皆さんこんにちは。
Commander 2013が解禁になりました。現環境にも影響を与えそうなカードも数種類見られます。特に《真の名の宿敵》はStoneblade等の中速デッキを中心に早くも採用されメタに大きな影響を与えています。
さて、今回の記事ではSCGO Los AngelesとSCGO Dallas、そしてアメリカ、Philadelphiaで開催されたレガシーの一大イベントのLegacy Championships 2013の解説をしていきたいと思います。
SCGO Los Angeles トップ8 デッキアーキタイプ
2013年11月3日
1位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
2位 Sneak and Show/スニーク・ショー
3位 Jund/ジャンド
4位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶
5位 UWR Delver/トリコトラフト
6位 UW Miracle/ヘルムピース
7位 BUG/チームアメリカ
8位 Maverick/マーベリック
エターナルというフォーマットが人気のアメリカの中でもレガシーが最も盛んなエリアであるLos Angelesで行われたSCGO Los Angeles。Sneak and Show祭りだった前回のSCG Invitational Indianapolisの結果と大きく異なり、JundやUW Miracle等非コンボデッキが中心でした。Sneak and Showも2位に入賞していましたが優勝はRUG Delverでした。現状でコンボに対して安定した勝率が期待でき、キャントリップスペルや軽い優秀なクリーチャーとカウンターが揃っているのが魅力です。また、新カードの《真の名の宿敵》を早速採用しているデッキも見られました。
SCGO Los Angeles デッキ解説
「Esper Stoneblade」「UWR Delver」「UW Miracle」
1 《島》 1 《平地》 1 《沼》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 1 《忍び寄るタール坑》 1 《Karakas》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(22)- 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《瞬唱の魔道士》 2 《悪意の大梟》 3 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(12)- | 4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 3 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 2 《呪文貫き》 1 《思案》 1 《名誉回復》 4 《Force of Will》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(26)- | 3 《翻弄する魔道士》 3 《狼狽の嵐》 3 《安らかなる眠り》 1 《流刑への道》 1 《盲信的迫害》 1 《予期せぬ不在》 1 《至高の評決》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《火と氷の剣》 -サイドボード(15)- |
Commander 2013から早速《真の名の宿敵》がメインに、《予期せぬ不在》がサイドに採用されています。《真の名の宿敵》は装備品にアクセスできるStoneblade系のデッキで強さを発揮しそうな印象です。今回入賞したMarkのリストはメインに《悪意の大梟》が採用されている等SCG Invitational Indianapolisでもトップ8に入賞していたMichael Bernatのリストがベースになっているようです。単体除去に対して耐性があり青いカードでもある《真の名の宿敵》の登場により《未練ある魂》は不採用です。Sneak and ShowやReanimator等のコンボデッキが幅を利かせているメタに合わせて《Force of Will》がメインに4枚採用されています。《未練ある魂》の枠に青いカードである《真の名の宿敵》が加入したのでブルーカウントの方も依然と比べれば僅かながら安定しています。
《真の名の宿敵》との相性を考量してかスイーパー系の除去はサイドにも《至高の評決》が1枚と少な目です。《盲信的迫害》白黒のシンボルを要求しますがElvesや相手の《真の名の宿敵》に対してほぼスイーパーのような働きをします。《予期せぬ不在》は 相手のフェッチランドの起動に合わせてキャストすれば実質除去として働きます。《水没》と異なり土地でないパーマネントをバウンスできるので厄介な置物対策になります。
4 《Tundra》 3 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《渋面の溶岩使い》 3 《石鍛冶の神秘家》 2 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(11)- | 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 3 《もみ消し》 2 《ギタクシア派の調査》 2 《呪文貫き》 2 《剣を鍬に》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(30)- | 2 《翻弄する魔道士》 2 《真の名の宿敵》 2 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 2 《安らかなる眠り》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《剣を鍬に》 1 《Wear》 1 《拘留の宝球》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -サイドボード(15)- |
