《石鍛冶の神秘家》と《精神を刻む者、ジェイス》が使えるのはレガシーだけ!(誇張)。
実際にはビンテージでも使用することができるこの両カードだが、スタンダードで禁止カードに指定され、さらに話題の新フォーマットであるモダンでも、プロツアーフィラデルフィアのフォーマットに指定されたタイミングで禁止カードとなった。
そんなフィラデルフィアのモダン帰り、ホンナミ トモユキが、レガシー環境を席巻している青白《石鍛冶の神秘家》デッキを持ち込んできた。
対するは晴れる屋の常連、松永 光太郎。
普段はスタンダードを中心にプレイしている松永。今週木曜日の平日レガシーに続いて2回目となるレガシーで、プロツアー帰りの古強者を迎え撃つ。
Game 1
マリガン後、クロックと《島》がなく、《目くらまし》しかない手札をさらにマリガンする松永。《タルモゴイフ》と《自然の秩序》はあるものの、緑マナがなく《渦まく知識》次第の5枚を苦悩の末にキープする。
ゲームは、先手のホンナミが1ターン目に《祖先の幻視》を待機し、2ターン目に《戦隊の鷹》を呼び出すという順調な立ち上がりを見せる。
だが、対する松永も、1ターン目早速緑マナのでる《Tropical Island》を引き当て、さらに《渦まく知識》でフェッチを手に入れる。フレッシュになったトップから3ターン目に引き当てたのは、《ヴェンディリオン三人衆》。松永は2体目の《タルモゴイフ》を戦場に追加する。
一方のホンナミも《戦隊の鷹》を追加しつつ、4ターン目にフルタップで《精神を刻む者、ジェイス》を呼び寄せる。このジェイスは<-1>能力によって《タルモゴイフ》を手札に戻す。
ホンナミのフルタップ、かつ《祖先の幻視》の待機が明ける前に《自然の秩序》につなげたかった松永だったが、4枚目の土地がない。そして4ターン目のドローは土地だったものの、このターンにマナが出せない《ドライアドの東屋》。結局、ホンナミの《祖先の幻視》待機が明ける前にフェイタルなアクションにつなげる事ができない。
ホンナミは《祖先の幻視》で追加で3枚のカードを手に入れた上で、白い《苦花》こと《石鍛冶の神秘家》を盤面に追加。《饗宴と飢餓の剣》を手に入れる。このターンの終わりに松永は《ヴェンディリオン三人衆》を召喚。ホンナミはこれを通す。
それも当たり前で、ホンナミの手札には《呪文貫き》しかカウンターが無かったのだ。松永は、ホンナミの手札をそのままキープさせる。
そして、《ドライアドの東屋》をコストに、起死回生の《自然の秩序》!
……ホンナミの手札には《呪文貫き》しかカウンターは無かったのだが、しかし、この《呪文貫き》は《自然の秩序》をカウンターするには十分なカードだ。ホンナミは《呪文貫き》を使用する。
松永 「しまった!」
松永は純粋に《呪文貫き》の事を失念してしまっていた。だが、神はまだ松永を見捨てていない。このターンの松永のトップデックはなんと《精神的つまづき》。2点のライフを支払えば、ホンナミにこれ以上の対抗手段はない。
だが、自身の失念に動揺してしまった松永は、自分の手に、解決策があることに気が付けない。頭を抱えてターンエンドする。文字通りの《精神的つまづき》。
この《精神的つまづき》は《戦隊の鷹》の抱えた《饗宴と飢餓の剣》によってディスカードされる事になり、《不毛の大地》の連打によって松永に逆転の可能性は無くなってしまったのだった。
松永 0-1 ホンナミ
Game 2
今度は互いにマリガンの無いスタート。後手のホンナミが《祖先の幻視》を待機させている隙に、《貴族の教主》から2ターン目に《渋面の溶岩使い》《タルモゴイフ》と強力に展開させる松永。
一方のホンナミは、2ターン目に《貴族の教主》へと《剣を鍬に》をうちこむ。この行動を4マナに達されるのをいやがる行動、つまり《自然の秩序》への対抗手段がないサインだと受け取った松永は《ヴェンディリオン三人衆》ではなく《貴族の教主》を召喚する。
ホンナミは《戦隊の鷹》を召喚してターン終了。松永は《タルモゴイフ》でホンナミのライフを削り、さらにホンナミのドロー後に《ヴェンディリオン三人衆》を召喚する。予想通りというかなんというか、ホンナミの手札には《戦隊の鷹》と2枚の《精神的つまづき》、そして土地しかない。
そして、《祖先の幻視》がホンナミに《石鍛冶の神秘家》をもたらす。ホンナミは《石鍛冶の神秘家》と《戦隊の鷹》を追加し、盤面を《戦隊の鷹》が3体と《石鍛冶の神秘家》という陣容にし、さらに手札に《殴打頭蓋》を持っている状態とする。
松永はホンナミのターンエンドに《渋面の溶岩使い》で《石鍛冶の神秘家》を処理すると、自分のターンに《タルモゴイフ》と《ヴェンディリオン三人衆》でアタック。《渋面の溶岩使い》がいるせいで満足に動けないホンナミは、結局《戦隊の鷹》2体で《ヴェンディリオン三人衆》をブロックし、《タルモゴイフ》のダメージを通す。
松永の2体目の《タルモゴイフ》を巡るカウンター合戦は、ホンナミの《Force of Will》を松永が《紅蓮破》し、さらに合計3枚の《精神的つまづき》の押収によって結果カウンターされる。だが松永は続くターンに《緑の太陽の頂点》によって《タルモゴイフ》を盤面に追加する。
だが、《殴打頭蓋》と、《戦隊の鷹》や《ミシュラの工廠》のチャンプブロックによって、4/5の《タルモゴイフ》といえども、容易にライフを削っていく事ができない。
そして、そうして稼いだターンの末に……
ホンナミ 「引いちゃった」
《審判の日》。そしてこのタイミングで《不毛の大地》が使われ、土地が2枚となってしまった松永は《渋面の溶岩使い》1体しか後続を用意できない。
クロックがなくなったところでホンナミは《精神を刻む者、ジェイス》をプレイ。そして《渋面の溶岩使い》の動きを<-1>能力を駆使して制限しつつ、<0>能力を挟んで《石鍛冶の神秘家》に到達。《饗宴と飢餓の剣》を手札に持って来つつ、ライブラリーのトップをリフレッシュする。
松永は《饗宴と飢餓の剣》を持った《殴打頭蓋》の攻撃を防ぐ事ができず、最後のターンに《稲妻》を一緒に攻撃してきた《ミシュラの工廠》に打ち、なんとか1ターンを稼ごうとする。
この《稲妻》には《精神的つまづき》がうたれ、2ライフ支払って《精神的つまづき》で松永は返す。そして、ここにホンナミは《呪文貫き》を撃つ。
松永はもう1枚の《精神的つまづき》とそれを確認するだけの精神的余裕を持っていたが、しかし、今度はそれをピッチするだけのライフが無かった。
松永 0-2 ホンナミ