皆さんこんにちは!
「ラヴニカへの回帰(RTR)」が解禁されて2週間が経ちました。日本では「エターナル フェスティバル 東京2012」がありましたが、参加した皆さんの成績はいかがでしたか?
RTR後のレガシーの大きな大会、StarCityGames.com Open Series(SCGO)も既にふたつ終了しています。筆者も「SCGO Cincinnati」のレガシー部門に参加しましたが残念ながら成績は振るわず途中ドロップでした。
そのぶん、他のプレイヤーのマッチを観戦して学んだり、インタビュー取材したりと、有意義な週末でした。今回は10月7日に行われた「SCGO Cincinnati」と、10月14日に行われた「SCGO Providence」について解説していきたいと思います。
SCGO Cincinnati トップ8デッキアーキタイプ
2012年10月7日
1位 Tezzereter/テゼレッター
2位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
3位 Death & Taxes/デス&タックス
4位 UR Delver/青赤デルバー
5位 Omni-Tell/実物提示教育+全知
6位 Enchantress/エンチャントレス
7位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
8位 UR Delver/青赤デルバー
新環境最初の大会だけあって「カナディアン・スレッショルド」や「Esper Stoneblade」等、以前の環境から存在したアーキタイプが上位入賞しました。しかし、優勝した「青黒テゼレッター」や、「エンチャントレス(エターナルウインド)」等ローグデッキの活躍も目立った大会でした。
SCGO Cincinnati デッキ解説
「テゼレッター」「実物提示教育+全知」「エンチャントレス」「白青石鍛冶+黒」
2 《島》 2 《沼》 3 《汚染された三角州》 4 《Underground Sea》 2 《闇滑りの岸》 1 《教議会の座席》 1 《囁きの大霊堂》 3 《古えの墳墓》 3 《裏切り者の都》 -土地(21)- 4 《悪意の大梟》 1 《粗石の魔道士》 2 《真面目な身代わり》 2 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(9)- |
3 《知識の渇望》 4 《Force of Will》 1 《喉首狙い》 2 《滅び》 1 《大祖始の遺産》 4 《威圧のタリスマン》 2 《ディミーアの印鑑》 2 《漸増爆弾》 1 《飛行機械の鋳造所》 1 《虚空の杯》 1 《仕組まれた爆薬》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 1 《解放された者、カーン》 -呪文(30)- |
1 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《暗黒破》 2 《強迫》 2 《夜の戦慄》 1 《破滅の刃》 2 《非業の死》 2 《仕組まれた疫病》 1 《真髄の針》 1 《墓掘りの檻》 1 《呪われたトーテム像》 1 《罠の橋》 -サイドボード(15)- |
ChannelFireballのライターでもあるアメリカのデッキビルダーCaleb Durwardが今回持ち込んだのは《ボーラスの工作員、テゼレット》を軸にした独創的な青黒デッキでした。
多くのArtifactを積んでいるので《知識の渇望》は有効なドロースペルとして機能します。このデッキに1枚だけ採用されている《飛行機械の鋳造所》は、フィニッシャーの《ワームとぐろエンジン》を《剣を鍬に》で取り除かれるのを防いだり、不要になった《威圧のタリスマン》等のマナArtifactをクリーチャーへと変換したりできます。
《悪意の大梟》は、相手が攻撃を通そうとすれば1対1交換を強制することができます。特に《タルモゴイフ》等の軽いクリーチャーで序盤からプレッシャーをかけてくる「カナディアン・スレッショルド」に対して時間を稼ぐ事ができる優秀なクリーチャーです。
ローグデッキとしてのアドバンテージもあったと思いますが、採用されているカードはどれも強いカードばかりなので、これからの活躍にも期待できます。
3 《島》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 3 《Volcanic Island》 3 《古えの墳墓》 2 《裏切り者の都》 -土地(19)- 2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(4)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《定業》 3 《ギタクシア派の調査》 1 《親身の教示者》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 3 《実物提示教育》 4 《全知》 4 《燃え立つ願い》 2 《水蓮の花びら》 -呪文(37)- |
1 《実物提示教育》 1 《洞察力の花弁》 1 《外科的摘出》 4 《赤霊破》 1 《破壊放題》 2 《紅蓮地獄》 1 《ぶどう弾》 1 《緊急時》 1 《墓掘りの檻》 2 《防御の光網》 -サイドボード(15)- |
「SCGO Detroit」でもトップ8に入賞していた強豪プレイヤーのDeshaun Baylockは、今回「Omni-Tell」を持ち込んで入賞しました。「SCGO Detroit」でのインタビュー以来交流があったので、今回もお話を聞いてみることにしました。
Hiroki:以前とは違うデッキでのトップ8だけど「Omni-Tell」をチョイスした理由は?
