皆さんこんにちは!
もうすぐ「ギルド門侵犯/Gatecrash」が発売ですね。スポイラーも全て公開されたようですが皆さんの注目のカードは何でしょうか?
さて、今回は「StarCityGames.com Open Series(SCGO) San Diego」と「SCGO Dallas」の解説をしていきたいと思います。
SCGO San Diego トップ8デッキアーキタイプ
2013年1月13日
1位 12 Post/12ポスト
2位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
3位 Jund/ジャンド
4位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
5位 Reanimator/ダークデプス
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 UW Miracle/ヘルムピース
8位 Dredge/発掘
定番の「RUG Delver」や、Grand Prix Denver 2013でも準優勝していた「Jund」に混ざって、「Dredge」や「Reanimator」等墓地を使ったコンボデッキが活躍したSan Diego。そんな中ローグデッキの「12 Post」が優勝を果たしました。デッキ自体は以前からたまに入賞していましたが、優勝は筆者の知る限りでは初めてです。
SCGO San Diego デッキ解説
「12ポスト」「カナディアン・スレッショルド」「ジャンド」
1 《島》 4 《Tropical Island》 1 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 4 《雲上の座》 4 《微光地》 4 《ヴェズーヴァ》 1 《ボジューカの沼》 1 《Glacial Chasm》 1 《Karakas》 1 《ウギンの目》 -土地(25)- 4 《原始のタイタン》 1 《真実の解体者、コジレック》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 4 《実物提示教育》 4 《撤廃》 4 《輪作》 2 《Candelabra of Tawnos》 4 《師範の占い独楽》 3 《真髄の針》 3 《探検の地図》 -呪文(28)- |
1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 2 《造物の学者、ヴェンセール》 4 《狼狽の嵐》 2 《エレファント・グラス》 1 《真髄の針》 2 《呪われたトーテム像》 3 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
今回優勝を果たした「12 Post」。《実物提示教育》系デッキのバリエーションの一つで、「Omni-tell」や「Sneak and Show」が速度を重視した構成なのに対して、このデッキは土地を伸ばす事によって《実物提示教育》に頼らずとも容易にデカブツを素で出します。そのデカブツも《ウギンの目》でサーチできて安定性が重視されています。高速コンボや《不毛の大地》デッキに対しては相性が悪いものの、GP Denverを制した「Esper Stoneblade」等の中速デッキに対しては有利に展開していけます。優勝者のTonyもそれを理解していたのかコンボ対策にサイドに《虚空の杯》と《狼狽の嵐》を採用しています。問題の《不毛の大地》もメインから採用されている《真髄の針》で対策していました。
3 《Volcanic Island》 3 《Tropical Island》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 3 《タルモゴイフ》 1 《漁る軟泥》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《もみ消し》 3 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《稲妻》 1 《二股の稲妻》 2 《イゼットの魔除け》 -呪文(30)- |
1 《渋面の溶岩使い》 3 《水没》 2 《外科的摘出》 1 《紅蓮破》 1 《古えの遺恨》 2 《乱暴+転落》 2 《硫黄の渦》 1 《壌土からの生命》 1 《クローサの掌握》 1 《トーモッドの墓所》 -サイドボード(15)- |
「BUG/黒青緑」や「Jund」等《死儀礼のシャーマン》を使ったデッキの流行で最近は以前ほどの勢いが無くなっていた印象のある「RUG Delver」。ですがSCGO San Diegoではトップ8に2名と、優勝こそ逃しましたが大活躍でした。
メインに2枚採用されている《イゼットの魔除け》は、クリーチャーに2点ダメージを与える事で《死儀礼のシャーマン》や《秘密を掘り下げる者》を除去でき、コンボや中速デッキを相手にした際は追加の《呪文貫き》として使える等、受けの広いカードです。手札を2枚引いて2枚捨てるモードも、状況によっては死に札になる《もみ消し》等を有効札に入れ替えたり、自分の墓地を肥やしたりと役に立ちます。サイドには追加の除去として《渋面の溶岩使い》や《乱暴+転落》が採用されています。
2 《沼》 1 《山》 2 《森》 3 《Badlands》 1 《Taiga》 2 《Bayou》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《新緑の地下墓地》 2 《樹木茂る山麓》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 2 《渋面の溶岩使い》 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 3 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(17)- |
