皆さんこんにちは!
先週末は日本で「GP横浜」のパブリックイベント「日本レガシー選手権2012」がありましたね。300人超えの世界的に見ても人数の多い大会でしたが、皆さん楽しんでいただけたでしょうか?
前回の記事でもふれましたが、僕はIndianapolisとDetroitで行われた「StarCityGames.com Open Series(SCGO)」に2週連続で参加してきました。
今回の記事では「SCGO Indianapolis」と「SCGO Detroit」のトップ8デッキを解説していきたいと思います。現地で取材させていただいた方のデッキは、インタビューも交えてお送りします。
トップ8デッキアーキタイプ
「SCGO Indianapolis」 2012年6月17日
1位 Goblins/ゴブリン
2位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
3位 Elves/エルフ
4位 Esper Stoneblade/白青石鍛冶+黒
5位 Maverick/マーベリック
6位 Maverick/マーベリック
7位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
8位 Enchantress/エンチャントレス
「SCGO Detroit」 2012年6月24日
1位 Lands/土地単
2位 Elves/エルフ
3位 Elves/エルフ
4位 RUG Delver/カナディアン・スレッショルド
5位 Maverick/マーベリック
6位 UW Stoneblade/白青石鍛冶
7位 Affinity/親和
8位 Dredge/発掘
両トーナメントの結果をご覧になると分かるように、コンボと青いデッキが占めていた前回と異なり、「ゴブリン」や「エルフ」などの部族デッキの躍進が目立ちます。
前回のトップ8には残らなかった「マーベリック」なども入賞しています。《グリセルブランド》を使ったデッキと青いデッキが支配する環境になると囁かれていましたが、またメタゲームが動き始めたようです。広大なカードプールゆえに毎週のようにメタゲームが変化するのがレガシーの面白いところだと思います。
デッキ解説 部族デッキ「ゴブリン」「エルフ」
4 《山》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《樹木茂る山麓》 1 《Taiga》 4 《魂の洞窟》 4 《不毛の大地》 4 《リシャーダの港》 -土地(23)- 4 《ゴブリンの従僕》 1 《スカークの探鉱者》 4 《ゴブリンの群衆追い》 4 《モグの戦争司令官》 1 《ブリキ通りの悪党》 1 《棘鞭使い》 4 《ゴブリンの女看守》 4 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの名手》 4 《ゴブリンの戦長》 4 《ゴブリンの首謀者》 1 《包囲攻撃の司令官》 -クリーチャー(33)- |
4 《霊気の薬瓶》 -呪文(4)- |
1 《ブリキ通りの悪党》 1 《棘鞭使い》 4 《赤霊破》 3 《紅蓮操作》 3 《大祖始の遺産》 3 《墓掘りの檻》 -サイドボード(15)- |
久々に優勝の「ゴブリン」。
青いデッキ対策に《魂の洞窟》を4枚採用している以外は、《虚空の杯》などを採用していたバージョンと違い、伝統的な赤単色タッチ緑です。Brad Campbellは「ゴブリン」をずっと使い続けています。優勝後のインタビューによれば今回のリストは、ゴブリンマスターとして有名なトッププレイヤーで「SCGインビテーショナル」にも参加していたJim Davisのコピーだそうです。
《ゴブリンの従僕》によるコンボにも負けない爆発力と、《ゴブリンの首謀者》によるコントロールデッキを超える継続力を持ち合わせたデッキなので、メタゲーム次第ではまだまだ充分トップに残る可能性があると思います。
4 《森》 1 《樹木茂る山麓》 4 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 2 《Savannah》 1 《ドライアドの東屋》 2 《ガイアの揺籃の地》 1 《ペンデルヘイヴン》 -土地(17)- 3 《ラノワールのエルフ》 4 《Fyndhorn Elves》 2 《クウィリーオン・レインジャー》 3 《樺の知識のレインジャー》 4 《遺産のドルイド》 4 《イラクサの歩哨》 4 《ワイアウッドの共生虫》 3 《ティタニアの僧侶》 4 《エルフの幻想家》 1 《ヴィリジアンのシャーマン》 1 《威厳の魔力》 2 《鏡の精体》 -クリーチャー(35)- |
