皆さんこんにちは。
5月3日に「ドラゴンの迷路/Dragon’s Maze(DGM)」が発売されました。プレリリースや発売記念週末がありましたが新カードの感触はいかがでしたか?
さて、今回の記事ではDGM発売前のStarCityGames.com Open Series(SCGO) Seattle入賞デッキ解説と、おまけとしてDGMの中で気になったカードを見ていきたいと思います。
SCGO Seattle トップ8デッキアーキタイプ
2013年4月21日
1位 Hive Mind/実物提示教育
2位 Dark Maverick/マーベリック
3位 Bant/バント
4位 Merfolk/マーフォーク
5位 Reanimator/リアニメイト
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 Elves/エルフ
8位 UW Miracle/白青奇跡
今回のSCGOのトップ8は8名とも異なるアーキタイプで入賞していました。優勝はなんとHive Mindでした。《実物提示教育》系のデッキはSneak and Showを中心に活躍していましたがHive Mindの入賞は久々です。他にもMaverickに黒を足したDark MaverickやTempo Bant、部族デッキ等バラエティに富んでました。
SCGO Seattle デッキ解説
「Hive Mind」「Dark Maverick」「Bant」「UW Miracle」
4 《島》 4 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《霧深い雨林》 1 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 2 《Volcanic Island》 -土地(19)- 3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(3)- |
4 《渦まく知識》 4 《Force of Will》 3 《直観》 4 《否定の契約》 4 《タイタンの契約》 1 《召喚士の契約》 3 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《実物提示教育》 4 《集団意識》 3 《厳かなモノリス》 -呪文(38)- |
4 《神聖の力線》 4 《虚空の力線》 2 《狼狽の嵐》 2 《呪文貫き》 3 《炎渦竜巻》 -サイドボード(15)- |
Hive Mindは《実物提示教育》系のデッキの中ではSneak and ShowやOmni-Tell等と比較するとマイナーなデッキでしたが今回なんと優勝という快挙を成し遂げました。11キャントリップ搭載の安定性重視の構成です。昨年行われたSCGO Las Vegasでも入賞していたHive Mindと同様に安全確認が可能な《ギタクシア派の調査》が《定業》よりも優先して採用されています。
サイドは墓地対策に《虚空の力線》、一定数存在する《Hymn to Tourach》等ハンデス対策に《神聖の力線》、コンボ対策に《狼狽の嵐》、《呪文貫き》、そしてクリーチャーデッキ特に部族系のデッキ対策に《炎渦竜巻》と分かり易い構成です。
1 《ドライアドの東屋》 1 《森》 1 《平地》 2 《Bayou》 2 《地平線の梢》 1 《Maze of Ith》 3 《Savannah》 1 《Scrubland》 4 《新緑の地下墓地》 3 《不毛の大地》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《Karakas》 -土地(24)- 2 《極楽鳥》 3 《死儀礼のシャーマン》 4 《聖遺の騎士》 4 《ルーンの母》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 2 《漁る軟泥》 1 《スクリブのレインジャー》 2 《石鍛冶の神秘家》 1 《ガドック・ティーグ》 -クリーチャー(21)- |
4 《剣を鍬に》 4 《緑の太陽の頂点》 4 《思考囲い》 1 《森の知恵》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(15)- |
1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《トーモッドの墓所》 1 《Zuran Orb》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《仕組まれた疫病》 1 《忘却の輪》 2 《突然の衰微》 3 《悟りの教示者》 2 《遍歴の騎士、エルズペス》 1 《陰謀団式療法》 -サイドボード(15)- |
久々の入賞のMaverick。David Doberneのリストは 《死儀礼のシャーマン》と《思考囲い》、サイドの《突然の衰微》、《仕組まれた疫病》、《陰謀団式療法》の為に黒を足しています。《思考囲い》はMaverickが苦手とするコンボデッキに対して有効な対抗手段となります。
サイドには《悟りの教示者》パッケージが積まれています。《仕組まれた疫病》や《エーテル宣誓会の法学者》等の特定のデッキに対して決定的なカードをサーチできます。StarCityGamesのサイトにDavid Doberne氏本人のトーナメントレポートが一般公開の記事としてアップされています。英語ですが本人による詳しい解説が載っています。(→こちら)
1 《ドライアドの東屋》 1 《森》 1 《島》 1 《溢れかえる岸辺》 4 《霧深い雨林》 3 《Savannah》 3 《Tropical Island》 1 《Tundra》 3 《不毛の大地》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《Karakas》 -土地(23)- 4 《聖遺の騎士》 4 《貴族の教主》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 2 《漁る軟泥》 1 《森を護る者》 1 《ガドック・ティーグ》 3 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(16)- |
4 《渦まく知識》 2 《Force of Will》 2 《呪文貫き》 4 《剣を鍬に》 4 《緑の太陽の頂点》 2 《梅澤の十手》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(21)- |
1 《仕組まれた爆薬》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 2 《狼狽の嵐》 1 《Force of Will》 1 《クローサの掌握》 2 《否認》 2 《流刑への道》 1 《呪文貫き》 1 《梅澤の十手》 2 《遍歴の騎士、エルズペス》 1 《ボジューカの沼》 -サイドボード(15)- |