Deshaun:「カナディアン・スレッショルド」や「Esper Stoneblade」とか色々試してみたんだけど「Omni-Tell」のデッキパワーの高さが決め手になった。相手がどんなデッキを使っていてもブン回れば勝てる。他の青いデッキに対してもサイドから《防御の光網》があるし、相手の妨害手段も《Force of Will》と《目くらまし》で弾く事ができる。スタンダードのテストで忙しかったからレガシーはあまり考えなくても勝てるデッキが使いたかった。
Hiroki:なるほど(笑)。デッキリストを見て思ったけど他の「Omni-Tell」でよく見かける《精神を刻む者、ジェイス》が不採用で代わりにキャントリップの《ギタクシア派の調査》を多く採用しているね。
Deshaun:《精神を刻む者、ジェイス》は悪くないんだけど、《実物提示教育》からのコンボで勝つのがこのデッキのメインの戦略だから軽くて相手の手札を確認できてドローもできる《ギタクシア派の調査》を今回チョイスしたんだ。相手の手札を覗いて何も無かったら《実物提示教育》ブッパしてイージーウィンができるし、合計15枚もキャントリップを使えば事故も少なくなる。
スタンダードと異なり、新セットの発売で大幅に変化することが稀なレガシーにおいても、環境初期には対戦相手を選ばないブン回りのあるコンボデッキを使用するプレイヤーも多いようです。インタビューにあるように、計15枚のキャントリップ採用で安定性も充分考慮されています。
2 《島》 7 《森》 3 《新緑の地下墓地》 4 《霧深い雨林》 1 《Savannah》 2 《Tropical Island》 1 《ドライアドの東屋》 -土地(20)- 4 《フェアリーの大群》 4 《アルゴスの女魔術師》 2 《永遠の証人》 -クリーチャー(10)- |
4 《退去の印章》 2 《気流の言葉》 4 《繁茂》 4 《楽園の拡散》 2 《花の絨毯》 4 《エレファント・グラス》 1 《原基の印章》 4 《女魔術師の存在》 1 《生ける願い》 4 《緑の太陽の頂点》 -呪文(30)- |
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 1 《新緑の女魔術師》 1 《調和スリヴァー》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《安全の領域》 2 《寒け》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 3 《Force of Will》 1 《花の絨毯》 2 《原基の印章》 1 《クローサの掌握》 -サイドボード(15)- |
以前の記事の「MOCS」トップ8で紹介した、比較的珍しいタイプのデッキである「エンチャントレス(エターナルウインド)」。
Christoffer Andersenはレガシーの「エルフ」デッキの名人として「SCGO」でコンスタントに入賞している強豪プレイヤーですが、今回は全く別のデッキで見事に入賞を果たしました。お話をするチャンスがあったので本人から簡単な説明をしていただきました。
Hiroki:今回は「エルフ」じゃないんだ?
Chris:ああ、今のメタは「エルフ」にとって良くない。《終末》がきつ過ぎる。
Hiroki:今回のデッキは使ってみてどうだった?