1 《輪作》 4 《垣間見る自然》 4 《緑の太陽の頂点》 -呪文(9)- |
4 《フェアリーの忌み者》 1 《漁る軟泥》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《ガドック・ティーグ》 3 《弱者の石》 4 《アメジストのとげ》 1 《迫撃鞘》 -サイドボード(15)- |
もうひとつの部族デッキ。「マーベリック」などのクリーチャーで場を支配するデッキに対して強く、コンボ相手にも(「ANT」などの高速コンボ以外には)スピード勝負を挑むことができ、爆発力があるのでどんなデッキにも勝てる可能性があります。
サイドには、コンボやコントロール対策の《アメジストのとげ》や、「スニーク・ショー」対策に《弱者の石》が採用されています。
Christoffer AndersenはアメリカIndiana州出身のプロプレイヤーで、今シーズンのSCGOでの連続トップ8入賞など活躍が目立っています。大きな大会で数多く入賞しているからか、インタビューにも慣れているようで、僕が取材しようと声をかけたときも快く応じてくれました。彼は「エルフ」の名人で、レガシーでは必ずと言っていいほど使っています。
Hiroki: まず、連続入賞おめでとう! レガシーではよく「エルフ」を使っているね。何か特別な理由があったりする?
Chris: ああ、勝ちたいレガシーの大会ではほぼ毎回このデッキを使うって決めてるんだ。僕はこのデッキのことを多くの人よりも理解しているし、レガシー環境のことも理解してるつもりだ。レガシーでは、自分の使うデッキに対する理解度の高さが、メタゲームで適切なデッキを選択するよりも重要なんだ。デッキの相性もサイドボードの使いかた次第でいくらでも克服できる。君が「青白コントロール」を使い続けてるのと一緒さ。
「SCGインビテーショナル」のときは流行の「スニーク・ショー」に相性が良いと思って「発掘」に切り替えたけど結果は散々だった。もし僕がいつものように「エルフ」を使っていたらトップ8に残れたかもしれないんだ。だからよほどのことがない限りこのデッキを使っていくと思うよ。
Hiroki: トップ8の緒戦は「マーベリック」だけど正直マッチアップ的にはどう?
Chris: 「マーベリック」は、《静寂の守り手、リンヴァーラ》のようなこっちの戦略を完封してくるカードにさえ気をつけていれば基本的に楽なマッチだと思ってるよ。
Hiroki: 相性の悪い、当たりたくないデッキってあったりする?
Chris: 「青白」の使ってくる《終末》はやばい。インスタントスピードの1マナラスはきつい。あとは「ベルチャー」みたいに問答無用で1ターンキルとかやってくるデッキ。
SCGOで活躍するトッププレイヤーには、メタゲームの変化に合わせて期待値の高いデッキを使い分けているイメージがあります。しかし彼のように、ひとつのデッキを使い続けることによって理解度を高め、勝利の期待値を上げる方法もあります。
デッキ解説「マーベリック」
ここ数週間、トップ8から姿を消していた「マーベリック」。
「SCGO Indianapolis」でラウンド5以降の上位卓を取材していると、最近見ることのなかった「マーフォーク」などが、コンボや青いデッキへの有利さから勝ち残っていました。
メタが変化してきているわけですが、「マーフォーク」や「カナディアン・スレッショルド」などが勝ち上がってくると、それらに比較的相性の良い「マーベリック」が復権するのも当然です。
「SCGO Indianapolis」と「SCGO Detroit」でそれぞれトップ8に残ったふたつの「マーベリック」を、プレイヤーの生の声も含めてお届けしたいと思います。
1 《平地》 2 《森》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《樹木茂る山麓》 4 《Savannah》 2 《地平線の梢》 4 《不毛の大地》 2 《ドライアドの東屋》 1 《Karakas》 1 《ガイアの揺籃の地》 -土地(23)- 4 《ルーンの母》 2 《石鍛冶の神秘家》 4 《貴族の教主》 2 《漁る軟泥》 3 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《ガドック・ティーグ》 -クリーチャー(24)- |
