今のスタンダードのトップメタは何か。
おそらく青単信心は依然としてトップメタだろうと思う。
しかしもう一方の極たる黒単信心は、先日のグランプリ・ダラスフォートワースで出現した黒白コントロールにより、その地位を脅かされている。
あるいは、もはや黒白コントロールの方が今のトレンドと言っていいかもしれない。
つまり、青単と黒白がトップメタ。そう捉える向きもあるだろう。
と、するならば。
石井のデッキは青単。一方で中村のデッキは、その流行りの黒白コントロール。
どちらが勝つのか、非常に興味があるところだ。
Game 1
先手の中村が7枚を見るまでもなくマリガンすると、石井もそれにお付き合い。6枚となったオープンハンドから中村は《静寂の神殿》を置くと、先手2ターン目の《思考囲い》で
《海の神、タッサ》
《凍結燃焼の奇魔》
《タッサの二叉槍》
《急速混成》
という石井の布陣から《海の神、タッサ》を叩き落とし、続いてプレイされた《凍結燃焼の奇魔》には《肉貪り》を合わせる。まずは盤石、といった立ち上がりだ。
しかし。
石井の3ターン目にプレイされたのは、トップデッキしていた《海の神、タッサ》！
これには思わず中村の顔が歪む。
それでも、《地下世界の人脈》から《ヴィズコーパの血男爵》につなげる中村だったが、対して石井は慌てず騒がず《タッサの二叉槍》をひとまず設置すると、続くターンに《凍結燃焼の奇魔》を出し、《海の神、タッサ》を攻撃に向かわせる。さらに《審判官の使い魔》までも戦線に追加されると、圧倒的な展開量を前に中村、成す術がない。
《凍結燃焼の奇魔》は《英雄の破滅》するが、《雲ヒレの猛禽》も追加され、まだ《海の神、タッサ》への『信心』は十分。
そしてついに石井が《タッサの二叉槍》の能力を起動すると、虎の子の《ヴィズコーパの血男爵》を《海の神、タッサ》に向かって突っ込ませざるをえない。
圧倒的な形勢に勝ち目がないと判断した中村は、やむなく投了を選択した。
中村 0-1 石井
Game 2
後手1ターン目の《審判官の使い魔》に対して《漸増爆弾》が設置される静かな立ち上がり。しかし短期決戦に持ち込むべく中村が4ターン目におもむろにキャストした《冒涜の悪魔》は、石井の狙いすました《本質の散乱》によって弾かれてしまう。
返す石井の《夜帷の死霊》こそ《地下世界の人脈》を貼りつつの《今わの際》で追放し、続けて《ヴィズコーパの血男爵》を送り出すものの、1ゲーム目で苦しめられた《海の神、タッサ》＋《タッサの二叉槍》セットが揃ってしまう。
こうなると早々に石井を殴り倒したい中村、《群れネズミ》を戦線に投入するが、これが《家畜化》されてしまうと、『信心』を減らすためにトークンを増やすよりも優先して《英雄の破滅》を使わざるをえない。
だが、《波使い》を《ファリカの療法》、《審判官の使い魔》を《肉貪り》で立て続けに処理し、『信心』を減らすべく懸命の努力を続ける中村だったが、ついに除去が尽き、《太陽の勇者、エルズペス》をキャストするしかなくなってしまう。
その隙を石井が見逃すはずもなく。
フルタップでそのままターンを終えようとする中村に対し、石井が「第1メインに」としっかり制止して《タッサの二叉槍》の能力を起動すると、顕現した青い神への強制アタックで中村の戦線がついに壊滅。
さらにアップキープの『占術』で追加の《波使い》にたどり着くと、エレメンタルトークンの荒波が押し寄せる。
中村も最後の抵抗として《ヴィズコーパの血男爵》を出してはみるが、《海の神、タッサ》《タッサの二叉槍》のコンボが結局どうしようもないのだった。
中村 0-2 石井