Chris:あまり出回っているデッキじゃないから対策され難いのもあって強い。最初にリストを見たときは有象無象に見えたけど使ってみてその強さに気が付いた。それに、このデッキは流行の「青白奇跡」と相性が良い。「カナディアン・スレッショルド」に対しても悪くない。このデッキの弱点は対高速コンボと勝ち手段の薄さ(メインでは1ターンに最大8点までしかダメージを与えられない)だけど、《生ける願い》で《引き裂かれし永劫、エムラクール》をサーチすることができるから必要ならゲームを速く終わらせられる。とは言え《生ける願い》の主な使用目的は Enchantressの水増しで、サイドに1枚だけ入っている《新緑の女魔術師》は《外科的摘出》をサイドインしてくる相手に対して被害を少なくするためにメインの《アルゴスの女魔術師》1枚と入れ替える事もある。コンボ対策には、一応サイドに《Force of Will》を忍ばせてあるから2ゲーム目からは少しはマシになる。
Hiroki:なるほど。新カードの《安全の領域》が早速採用されているけど使ってみてどう?
Chris:これはお試し枠で今回引かなかったから強いのかは分からない。多分あまり強くないんじゃないかな(笑)
彼は「エルフ」や今回の「エターナルウインド」のような、素早く正確に計算する技術を必要とするデッキが得意なようです。大きな大会で結果を残すには、このように自分のプレイスタイルを理解してデッキをチョイスすることが重要であると感じます。
1 《平地》 2 《島》 1 《沼》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 3 《Tundra》 2 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 2 《不毛の大地》 1 《Karakas》 -土地(23)- 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(9)- |
4 《剣を鍬に》 1 《終末》 4 《渦まく知識》 1 《思案》 2 《呪文貫き》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《思考囲い》 3 《コジレックの審問》 1 《名誉回復》 1 《師範の占い独楽》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(28)- |
1 《解呪》 2 《未練ある魂》 1 《呪文嵌め》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《外科的摘出》 1 《思考囲い》 1 《非業の死》 1 《仕組まれた疫病》 1 《至高の評決》 1 《真髄の針》 2 《虚無の呪文爆弾》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -サイドボード(15)- |
Bernie Wenは過去の「SCGO」でもトップ8に入賞している強豪で、自身の「Stoneblade」デッキを全てフォイルにするほど愛用しています。同じく「Stoneblade」を使う筆者とも交流があり、今回インタビューすることができました。
Hiroki:いつも「Esper Stoneblade」を使っているけど、新環境に入った事で何か変えたところある?
Wen:新カードの《至高の評決》がサイドに1枚入ってるよ。青いから《Force of Will》のピッチコストになるし、特に「カナディアン・スレッショルド」相手にはカウンターされないから強いよ。
Hiroki:《仕組まれた疫病》が1枚サイドに入っているけどこれは「ゴブリン」対策?
Wen:「ゴブリン」がきついから入れたけど、意外と「マーベリック」に対しても厄介な《ルーンの母》や《スレイベンの守護者、サリア》をシャットダウンできるから使えたよ。自分の《瞬唱の魔道士》も巻き込んじゃうからタイミングが少し難しいけど。
《石鍛冶の神秘家》と装備品があっても、対「ゴブリン」は専用のサイドカードを用意しないと難しいマッチです。意外と人間クリーチャーの多い「マーベリック」にも刺さる《仕組まれた疫病》は、サイドボードのスロットを割く価値が充分にありそうです。
カウンターされない《至高の評決》は流行の「カナディアン・スレッショルド」に対して有効なので増量を検討しても良いかもしれません。
SCGO Providence トップ8デッキアーキタイプ
2012年10月14日
1位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
2位 12Post/12ポスト
3位 Team America/チームアメリカ
4位 Goblins/ゴブリン
5位 Reanimate/リアニメイト
6位 Landstill/ランドスティル
7位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
8位 Sea Stompy/シーストンピィ
