皆さんこんにちは!
「グランプリ名古屋2012」のパブリックイベント「エターナルパーティ2012」がありましたが、参加した皆さんの成績はいかがでしたか?
さて、今回の記事では「StarCityGames.com Open Series(SCGO) Baltimore」と「SCGO Las Vegas」のトップ8入賞デッキの解説をしていきたいと思います。
SCGO Baltimore トップ8デッキアーキタイプ
2012年12月2日
1位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
2位 BUG Delver/チームアメリカ
3位 BUG Control/青黒緑コントロール
4位 Dredge/発掘
5位 Sneak and Show/スニーク・ショー
6位 BUG Delver/チームアメリカ
7位 WU Miracle/白青奇跡
8位 BUG Midrange/青黒緑アグロ
前回の「SCGO Seattle」からメタが大きく動き、なんとトップ8入賞デッキの半分がBUG/黒青緑でした。しかし、優勝はSCG Invitationalでもトップ8の入賞経験のある強豪プレイヤーShaheen Sooraniが操る「Esper Stoneblade」でした。また、「Dredge」と「Sneak and Show」が久々に入賞していました。
SCGO Baltimore デッキ解説
「チームアメリカ」「青黒緑コントロール」「青黒緑アグロ」
4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 3 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 3 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 3 《墓忍び》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 1 《殺し》 4 《Hymn to Tourach》 1 《森の知恵》 4 《突然の衰微》 -呪文(26)- |
1 《漁る軟泥》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《呪文貫き》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《暗黒破》 2 《悪魔の布告》 1 《殺し》 1 《大渦の脈動》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 1 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 3 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 3 《墓忍び》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 1 《殺し》 4 《Hymn to Tourach》 1 《森の知恵》 4 《突然の衰微》 -呪文(26)- |
1 《漁る軟泥》 1 《対抗呪文》 1 《水没》 2 《思考囲い》 2 《暗黒破》 2 《悪魔の布告》 1 《殺し》 1 《森の知恵》 1 《大渦の脈動》 2 《真髄の針》 1 《虚無の呪文爆弾》 -サイドボード(15)- |
今大会の上位入賞デッキの中では最多のカラーリングとなったBUG/黒青緑。今回トップ8まで勝ち残った4名ともそれぞれ異なるアプローチをしていました。
2位のDaniel Signoriniのリストは、《タルモゴイフ》等の優秀なクリーチャーを展開してカウンターや手札破壊でバックアップしていく以前から活躍していた「チームアメリカ」に、《死儀礼のシャーマン》と《突然の衰微》を加えた構成です。このデッキのフィニッシャーである《墓忍び》の5/5飛行というサイズは、《稲妻》1枚で落とされないので「カナディアン・スレッショルド」にとっては脅威となります。
また、流行の《突然の衰微》で破壊されないのもこのカードを強くしている理由の一つだと思います。しかし、青白等が使ってくる《精神を刻む者、ジェイス》のメインでの対処方法が手札破壊のみで不安が残る為、サイドに《精神を刻む者、ジェイス》《ヴェンディリオン三人衆》《大渦の脈動》を採用しています。Alix Hatfieldも同様のメインに若干異なるサイドボードで6位に入賞しています。Alixのサイドボードは、《精神を刻む者、ジェイス》《ヴェンディリオン三人衆》の代わりに、追加の手札破壊の《思考囲い》、追加の《森の知恵》、そして《水没》が採用されています。
サイド後コントロール寄りになるDanielのリストと異なり、Alixはテンポを意識しているようです。
4 《Underground Sea》 2 《Bayou》 2 《Tropical Island》 1 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 4 《霧深い雨林》 1 《忍び寄るタール坑》 3 《ミシュラの工廠》 3 《不毛の大地》 -土地(24)- 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 2 《対抗呪文》 3 《Force of Will》 2 《思考囲い》 1 《コジレックの審問》 1 《暗黒破》 2 《壌土からの生命》 4 《突然の衰微》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 3 《ヴェールのリリアナ》 1 《情け知らずのガラク》 2 《仕組まれた爆薬》 -呪文(29)- |
4 《タルモゴイフ》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《呪文貫き》 2 《カラスの罪》 3 《仕組まれた疫病》 1 《大渦の脈動》 1 《虚無の呪文爆弾》 -サイドボード(15)- |
