皆さんこんにちは。
待ちに待ったモダンマスターズが発売されました。《タルモゴイフ》や《闇の腹心》等レガシーでも活躍しているカードが多数含まれた豪華なセットです。皆さんのお目当てのカードは再録されていましたか?
さて、今回の記事ではSCGO BaltimoreとSCGO St. Louisの入賞デッキの解説をしていきたいと思います。
SCGO Baltimore トップ8 アーキタイプ
2013年6月2日
1位 Esper Deathblade /デスブレード
2位 Sneak and Show/スニーク・ショー
3位 Shardless BUG /青黒緑アグロ
4位 UWR Delver/トリコトラフト
5位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
6位 Sneak and Show/スニーク・ショー
7位 Omni-tell/実物提示教育+全知
8位 Esper Deathblade/4色ジャンク※
※編集より※
8位Chris Marshallのデッキは、StarCityGamesのHP上、及び当コラム上ではEsper Deathblade/デスブレードと表記していますが、《石鍛冶の神秘家》が採用されていない為Happymtgのデッキ検索(データベース)上では4色ジャンクに分類されています。
前回に引き続き優勝はEsper Deathbladeでした。前回と同様青系のデッキとコンボがトップ8の大半を占めていましたが、ANTが勝ち組だった前回と異なり《実物提示教育》系のデッキが結果を残しました。
SCGO Baltimore デッキ解説
「Esper Deathblade」「Sneak and Show」「Omni-tell」
1 《島》 1 《平地》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 2 《Tundra》 1 《Scrubland》 1 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《湿地の干潟》 1 《忍び寄るタール坑》 1 《Karakas》 3 《不毛の大地》 -土地(24)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《瞬唱の魔道士》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(15)- |
4 《渦まく知識》 1 《思案》 3 《Force of Will》 4 《剣を鍬に》 2 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(21)- |
3 《聖トラフトの霊》 2 《外科的摘出》 2 《思考囲い》 2 《至高の評決》 2 《翻弄する魔道士》 1 《流刑への道》 1 《解呪》 1 《名誉回復》 1 《Force of Will》 -サイドボード(15)- |
1 《島》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 2 《Tropical Island》 1 《Tundra》 1 《Scrubland》 1 《Bayou》 4 《霧深い雨林》 4 《汚染された三角州》 2 《新緑の地下墓地》 1 《忍び寄るタール坑》 2 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(16)- |
4 《渦まく知識》 1 《思案》 1 《対抗呪文》 4 《剣を鍬に》 3 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(21)- |
4 《Force of Will》 2 《仕組まれた疫病》 2 《外科的摘出》 2 《突然の衰微》 1 《思考囲い》 1 《解呪》 1 《梅澤の十手》 1 《ジェイス・ベレレン》 1 《Karakas》 -サイドボード(15)- |
2週連続優勝のEsper Deathblade。今回もトップ8に2名送り込む活躍です。
今回優勝したTodd Andersonのリストは、前回のSCGO Nashvilleを優勝したリストのアップデート版のようです。前回活躍した《概念泥棒》はサプライズ要素的だった事もあり今回は不採用でした。SCGOのように参加人数が多く色々なデッキと当たる可能性のあるメタを見越して、《Force of Will》がメインに採用されています。メインのブルーカウントが僅か14枚とピッチでキャストするのには不安が残りますが、《闇の腹心》や《渦まく知識》もあるので特に問題無さそうです。
サイドの《聖トラフトの霊》は特にコンボデッキに対して毎ターン6点のダメージを叩き出す優秀なクロックです。また、レガシー環境の除去は《剣を鍬に》や《稲妻》等単体除去が中心なので、それらの除去に頼っている非コンボデッキに対してもサイドインします。
8位に入賞したChris Marshallのリストは《石鍛冶の神秘家》パッケージの代わりに《タルモゴイフ》を採用する等、一風変わったアプローチがされています。先程のTodd Andersonのリストと異なり《Force of Will》が不採用で《ヴェールのリリアナ》がメインに採用されています。デッキ全体を見渡してみると、StonebladeというよりもBUGタッチ白に近いデッキです。
先に述べました通りメインにはカウンターを採用していないので、コンボデッキを相手にした際には苦戦を強いられそうです。サイドの《ジェイス・ベレレン》を含め計5枚のJaceが採用されている事から、Esper Deathbladeとのミラーマッチが多くなると想定して構築されているようです。