4 《剣を鍬に》 2 《森の知恵》 4 《緑の太陽の頂点》 1 《梅澤の十手》 1 《光と影の剣》 1 《火と氷の剣》 -呪文(13)- |
1 《ボジューカの沼》 2 《エイヴンの思考検閲者》 3 《フェアリーの忌み者》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《ガドック・ティーグ》 3 《ファイレクシアの破棄者》 3 《流刑への道》 1 《梅澤の十手》 -サイドボード(15)- |
Michael Antrimは僕と同じミシガン出身のプレイヤーで、ローカルのレガシー大会でよく対戦する一人です。「マーベリック」を長い間使い続けているようでデッキをよく理解しています。SCGOでのトップ8は今回が初めてらしいですが、ミシガン州のレガシー大会ではほぼ毎回上位入賞している強豪です。
Hiroki: まず初めにトップ8おめでとう。いつも後一歩のところで惜しくもトップを逃している印象があったから、今回のトップ8は僕も感動したよ。
Michael: (笑いながら)サンキュー! 確かにトップ16が数回と、数え切れないくらいトップ32を経験してるから今回の結果は嬉しいね。
Hiroki: ところで「マーベリック」をいつも使っている印象があるけど、このデッキをどれくらい使ってる? デッキのほとんどをフォイルにするくらいだから緑白が好きなのは想像に難くはないけど。
Michael: 《適者生存》がレガシーで禁止になった後からだからもう1年半ぐらいかな。
Hiroki: 大きな大会では必ず「マーベリック」を使っているからメタゲームとかは関係ないのかもしれないけど、今大会に参加するに当たってどういったデッキを意識してサイドボードを作った? 3枚ずつの《ファイレクシアの破棄者》と《フェアリーの忌み者》など、面白いアプローチもあるけど。
Michael: 「スニーク・ショー」や先週勝っていた「リアニメイト」が多くなると思っていたからそれらに対抗できるカードを中心にサイドを組んだ。《ファイレクシアの破棄者》は、《グリセルブランド》のほかにも「青白」相手にプレインズウォーカーや《師範の占い独楽》をストップするのに役に立ったよ。
Hiroki: ほかの「マーベリック」ではあまり見かけなくなった《石鍛冶の神秘家》と装備品が採用されていて、逆に《スクリブのレインジャー》が採用されていなくて《エイヴンの思考検閲者》もサイドに落とされているけど何か特別な理由があったりする?
Michael: 《石鍛冶の神秘家》は単純に強いカードで、装備品は後半引いてしまった《貴族の教主》などのクリーチャーですら脅威に変えてくれるから必須だと思ってる。特に接戦になった「マーフォーク」戦では《火と氷の剣》が勝利に大きく貢献したよ。
《スクリブのレインジャー》は強い状況と弱い状況が分かれるカードで、僕はそういった限定的な強さのカードのためにメインのスペースを使うのが好きじゃないんだ。皆は《秘密を掘り下げる者》をブロックし続けられて強いから入れたほうが良いとか言ってるんだけど、《秘密を掘り下げる者》を使うデッキってだいたい《稲妻》や最近じゃ《二股の稲妻》なんかも入ってるし。《エイヴンの思考検閲者》がサイドなのも同じ理屈で、コンボに強くて同系にも悪くはないけどそれ単体で強いカードじゃないし、トップデッキして強いカードでもない。メインに入るカードじゃないよ。
多様なデッキが存在するレガシーでは、Michaelのようにデッキの一貫性を保つことが大きな大会で成功する秘訣になると分かりました。メインはどのデッキが相手でも戦えるように丸くし、サイドは特定のデッキや戦略を対策するために尖らせるという、基本に忠実な構成です。
1 《平地》 2 《森》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《霧深い雨林》 4 《Savannah》 1 《地平線の梢》 2 《魂の洞窟》 4 《不毛の大地》 1 《Maze of Ith》 1 《ボジューカの沼》 1 《ドライアドの東屋》 2 《Karakas》 -土地(24)- 4 《ルーンの母》 1 《エイヴンの思考検閲者》 4 《貴族の教主》 1 《スクリブのレインジャー》 2 《獣相のシャーマン》 3 《漁る軟泥》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 1 《ガドック・ティーグ》 -クリーチャー(25)- |