1 《島》 1 《沼》 4 《Underground Sea》 3 《Bayou》 1 《Tropical Island》 3 《汚染された三角州》 3 《新緑の地下墓地》 3 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《闇の腹心》 4 《タルモゴイフ》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 2 《思案》 3 《目くらまし》 4 《思考囲い》 2 《Hymn to Tourach》 3 《突然の衰微》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(23)- |
4 《Force of Will》 1 《強迫》 1 《コジレックの審問》 1 《暗黒破》 3 《仕組まれた疫病》 1 《森の知恵》 1 《大渦の脈動》 1 《虚無の呪文爆弾》 2 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
3位のBrian Braun-DuinのリストはPWを多めに採用し、《壌土からの生命》エンジンも搭載した重コントロール型です。しかし、サイド後は《タルモゴイフ》と《ヴェンディリオン三人衆》を投入してクロックパーミッションに変形するようです。重コントロールと見て除去を減らした相手の意表をつけます。
8位の Jarvis Yuのリストは、先程紹介したDanielの「チームアメリカ」とBrianの「青黒緑コントロール」の間のような中速デッキです。《タルモゴイフ》や《闇の腹心》等の優秀なクロックを展開して《目くらまし》や各種手札破壊でバックアップしていくテンポ寄りの戦略に見えますが、《精神を刻む者、ジェイス》と《ヴェールのリリアナ》が採用されている為、中盤以降はコントロールとしても振る舞えます。
以前から存在したものの、マナベースに不安要素がありトップメタからは遠ざかっていたBUG/黒青緑というカラーコンビネーションですが、RTRから印刷された《死儀礼のシャーマン》の存在は大きいようです。
SCGO Las Vegas トップ8デッキアーキタイプ
2012年12月9日
1位 Sneak and Show/スニーク・ショー
2位 Hive Mind/集団意識
3位 ANT/ANT
4位 WU Miracle/白青奇跡
5位 Elves/エルフ
6位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
7位 Bant Midrange/バント
8位 BUG Control/青黒緑アグロ
「SCGO Las Vegas」を制したのは「Sneak and Show」でした。そのほかにも「Hive Mind」「ANT」と上位3名がコンボデッキでした。先週大活躍だったBUG/黒青緑系や「Esper Stoneblade」等も引き続き入賞しており、非常に見応えのあったトーナメントだと思います。
SCGO Las Vegas デッキ解説
「スニーク・ショー」「集団意識」「ANT」「青黒緑アグロ」
2 《島》 1 《山》 3 《Volcanic Island》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 4 《グリセルブランド》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 1 《直観》 2 《狼狽の嵐》 2 《目くらまし》 4 《Force of Will》 2 《誤った指図》 2 《撤廃》 4 《実物提示教育》 4 《騙し討ち》 4 《水蓮の花びら》 -呪文(33)- |
2 《もみ消し》 1 《呪文貫き》 1 《精神壊しの罠》 1 《拭い捨て》 3 《赤霊破》 1 《破壊放題》 2 《血染めの月》 2 《裂け目の突破》 2 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
久々の優勝の「Sneak and Show」。M13発売後は《全知》を入れた「Omni-Tell」が流行しましたが、《実物提示教育》を対策されると勝つことが困難だった「Omni-Tell」とは異なり、この「Sneak and Show」には素出しが容易な《騙し討ち》があります。コンボ同系に強くカウンター合戦でも有利な《狼狽の嵐》と、序盤を凌ぐ事ができ、《実物提示教育》に合わせた相手の《忘却の輪》《拘留の宝球》等をバウンスできる《撤廃》がメインに2枚ずつ採用されています。
サイドボードにはBUG等に有効な《血染めの月》や、コンボ対策の《精神壊しの罠》が採用されています。
5 《島》 1 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 1 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 3 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 -土地(18)- 3 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(3)- |
4 《渦まく知識》 3 《ギタクシア派の調査》 3 《思案》 3 《直観》 4 《Force of Will》 4 《実物提示教育》 4 《集団意識》 4 《否定の契約》 2 《殺戮の契約》 4 《タイタンの契約》 1 《召喚士の契約》 3 《厳かなモノリス》 -呪文(39)- |
1 《Volcanic Island》 4 《神聖の力線》 2 《狼狽の嵐》 1 《赤霊破》 4 《墓掘りの檻》 3 《防御の光網》 -サイドボード(15)- |
先程解説した「Sneak and Show」以上に久々の入賞となる「Hive Mind」。《ギタクシア派の調査》は安全確認をしながらキャントリップによってデッキを掘り進んでいけるカードで、《定業》よりも優先されてメインに3枚採用しています。
サイドは追加のカウンターに《狼狽の嵐》、手札破壊対策に《神聖の力線》、相手のカウンター対策に《防御の光網》とオーソッドクスな構成です。
2 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 2 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 2 《真鍮の都》 4 《宝石鉱山》 -土地(13)- -クリーチャー(0)- |