SCGO Indianapolisで入賞していた型と異なり《もみ消し》を採用しています。話題の《真の名の宿敵》もサイドに採用されています。3マナのクロックとして比較すると《真の名の宿敵》は単体除去を採用したShardless BUGや《罰する火》エンジンを搭載したJund等のデッキに対して特に有効で《聖トラフトの霊》と異なり相手のブロッカーを気にせずに殴りに行けるのでクロックとしても安定しています。
5 《島》 2 《平地》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 1 《秘教の門》 1 《Karakas》 1 《黄塵地帯》 -土地(23)- 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(2)- | 4 《渦まく知識》 3 《剣を鍬に》 2 《呪文貫き》 1 《悟りの教示者》 1 《天使への願い》 3 《Force of Will》 3 《終末》 4 《相殺》 3 《安らかなる眠り》 2 《エネルギー・フィールド》 1 《拘留の宝球》 4 《師範の占い独楽》 1 《Helm of Obedience》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(35)- | 3 《精神壊しの罠》 2 《紅蓮破》 2 《血染めの月》 1 《悟りの教示者》 1 《赤霊破》 1 《Wear》 1 《対抗呪文》 1 《天使への願い》 1 《謙虚》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
《Helm of Obedience》+《安らかなる眠り》のコンボを搭載したHelm Peaceと呼ばれているUW Miracleのバリエーションです。サイドのカードの為に赤をタッチしています。このリストは相手のダメージによる勝ち手段をシャットダウンする《安らかなる眠り》+《エネルギー・フィールド》のコンボも搭載しています。メインのクリーチャーは2枚の《ヴェンディリオン三人衆》のみです。
サイドにはShardless BUG等に刺さる《血染めの月》やSneak and Showのファッテイを無力化させる《謙虚》、ANTに対して《精神壊しの罠》と現在のメタに合わせた構成になっています。《悟りの教示者》で状況に応じた置物をサーチできるのも魅力です。
Legacy Championships 2013 トップ8 デッキアーキタイプ
Philadelphiaで開催されたEternal Weekendと呼ばれる大規模なEternalのトーナメントで文字通りレガシーとヴィンテージのトーナメントが行われました。レガシーは土曜日に行われ400人近い参加者を出す等大盛況でした。
2013年11月2日
1位 Death and Texas/デス&タックス
2位 UR Delver/青赤デルバー
3位 MUD/茶単
4位 Death and Taxes/白ウィニー
5位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
6位 ANT/むかつきストーム
7位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
8位 UWR Miracles/ヘルムピース
Death and Texasの優勝で幕を閉じたLegacy Championships 2013。
SCG Invitational Indianapolisで大暴れしたSneak and Showの姿はトップ8には見えず、RUG DelverやDeath and Taxes等の非コンボデッキが中心でした。2位 に入賞したUR DelverはCommander 2013からの期待の新戦力である《真の名の宿敵》を早速採用していました。
Legacy Championships 2013 デッキ解説
「Death and Texas」「UR Delver」
8 《平地》 3 《Karakas》 2 《地平線の梢》 1 《永岩城》 1 《魂の洞窟》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ファイレクシアの破棄者》 3 《ミラディンの十字軍》 3 《ちらつき鬼火》 2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《コロンドールのマンガラ》 1 《悪鬼の狩人》 -クリーチャー(27)- | 4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(10)- | 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《悟りの教示者》 2 《忘却の輪》 1 《太陽の槍》 1 《精神壊しの罠》 1 《安らかなる眠り》 1 《静寂》 1 《墓掘りの檻》 1 《弱者の石》 1 《万力鎖》 1 《呪われたトーテム像》 1 《火と氷の剣》 -サイドボード(15)- |
9 《平地》 3 《Karakas》 2 《地平線の梢》 1 《魂の洞窟》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ファイレクシアの破棄者》 2 《レオニンの遺物囲い》 3 《ちらつき鬼火》 3 《ミラディンの十字軍》 2 《エイヴンの思考検閲者》 1 《悪鬼の狩人》 -クリーチャー(27)- | 4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(10)- | 3 《外科的摘出》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《精神壊しの罠》 2 《忘却の輪》 2 《謙虚》 1 《絶対の法》 1 《厳密なる執行》 1 《万力鎖》 1 《肉体と精神の剣》 -サイドボード(15)- |
