ちょっと珍しいレガシーのデッキたち 2

晴れる屋

by Junya Takahashi


 ”ちょっと珍しいデッキたち”シリーズの出張編!

 今回は2月21日に開催されたGPT京都の会場から”ちょっと珍しい”レガシーのデッキを紹介しよう!

 カードプールの広さとは、すなわち可能性の大きさ。

 莫大なカードプールを使用するレガシー環境は、まさに未知なる可能性に溢れる「デッキビルダーたちの楽園」に違いない。

 会場を賑わした独創的なアイデアの数々をご覧あれ!



◆ 新たなリソース源はNINJA?!「青黒緑NINJA」!



「青黒緑NINJA」
GPT京都0221

2 《島》
1 《森》
1 《沼》
2 《Bayou》
2 《Tropical Island》
2 《Underground Sea》
4 《霧深い雨林》
4 《汚染された三角州》
4 《不毛の大地》

-土地(22)-

4 《死儀礼のシャーマン》
4 《悪意の大梟》
3 《とぐろ巻きの巫女》
2 《永遠の証人》
4 《深き刻の忍者》
1 《造物の学者、ヴェンセール》
1 《静風の日暮》

-クリーチャー(19)-
4 《渦まく知識》
1 《見栄え損ない》
4 《突然の衰微》
1 《残酷な布告》
2 《四肢切断》
1 《大渦の脈動》
4 《Force of Will》
2 《時を越えた探索》
1 《破滅的な行為》

-呪文(20)-
3 《思考囲い》
2 《根絶》
2 《否認》
1 《被覆》
1 《墓掘りの檻》
1 《真髄の針》
1 《ゴルガリの魔除け》
1 《クローサの掌握》
1 《再利用の賢者》
1 《毒の濁流》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《再利用の賢者》

-サイドボード(15)-
hareruya



 スゥルタイ、アナと呼ばれ『カードアドバンテージの宝庫』として知られる青黒緑という3色の組み合わせは、レガシー環境でも【青黒緑続唱】を筆頭にタフなデッキとして活躍している。

 そんな青黒緑にさらなるアドバンテージの息吹を吹き込んだのが今回紹介する「青黒緑NINJA」である。

 その鍵となるアドバンテージ源は、なんとNINJA!

 《悪意の大梟》《永遠の証人》といった優秀なETB能力をもつクリーチャーを、《深き刻の忍者》《静風の日暮》で使い回すことをコンセプトとしている。


深き刻の忍者悪意の大梟永遠の証人


 《突然の衰微》《四肢切断》など優秀な除去が道を拓き、《深き刻の忍者》のドロー能力と《悪意の大梟》たちのETB能力がさらなる除去を供給してくれる。

 《深き刻の忍者》がもたらすアドバンテージは1ターンに1枚とゆったりしたペースなので早いゲームでは十分な活躍はできないかもしれないが、遅いゲームや消耗戦では《精神を刻む者、ジェイス》などのプレインズウォーカー以上の活躍も期待できるかもしれない。



◆ 懐かしの《疫病吐き》登場!「Plague Beat」!



「Plague Beat」
GPT京都0221

2 《沼》
1 《平地》
3 《Badlands》
1 《Plateau》
3 《Scrubland》
4 《湿地の干潟》
3 《血染めのぬかるみ》
2 《乾燥台地》
1 《Karakas》
2 《不毛の大地》

-土地(22)-

4 《死儀礼のシャーマン》
3 《ヨツンの兵卒》
3 《川の殺し屋、シグ》
2 《石鍛冶の神秘家》
4 《疫病吐き》

-クリーチャー(16)-
4 《Chain Lightning》
4 《稲妻》
3 《思考囲い》
3 《Hymn to Tourach》
1 《名誉回復》
1 《師範の占い独楽》
1 《梅澤の十手》
1 《火と氷の剣》
1 《殴打頭蓋》
3 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(22)-
4 《紅蓮破》
2 《悟りの教示者》
2 《真髄の針》
2 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《思考囲い》
1 《虚無の呪文爆弾》
1 《赤の防御円》
1 《忘却の輪》