2 《島》 1 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 3 《霧深い雨林》 1 《溢れかえる岸辺》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- 4 《グリセルブランド》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 1 《定業》 3 《呪文貫き》 4 《Force of Will》 3 《誤った指図》 2 《直観》 4 《実物提示教育》 4 《騙し討ち》 4 《水蓮の花びら》 -呪文(33)- |
3 《墓掘りの檻》 3 《裂け目の突破》 2 《狼狽の嵐》 2 《赤霊破》 2 《師範の占い独楽》 2 《この世界にあらず》 1 《残響する真実》 -サイドボード(15)- |
今大会トップ8に2名送り込む活躍を見せたSneak and Show。
James Pogueのリストは比較的オーソドックスな構成ですが、サイドの《この世界にあらず》は面白いチョイスです。対象はかなり限定されてしまいますが、《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》を《Karakas》のバウンスからマナを支払うことなく守る事ができます。特に来月のルールの変更後は《Karakas》を対消滅させる事が不可能になるので、チョイスの一つとして検討の余地はあると思います。
10 《島》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《霧深い雨林》 3 《裏切り者の都》 -土地(20)- 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(1)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《定業》 1 《衝動》 3 《狡猾な願い》 4 《Force of Will》 3 《否定の契約》 4 《実物提示教育》 4 《無限への突入》 1 《神聖の力線》 3 《ドリーム・ホール》 4 《全知》 -呪文(39)- |
3 《神聖の力線》 2 《防御の光網》 1 《否定の契約》 1 《殺戮の契約》 1 《サファイアの魔除け》 1 《有毒の蘇生》 1 《計略縛り》 1 《エラダムリーの呼び声》 1 《蟻の解き放ち》 1 《直観》 1 《急流》 1 《火想者の予見》 -サイドボード(15)- |
GP Strasbourgでも初日全勝という活躍をしていたOmni-tellと同タイプのデッキです。
デッキの動きは《実物提示教育》から《全知》or《ドリーム・ホール》を出し、《無限への突入》をキャストしカードを引いた後《無限への突入》をライブラリトップに戻し、必要なら《全知》を出し《狡猾な願い》から《蟻の解き放ち》でゲームに勝利します。青単色なので《不毛の大地》等の特殊地形対策に強いのが特徴です。また、《実物提示教育》を対策されても《ドリーム・ホール》を素でキャストする事が可能なのもこのデッキの強みです。
デッキの構成上《エーテル宣誓会の法学者》に弱いので、サイドには対策として《殺戮の契約》や《急流》が採用されています。《計略縛り》は、《実物提示教育》経由で《全知》等を出す際に相手が出してくる《拘留の宝球》や《造物の学者、ヴェンセール》等を対策することができます。
SCGO St.Louis トップ8 アーキタイプ
2013年6月9日
1位 UB Tezzeret /テゼレッター
2位 Death and Taxes/デス&タックス
3位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
4位 Sneak and Show/スニーク・ショー
5位 ANT/むかつきストーム
6位 UWR Delver/トリコトラフト
7位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
8位 Reanimator/リアニメイト
前回と異なりDeathbladeはトップ8に一人も残らず、Delver系のテンポデッキとコンボデッキが勝ち組だったようです。
優勝は、 SCGO Nashvilleでもトップ8に入賞していたローグデッキのUB Tezzeretでした。
SCGO St.Louis デッキ解説
「UB Tezzeret」「Death and Taxes」「UWR Delver」
1 《島》 1 《沼》 4 《Underground Sea》 3 《汚染された三角州》 3 《闇滑りの岸》 1 《教議会の座席》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(22)- 4 《悪意の大梟》 -クリーチャー(4)- |
2 《Transmute Artifact》 2 《知識の渇望》 4 《Force of Will》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 4 《虚空の杯》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《虚無の呪文爆弾》 3 《ディミーアの印鑑》 3 《威圧のタリスマン》 2 《飛行機械の鋳造所》 2 《弱者の剣》 1 《漸増爆弾》 1 《罠の橋》 -呪文(34)- |