SCGサイトのプレミアライターでプロツアーやGPシーンでもコンスタントに入賞をし続けているアメリカのプロプレイヤーAri Lax。普段はANTを使っていますが、今回はDeath and Taxesを持ち込みなんと優勝してしまいました。自身の記事でもレポートとして挙げています。記事によれば、 ANTを使わなかった理由はストームコンボを《もみ消し》で妨害されるのにウンザリしたからだそうです。《もみ消し》や《不毛の大地》でマナを縛ってくるRUG Delverに対してはフェッチランドを一切搭載しておらず基本地形が8枚と多目に入っており、《霊気の薬瓶》でクリーチャーをカウンターされることなく場に出すことができるので相性の良いマッチアップです。Sneak and Showに対しても《騙し討ち》を指定した《ファイレクシアの破棄者》+ファッテイをバウンスする《Karakas》の組み合わせがあり、ドロースペルのコストを増加させる《スレイベンの守護者、サリア》もメインに4枚搭載されているので互角以上の勝負ができます。
《悟りの教示者》を採っている関係かサイドは1枚刺しのカードが多く見られます。《呪われたトーテム像》はElvesに対してサイドインされるカードで、こちらの《ルーンの母》や《コロンドールのマンガラ》も起動できなくなりますがElves側はクリーチャーの起動ができなくなることでゲームに勝つことが困難になります。青いデッキが使ってくることが予想される《真の名の宿敵》を突破する為に《火と氷の剣》が追加の装備品として採られています。《精神壊しの罠》はBelcher等の高速コンボデッキに対するこのデッキにとって数少ない対抗手段の一つです。その他は比較的オーソドックスに纏まっています。このデッキの《霊気の薬瓶》は《コロンドールのマンガラ》と《ちらつき鬼火》の能力をフルに活用する為に3で止めます。《コロンドールのマンガラ》+《Karakas》で相手のパーマネントを毎ターン追放したりと《悪鬼の狩人》の場に出た能力に対応して《ちらつき鬼火》を《霊気の薬瓶》から出して相手のクリーチャーを永久に追放しつつ別のクリーチャーを追放したり等が可能です。クリーチャーのCIP能力を使いまわしてアドバンテージを得る以外にも除去から護ったり《殴打頭蓋》をリセットしたりと等状況に応じて活用していきます。
4位に入賞したMicah Greenbaumのリストはメインは2枚採用されている《レオニンの遺物囲い》以外はほぼ同様の構成ですがサイドのカード選択が異なります。《絶対の法》はクリーチャーにプロテクション赤を与えるので除去を《稲妻》や《渋面の溶岩使い》に頼ったデッキに対して有効です。《厳密なる執行》はこのデッキにとって厄介なスレッショルドを満たした《敏捷なマングース》や青いデッキの新戦力として使われ始めている《真の名の宿敵》をシャットダウンできるカードです。相手の《真の名の宿敵》をすり抜ける為にプロテクション青を与える追加の装備品に《肉体と精神の剣》が採られています。追加の2ダメージとカードドローの《火と氷の剣》と比べると地味な性能ですが、プロテクション青緑は《敏捷なマングース》や《タルモゴイフ》をすり抜ける事ができます。Sneak and ShowやReanimatorのファッテイを無力化する《謙虚》も採用されています。こちらのクリーチャーも1/1バニラになってしまいますが装備品があるのであまり気になることもないでしょう。
メタ的にも有利な立ち位置でデッキのカードの価格も《リシャーダの港》の値段が最近上がってしまいましたが、他のレガシーのデッキと比べればリーズナブルなのでお勧めです。
2 《島》 4 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《渋面の溶岩使い》 3 《若き紅蓮術士》 3 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(12)- | 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《稲妻》 3 《呪文貫き》 3 《ギタクシア派の調査》 3 《もみ消し》 1 《二股の稲妻》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 -呪文(30)- | 4 《水没》 3 《血染めの月》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《トーモッドの墓所》 1 《呪文貫き》 1 《狼狽の嵐》 1 《赤霊破》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
Delver系のテンポデッキと言えばRUG DelverやUWR Delver等の3色が中心でしたが、今回入賞したOsypのリストは青赤の2色です。Commander 2013から新たに加入した《真の名の宿敵》が早くも採用されています。除去耐性持ちもクリーチャーの中でも《敏捷なマングース》のように墓地の状況に依存せず《聖トラフトの霊》のように色を足さずに済み相手のブロッカーによって止まることも無いなど非常に安定したクロックとして活躍できます。このデッキの2マナ域のクリーチャーとして採用されている《若き紅蓮術士》は《タルモゴイフ》と比べれば貧弱ですが、強さが墓地の状況に左右されなず軽いスペルを多く搭載しているこのデッキと相性の良いクリーチャーです。
2色の為基本地形を採る余裕もありShardless BUG等特殊地形を多数搭載したデッキにとって致命的となる《血染めの月》を採用可能となりました。
SCGO Dallas トップ8 デッキアーキタイプ
2013年11月10日
1位 UW Stoneblade/白青石鍛冶
2位 ANT/むかつきストーム
3位 UB Death’s Shadow/秘密を掘り下げる者
4位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
5位 Merfolk/マーフォーク
6位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶
7位 BUG Delver/チームアメリカ
8位 UWR Miracle/白青奇跡
前回のSCGO Los AngelesとLegacy Championships 2013の結果からその強さが明らかになった新カード《真の名の宿敵》は今大会では高い採用率を誇りました。