-サイドボード(15)-
hareruya



 かつて「ファイアーズ」や「ブルーオーブ」が世間を賑わせていた頃、「《虚空》」や「マシーンヘッド」といった赤黒を主軸としたデッキのヒーローは《疫病吐き》だった。

 《極楽鳥》を薙ぎ払い、苗木トークンを一掃する。毎ターン1点ダメージをばら撒くという地味な能力ながらも、あらゆるデッキのコンセプトを破壊する小さなホラーは、1ターン目の《暗黒の儀式》とともに恐れられた。

 そして幾年か越しに登場した《疫病吐き》は一つの標的を見据えている。

 それは《若き紅蓮術士》だ。


疫病吐き川の殺し屋、シグ若き紅蓮術士


 コンボデッキ相手にはただの3マナ2/2なのであまり期待はできないが、「青赤デルバー」には最高クラスのアンチカードとして活躍する。《秘密を掘り下げる者》《若き紅蓮術士》という2種類のキークリーチャーを完璧に封じ込めることができるからだ。

 さらに、プレイヤーにもばら撒く1点ダメージも侮れない。この1点に《死儀礼のシャーマン》の黒い能力、あるいは《疫病吐き》の攻撃による2点が追加されると《川の案内者、シグ》のドロー能力の条件を満たしてくれる。

 この能力は各エンドステップに誘発するため、対戦相手のターンに《疫病吐き》が死んでしまったときにも、追加で2点のダメージさえ与えられればドローできる。

 また、《疫病吐き》《殴打頭蓋》を装備させると強くて可愛いだけでなく、絆魂の効果によってばら撒いたダメージの分だけライフを回復することも見逃せない。

 デッキの核としては頼りない存在かも知れないが、全ては環境次第だろう。タフネス1がはびこる世なら、そこにはきっと《疫病吐き》の居場所があるはずだ。



◆ レガシーは『青い環境』?なら「《窒息》ジャンド」でしょ!



《窒息》ジャンド」
GPT京都0221

7 《森》
1 《沼》
1 《山》
1 《Badlands》
4 《新緑の地下墓地》
1 《樹木茂る山麓》
4 《魂の洞窟》
1 《Karakas》
1 《ケッシグの狼の地》
1 《ヴォルラスの要塞》

-土地(22)-

4 《東屋のエルフ》
4 《桜族の長老》
1 《永遠の証人》
1 《再利用の賢者》
4 《業火のタイタン》
4 《原始のタイタン》
1 《マグマの巨人》
1 《森滅ぼしの最長老》

-クリーチャー(20)-
4 《突然の衰微》
4 《楽園の拡散》
3 《ミリーの悪知恵》
4 《窒息》
4 《野生語りのガラク》

-呪文(19)-
4 《墓掘りの檻》
3 《紅蓮地獄》
3 《クローサの掌握》
3 《殺戮遊戯》
1 《外科的摘出》
1 《古えの遺恨》

-サイドボード(15)-
hareruya



 レガシーといえば何色?

 そんな質問をしたならば、おそらく多くの人が『青』だと答えるだろう。コンボ、コントロール、テンポとデッキの幅は広く、《渦まく知識》《Force of Will》などの強力なカードを擁する青はいつだって人気色だ。

 つまり、レガシーを攻略するには、青を倒すことは避けられない命題といえる。

 そこで浮かび上がるのがひとつの妙案だ。

 それは、青を対策した「青以外に強いデッキ」。デッキとしては青に弱いがメインボードから対策カードを採用することで補強する、といった寸法である。机上の理論では最強候補のデッキなのだが、そううまく動いてくれないのが現実だ。

 対策カードを引かなかったり、対策カードを別のマッチアップで引いたりと、どうしても各所で不都合が起きてしまう。

 そんな理不尽な現実と戦う意欲作が、今回紹介する「《窒息》ジャンド」である。


窒息業火のタイタンミリーの悪知恵


 青いデッキは4枚ずつ採用された《窒息》《魂の洞窟》で攻略し、その他のクリーチャーデッキにはマナ加速からの《業火のタイタン》で圧勝というシナリオとなっている。

 《ミリーの悪知恵》は、《窒息》を適切なタイミングで引き寄せる鍵として活躍するとともに、マナランプ系の特徴でもある『マナ加速と実のバランスの悪さ』を調整するスタビライザーとしても優秀だ。

 理論上は最強のデッキの「《窒息》ジャンド」。是非一度お試しあれ!