皆さんこんにちは!
いよいよ今週は「マジック基本セット2013(M13)」の発売ですね。先週末にはプレリリース、今週には発売記念のイベントがありますが、皆さん楽しんでいますでしょうか?
レガシーの話題で言えば、6月30日-7月1日に、アメリカで「GP Atlanta」と「StarCityGames.com Open Series(SCGO) Seattle」がありました。
今回の記事の前半では、レガシーの一大イベントである「GP Atlanta」の入賞デッキを重点的に解説します。後半では、いつものように「SCGO Seattle」の入賞デッキを解説していきます。
GP Atlanta トップ8デッキアーキタイプ
2012年7月1日
1位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
2位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
3位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
4位 UW Stoneblade/白青石鍛冶
5位 Maverick/マーベリック
6位 Goblins/ゴブリン
7位 Belcher/ベルチャー
8位 Zombies/赤黒アグロ+白
《グリセルブランド》を使ったコンボデッキである「スニーク・ショー」や「リアニメイト」は、前評判は高かったのですがトップ8には不在です。逆に、このところ上位から数を減らしていた「白青石鍛冶」が復権しています。
環境のTier1の一角であった「リアニメイト」は、アメリカのトッププロチームChannelFireballも使っていましたが、2日目に入って「カナディアン・スレッショルド」や、黒をタッチし手札破壊を採用してコンボ耐性を高めた「白青石鍛冶」に苦戦し、勝ちきれなかったようです。
優勝したのは、「スニーク・ショー」などの中速コンボに対して相性が良いことで勝ち上がった「カナディアン・スレッショルド」です。
決勝戦は、3月に行われた「GP Indianapolis」と同様に「白青石鍛冶+黒」とのマッチアップになり、そのときとは逆の結果となりました。「カナディアン・スレッショルド」の強さが目立ちますが、トップ8には「ゴブリン」や「赤黒アグロ+白」なども入賞しており、今のレガシーは多様なデッキの存在するフォーマットであると言えます。
GP Atlanta デッキ解説「カナスレ」「ゴブリン」「赤黒アグロ+白」
4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《Volcanic Island》 3 《Tropical Island》 4 《不毛の大地》 -土地(18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《敏捷なマングース》 3 《タルモゴイフ》 1 《漁る軟泥》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 3 《思考掃き》 4 《思案》 4 《呪文貫き》 2 《呪文嵌め》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 3 《稲妻》 2 《火+氷》 -呪文(30)- |
1 《金粉のドレイク》 1 《漁る軟泥》 4 《水没》 3 《外科的摘出》 1 《赤霊破》 1 《紅蓮破》 2 《古えの遺恨》 2 《呪われたトーテム像》 -サイドボード(15)- |
プロツアーサンデーを経験している強豪Gaudenis Vidugirisが優勝に輝きました。使用した「カナディアン・スレッショルド」は、今大会で最多の2日目進出率を誇るアーキタイプです。
優勝したリストには《思考掃き》が3枚と、1マナのキャントリップが多めに取られており、安定してデッキが回るように構築されています。最近あまり見なかった《火+氷》も、《二股の稲妻》より優先して採用されています。部族デッキなどに有効な《Fire》と、通ってしまった《グリセルブランド》などのデカブツをタップできる《Ice》という組み合わせがフレキシブルなカードです。青いカードなので《Force of Will》のコストとして使用できるのも利点のひとつです。
4枚必須かと思われていた《タルモゴイフ》と《稲妻》が3枚に削られており、代わりに、最近数を減らしつつあった《呪文嵌め》が再び採用されていることも特徴です。これは「白青石鍛冶」が復権の兆しを見せていることを考えると良いチョイスです。
禁止カード改定後も、大きな大会では常に安定した勝率を誇っているデッキなので、レガシーの大会に出る際はこのデッキとの練習をしっかりしておいたほうが良いでしょう。
6 《山》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《樹木茂る山麓》 2 《乾燥台地》 1 《Volcanic Island》 1 《Plateau》 4 《魂の洞窟》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの従僕》 1 《モグの狂信者》 4 《ゴブリンの群衆追い》 1 《棘鞭使い》 4 《ゴブリンの女看守》 3 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの名手》 4 《ゴブリンの戦長》 1 《ゴブリンの王》 1 《ゴブリンの酋長》 4 《ゴブリンの首謀者》 1 《タクタクの潰し屋》 2 《包囲攻撃の司令官》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 -クリーチャー(34)- |