旧環境の王者である「カナディアン・スレッショルド」の勝利により幕を閉じましたが、前週と同様に「12ポスト」等ローグデッキの活躍も目立ちました。また、新カードの《突然の衰微》を採用したふたつの青黒緑デッキが入賞しました。
SCGO Providence デッキ解説
「カナディアン・スレッショルド」「12ポスト」「チームアメリカ」「ランドスティル」
4 《沸騰する小湖》 3 《霧深い雨林》 3 《Volcanic Island》 4 《Tropical Island》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 4 《タルモゴイフ》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《もみ消し》 2 《呪文嵌め》 3 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《稲妻》 1 《二股の稲妻》 -呪文(30)- |
2 《ヴェンディリオン三人衆》 3 《水没》 1 《四肢切断》 3 《赤霊破》 2 《古えの遺恨》 1 《壌土からの生命》 3 《トーモッドの墓所》 -サイドボード(15)- |
定番の《もみ消し》型の「カナディアン・スレッショルド」。優勝者のElliott Wolcheskyはスタンダードの部門でもトップ4まで残りました。スタンダードの準決勝の対戦は日曜日の朝に行われたので、レガシー部門の他のプレイヤーよりも数時間早く会場に向かわなければならず、大会終了後のインタビューではかなり疲れた様子でした。
メインデッキで特徴的なのは《呪文嵌め》が再び採用され始めている事です。同系に対して強く、「青白奇跡」や「Stoneblade」に対して高い効果が望めるので今のメタに合っていると思います。サイドボードにはコントロール対策になる《ヴェンディリオン三人衆》を採用しています。
新環境になっても変わらずに活躍している「カナディアン・スレッショルド」ですが、このデッキを打ち破るデッキが現れるのか楽しみです。
1 《島》 4 《霧深い雨林》 4 《Tropical Island》 1 《ボジューカの沼》 1 《Glacial Chasm》 4 《雲上の座》 4 《微光地》 4 《ヴェズーヴァ》 1 《Karakas》 1 《ウギンの目》 -土地(25)- 1 《真実の解体者、コジレック》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 4 《原始のタイタン》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 4 《実物提示教育》 4 《撤廃》 4 《輪作》 1 《Candelabra of Tawnos》 4 《師範の占い独楽》 3 《真髄の針》 4 《探検の地図》 -呪文(28)- |
1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 2 《造物の学者、ヴェンセール》 4 《狼狽の嵐》 3 《ファイレクシアの破棄者》 2 《呪われたトーテム像》 3 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
今大会で大活躍だった、《実物提示教育》とハイブリッドになっているビッグマナ系のローグデッキ。
《実物提示教育》から《原始のタイタン》やエルドラージクリーチャーを直接出したり、大量のマナから《引き裂かれし永劫、エムラクール》をキャストしたりする事で勝利する非常に豪快なデッキです。1枚刺しの《ウギンの目》を含めた土地をサーチするのに《探検の地図》が採用されています。サイドは《虚空の杯》や《狼狽の嵐》等コンボ対策が中心です。
1 《島》 1 《沼》 1 《森》 4 《汚染された三角州》 1 《新緑の地下墓地》 3 《霧深い雨林》 2 《Underground Sea》 2 《Bayou》 2 《Tropical Island》 1 《忍び寄るタール坑》 4 《不毛の大地》 -土地(22)- 4 《秘密を掘り下げる者》 3 《瞬唱の魔道士》 3 《闇の腹心》 3 《タルモゴイフ》 2 《漁る軟泥》 -クリーチャー(15)- |
4 《渦まく知識》 2 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 2 《Hymn to Tourach》 1 《森の知恵》 3 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 -呪文(23)- |
2 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《青霊破》 2 《Force of Will》 1 《外科的摘出》 1 《暗黒破》 1 《悪魔の布告》 1 《壌土からの生命》 1 《森の知恵》 1 《クローサの掌握》 2 《破滅的な行為》 1 《トーモッドの墓所》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
