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――準優勝おめでとう。Invitational本戦でもレガシー部門で全勝と素晴らしい成績だね。何故BUG Delverを選択したの?
Rich: 軽い優秀なクリーチャーによって速い段階で勝負を決める事ができる上に、長期戦にも強いところが気に入ってBUGを選択した。Delver系のデッキの中で見るとRUG Delverなどと比べて少し遅いかもしれないけど、カードアドバンテージを獲得する能力はDelver系のデッキの中ではベストでデッキパワーも高い。コントロール寄りの構成でも《秘密を掘り下げる者》と 《不毛の大地》でそのままゲームに勝つこともできるのはDelver系の魅力だね。今回のリストは、《墓忍び》を採用した普通のBUG Delverよりも《精神を刻む者、ジェイス》と《ヴェールのリリアナ》といったPWを多めに採用している分、長期戦になりやすいコントロールとのマッチアップは有利になった。
――なるほど。UWR Miraclesとの対戦を観戦していたけど確かにコントロールに対しては序盤は軽い優秀なクリーチャーでプレッシャーをかけつつ中盤以降も《精神を刻む者、ジェイス》で息切れせずにプレッシャーを与え続けていたね。
Rich: 今回のリストのようにコントロールやBUG同系に強い構成になったもう一つの理由として、Pittsburgh(Richのローカル)のメタはUWR Miraclesが多かったのもあるね。メインの《精神を刻む者、ジェイス》とサイドの追加の《森の知恵》はコントロールとのマッチではキーとなるんだ。
――Invitational本戦は8-0でオープンでのスイスラウンドの成績は?
Rich: オープンでの成績は8-1-1。負けはManaless Dredgeで引き分けは最終ラウンドでのID。Dredgeは勝てない相手ではないけど、墓地対策を引けなかった。
――相性の良いマッチアップと悪いマッチアップは?
Rich: BUGは基本的には特に有利なマッチアップは存在しなくて、どのデッキともプレイングとサイドボード次第で互角以上に戦えるポテンシャルを持っている。ただ、Invitationalとオープンと合わせて6回当たって6戦全勝だったので、Sneak and Showに対しては比較的相性が良いんじゃないかな。強いてキツイマッチを挙げるとしたら特定の対策カードが要求されるDredgeやLands、あとJundだね。
――確かにハンデス、カウンター、墓地対策、軽い優秀なクリーチャーと揃っているからコンボに対しては強そうな構成だね。何か変更する箇所はある?
Rich: Death and Taxes対策があと1枚欲しい以外には特に無いと思う。
――Death and Taxesに対してはどんなカードが有効だと思う?
Rich: サイドの《見栄え損ない》と《ゴルガリの魔除け》は両方ともDeath and Taxesに対して優秀な除去スペルだよ。
――《ゴルガリの魔除け》は強そうだね。 クリーチャーを除去から護ってる《ルーンの母》にも効くしね。
最後に、レガシーというフォーマットについてどう思う?
Rich: レガシーは好きなフォーマットだね。デッキの種類が多くて楽しいフォーマットだと思うよ。
――確かにレガシーは楽しいね。ローテーションがないから過去に存在した様々なカードを使えるから選択肢も無限大で色々なデッキと対戦できる。
今日はインタビューに協力してくれてありがとう。次の大会もがんばって。
◆Interview with Brian Braun-Duin(BBD)
今回入賞したアメリカのプロプレイヤーのBBDにも、大会後日にFacebook上でインタビューをすることが出来ました。
4 《島》 2 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 1 《Karakas》 -土地(22)- 2 《石鍛冶の神秘家》 3 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(5)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《呪文貫き》 2 《対抗呪文》 1 《定業》 1 《議会の採決》 4 《Force of Will》 4 《終末》 3 《相殺》 4 《師範の占い独楽》 1 《殴打頭蓋》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(33)- |
3 《紅蓮破》 2 《石鍛冶の神秘家》 2 《翻弄する魔道士》 2 《安らかなる眠り》 1 《Wear》 1 《議会の採決》 1 《謙虚》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
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――UWR Miraclesを選択した理由は?