2 《紅蓮操作》 4 《霊気の薬瓶》 -呪文(6)- |
3 《金粉のドレイク》 2 《硫黄の精霊》 2 《赤霊破》 2 《破壊放題》 2 《紅蓮操作》 4 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
「SCGO Indianapolis」で見事に復活を果たした「ゴブリン」。
前回の記事で紹介したリストとは異なり、コンボ対策に《スレイベンの守護者、サリア》をスプラッシュし、更にサイドボードには「スニーク・ショー」や「リアニメイト」対策の《金粉のドレイク》が採用されています。
メインでは《ゴブリンの王》が採用されており、「カナディアン・スレッショルド」などに対してブロッカーを気にせずアタックに行けるよう工夫されています。メインの《紅蓮操作》は、数を増やしつつある「エルフ」などの部族デッキに特に有効で、「白青石鍛冶」に対しても効果があります。固定スロットの多い部族デッキですが、かなり個性的に仕上がっており、今後またどのような進化を見せるのか楽しみです。
2 《沼》 3 《汚染された三角州》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《湿地の干潟》 3 《新緑の地下墓地》 3 《Badlands》 3 《Scrubland》 1 《知られざる楽園》 -土地(20)- 4 《屍肉喰らい》 4 《墓所這い》 3 《血の芸術家》 4 《恐血鬼》 3 《潮の虚ろの漕ぎ手》 -クリーチャー(18)- |
4 《未練ある魂》 4 《陰謀団式療法》 4 《思考囲い》 1 《悲劇的な過ち》 2 《苦花》 4 《信仰無き物あさり》 3 《ゴブリンの砲撃》 -呪文(22)- |
2 《闇の腹心》 2 《解呪》 3 《外科的摘出》 1 《暗黒破》 2 《喉首狙い》 2 《非業の死》 1 《名誉回復》 2 《真髄の針》 -サイドボード(15)- |
Sam BlackはStarCityGames.comプレミア記事のライターで、プロツアーやGPでのトップ8入賞など輝かしい成績を収めているアメリカのトッププレイヤーです。
今回彼が持ち込んだデッキは「SCG Invitational Indianapolis」でも使用していた黒赤白のコンボビートダウンです。「Zombies」と題していますが、スタンダードでよく見かける「ゾンビビートダウン」とは異なり、《未練ある魂》や《苦花》を採用していることから、どちらかと言うと「トークンデッキ」に近いかもしれません。
デッキの動きとしては《思考囲い》や《陰謀団式療法》で相手の手札を丸裸にし、《未練ある魂》や《苦花》からのトークンでビートダウンします。《屍肉喰らい》や《ゴブリンの砲撃》と、新カード《血の芸術家》による生け贄ドレインコンボは、かつての《電結の荒廃者》+《大霊堂の信奉者》コンボを髣髴させ、ゲームの決め手となります。
コンボに対しては(1ターンキルを仕掛けてくる「ベルチャー」以外には)メインの手札破壊の数から相性が良いと言えます。コントロールに対しても、やはり手札破壊や、《未練ある魂》《苦花》からのトークンで容易にアドバンテージを取っていけるので有利です。プレイしてとても楽しいデッキなので、ぜひ皆さんもトライしてみてください。
GP Atlanta デッキ解説「白青石鍛冶」系
1 《平地》 2 《島》 1 《沼》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 2 《湿地の干潟》 3 《Tundra》 4 《Underground Sea》 1 《Scrubland》 3 《不毛の大地》 1 《Karakas》 -土地(23)- 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《瞬唱の魔道士》 2 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(9)- |
4 《剣を鍬に》 4 《渦まく知識》 2 《思案》 2 《呪文貫き》 1 《対抗呪文》 4 《Force of Will》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《思考囲い》 3 《コジレックの審問》 1 《名誉回復》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(28)- |
2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《流刑への道》 1 《解呪》 2 《未練ある魂》 1 《神の怒り》 1 《謙虚》 3 《外科的摘出》 2 《非業の死》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