優勝は純正青白のStonebladeで《真の名の宿敵》がメイン、サイドと合わせて4枚フル搭載されていました。今大会は2位に入賞したANT以外のコンボが見当たらず青い非コンボデッキが中心でした。特に装備品を多数搭載したStoneblade系の中速デッキの活躍が目立った週末でした。
SCGO Dallas デッキ解説
「UW Stoneblade」「Merfolk」「UB Death’s Shadow」「BUG Delver」
3 《島》 2 《平地》 4 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 1 《Karakas》 4 《ミシュラの工廠》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(24)- 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《瞬唱の魔道士》 3 《真の名の宿敵》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(12)- | 4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 1 《呪文貫き》 1 《呪文嵌め》 1 《天界のほとばしり》 1 《対抗呪文》 1 《至高の評決》 4 《Force of Will》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(24)- | 3 《安らかなる眠り》 2 《翻弄する魔道士》 2 《白鳥の歌》 1 《真の名の宿敵》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《狼狽の嵐》 1 《流刑への道》 1 《至高の評決》 1 《拘留の宝球》 1 《真髄の針》 1 《万力鎖》 -サイドボード(15)- |
1 《島》 1 《平地》 1 《沼》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 1 《忍び寄るタール坑》 1 《Karakas》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(22)- 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《悪意の大梟》 2 《瞬唱の魔道士》 3 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(11)- | 4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 4 《思考囲い》 2 《思案》 2 《呪文貫き》 1 《呪文嵌め》 4 《Force of Will》 1 《拘留の宝球》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(27)- | 4 《翻弄する魔道士》 3 《狼狽の嵐》 2 《安らかなる眠り》 1 《流刑への道》 1 《盲信的迫害》 1 《至高の評決》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 1 《火と氷の剣》 -サイドボード(15)- |
今回優勝したTimothy Thomasonのデッキは純正青白Stonebladeです。最近のStonebladeと言えば黒を足したEsper Stonebladeや《死儀礼のシャーマン》を搭載したDeathblade、《秘密を掘り下げる者》を採用することでテンポ寄りにしたUWRが主流でしたが、青白の2色のStonebladeは久々です。スイスラウンドを無敗で駆け抜けそのまま優勝するという驚異的なパフォーマンスを誇りました。
《真の名の宿敵》はその高い除去耐性から装備品の対象としては最適で、悩みの種であった《罰する火》や《Maze of Ith》にも引っかかりません。その為《燃え柳の木立ち》等の特殊地形対策に採っていた《不毛の大地》も不採用です。代わりに《ミシュラの工廠》や破壊された装備品を回収する《アカデミーの廃墟》等が採用されています。《精神を刻む者、ジェイス》が4枚メインに搭載されていることからも分かるようにコントロール寄りの構成です。《真の名の宿敵》を意識しているようでメインから《天界のほとばしり》と《火と氷の剣》を採っています。《真の名の宿敵》はその高い除去耐性からブロッカーとしても優秀で飛行持ちではありませんが《未練ある魂》と似たような役割を果たす為、ハンデスと一部のサイドボードカード以外では黒を足すメリットがあまり見られなくなったことによって2色に戻った事が考えられます。6位に入賞したEsper Stonebladeも《真の名の宿敵》が《未練ある魂》に代わって採用されている所を見るとこの変更も納得です。2色になった事で基本地形を多数搭載する余裕ができ常に一定数存在するRUG Delver等のデッキに対する相性も向上したのもメリットの一つです。
コンボに対してはクロックも遅くカウンターも少な目なので特にサイド前の相性はお世辞にも良いとは言えませんが、サイド後はコンボに対して妨害要素がありクロックにもなる《翻弄する魔道士》や追加のカウンターの《狼狽の嵐》と《白鳥の歌》があるのでいくらかマシなゲームになります。《白鳥の歌》は相手に2/2飛行を与えてしまいますが《真の名の宿敵》のお蔭で相手のブロッカーは特に気にならずこのデッキならクリーチャーの対処も容易なのでコンボに対してはほぼ1マナの確定カウンターとして今後も見かけることが予想できます。同系もある程度まで意識していたようで相手の装備品対策に《万力鎖》も採用しています。今週末に行われるGP Washington D.C.でも流行ることが予想されます。
12 《島》 4 《変わり谷》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《呪い捕らえ》 4 《銀エラの達人》 4 《アトランティスの王》 4 《真珠三叉矛の達人》 2 《幻影の像》 4 《メロウの騎兵》 2 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(24)- | 3 《思案》 2 《呪文貫き》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《霊気の薬瓶》 -呪文(16)- | 3 《魔力流出》 2 《潮縛りの魔道士》 2 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》 2 《四肢切断》 2 《水没》 2 《大祖始の遺産》 2 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