4 《剣を鍬に》 1 《壌土からの生命》 4 《緑の太陽の頂点》 2 《梅澤の十手》 -呪文(11)- |
1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《エメリアの天使》 1 《調和スリヴァー》 1 《スレイベンの守護者、サリア》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《ファイレクシアの破棄者》 2 《悟りの教示者》 1 《流刑への道》 2 《輪作》 2 《窒息》 1 《トーモッドの墓所》 1 《罠の橋》 -サイドボード(15)- |
Deshaun Blaylockもミシガン出身で、アメリカの中西部の大会を中心によく遠征しているプレイヤーです。地元のプレイヤーであり、特徴のあるデッキ構成なのもあって、インタビューをしました。
Hiroki: トップ8おめでとう! メイン、サイド共に面白い構成だね。
Deshaun: ああ、《壌土からの生命》で毎ターン《ドライアドの東屋》を回収して《獣相のシャーマン》で好きなクリーチャーを持ってこれるようにしたんだけど、ミラーマッチや「青白」のような中速のコントロール系相手に特に強かったね。次大会があるとしたら《ドライアドの東屋》の増量を考えてるよ。1枚だと初手に来たときに《緑の太陽の頂点》でサーチしてこれなかったからね。
Hiroki: メインの《Karakas》2枚は「スニーク・ショー」対策?
Deshaun: ああ「スニーク・ショー」相手には素で引きたいカードでもあるし、ミラーなんかでも相手の《Karakas》を対消滅できるしね。
Hiroki: サイドも面白いね。《エメリアの天使》に《輪作》、《罠の橋》などあまり「マーベリック」のサイドでは見かけないカードが多いけど。
Deshaun: 《エメリアの天使》は同系や中速デッキ相手に強くて、メインの《壌土からの生命》エンジンと合わせれば毎ターントークンを展開できるし、プレインズウォーカーと違って自分の《ガドック・ティーグ》が邪魔でプレイできないなんてこともないからクールだね。
《輪作》は、《Karakas》や《ボジューカの沼》などを特定の戦略相手にサーチするためのカードで、コンボ相手に役に立ったよ。《罠の橋》は「スニーク・ショー」のデカブツ対策。自分に影響がないとは言えないけど、相手側はゲームに勝つことが困難になる。
先に紹介したMichaelの操る「マーベリック」とは異なり、メインからトリッキーなギミックが積まれています。同じアーキタイプでありながら別のデッキに見えてくるあたり、カードプールが広大なレガシーならではの面白さだと思います。Michaelのバージョンは、ある意味オーソドックスでレガシー初心者でもすぐに慣れそうです。
Deshaunのバージョンは、《悟りの教示者》や《輪作》などで状況に応じたカードをサーチするテクニカルな要素が満載で玄人向けに思えます。
デッキ解説「土地単」「エンチャントレス」
1 《森》 1 《吹きさらしの荒野》 1 《新緑の地下墓地》 1 《霧深い雨林》 2 《Bayou》 3 《Tropical Island》 3 《トレイリア西部》 1 《ボジューカの沼》 3 《平穏な茂み》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《Glacial Chasm》 4 《Maze of Ith》 4 《不毛の大地》 4 《リシャーダの港》 1 《幽霊街》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 1 《Karakas》 1 《アカデミーの廃墟》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(36)- -クリーチャー(0)- |
3 《直観》 3 《カラスの罪》 2 《マナ結合》 4 《踏査》 4 《壌土からの生命》 4 《モックス・ダイアモンド》 1 《Zuran Orb》 1 《罠の橋》 1 《忘却石》 1 《仕組まれた爆薬》 -呪文(24)- |