「GP Indianapolis」を制した、黒をスプラッシュした「白青石鍛冶」。その後のSCGOではあまり見かけなくなっていましたが、「GP Atlanta」で見事に決勝まで残りました。
《未練ある魂》がサイドに落とされ、その代わり《聖トラフトの霊》がメインに採用されている特徴的なリストです。黒を足す理由のひとつであった《未練ある魂》ですが、コンボ相手にスピードが遅いことと、「カナディアン・スレッショルド」が《火+氷》や《二股の稲妻》を採用していることから、単体除去に強く安全に装備品をつけられる《聖トラフトの霊》のほうが今の環境に合っているようです。
黒を足して手札破壊にアクセスしたことにより、コンボに対してプロアクテイブな対処が可能になり、耐性がつきました。また《非業の死》は、《敏捷なマングース》や、最近台頭してきた「エルフ」に対する最高の回答になり、「マーベリック」に対しても《ガドック・ティーグ》が場に出ている状況でもキャストできます。優秀なクリーチャーが緑に集中している現在のレガシーでは《神の怒り》よりも優れている状況が多くあります。
1 《平地》 3 《島》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《霧深い雨林》 4 《Tundra》 2 《氷河の城砦》 1 《Karakas》 -土地(19)- 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《瞬唱の魔道士》 4 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(14)- |
4 《流刑への道》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(27)- |
3 《ヨツンの兵卒》 1 《忘却の輪》 4 《呪文貫き》 2 《残響する真実》 3 《水没》 2 《外科的摘出》 -サイドボード(15)- |
上に挙げた「白青石鍛冶+黒」とは異なり、4枚の《目くらまし》から、よりテンポを意識していることがうかがえます。
そして最大の特徴は4枚採用されている《蒸気の絡みつき》です。スタンダードの「青白 秘密を掘り下げる者」でお馴染みのカードはレガシーでも通用すると証明されました。流行の《グリセルブランド》に対しても、たったの1マナでバウンスでき、わずかながらライフを削れます。
《聖トラフトの霊》が4枚採用されているなど、デッキはよりアグレッシブになっています。そのため、ライフを回復されてしまい、特に《グリセルブランド》に対して致命的となる《剣を鍬に》の代わりに、《流刑への道》が採用されています。
サイドボードも《水没》や《残響する真実》など、追加のバウンスでテンポを意識しているのがうかがえます。墓地対策にも、積極的に勝ちにいける《ヨツンの兵卒》が採用されています。《ヨツンの兵卒》は「カナディアン・スレッショルド」に対して、《稲妻》1枚で対処されず、スレッショルドを妨害でき、《タルモゴイフ》のサイズを縮めることができます。全体的に、今までのレガシーの「白青石鍛冶」では見られなかったアプローチをしている、とても好感の持てるリストです。
GP Atlanta ボーナスデッキリスト「リアニメイト」「土地税入りコントロール」
トップ8には残らなかったものの、面白いアプローチをしていたデッキをいくつか見つけたので、ボーナストピックとして紹介させていただきます。
2 《島》 2 《沼》 1 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 4 《Underground Sea》 2 《Karakas》 -土地(18)- 1 《潮吹きの暴君》 1 《鋼の風のスフィンクス》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 4 《グリセルブランド》 -クリーチャー(7)- |
4 《渦まく知識》 4 《入念な研究》 4 《思案》 3 《目くらまし》 4 《Force of Will》 4 《思考囲い》 4 《納墓》 4 《再活性》 4 《動く死体》 -呪文(35)- |
2 《裏切り者の都》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 4 《実物提示教育》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《水没》 2 《棺の追放》 -サイドボード(15)- |
昨年POY(Player of the Year)に輝いたトッププレイヤーOwen Turtenwaldも含め、超有名プロチームChannelFireballのメンバーがベストデッキとして持ち込んだのが、この「リアニメイト」です。
メインには、新たな釣りターゲット《潮吹きの暴君》を追加しています。サイド後は、相手がサイドインしてくるであろう墓地対策に対抗するため、4枚の《実物提示教育》と、それをより速くキャストするための《裏切り者の都》が採用されています。それだけでなく、追加の勝ち手段に《ヴェンディリオン三人衆》や《精神を刻む者、ジェイス》までも採用しており、サイド後は中速コンボコントロールへとシフトするようです。斬新なアプローチは、さすが世界有数のプロチームです。