1 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 3 《霧深い雨林》 4 《Underground Sea》 1 《Bayou》 2 《Tropical Island》 1 《忍び寄るタール坑》 4 《ミシュラの工廠》 4 《不毛の大地》 1 《アカデミーの廃墟》 -土地(25)- -クリーチャー(0)- |
4 《渦まく知識》 2 《呪文嵌め》 2 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 3 《行き詰まり》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《暗黒破》 1 《悪魔の布告》 2 《ヴェールのリリアナ》 3 《壌土からの生命》 2 《突然の衰微》 1 《大渦の脈動》 4 《モックス・ダイアモンド》 3 《仕組まれた爆薬》 -呪文(36)- |
1 《ボジューカの沼》 1 《Karakas》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 2 《呪文貫き》 1 《暗黒破》 1 《思考囲い》 2 《カラスの罪》 1 《滅び》 1 《ヴェールのリリアナ》 2 《輪作》 1 《大祖始の遺産》 1 《罠の橋》 -サイドボード(15)- |
RTRからの新戦力である《突然の衰微》を採用したデッキがふたつ、トップ8に入賞しました。両者共に青黒緑カラーではありますが異なるアプローチをしています。
3位に入賞したRyan Phranerのリストは、一見《秘密を掘り下げる者》や《タルモゴイフ》等の軽いクロックを展開しながら《目くらまし》《呪文貫き》等のカウンターでバックアップしていくクロックパーミッションスタイルに見えますが、メインの《精神を刻む者、ジェイス》やサイドの《破滅的な行為》等からは中速のコントロール寄りな動きが想像できます。メインにハンデスが多めに取られており《Force of Will》がサイドに落とされている等特徴のあるリストです。
6位に入賞したBoaz van Drielのリストは重コントロールスタイルの「ランドスティル」です。《モックス・ダイアモンド》のおかげで1ターン目に《行き詰まり》を出す事が可能になっています。《精神を刻む者、ジェイス》を除けば、勝ち手段も《ミシュラの工廠》や《忍び寄るタール坑》のみとかなり気の長い構成になっています。
サイドには《実物提示教育》からのデカブツ対策に《罠の橋》《Karakas》、コントロールミラー用に《壌土からの生命》と合わせて使える《カラスの罪》、クリーチャー対策に《The Tabernacle at Pendrell Vale》が採用されています。
ボーナスデッキリスト
3 《平地》 2 《沼》 4 《湿地の干潟》 1 《新緑の地下墓地》 3 《乾燥台地》 4 《Scrubland》 3 《不毛の大地》 2 《Karakas》 -土地(22)- 2 《石鍛冶の神秘家》 -クリーチャー(2)- |
4 《剣を鍬に》 1 《悟りの教示者》 4 《無形の美徳》 4 《急報》 4 《未練ある魂》 3 《幽体の行列》 2 《謙虚》 1 《陰謀団式療法》 3 《コジレックの審問》 4 《苦花》 3 《名誉回復》 1 《殴打頭蓋》 2 《梅澤の十手》 -呪文(36)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《悟りの教示者》 2 《解呪》 1 《赤の防御円》 2 《安らかなる眠り》 1 《思考囲い》 2 《盲信的迫害》 3 《精神壊しの罠》 1 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
レガシー版のトークンデッキ。メインから《謙虚》を採用しているのが特徴です。このデッキのクリーチャーは《石鍛冶の神秘家》を除いて全てトークンで、飛行を失う以外は特に被害は無く、《無形の美徳》や装備品がある分有利です。
《陰謀団式療法》は、このデッキでは強力な手札破壊として機能しますが、何故か1枚のみの採用にとどまっています。サイドにはコンボに有効な《精神壊しの罠》や追加のハンデスが採用されています。RTRの新カードから、墓地対策である《安らかなる眠り》を採用しています。
総括
RTR解禁後、レガシーの大規模イベントである「SCGO Cincinnati」と「SCGO Providence」が行われました。
「Cincinnati」では「青黒テゼレッター」が優勝。「Providence」でも、トップメタの「カナディアン・スレッショルド」に決勝戦で惜しくも敗れてしまったものの、独創的な「12ポスト」が準優勝。新環境の初期らしくローグデッキの活躍が目立った2大会でした。RTRで新たに印刷された《突然の衰微》を使ったデッキが上位入賞する等、新カードが早くも環境に影響を与えているようです。
以上、「SCGO Cincinnati」と「SCGO Providence」の上位入賞デッキ解説でした。
次回の記事では「SCGO Indianapolis」と「SCGO New Orleans」の解説をしていきたいと思います。それでは楽しいレガシーを!