4 《闇の腹心》 3 《クローサの掌握》 1 《呪われたトーテム像》 2 《三なる宝球》 4 《虚空の杯》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
大きな大会での入賞は久々の「土地単」。コンボに対してあまりにも不利なデッキであることから、長い間トップテーブルから姿を消していました。ですが、このデッキの得意とする「マーベリック」のような中速アグロが上位に残る環境へとメタがシフトし、上位のコンボにしてもクリーチャーによるビートダウンを勝ち手段とする「エルフ」ぐらいだったことが今回の優勝の理由だと思います。
クリーチャー対策に《仕組まれた爆薬》、《罠の橋》、《Glacial Chasm》、《Maze of Ith》、《The Tabernacle at Pendrell Vale》と徹底的で、コントロールに対しても、土地という対処の難しいパーマネントをリソースとしているため比較的有利にゲームが進みます。「ANT」、「ベルチャー」などの非クリーチャー高速コンボに対しては、メインは完全に切っていると言っていいぐらい対策がされておらず、代わりにサイドから《虚空の杯》や《三なる宝球》、そしてクロックにもなる《闇の腹心》を採用しています。
1 《平地》 5 《森》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《樹木茂る山麓》 1 《新緑の地下墓地》 2 《霧深い雨林》 2 《Savannah》 1 《Taiga》 1 《Karakas》 2 《セラの聖域》 -土地(20)- 4 《アルゴスの女魔術師》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(5)- |
2 《悟りの教示者》 1 《ルーンの光輪》 4 《独房監禁》 2 《忘却の輪》 1 《補充》 1 《謙虚》 1 《空位の玉座の印章》 1 《輪作》 4 《エレファント・グラス》 3 《ミリーの悪知恵》 4 《繁茂》 4 《楽園の拡散》 1 《孤独の都》 4 《女魔術師の存在》 1 《戦争の言葉》 2 《真の木立ち》 -呪文(36)- |
1 《難問の鎮め屋》 1 《名誉の神盾》 1 《石のような静寂》 1 《ルーンの光輪》 2 《沈黙のオーラ》 4 《神聖の力線》 1 《地の封印》 1 《孤独の都》 1 《窒息》 2 《太陽と月の輪》 -サイドボード(15)- |
先週末に行われた「日本レガシー選手権2012」を制したことで皆さんの記憶に新しいと思いますが、ここアメリカでも久々に上位入賞を果たしました。先に紹介した「土地単」同様の理屈で非クリーチャー高速コンボには遅れを取るものの、中速クリーチャーデッキに対して有利です。
コントロールに対しても《アルゴスの女魔術師》か《女魔術師の存在》が通ってしまえば大量のカードを引くことができ、土地ほどではないにせよエンチャントは比較的対処の困難なパーマネントなので(特に「青白」には)有利です。《孤独の都》がメインに取られているあたり青いデッキを意識していることがうかがえます。
流行の「スニーク・ショー」に対してはメイン採用の《謙虚》などで戦える構成になっていますが、ほかのコンボ対策はメインに取られておらず、サイドに積まれた《神聖の力線》などで勝負するようです。環境がやや中速寄りになってきているので、今後もこのデッキが入賞するチャンスは増えそうです。特に日本では「レガシー選手権」を制したデッキなので、《静寂》、《恭しき沈黙》などの専用の対策カードが必要になってくるかもしれません。
総括
青いデッキと《グリセルブランド》を使ったコンボデッキばかりの環境が嘘のように、「マーベリック」などの中速デッキの復権や、部族デッキ、特に「エルフ」の活躍が目立ちます。
さて、次回からは禁止改定後の環境になります。《土地税》が使えるようになり、一体どのようなデッキが出てくるのか楽しみです。今週アメリカでは、アトランタでレガシーのGPが、シアトルでSCGOが行われます。残念ながら僕はどちらの大会も参加できませんが、週末は地元のショップで開催される「Starcity Invitational Qualifier」に参加する予定です。良い結果を目指して頑張っていきたいと思います。
それでは次回の記事でお会いしましょう。楽しいレガシーを!