3 《平地》 6 《島》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《汚染された三角州》 4 《Tundra》 -土地(20)- 2 《粗石の魔道士》 -クリーチャー(2)- |
4 《剣を鍬に》 3 《土地税》 3 《終末》 2 《天使への願い》 4 《渦まく知識》 4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 3 《相殺》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 1 《Zuran Orb》 4 《師範の占い独楽》 1 《大祖始の遺産》 1 《仕組まれた爆薬》 -呪文(38)- |
1 《悪斬の天使》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《流刑への道》 1 《解呪》 1 《忘却の輪》 1 《終末》 1 《青霊破》 1 《被覆》 1 《呪文貫き》 1 《外科的摘出》 1 《トーモッドの墓所》 1 《真髄の針》 1 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
トッププレイヤーのReid Dukeがデザインした「青白コントロール」です。解禁されて間もない《土地税》が早くも採用されています。《Zuran Orb》は土地の枚数を調節でき、アグロデッキ相手にライフゲインすることで時間を稼げます。《Zuran Orb》などをサーチできる《粗石の魔道士》のシルバーバレット戦略が取られていますが、デッキとしてはまだ試行錯誤の段階のようで、これからの展開に期待です。
SCGO Seattle トップ8デッキアーキタイプ
2012年7月1日
1位 Merfolk/マーフォーク
2位 WU Miracle/白青奇跡
3位 WBR Stoneblade/チームイタリア
4位 Merfolk/マーフォーク
5位 Aluren/アルーレン
6位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
7位 Sneak and Show/スニーク・ショー
8位 Maverick/マーベリック
続いて「SCGO Seattle」の解説です。
「GP Atlanta」と同時開催されていた「SCGO Seattle」では、久々に「マーフォーク」が優勝という快挙をなし遂げました。「ゴブリン」「エルフ」に続いて遂に「マーフォーク」までも入賞し、SCGOのメタでは部族デッキの躍進が目立ちます。ほかにも「アルーレン」のような非常にレアなデッキが入賞するなど、充分に見ごたえのあるトップ8だったと思います。
SCGO Seattle デッキ解説「マーフォーク」「チームイタリア」「アルーレン」
3 《島》 2 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 4 《Underground Sea》 4 《不毛の大地》 4 《変わり谷》 -土地(20)- 4 《呪い捕らえ》 4 《銀エラの達人》 2 《幻影の像》 4 《アトランティスの王》 4 《珊瑚兜の司令官》 4 《メロウの騎兵》 1 《誘惑蒔き》 1 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》 -クリーチャー(24)- |
4 《目くらまし》 4 《Force of Will》 3 《行き詰まり》 1 《四肢切断》 4 《霊気の薬瓶》 -呪文(16)- |
1 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》 2 《水流破》 3 《水没》 1 《夜の戦慄》 2 《非業の死》 1 《トーモッドの墓所》 2 《真髄の針》 1 《虚無の呪文爆弾》 2 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
「日本レガシー選手権2012」で準優勝するなど、日本では一足先に復権の兆しを見せていた「マーフォーク」ですが、今回の「SCGO Seattle」で久々に優勝という快挙をなし遂げました。
優勝のデッキリストは《行き詰まり》が採用されている懐かしい形で、黒をタッチすることによって「マーベリック」や「カナディアン・スレッショルド」に対して劇的な効果のある《非業の死》にアクセスしています。また、青単バージョンではペイライフが結構痛い《四肢切断》を、黒を足すことにより黒マナでキャストできるのもプラスです。
1枚だけメインに採用されている《誘惑蒔き》は「スニーク・ショー」や「リアニメイト」に対しての強力な回答になります。これから増えるであろうミラーマッチでも、相手のロードを奪うことができるので悪くないカードです。4マナと少々重いですがそれだけの価値はあると思います。
「マジック基本セット2013(M13)」が発売されると、《真珠三叉矛の達人》が追加のロードとしてデッキの新戦力になります。今後のレガシーのメタに、引き続き影響を与えそうなデッキです。
1 《平地》 1 《沼》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《湿地の干潟》 4 《Badlands》 4 《Scrubland》 1 《Plateau》 4 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《刃砦の英雄》 4 《闇の腹心》 4 《渋面の溶岩使い》 -クリーチャー(14)- |