《真の名の宿敵》はマーフォークでもあるので当然各種ロードの恩恵を受けられます。元々数で押すタイプのデッキなので3マナとレガシーでは重めのコストということもあり2枚の採用です。《行き詰まり》の代わりに《思案》が採られています。ドロー3枚は捨てがたい所ですが《秘密を掘り下げる者》や《石鍛冶の神秘家》等が幅を利かせている為セットアップが難しいのが現状です。
サイドには《渋面の溶岩使い》や《タルモゴイフ》を止める《潮縛りの魔道士》や除去の《四肢切断》、 《水没》等クリーチャー対策が中心です。《魔力流出》はあまり見かけないカードですが優秀なアンチArtifactカードで高い装備品の使用率から有効な選択だと思います。当然AffinityやMUD等にも有効です。
1 《島》 1 《沼》 4 《Underground Sea》 2 《湿った墓》 4 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 1 《溢れかえる岸辺》 3 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《死の影》 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《悪意の大梟》 2 《墓忍び》 -クリーチャー(14)- | 4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《思考囲い》 1 《思案》 4 《目くらまし》 3 《Hymn to Tourach》 1 《悪魔の布告》 1 《四肢切断》 2 《殺し》 4 《Force of Will》 -呪文(28)- | 4 《外科的摘出》 3 《狼狽の嵐》 2 《仕組まれた爆薬》 1 《コジレックの審問》 1 《悪魔の布告》 1 《Hymn to Tourach》 1 《四肢切断》 1 《仕組まれた疫病》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
《死の影》を中心に構築されたUB Delver。《ギタクシア派の調査》や《殺し》、《四肢切断》等《死の影》を活用する為にライフを支払う手段が豊富です。《湿った墓》等のショックランドは資産が足りない等の理由を除けばレガシーでは見かけませんがこのデッキではペイライフの手段として採用されています。アグレッシブな構成にも拘らずデイフェンシブな《悪意の大梟》がメインに4枚採用されていますが、ライフロスが激しいので相手のクリーチャーと1体1交換ができるブロッカーとしての採用だと考えられます。《真の名の宿敵》は《目くらまし》との相性もあり今回のリストには不採用のようです。
4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 2 《霧深い雨林》 2 《新緑の地下墓地》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《タルモゴイフ》 2 《墓忍び》 -クリーチャー(14)- | 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《Hymn to Tourach》 3 《突然の衰微》 1 《悪魔の布告》 4 《Force of Will》 3 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(27)- | 3 《外科的摘出》 3 《思考囲い》 3 《仕組まれた疫病》 2 《金粉のドレイク》 2 《クローサの掌握》 1 《悪魔の布告》 1 《壌土からの生命》 -サイドボード(15)- |
SHardless BUGと異なり《秘密を掘り下げる者》や《目くらまし》を搭載したテンポ寄りの型です。メインに3枚搭載された《ヴェールのリリアナ》や《悪魔の布告》等《真の名の宿敵》対策もしっかりしています。《精神を刻む者、ジェイス》が1枚も採用されていない等特徴のあるリストです。
サイドには《仕組まれた疫病》が3枚採用されています。ElvesやGoblinsに対しては勿論の事MerfolkかRogueを指定すれば《真の名の宿敵》も除去できます。
総括
SCGO Los AngelesはRUG Delverが、SCG Invitational Indianapolisで猛威を振るったSneak and Showを破って優勝しました。同週末にアメリカPhiladelphia で行われていた大規模なレガシーの大会であるLegacy Championships 2013ではDeath and Taxesの優勝で幕を閉じました。両イベント共にCommander 2013から新たに印刷された《真の名の宿敵》を搭載した青いデッキが見られました。
そしてその翌週に行われたSCGO Dallasでは同カードをフィーチャーした青白Stonebladeが優勝しました。単体除去に対して高い耐性がある《真の名の宿敵》は装備品にアクセスできるStonebladeと相性が良く今週末に開催されるGP Washington D.C.でも流行ることが予想できます。《真の名の宿敵》を無視できるコンボ以外のデッキを使う際は《至高の評決》等全体除去を忘れないようにしたいです。Commander 2013から新たに印刷された《毒の濁流》も期待できそうです。
以上SCGO Los Angeles、Legacy Championships 2013とSCGO Dallasの解説でした。
次回の記事ではSCGO ProvidenceとGP Washington D.C.の解説を予定しています。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーを!