行弘賢の「これからは、俺のデッキがスタンダード」

行弘 賢

行弘 賢


 どうも皆さん、始めましての方が多いと思います。

 この度単発ではありますが、記事を書かせていただける事になりました行弘 賢と申します。一応プロツアーを年間通して参加させていただいている、通称グレイビーってやつらしいです。

 早速ですが、僕はマジック・オンライン上で最近スタンダードばかりやっています。僕はデッキ構築が大好きなので、どのシーズンもスタンダードで遊んでいるというのもあるのですが、これからは日本選手権予選、PTQフィラデルフィア、Finals予選と、スタンダードフォーマットのトーナメントが目白押しです。CAW-BLADEやその亜種、ヴァラクートやターボランド系のマナランプが現在スタンダードでよく見かける、いわゆるトップメタのデッキですが、今回僕が紹介するデッキはそのどれでもなく、いわゆる僕がオリジナルに作ったデッキを、「俺がスタンダードぜよっ!」と言う事で、普段からスタンダードで遊んでいる方や、これから各種予選に参加しようと思っている方に、デッキをご紹介したいと思います。

1-1.長期戦を見据えたNEWスタンダードボロス

 まず最初に紹介するのは中速ボロスです。僕は早いターンにオールインするビートよりも、じわじわ自分に有利な場を築きあげるビートが好きです。なので、ボロスをそういう風なアプローチで組めないかと組んでみたのがこちら。

Ken Yukuhiro / 「中速ボロス」

8《平地》
3《山》
4《乾燥台地》
4《沸騰する小湖》
4《湿地の干潟》
2《ぐらつく峰》

-土地-

4《ステップのオオヤマネコ》
4《ゴブリンの先達》
4《石鍛冶の神秘家》
4《戦隊の鷹》
4《刃砦の英雄》

-クリーチャー-
4《稲妻》
4《電弧の痕跡》
1《冒険者の装具》
1《肉体と精神の剣》
1《饗宴と飢餓の剣》
1《骨溜め》
3《エルズペス・ティレル》

-呪文-
4《ゴブリンの廃墟飛ばし》
3《躁の蛮人》
3《天界の粛清》
2《紅蓮地獄》
3《反逆の印》

-サイドボード-
hareruya

 まず普通のボロスとの違いは、《板金鎧の土百足》の不採用です。2マナからの上陸は噛み合わない事があり、トップデッキしても冴えない事が多々あります。その上2マナ域はすでに《石鍛冶の神秘家》《戦隊の鷹》という、環境を支配するカードが存在しており、特に《石鍛冶の神秘家》は序盤に強いはずの《板金鎧の土百足》よりも先にプレイしたいカードです。そういった2マナ圏の事情もあり、真っ先に《板金鎧の土百足》は僕のボロスから姿を消しました。除去に《電弧の痕跡》を採用している理由は、《戦隊の鷹》が環境に蔓延しているからです。これは現在のスタンダードにおける課題とも言える事で、いかにして《戦隊の鷹》を上手く捌くか、上手く使うかが重要だと思っています。
また、既存のボロスと大きく違うのは、高マナ域に中盤戦以降を強力にバックアップするカードが入っている事。それが《刃砦の英雄》です。このカードは最近流行りの赤い除去に耐性があり、なおかつ4マナとしては破格のダメージソースとして活躍します。タフネス4という数値は現環境においてかなりの安心感があり、攻守ともに活躍できます。《エルズペス・ティレル》はボロスが不利なマッチアップを有利にしてくれます。主に吸血鬼や赤単、同型等のアグロなデッキがそれに該当します。後述しますが、サイドボード後は除去を多めにサイドインするので、《エルズペス・ティレル》《刃砦の英雄》はゲームプランを助ける意味でも大きな役割を果たしています。

1-2.中速ボロスの取扱説明書

 《戦隊の鷹》が強く、メタゲームを支配しているせいで、相対的に強いカードがあります。それが《骨溜め》です。《戦隊の鷹》ミラーで極悪な程サイズアップが見込めるこのカードは中盤以降これ1枚で勝つ事も良く起こります。《石鍛冶の神秘家》からサーチする時は盲目的にどちらかの剣をサーチしたくなる事が多いのですが、サーチのオプションが多いデッキなので、手札と相手のデッキを良く考えて《骨溜め》をサーチする事も覚えておくと良いかもしれません。

 また、このデッキは《ゴブリンの先達》が手札に鎮座してしまう事がよくあります。それは主に《審判の日》《紅蓮地獄》等の全体除去を使うデッキ相手に起こります。もちろん1ターン目に《ステップのオオヤマネコ》がいなければ《ゴブリンの先達》を走らせますが、《ステップのオオヤマネコ》、2マナのクリーチャーとハンドにあるとなかなか盤面に姿を現さない事があります。それでも彼には大きな役割があります。それは装備を付けて速攻で殴るという事です。コントロール相手に速攻で装備を付けて殴るというアクションは非常に強力です。なので、マナが余ってるからと目先の2点に囚われて出すのではなく、相手の行動もよく考えて手札に彼をキープしていく事も大事です。

 サイドボードは苦手な吸血鬼に強い《天界の粛清》を多めに取っていますが、あなたのプレイ環境に吸血鬼が少ないなら《紅蓮地獄》を増やすか《ギデオン・ジュラ》を増やしても良いと思います。《紅蓮地獄》はボロスは普段打たれる側なので、逆にボロスがうつとその意外性にかなりのアドバンテージを得る事があります。