4 《剣を鍬に》 3 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 3 《Hymn to Tourach》 3 《ヴェールのリリアナ》 3 《名誉回復》 2 《師範の占い独楽》 1 《肉体と精神の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《梅澤の十手》 -呪文(23)- |
2 《台所の嫌がらせ屋》 1 《流刑への道》 2 《外科的摘出》 2 《非業の死》 2 《赤霊破》 2 《紅蓮破》 2 《大祖始の遺産》 2 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
プロプレイヤーのGerard Fabianoが使っていたことでも一部では有名な、「チームイタリア」と呼ばれているデッキです。手札破壊で中速コンボやコントロールに耐性があり、白と赤の軽い除去でクリーチャーデッキ相手にも遅れを取りません。特に4枚採用されている《渋面の溶岩使い》は対部族デッキ戦でその強さを最大限に発揮します。
レガシーではあまり見かけない《刃砦の英雄》を採用しているのが特徴的です。4マナと重く、除去耐性の低さが気になるかもしれませんが、タフネス4で《稲妻》一発では落ちず、このデッキにはほかに除去しなければいけない生物がたくさん入っているので《刃砦の英雄》が生き残る確率も高いでしょう。
サイドには追加の除去として《流刑への道》《非業の死》《仕組まれた爆薬》を採用しており、クリーチャーを主体とするデッキに対して更に有利になるでしょう。メインで多数のハンデスを採用しているためか、中速コンボに対するサイドボードは(墓地対策を兼ねた《外科的摘出》以外)あまり取られていません。
しかし、《実物提示教育》系デッキなどがサイドインしてくる《神聖の力線》は、こちらのハンデススペルを無効化してしまうので、対策として《解呪》や《忘却の輪》を採用したほうが良いでしょう。特に《忘却の輪》は、《実物提示教育》からのデカブツに対する回答にもなるのでお勧めです。
1 《島》 1 《沼》 2 《森》 2 《汚染された三角州》 4 《新緑の地下墓地》 4 《霧深い雨林》 1 《Underground Sea》 1 《Taiga》 1 《Savannah》 1 《Bayou》 2 《Tropical Island》 1 《ヴォルラスの要塞》 -土地(21)- 2 《夢で忍び寄るもの》 1 《寄生的な大梟》 4 《帝国の徴募兵》 1 《永遠の証人》 1 《洞窟のハーピー》 4 《とぐろ巻きの巫女》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《渦まく知識》 4 《直観》 4 《Force of Will》 4 《陰謀団式療法》 1 《壌土からの生命》 4 《魔の魅惑》 -呪文(25)- |
1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《平和の番人》 1 《イクスリッドの看守》 1 《調和スリヴァー》 1 《壊死スリヴァー》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《セファリッドの女帝ラワン》 3 《思考囲い》 2 《喉首狙い》 3 《炎渦竜巻》 -サイドボード(15)- |
デッキのキーカードである《帝国の徴募兵》が手に入りにくいのもあって、普段なかなか見ない「アルーレン」デッキ。
主な勝ち手段が《魔の魅惑》からのコンボなので、《Force of Will》や《思考囲い》などで無理やりコンボを決められるように構築されています。相手の手札を見て安全確認ができる《ギタクシア派の調査》を新たに採用しています。青いカードなので《Force of Will》のコストにもなり、手札を見ることで《陰謀団式療法》を有効に使えるようになります。
総括
禁止カードリスト改定直後にGPとSCGOが行われました。同じフォーマットでありながら、両トーナメントのトップ8のメタは全く違っており、とても面白い結果になったと思います。
「GP Atlanta」は《グリセルブランド》デッキが支配すると思われましたが、そのインパクトゆえに対策をされ、トップ8には残りませんでした。逆に「白青石鍛冶」系が復権し、それを見越して調整された「カナディアン・スレッショルド」の優勝で幕を閉じました。
同時に開催された「SCGO Seattle」では、中速コンボと青いデッキが支配する環境に最も適したデッキとして「マーフォーク」が高らかな復活を遂げました。今回の活躍と、M13の新ロードで強化されることから、今後の流行が予想されるデッキです。レガシーの大会に出る際は対策をしておいたほうが良いでしょう。
以上、「GP Atlanta」と「SCGO Seattle」の入賞デッキの解説でした。
次回の「SCGO St. Louis」から「マジック基本セット2013(M13)」の新カードが加わります。今後のレガシーメタにどのような影響を与えるのか楽しみです。
それではまた次回の記事で会いましょう! 楽しいレガシーを!