久々の入賞のTempo Bantです。他の青いテンポデッキと異なりカウンターはメインでは2枚ずつ採用されている《Force of Will》と《呪文貫き》のみでクリーチャーが多く積まれています。コンボデッキに対抗する為にメインに《ヴェンディリオン三人衆》と《ガドック・ティーグ》が採られています。部族も意識しているのかメインとサイド合わせて《梅澤の十手》が3枚採用されています。
サイドの追加のPWの《遍歴の騎士、エルズペス》はコントロールや中速デッキとのマッチアップで活躍しそうです。特にこのデッキは《貴族の教主》のおかげで1ターン早くPWを展開できるのが強みです。
4 《島》 2 《平地》 1 《乾燥台地》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 2 《秘教の門》 2 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 2 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 2 《Karakas》 -土地(23)- 3 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(4)- |
4 《渦まく知識》 1 《対抗呪文》 3 《Force of Will》 1 《誤った指図》 3 《呪文貫き》 3 《剣を鍬に》 2 《天使への願い》 1 《至高の評決》 3 《終末》 4 《相殺》 1 《安らかなる眠り》 4 《師範の占い独楽》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(33)- |
1 《仕組まれた爆薬》 1 《真髄の針》 1 《硫黄の精霊》 1 《謙虚》 2 《安らかなる眠り》 2 《青霊破》 1 《解呪》 2 《誤った指図》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 1 《天使への願い》 -サイドボード(15)- |
ほぼ毎回入賞しているUW MiracleのエキスパートのJoe Lossett。毎回同じデッキを使用していますがメイン、サイド共に調整をしています。他のリストと比較しても特徴があります。 中盤以降《造物の学者、ヴェンセール》や《ヴェンディリオン三人衆》の能力を使いまわす為メインに《Karakas》を2枚採用しています。また、多くのマナが必要になるので土地の枚数も通常のリストよりも多目の23枚です。今回のリストはメインに《安らかなる眠り》が採られています。《Helm of Obedience》コンボは搭載されていませんが環境に数多く存在する《死儀礼のシャーマン》や《タルモゴイフ》は勿論の事Dredge、Reanimator等墓地に依存するデッキをメインからメタる事ができる《安らかなる眠り》は単体でも充分活躍できるので納得の選択です。
サイドには追加の墓地対策に2枚の《安らかなる眠り》が採られています。JundやBUGが使ってくる《Hymn to Tourach》対策に追加の《誤った指図》もしっかり積まれています。
Dragon’s Maze Set Review
さて、今回の記事はSCGOの大会結果が一つだけだったので、おまけとして新セットのDragon’s Mazeからレガシーでも活躍しそうなカードを見ていきたいと思います。筆者の住むミシガン州のマジックプレイヤーからもお話を聞く事ができました。
「Dragon’s Mazeでレガシーでも活躍しそうなカードは?」
Jon Johnson(主な戦績:PT Dark Ascension出場) →《概念泥棒》
まだ試してないから分からないけど《行き詰まり》との組み合わせが面白そうだ。相手のエンドに《概念泥棒》を出してその後《行き詰まり》を出す。相手にスペルをキャストさせても自分でスペルをキャストしても《行き詰まり》を壊してドローできる。
Michael Antrim(主な戦績:StarCity Open Legacy Top8) →《花崗岩の凝視》
《老練の探険者》を使うデッキでは《破滅的な行為》よりも強いと思う。PWも流せるしね。
Ben Ball(主な戦績:StarCity Open Legacy Top8) →《不可侵議員》
青白系のミラーマッチで使うと面白そうだ。《精神を刻む者、ジェイス》を指定するんだ。
Daniel Buzzie(主な戦績:StarCity Open Top32, 16) →《摩耗+損耗》《血の公証人》
《摩耗+損耗》は優秀なサイドボードカードとして色の合うデッキには採用されると思う。
《血の公証人》は《闇の腹心》のような強さは無いと思うけど高いポテンシャルを秘めている。
色々な意見が聞けて参考になりました。特に《概念泥棒》と《行き詰まり》の組み合わせは確かに面白そうです。《花崗岩の凝視》もマナが出せるデッキでは優秀なスイーパーとして活躍できるかもしれませんね。
それでは最後に筆者のDragon’s Mazeで気になったカードを挙げていきたいと思います。
1:《唯々+諾々》
《唯々+諾々》はレガシーのElvesの新戦力として活躍しそうです。《垣間見る自然》の効果を持つカード8枚体制のElvesが今後どのように活躍をするのか楽しみです。
2:《摩耗+損耗》
Daniel Buzzieのインタビューでも挙げられていたカードですが主にUWR Miracle等のサイドボードに数枚採られそうです。異なるコストの分割カードは《相殺》とも相性が良いので《解呪》よりも優先されそうです。
3:《概念泥棒》
Esper Stoneblade等のミラーマッチのサイドボードとして活躍しそうです。相手の《精神を刻む者、ジェイス》の+0起動や《渦まく知識》にレスポンスして出す事ができればアドバンテージを稼ぐ事が出来ます。青い中速デッキの4マナ粋は《精神を刻む者、ジェイス》や《造物の学者、ヴェンセール》等が存在し競争率は高そうですが充分に採用を検討する価値はあると思います。
総括
SCGO SeattleはMaverick等のデッキも復権して、最近の青いデッキ一色のメタと異なり個性豊かな顔ぶれでした。そして優勝も《実物提示教育》系のデッキではありましたがその中では最近あまり見かけなくなったHive Mindでした。次回のSCGOはいよいよ新セットDragon’s Mazeが解禁されます。どのようなデッキが活躍するのか楽しみです。
以上、SCGO Seattleの解説とDragon’s Mazeのセットレビューでした。
それでは次回の記事でお会いしましょう。楽しいレガシーを!