準々決勝: 田島 功一(埼玉) vs. 梶谷 強(大分)

晴れる屋

By Daisuke Kawasaki


  トップ8が決定し、ここからはシングルエリミが開始される。

 16人でのトーナメントなので、トップ8のメンバーもどちらかはすでにフィーチャリング済みという卓が並ぶ中、ここまでどちらもフィーチャーされてこなかった田島と梶谷の対決をお届けしよう。

 田島が使用するのは、先日アメリカ選手権でCaw-Bladeの波を乗り切り見事優勝し、今やもっとも注目されているデッキといっていい青黒コントロールだ。田島は《蔑み》《強迫》に入れ替えたりなど、何枚かのカードを自分の使いやすいカードにチューンして持ち込んでいる。

 対する梶谷の使用するデッキは、会場唯一の《欠片の双子》《詐欺師の総督》コンボ。最近は《欠片の双子》デッキと言えば《出産の殻》デッキとのハイブリッド型が注目の的だが、梶谷は、純粋な青赤のコンボデッキに、手札破壊や除去のために黒をタッチした形を持ち込んでいる。

 コンボとパーミッションの対決は、パーミッションが有利とは昔からの法則ではあるが、青黒コントロールは、対コンボよりも、対Caw-Goを意識して構築されているデッキであり、プレイングによってはタップアウトのタイミングも少なくない。そして、青黒赤型の《欠片の双子》デッキには、なにより手札破壊が入っているため、パーミッションデッキへの対抗手段もある。

 一筋縄ではいかなそうなこの対決、果たして、勝利によってさらなる賞品ポイントジャンプアップの権利を手に入れるのはどちらか。

Game 1

 後手の梶谷がマリガンスタートしたのに対し、田島は1ターン目の《定業》から、3ターン目に《ジェイス・ベレレン》と軽快に展開していく。

 しかし、この《ジェイス・ベレレン》《マナ漏出》され、返しのターン、梶谷に《ジェイス・ベレレン》をプレイされ、<-1>能力を2回起動されてしまったことで、マリガン分の差を取り戻されてしまう。

 しかし、田島も《真面目な身代わり》をプレイして容易にアドバンテージ差を取り戻させない。梶谷も《ジェイス・ベレレン》を守るために《真面目な身代わり》《四肢切断》をプレイするのだが、しかし、4枚目の土地にアクセスできない。

 一方の田島は2枚目の《真面目な身代わり》をプレイ。梶谷はこれも《破滅の刃》によって捌くものの、《ジェイス・ベレレン》の<+2>能力を使っても土地を引き当てる事ができない。《コジレックの審問》をプレイし、田島の手札に2枚の《ジェイス・ベレレン》があるのを確認すると、1枚をディスカードさせ、ターンを返す。

 田島は残った《ジェイス・ベレレン》をプレイして、《リリアナ・ヴェス》をさらにプレイ。<-3>能力で《コジレックの審問》を積み込み、梶谷の状況を確認しようと試みる。梶谷はターン終了時に《乱動への突入》をキッカー無しでプレイして《リリアナ・ヴェス》を手札に戻す。

 ここで《思案》経由でやっと4枚目の土地にたどりついた梶谷だったのだが、それは熱望した赤マナのでる土地ではないため、コンボを決めるためには、もう1枚土地が必要だ。

 田島が積み込んだ《コジレックの審問》をプレイすると梶谷の手札は《詐欺師の総督》が2枚に《破滅の刃》《乱動への突入》そして、《マナ漏出》というものであり、ここで田島視点でも梶谷のデッキが《欠片の双子》デッキである事が判明する。

 《マナ漏出》をディスカードさせた後に、再び、《リリアナ・ヴェス》をプレイし、<+1>能力で梶谷にディスカードさせる。ここで《破滅の刃》をディスカードした梶谷は、ターン終了時に《詐欺師の総督》をプレイし、田島の残された2マナのうち、1マナをタップする。

 しかし、それにスタックして《詐欺師の総督》には《破滅の刃》が。メインターンに《リリアナ・ヴェス》を、今度はキッカー付きの《乱動への突入》で戻したりとドローをすすめたことで土地を引き始めた梶谷だったが、《リリアナ・ヴェス》のディスカードに追加して、田島が《聖別されたスフィンクス》を追加した事で、ほぼ、コンボを達成できる見込みが無くなってしまった。

 そもそも《欠片の双子》を引き当てていない梶谷は、手札が付きそうになるギリギリに、《詐欺師の総督》をプレイし、《欠片の双子》のトップデックに賭けるのだが……ここで引き当てたのは《定業》

 結局、この《定業》によって、田島が抱えている《マナ漏出》1枚をケアするだけのマナを残せなくなり、そもそも、《欠片の双子》を引かなかった梶谷は、次のゲームに賭ける事を選択した。

田島 1-0 梶谷


Game 2

 今度は互いにキープを宣言し、梶谷が1ターン目から《思案》をプレイする。

 《定業》《ジェイス・ベレレン》《破滅の刃》《思案》《強迫》《忍び寄るタール坑》と、マナ基盤に不安は残るものの、非常に強力な5枚のカードを提示する梶谷。田島はここから《強迫》をディスカードさせる。

 そして、梶谷の《ジェイス・ベレレン》《マナ漏出》し、自分のターンに《ジェイス・ベレレン》をプレイするというGame 1のお返しとでも言える行動をとる。これには梶谷は即《ジェイス・ベレレン》召喚からの対消滅でたえるのだが、まだ何となく推されている。

 田島が《コジレックの審問》をプレイすると、そこには《詐欺師の総督》《欠片の双子》のコンボパーツが。

 危うく《詐欺師の総督》をディスカードさせた田島。これでコンボパーツの集め直しになってしまう。とはいえ、コンボさえ集めれば、カウンターの隙をくぐって逆転する事も可能だ。

 しかし、田島のクロックが《真面目な身代わり》だけの細いモノだったあいだはそんな希望も持てたのだったが、《墓所のタイタン》まで追加されてしまうと、希望も絶望へと変わっていったのだった。

田島 2-0 梶谷