BBD: Miraclesを選択したのは現環境でベストなデッキの一つでプレイスタイルにも馴染んだから。アドバンテージをコツコツ稼ぎながら勝つタイプのデッキが好きで、Miraclesの 《師範の占い独楽》はゲームが長引けば長引くほどアドバンテージを獲得することができて 《相殺》+《師範の占い独楽》はレガシーの多くのデッキをロックアウトすることができる。
あと、Miraclesはメタ的にも良い位置にあると思う。Delver系のテンポデッキに対しては基本地形を多めに採っているのと除去を多く採用しているから有利で、多くのコンボに対しても《相殺》+《師範の占い独楽》、《Force of Will》と他の軽いカウンターのおかげで相性は悪くない。《突然の衰微》を使ったデッキは少しキツイけど、多くの《突然の衰微》デッキはクリーチャーが主な勝ち手段だから《終末》等の除去や《師範の占い独楽》や《精神を刻む者、ジェイス》によるアドバンテージには勝てない。
――メインの 《石鍛冶の神秘家》パッケージの採用や 《天使への願い》の不採用など他のUWR Miraclesとは随分違った構成だけど、実際に使ってみてどうだった?
BBD: 今回のチョイスには大変満足している。《石鍛冶の神秘家》パッケージとのハイブリットのMiraclesでの入賞率が高くてSCGO Atlantaでのトップ8や前回のSCG Invitational Charlotteではレガシー部門で6-2の成績だった。《天使への願い》は試してみたけど重くてあまり好きになれなかった。多くのレガシーのデッキはマナを攻めてきたり 《呪文貫き》のような軽い打消しを多数積んでいたりする。コンボデッキ相手には《天使への願い》をセットアップしている余裕も無い。その点《石鍛冶の神秘家》は2ターン目に出せばコンボに対してもクロックとしてプレッシャーになる。
――2枚目の《殴打頭蓋》はどうだった?あと、《石鍛冶の神秘家》パッケージはどんな相手にサイドインされるの?
BBD: サイドの2枚目の《殴打頭蓋》は多くのゲームの勝利に貢献した。例えば、準決勝でのBUGとの対戦での2ゲーム目では《石鍛冶の神秘家》を場が押されている状況でキャストした。その返しのターンに対戦相手は 《Hymn to Tourach》でサーチしてきて手札にあった《殴打頭蓋》を落としたけど、次のターンに「2枚目の《石鍛冶の神秘家》をトップデッキして2枚目の《殴打頭蓋》をサーチ→1枚目の《石鍛冶の神秘家》で場に出す」という流で逆転することが出来たんだ。他にも《梅澤の十手》や《饗宴と飢餓の剣》を試してみたけど、装備品の対象になるクリーチャーが少ないこのデッキではあまり役に立たなかった。結局このデッキで《石鍛冶の神秘家》からサーチしたい装備品は《殴打頭蓋》だけであることに気が付いて2枚目の採用に至った。2枚採用しているから相手の除去やハンデスが前よりは気にならなくなった。追加の《石鍛冶の神秘家》パッケージは主にDelver系のデッキやStoneblade、Shardless BUGやDeath and Taxes等フェアなデッキに対してサイドインするよ。
――入賞リストから変更する箇所はある?
BBD: メインは特に無いかな。勝てないマッチアップではないけどSneak and Showが一番怖いマッチアップだから、サイドにSneak and Show対策を増量することは考えられる。でもサイドのほとんどのカードが活躍していたからどのカードが抜けるのかはまだ分からないね。
――最後に、レガシーというフォーマットでのデッキ選択についてはどう思う?
色々なデッキをプレイしてきたけど、レガシーというフォーマットは「能動的で強力な戦略(コンボ、Delver系のテンポ)」か「相手の最速の動きを妨害することが可能で環境の様々なアーキタイプと互角に渡り合えるデッキ(Miracles)」だと思う。Esper DeathbladeやShardless BUGのように《壌土からの生命》や《基本に帰れ》、《血染めの月》に負けるようなデッキは勧められない。
――今日はインタビューに協力してくれてありがとう。今後の活躍にも期待してるよ。
BBDは、Invitational本戦とオープン合わせての成績が15-2-1(ID除く)だったそうです。
新たな 《石鍛冶の神秘家》デッキの型として活躍するのか、要注目です。
総括
SCGO Providence、Columbus共にDeath and Taxesの優勝で幕を閉じました。しかし、入賞アーキタイプが多様であったProvidenceと比べColumbusはDelver系のデッキが多いトップ8でした。SCG Invitational Columbusの本戦でもUWR Miraclesを選択したプレイヤーが安定した成績でスイスラウンドを終えてトップ8に入賞していました。
以上SCGO Providence、SCG Invitational Columbus、SCGO Columbusの解説でした。
次回の記事ではSCGO Las VegasとSCGO Portlandの解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!
※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『SCGO Providence event coverage』
http://www.starcitygames.com/events/070614_providence.html
『SCGO Columbus event coverage』
http://www.starcitygames.com/events/130614_columbus.html