4 《思考囲い》 3 《Hymn to Tourach》 3 《ヴェールのリリアナ》 4 《稲妻》 1 《森の知恵》 3 《突然の衰微》 2 《モックス・ダイアモンド》 -呪文(20)- |
3 《仕組まれた疫病》 1 《赤霊破》 1 《紅蓮破》 2 《古えの遺恨》 3 《真髄の針》 3 《罠の橋》 2 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
GP Denverでの活躍以来、人気が上昇中の「Jund」。今回入賞したMiki Urbanは追加のマナ加速に《モックス・ダイアモンド》を採用しています。《モックス・ダイアモンド》は墓地に依存せずにマナ加速ができるので、《死儀礼のシャーマン》を除去されたり墓地対策をされて展開が遅れる状況を緩和します。サイドには「Sneak and Show」等を意識しているようで《罠の橋》が採用されています。その他はGP Denverで準優勝したPat Coxのリストと同様のオーソドックスな型です。
このデッキは《Hymn to Tourach》等の一部のカードや《不毛の大地》、マナ基盤を除けばモダンの「Jund」と変わらない構成なので、レガシー初心者にもお勧めできるデッキの一つです。
SCGO Dallas トップ8デッキアーキタイプ
2013年1月20日
1位 Sneak and Show/スニーク・ショー
2位 Junk/デッドガイ・エイル
3位 Merfolk/マーフォーク
4位 Punishing Jund/ジャンド
5位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
6位 Reanimator/リアニメイト
7位 Painted Stone/ペインター
8位 UR Delver/青赤デルバー
SCGO Dallasの優勝は「Sneak and Show」でした。一時期に比べれば数を減らしたものの、対策が薄まった頃に現れて優勝してしまう辺りデッキの凄さが伝わってきます。今回のトップ8はそれぞれ異なるアーキタイプと、自由参加のStarCity Openらしいメタだったようです。《死儀礼のシャーマン》を使ったデッキが活躍する中「Reanimator」が上位入賞していたり、比較的珍しい「Painted Stone」が入賞したりと見所満載でした。
SCGO Dallas デッキ解説
「スニーク・ショー」「Junk/デッドガイ・エイル」「Punishing Jund/ジャンド」「ペインター」
2 《島》 1 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 4 《グリセルブランド》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 1 《定業》 2 《直観》 4 《呪文貫き》 4 《Force of Will》 2 《誤った指図》 4 《実物提示教育》 4 《騙し討ち》 4 《水蓮の花びら》 -呪文(33)- |
1 《Karakas》 4 《神聖の力線》 2 《残響する真実》 3 《赤霊破》 2 《血染めの月》 3 《防御の光網》 -サイドボード(15)- |
昨年12月に行われたSCGO Las Vegasの優勝も記憶に新しい「Sneak and Show」。今回優勝したWill Craddock のリストはメインは比較的オーソドックスな構成でサイドに少し特徴があります。サイドは「BUG/黒青緑」系のデッキを意識しているようでハンデス対策に4枚の《神聖の力線》を搭載しています。2枚採用されている《血染めの月》も面白いアプローチです。特殊地形を非常に多く採用している「Jund」「BUG」「Esper Stoneblade」等に有効です。
2 《平地》 5 《沼》 1 《森》 2 《Scrubland》 2 《Bayou》 4 《湿地の干潟》 4 《新緑の地下墓地》 2 《Karakas》 -土地(22)- 2 《死儀礼のシャーマン》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《闇の腹心》 -クリーチャー(10)- |
4 《剣を鍬に》 2 《忘却の輪》 3 《未練ある魂》 4 《コジレックの審問》 2 《苦花》 2 《ヴェールのリリアナ》 4 《突然の衰微》 2 《師範の占い独楽》 2 《大祖始の遺産》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(28)- |
1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《ルーンの光輪》 1 《忘却の輪》 2 《法の定め》 2 《金輪際》 2 《外科的摘出》 2 《強迫》 2 《仕組まれた疫病》 2 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
時折上位に姿を見かける3色のグッドスタッフデッキ。このリストはクリーチャーは少な目で《未練ある魂》と《苦花》を採用してトークン戦略に重点を置いているようです。緑も《死儀礼のシャーマン》と《突然の衰微》の為に足されているのみで「Junk」と言うよりは「白黒トークン+緑」と言う方が正しいかもしれません。メインから墓地対策の《大祖始の遺産》を採用は面白いアプローチです。墓地にカードが残っていなければ《死儀礼のシャーマン》も《タルモゴイフ》も機能しないので現在のメタでは有効な選択です。