 このデッキは対戦相手のデッキによって様々なゲームスピードに合わせる事ができます。攻める側か、守る側か、どちらの選択肢も多々選ぶことになるでしょう。その見極めはコンボデッキやコントロールを使っては身につきにくい技術です。あまり中速なビートを使ったことが無い人は、試しに使ってみてはいかがでしょうか。

 そうそう、このデッキは公式サイトMTG-JPで連載している、津村さんの記事「津村 健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ 第48回:各大陸の出した答え・日本、アメリカの場合」でも紹介して頂きました。そちらの方もチェックしてみるとよりデッキへの理解度が深まるかもしれませんね。

2-1.ゲスを使ってみた。

 続きまして”ゲススノウ”というデッキを紹介したいと思います。このデッキは今となっては余り珍しくもないかもしれませんが、青黒《ボーラスの工作員、テゼレット》に白を足したデッキです。とりあえず皆さんにはデッキリストを見てもらいましょうか!

Ken Yukuhiro / 「ゲススノウ」

4《忍び寄るタール坑》
4《闇滑りの岸》
3《金属海の沿岸》
4《湿地の干潟》
2《平地》
3《沼》
1《島》
3《墨蛾の生息地》

-土地-

1《太陽のタイタン》

-クリーチャー-
4《ボーラスの工作員、テゼレット》
2《ギデオン・ジュラ》
3《精神を刻む者、ジェイス》
4《胆液の水源》
4《黒の太陽の頂点》
4《永遠溢れの杯》
4《転倒の磁石》
3《ゲスの玉座》
4《太陽の宝球》
3《オパールのモックス》

-呪文-
4《コジレックの審問》
3《屍百足》
2《ファイレクシアの破棄者》
4《漸増爆弾》
2《記憶殺し》

-サイドボード-
hareruya

 このデッキはとにかく《ゲスの玉座》《ボーラスの工作員、テゼレット》を使いたい!という願望から生まれたデッキです。パッと見この《ゲスの玉座》は一体何の役に立つか分かりにくいのですが、実は様々なシナジーが存在します。まず増殖という観点から見てみますと、《ボーラスの工作員、テゼレット》《精神を刻む者、ジェイス》《ギデオン・ジュラ》の全ての忠誠値を上昇させる事ができます。特に《ボーラスの工作員、テゼレット》にいたっては即座に最終奥義を発動することが可能なので、2枚のテゼレットを使い1ターンに2回奥義を発動、なんて事もあります。

 次に《胆液の水源》に注目してみましょう。この置物は普通に考えたらただのキャントリップなのですが、《ゲスの玉座》と組み合わさるとただの置物ではなくなります。PW達の忠誠値や《転倒の磁石》《永遠溢れの杯》等のカウンターを増やしつつ手札も増えるのは、予想以上に多大なアドバンテージをもたらせてくれます。《ボーラスの工作員、テゼレット》の最終奥義発動時には置物としてもしっかり活躍できるのも良いところですね。

2-2.ゲススノウの取扱説明書

 さて、あまり《ゲスの玉座》のことばかり語っても仕方無いので、このデッキの環境に適しているところを説明しましょう。まずは最近流行りの《石鍛冶の神秘家》システムに強い《転倒の磁石》を4枚採用できる所です。そしてコントロールミラーで極悪な程に強い《精神を刻む者、ジェイス》《ボーラスの工作員、テゼレット》の存在によりそこまできつくない、といった2点がCaw-Blade系のデッキに有利な所です。勿論《ギデオン・ジュラ》も様々なビートに耐性がつく素晴らしいカードです。《黒の太陽の頂点》をメインから4枚採用しているのはカルドーサレッドやボロスに対して一定の敬意を払っているからです。この2つのデッキは全体で見れば凄く多い訳ではありませんが、デッキパワーは侮れません。《審判の日》では間に合わない事があるので《黒の太陽の頂点》を採用しています。色マナの都合上黒に寄せたほうがいいという理由もありますね。

 そしてこのデッキを皆さんに勧める理由があります。それは、単純に使ってて面白いということです。シナジーがたくさん詰め込まれているデッキはそれだけでワクワクしちゃいますよね。回せば回すほどたくさんの発見があると思いますので、良かったら一回作って遊んでみてはいかがでしょうか?このデッキはまだ伸びしろがあると思いますので、あなたの手で新たな発見を見つけてみてください!

 以上、今回2つのデッキを紹介いたしました。2つともまったく違うデッキタイプながら、トップメタであるCaw-Bladeに対して、別のアプローチで意識しているデッキになっています。メタゲームは水ものです。1ヶ月たてばまたメタも大きく変わります。その時に対応できるかはしっかりその間スタンダードをプレイして環境を理解しているかだと思います。
 初の記事ということで至らない点たくさんあったと思いますが、いかがだったでしょうか。これらのレシピは僕がいつも配信しているニコニコ生放送のマジック・オンラインの放送で作り上げたデッキです。『deathsnow』というコミュニティで配信していますので、この記事を読んで興味を持たれた方は良かったら遊びに来てください。

 それでは、今回はこのような拙い文章の記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。機会がありましたら次回も是非書かせていただきたいと思いますので、また皆さんと会える日を楽しみにしています。それでは皆さん、また次の記事で!