3 《磁石のゴーレム》 2 《強迫》 2 《非業の死》 2 《滅び》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《墓掘りの檻》 1 《弱者の石》 1 《真髄の針》 1 《三なる宝球》 -サイドボード(15)- |
SCGO Nashvilleでもトップ8に入賞していたUB Tezzeret。2マナランドの《古えの墳墓》と《裏切り者の都》で加速していき、《精神を刻む者、ジェイス》や《ボーラスの工作員、テゼレット》といったパワーカードを高速展開していくデッキです。
2マナランドからの《虚空の杯》X=1により、1ターン目から相手の1マナスペルを完封することができます。
自分で《虚空の杯》X=1をプレイするため、青いデッキの定番スペルである《渦まく知識》は不採用となっており、代わりのドロー操作としてデッキの構成上相性の良い《知識の渇望》が採用されています。また、《飛行機械の鋳造所》+《弱者の剣》のコンボも搭載されており《Transmute Artifact》で容易にそろえる事が可能です。
サイドボードはSCGO Nashvilleから少し調整が加えられています。追加の《罠の橋》が解雇され、代わりに《磁石のゴーレム》が採用されています。《罠の橋》はSneak and Showに対する有効な回答ですが、既にメインに1枚採用されており、《Transmute Artifact》でサーチできるので枚数を取る必要は無いと判断されたようです。《磁石のゴーレム》はコンボ対策、特にOmni-tell対策として期待できそうです。
9 《平地》 4 《Karakas》 2 《地平線の梢》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《ファイレクシアの破棄者》 3 《ミラディンの十字軍》 3 《ちらつき鬼火》 3 《コロンドールのマンガラ》 2 《エイヴンの思考検閲者》 -クリーチャー(27)- |
4 《剣を鍬に》 4 《霊気の薬瓶》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(10)- |
3 《安らかなる眠り》 2 《悟りの教示者》 2 《精神壊しの罠》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《萎れ葉のしもべ》 1 《墓掘りの檻》 1 《梅澤の十手》 1 《光と影の剣》 1 《忘却の輪》 -サイドボード(15)- |
GP Strasbourgで優勝した事が記憶に新しいレガシー版の白ウイニー。
白単色のクリーチャーデッキということでコンボに弱い印象がありますが、メインから《スレイベンの守護者、サリア》《ファイレクシアの破棄者》各4枚ずつ、サイドにも《エーテル宣誓会の法学者》が2枚と多数のヘイトベアーが採用されているのに加え、サイドボードには追加の対策として《精神壊しの罠》も採用しているので見た目よりもコンボに強い構成になっています。
3 《Tundra》 3 《Volcanic Island》 1 《Plateau》 4 《沸騰する小湖》 3 《乾燥台地》 1 《Karakas》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(11)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《呪文貫き》 4 《もみ消し》 4 《目くらまし》 3 《Force of Will》 4 《稲妻》 3 《剣を鍬に》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(30)- |
3 《外科的摘出》 2 《紅蓮破》 2 《摩耗+損耗》 2 《終末》 1 《狼狽の嵐》 1 《呪文貫き》 1 《赤霊破》 1 《剣を鍬に》 1 《梅澤の十手》 1 《Force of Will》 -サイドボード(15)- |
《秘密を掘り下げる者》や《目くらまし》を採用してテンポを重視した《石鍛冶の神秘家》デッキ。
《聖トラフトの霊》は装備品とも相性の良いのでデッキの戦略にマッチしています。3マナとテンポデッキのクロックとしてはコストが高めですが、《敏捷なマングース》や《タルモゴイフ》と異なり墓地に依存しておらず、単体除去が中心のレガシーでは対処され難い等、信頼できるクロックの条件を満たしていると言えます。相手のブロッカーも《剣を鍬に》と《稲妻》で容易に退かす事ができます。
サイドの《終末》は、クリーチャーを多く採っているこのデッキの戦略に合っているのか疑問が残ります。このデッキにとって厄介なカードである《未練ある魂》や今回2位に入賞したDeath and Taxesへの対策になると同時に、《聖トラフトの霊》と天使トークンのパワーを強化できる《硫黄の精霊》を採用した方が良さそうです。
総括
SCGO Baltimoreは前回のSCGO Nashvilleと同様にEsper Deathbladeの優勝で幕を閉じました。
ですが、その翌週に行われたSCGO St. Louisはメタが大きく異なり、《秘密を掘り下げる者》を使ったテンポデッキが多数入賞する中ローグデッキであるUB Tezzeretが優勝しました。
次回のSCGO Columbusは、Deathblade等の青いデッキが人気のあるエリアなのでSCGO Nashvilleと似たメタになると予想できます。
以上、SCGO BaltimoreとSCGO St. Louisの解説でした。
次回の記事ではSCGO ColumbusとSCGO Philadelphiaの解説を予定しています。
今週末に行われるSCGO Columbusには筆者も参加予定です。入賞目指してベストを尽くしたいと思います。
それでは次回の記事で会いましょう。楽しいレガシーを!