1 《沼》 1 《山》 1 《森》 3 《Badlands》 1 《Taiga》 2 《Bayou》 4 《血染めのぬかるみ》 3 《樹木茂る山麓》 4 《新緑の地下墓地》 4 《燃え柳の木立ち》 -土地(24)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 4 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 2 《Hymn to Tourach》 4 《ヴェールのリリアナ》 3 《稲妻》 3 《罰する火》 1 《森の知恵》 3 《突然の衰微》 -呪文(20)- |
3 《精神壊しの罠》 3 《強迫》 2 《赤霊破》 1 《紅蓮破》 1 《罰する火》 1 《古えの遺恨》 1 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
Sang Jungのリストは他の「Jund」と異なり《罰する火》エンジンを搭載しています。これによりボードコントロールが強化されています。しかし、その副作用としてコンボデッキとの相性が今までより更に悪くなってしまっているのでサイドボードに《精神壊しの罠》や《赤霊破》を多く採用する事によって補っているようです。
11 《山》 3 《沸騰する小湖》 4 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 -土地(21)- 1 《ゴブリンの溶接工》 4 《帝国の徴募兵》 4 《猿人の指導霊》 1 《月の大魔術師》 1 《特務魔道士ヤヤ・バラード》 4 《絵描きの召使い》 2 《ファイレクシアの破棄者》 1 《ファイレクシアの変形者》 -クリーチャー(18)- |
1 《赤霊破》 4 《紅蓮破》 3 《マグマの噴流》 4 《血染めの月》 1 《水蓮の花びら》 4 《丸砥石》 4 《師範の占い独楽》 -呪文(21)- |
1 《フェアリーの忌み者》 1 《特務魔道士ヤヤ・バラード》 2 《赤霊破》 1 《トーモッドの墓所》 4 《アメジストのとげ》 2 《漸増爆弾》 4 《罠の橋》 -サイドボード(15)- |
《相殺》デッキのバリエーションとしたハイブリットの型はたまに見かけますが、《帝国の徴募兵》が手に入り難いのもあり普段あまり見かけることのない赤単色の「Painted Stone」です。Drew Federのリストは《絵描きの召使い》+《丸砥石》で相手を瞬殺するコンボに特化した型です。《絵描きの召使い》で青を指定すれば全てのパーマネントが青になるのでメインに採用されている《紅蓮破》と《赤霊破》は1マナの《対抗呪文》または《名誉回復》として機能します。キーカードへのカウンターに対しても《紅蓮破》と《赤霊破》で対抗する事が可能なので、青いデッキを相手にしても無理やりコンボを決められます。サイドはコンボ対策の《アメジストのとげ》、クリーチャー対策の《罠の橋》、《赤霊破》、《特務魔道士ヤヤ・バラード》と綺麗にまとまっています。
ボーナスデッキリスト
1 《島》 1 《山》 1 《森》 1 《Tundra》 1 《Taiga》 1 《Savannah》 2 《Volcanic Island》 3 《Tropical Island》 1 《溢れかえる岸辺》 1 《樹木茂る山麓》 1 《吹きさらしの荒野》 3 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 -土地(21)- 4 《貴族の教主》 3 《石鍛冶の神秘家》 3 《タルモゴイフ》 4 《断片無き工作員》 3 《血編み髪のエルフ》 -クリーチャー(17)- |
4 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 3 《Force of Will》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 4 《稲妻》 1 《森の知恵》 1 《師範の占い独楽》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(22)- |
1 《血編み髪のエルフ》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 3 《安らかなる眠り》 3 《相殺》 1 《精神壊しの罠》 1 《紅蓮破》 2 《クローサの掌握》 2 《師範の占い独楽》 -サイドボード(15)- |
続唱を持つ《断片無き工作員》と《血編み髪のエルフ》を搭載した《石鍛冶の神秘家》デッキ。StarCity Openのカバレージでもデッキテクとして紹介されています。
カードアドバンテージを得る事に特化した中速デッキで、続唱からの《祖先の幻視》の他に《精神を刻む者、ジェイス》や《森の知恵》等アドバンテージを取る手段には事欠きません。サイドボードには《相殺》と《師範の占い独楽》のパッケージを搭載しており、サイド後は「相殺コントロール」に変形する選択肢もあります。
総括
SCGO San DiegoとSCGO Dallasのトップ8は自由参加の大会らしくバラエティに富んでいました。SCGO San Diegoは「12 Post」の優勝で幕を閉じ、その翌週に行われたSCGO Dallasでは「Sneak and Show」が優勝。また比較的珍しいデッキである赤単色「Painted Stone」が上位入賞する等、GP Denverと異なり様々なアーキタイプの活躍が目立ちました。
以上、SCGO San DiegoとSCGO Dallasの上位入賞デッキ解説でした。
次回のSCGO Atlantaはいよいよ新セット「ギルド門侵犯/Gatecrash」が導入されます。新セットが環境にどのような影響を与えるのか楽しみです。
それでは次回の記事でお会いしましょう。楽しいレガシーを!