準々決勝: ウチハシ アキヒト vs. キウチ サトル

晴れる屋

By Shiro Wakayama



Game 1

 先手内橋。マリガン無し。
 内橋の貴族の教主は《Chain Lightning》《ルーンの母》《稲妻》という応酬の後、お互いの場に《貴族の教主》が生き残り、さらにお互いに《聖遺の騎士》をプレイと、WG、ナヤカラーと違いはあれど、典型的な消耗戦となる。

 先手の利を生かして、内橋は対戦相手の《聖遺の騎士》《剣を鍬に》でどかしつつ、自らの《聖遺の騎士》《不毛の大地》をサーチ。さらに《内にいる獣》《平地》を破壊と、徹底的にマナベースを責める。
 しかし、結果としてマナディナイアル戦略が裏目に出てしまう。土地を引き続けている木内は、涼しい顔でセットランドし、内橋の手によって製造されたビーストトークンと、《野生のナカティル》で6点のクロックを刻む。
 内橋は、《森の知恵》を引き込み、一気にリソース差をつけたいのだが、クロックを提示されている現状では、不用意に追加ドローをしてしまうと瞬時にライフが無くなってしまう。自らの残りライフと相談しながら、ライブラリトップを調整する内橋。これに対する木内の回答は、クリーチャーデッキ対決では最強と言っても過言ではない、《遍歴の騎士、エルズペス》
 一気に勝負が決まるかと思われたが、内橋は《聖遺の騎士》《Maze of Ith》をサーチ。1体での攻撃だけではプレッシャーをかけられない場を作って時間を稼ぐ。
 だが、このままでは《遍歴の騎士、エルズペス》の忠誠度が高まってしまうだけなので、苦渋の選択ながらも、《緑の太陽の頂点》から《スクリブのレインジャー》をサーチ。空から《遍歴の騎士、エルズペス》へとプレッシャーをかけるが、忠誠地を4まで減らしたところで、《Chain Lightning》を引き込む木内。《スクリブのレインジャー》は対処されてしまったものの、追加の航空戦力となる《エイヴンの思考検閲者》を引き込んで、《遍歴の騎士、エルズペス》の忠誠度をじわじわと削り出す。
 だが、ここで木内がライブラリトップから引き寄せたのは《怒りの穴蔵、スカルグ》。兵士トークンをじわじわと増やしていた木内は、既に7/7というサイズになっている《聖遺の騎士》が守りを固めている内橋の陣営に、最低限の守備陣を残して、特攻気味にアタックを繰り返す。数と、《怒りの穴蔵、スカルグ》の強化能力によって、軍勢を減らしながらも内橋のライフを削り、《森の知恵》の効果を半減させる。

 ライフを2まで減らし、直前まで内橋を追い込んだ上で、木内が引き込んだのは《Chain Lightning》。あっけなく、しかし鮮やかに、木内が1本目を先取する。

内橋 0-1 木内


Game 2

 先手内橋が1マリガン。木内は少し悩んでキープを宣言する。
 6枚でゲームを始めた内橋は、《ドライアドの東屋》スタートと、少し土地に不安が残るようなスタート。だが、これが《稲妻》されることもなく、木内は自軍の展開優先で《貴族の教主》をプレイする。
 無事に土地を引き込んだらしい内橋は《森の知恵》をプレイして、アドバンテージを得ようとする。
 デッキの構造上、エンチャントを簡単に対処することは出来ない木内は、《タルモゴイフ》を戦線に追加し、ライフを詰める事で《森の知恵》を無効化しようと画策する。
 しかし、お互いにマナフラッド気味の展開のこの状況で、内橋が先に《遍歴の騎士、エルズペス》に辿り着く。
 このプレインズウォーカーを生かしたままに勝利出来る可能性が低い木内は、これを何とかしようと、脇を固めようとする《ルーンの母》《タルモゴイフ》《流刑への道》で除去しつつ、《遍歴の騎士、エルズペス》へと攻撃を繰り返すのだが、内橋はとうとう《殴打頭蓋》までたどり着いてしまい、盤面だけでなく、ライフまでもが安全圏に辿り着いてしまうと、いたずらに時間を消費することを嫌った木内は投了し、先攻が取れるGame3にかけることを決めた。

内橋 1-1 木内


Game 3
 先攻木内はマリガン無しなのに対して、内橋はマリガン。 少し辛そうな表情を見せながら、6枚でスタート。
 木内の《野生のナカティル》でゲームはスタート。内橋は《不毛の大地》《Taiga》を破壊して、《野生のナカティル》のクロックが下がることを祈るが、木内は余裕の《Plateau》セット。3点を刻み、ターンを終了。
 内橋も無事に土地に辿り着けたようで、《ルーンの母》をプレイする。これが生き残れば、攻防の要となる、WG系デッキの攻防で大事なクリーチャーだ。
 内橋が盤面を作り込んでいる間に、ライフを詰めて行きたい木内は、《クァーサルの群れ魔道士》を戦場に追加し、賛美の加護をうけた《野生のナカティル》が戦場を駆け抜け、内橋のライフを4へらして13とする。

 だが、内橋の場には攻防の要《ルーンの母》がおり、お互いに《タルモゴイフ》《聖遺の騎士》と戦線に追加し始め、互いに除去を引かないので、膠着が始まってしまう。互いに、引いたクリーチャーを戦場に追加し続けるだけの数ターンを経て、内橋が大きく動く。《聖遺の騎士》《スクリブのレインジャー》経由で起動し、フェッチランドを絡めて、一気に墓地に土地を送り込み、《聖遺の騎士》を8/8まで育て上げる。この《聖遺の騎士》《ルーンの母》の能力でプロテクションを与え、《クァーサルの群れ魔道士》《貴族の教主》の賛美の加護をえて、一撃10点のダメージを与えて、ゲームを決めにかかる。

木内も《遍歴の騎士、エルズペス》を引いて、強力な戦線を構築することは出来るのだが、生き残ってしまった《ルーンの母》によるプロテクション付与能力を処理することが出来ず、準決勝への切符は内橋がもぎ取った。

内橋 2-1 木内