4 《沈黙》 4 《渦まく知識》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《暗黒の儀式》 4 《強迫》 4 《冥府の教示者》 1 《むかつき》 4 《炎の儀式》 3 《燃え立つ願い》 4 《ライオンの瞳のダイアモンド》 4 《水蓮の花びら》 3 《金属モックス》 -呪文(47)- |
2 《Karakas》 2 《ザンティッドの大群》 3 《蒸気の連鎖》 1 《先細りの収益》 1 《不正利得》 1 《苦悶の触手》 1 《ぶどう弾》 1 《巣穴からの総出》 1 《炎の中の過去》 2 《突然の衰微》 -サイドボード(15)- |
SCGO Legacyではこちらも久々に上位入賞の「ANT」。《ギタクシア派の調査》はこのデッキにも4枚採用されています。青いデッキ対策に《強迫》と《沈黙》もフル投入されています。これだけあればどんなデッキに対しても安定してコンボを決められそうです。
このリストの最大の特徴はメインに勝ち手段となるスペルが1枚も採用されていない所です。最終的に《燃え立つ願い》から《ぶどう弾》、《巣穴からの総出》、《苦悶の触手》をサーチして勝利するようです。
サイドに取られている《突然の衰微》は《相殺》や、「カナディアン・スレッショルド」の展開してくるクロック対策になります。《Karakas》はコンボを発動するのに邪魔になる《スレイベンの守護者、サリア》や《ガドック・ティーグ》に対して有効です。
2 《島》 1 《沼》 4 《Underground Sea》 3 《Tropical Island》 2 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 2 《霧深い雨林》 -土地(20)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《タルモゴイフ》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(14)- |
4 《渦まく知識》 4 《思考掃き》 4 《思案》 4 《Force of Will》 4 《思考囲い》 2 《突然の衰微》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(26)- |
1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《水流破》 2 《呪文貫き》 1 《対抗呪文》 1 《外科的摘出》 1 《強迫》 1 《恐ろしい死》 1 《暗黒破》 1 《悪魔の布告》 4 《仕組まれた疫病》 1 《突然の衰微》 -サイドボード(15)- |
SCGOやGPで結果を残しているアメリカの強豪プレイヤーAJ SacherもBUGを使用してトップ8に入賞しました。中速寄りのリストでPWが計4枚採用されています。
デッキの安定性を高めると同時に《瞬唱の魔道士》と《死儀礼のシャーマン》を有効活用する為に、3種類目のキャントリップスペルとして《思考掃き》を採用しています。
サイドボードに4枚採用された《仕組まれた疫病》は「ゴブリン」等の部族デッキ対策カードですが、このデッキにとって厄介な《未練ある魂》のスピリットトークン対策になることがフル投入の最大の理由だと思います。
ボーナスデッキリスト
1 《島》 1 《沼》 3 《Underground Sea》 2 《湿った墓》 4 《汚染された三角州》 1 《湿地の干潟》 2 《沸騰する小湖》 1 《新緑の地下墓地》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《死の影》 3 《ニヴメイガスの精霊》 3 《闇の腹心》 -クリーチャー(10)- |
4 《渦まく知識》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 3 《狼狽の嵐》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《思考囲い》 1 《四肢切断》 3 《殺し》 -呪文(31)- |
1 《忍び寄るタール坑》 3 《外科的摘出》 2 《夜の戦慄》 2 《仕組まれた疫病》 2 《ジェイス・ベレレン》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《仕組まれた爆薬》 2 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
《死の影》を軸にした青黒のテンポデッキ。
《ギタクシア派の調査》、《思考囲い》、《殺し》等ライフを支払うスペルが多数搭載されているので《死の影》を成長させる手段には事欠きません。ライフを支払う手段として《湿った墓》が4枚目の《Underground Sea》よりも優先して採用されています。
他にはRTRから印刷された《ニヴメイガスの精霊》を採用しています。軽いスペルが多数搭載されたこのデッキでは比較的容易にサイズアップできるので、良いアプローチだと思います。面白そうなデッキなので機会があればトライして見て下さい。
総括
「SCGO Baltimore」は優勝こそ「Esper Stoneblade」に譲りましたが、以前から流行の兆しを見せていた新カード《死儀礼のシャーマン》と《突然の衰微》を使ったBUG/黒青緑系がトップ8の半分を占める大ブレイクを果たしました。
その翌週の「SCGO Las Vegas」は「Sneak and Show」の優勝で幕を閉じました。前週の「Baltimore」の結果と異なり、「Las Vegas」のトップ8入賞デッキの半分がコンボだったのが印象的でした。今回は以上になります。
次回はいよいよ今年最後のStarCityGamesのイベントである「SCG Open Los Angeles」と「SCG Invitational Los Angeles」の解説を予定しています。「Invitational」は招待制のイベントなのでレベルの高いトーナメントになりそうです。
それでは次回の記事でまたお会いしましょう。楽しいレガシーを!