行弘賢と学ぶドラフトセオリー vol.12 ~初心忘るべからず、基礎からの振り返り~

行弘 賢

行弘 賢


 皆さんこんにちは!行弘です!

 間もなく『戦乱のゼンディカー』が発売と、またドラフトがますます楽しくなる新環境の時期がやってきましたね!

 同時にローテーションで『テーロス』ブロックと『マジック基本セット2015』が落ちてしまい、スタンダードの環境も大きく変わりますね。

 ん……ローテーション?

 そういえば、この記事は『マジック基本セット2015』環境から書き始めたので、毎月更新で今回で12回目……。なんと、今回で丸一年、最終回じゃありませんか!

 というわけで、今回でこのドラフトセオリーの記事は最終回となります。11回分の記事で僕が伝えたいセオリーはほとんど伝えることができたと思いますので、今回は総集編ということで11回分の記事を振り返りながら解説していく、『初心忘るべからず、基礎からの振り返り』をお送りしていきたいと思います!





■ 1. 連載11回分の振り返り


 ◇ vol.1 ~序盤はカードパワー~


 連載初回はカードパワーが高いカードと強いカードの違い、ピック序盤の解説記事でした。

 「カードパワーが高いカード」とはカードのテキストが強く、パワータフネスもマナレシオに対して優れているカードで、対し「強いカード」とはマナコストがプレイできる現実的なラインのものであり、なおかつカードパワーが高いものです。

 初回では1~3手目の、序盤の流れを解説しています。

 1~3手目はカードパワーを重視。これは、ドラフトにおける大事なセオリーではありますが、補足すると、カードパワーよりもデッキパワーを重視する環境もあります。

 デッキパワーを重視する環境は、カードの組み合わせが強烈に作用する、アーキタイプドラフトが強い環境です。

 特定のアーキタイプが強くそれを狙う価値が高い場合、カードパワーよりもデッキパワーを優先して汎用性の低いカードをピックすることもあるということは、覚えておくと役に立つと思います。



 ◇ vol.2 ~「色主張」を使いこなそう~


 連載2回目は色主張による利点と落とし穴の解説記事でしたね。

 実戦譜では序盤、1~4手目までの流れを解説しています。

 1~4手目では、初手で強いカードをピックできた場合にそれをそのまま使えるように、その後多少見劣りするカードでもできる限り初手と同じ色のカードをピックし、色主張をすることで返しのリターンを大きくする、という内容の解説記事でした。

 ただし色主張の最大の欠点として、返しを期待するあまり本来協調しなくてはいけない上家の意向に従えなくなってしまう可能性があるという点には注意しましょう。



 ◇ vol.3 ~土地事故を少なくしよう~





 連載3回目はドラフトにおけるデッキのマナバランスについて解説しました。

 カードの色マナを度外視してピックしてしまうと、どうしてもバランスの悪いデッキになってしまいがちです。そうならないためにも、色マナのバランスを考えながらデッキに必要なカードをピックするようにしましょう。

 この回ではこの連載では珍しく、ピックのセオリーとは別の「デッキ構築のセオリー」を解説しています。ドラフトでよく事故が起きる……なんてときには、この回を読み返してみると良いかもしれません。



 ◇ vol.4 ~上家は人間?狼?色変えのタイミングとは~


アヴァブルックの町長吠え群れの頭目


 連載4回目は色変えについての解説記事でしたね。

 実戦譜ではピック中盤、1~6手目までの流れを解説しています。

 記事の内容は「1~3手目までは自分の都合で、4手目以降は上家を考慮しつつピックする」と置き換えても大丈夫です。

 色変えはタイミングが難しく、どこで色変えするかというのを判断するには経験もある程度必要となってきます。ですが「色を変える選択肢がある」という意識を常に持つことで、経験を得る機会も増えると思いますので、ぜひ意識しながらドラフトしてみてください。



 ◇ vol.5 ~2パック目から色を寄せるべし~


 連載5回目は色寄せについての解説を行いました。

 実戦譜では、ピック終盤、2パック目の1~2手目の流れを解説しています。

 色寄せは、1パック目でカードパワーを優先してピックし続けた結果、2パック目開始時点で色が定まっていない状態で使えるテクニックで、2パック目以降でどの色をピックすればいいかの指針立てに役立ちます。

 これは僕個人の好みもあるのですが、1パック目終了時に色が定まっていない状態であることはそこまで悪いことではないと考えています。

 というのも、ピック自体は最低で23枚のカードがあれば良くて、1パック目にピックしたカードが3~5枚程度となってしまっても、2パック目以降の色の流れを上手く掴めば最終的にパック平均あたり9枚ほどのカードを手に入れるのは十分に可能だからです。

 しかもそうなった場合1パック目のカードはカードパワーを優先した3~5枚で、さらに流れの良い残りの18~20枚のカードなので、デッキはかなり強くなります。

 なので、基本的には序盤はカードパワー優先で、色寄せは中盤から、と考えるのも1つのセオリーといえるので、エキスパンションごとの環境に応じて使い分けてみてください。



 ◇ vol.6 ~アーキタイプドラフトを覚えよう~


 連載6回目はアーキタイプドラフトについての記事でした。

 実戦譜では、アーキタイプドラフトを狙ったピックの流れを解説しています。

 アーキタイプドラフトは、環境ごとにアーキタイプも強弱があるので、それらを把握してから特定のアーキタイプを狙うようにするようにしましょう。

 環境初期はカードプールからアーキタイプを想像したり、他の人のピックを参考するとアーキタイプの把握に役立ちますので積極的に色々なアーキタイプを見つけていきましょう。

(アーキタイプドラフトの参考例:【山本賢太郎の世界選手権2015レポート】)



 ◇ vol.7 ~パックの内容を記憶しよう~


点数 カード名
9点《ティムールの剣歯虎》
8点《光変化》
7点《有毒ドラゴン》
7点《砂草原ののけ者》
7点《エイヴンの偵察員》
7点《ゴブリンの踵裂き》
7点《龍火浴びせ》
7点《グルマグのアンコウ》
6点《蓮道のジン》
6点《弱者狩り》
6点《無残な競争》
6点《花咲く砂地》
3点《ティムールの呪印》
2点《スゥルタイの呪印》


 連載7回目はパック内容を記憶することのメリットについての解説記事でしたね。

 実戦譜では1~5手目のパックの内容を記憶することでピックの方針をたてて、その通りピックして見事3-0したデッキをくみ上げています。

 パックの内容を覚える下準備として、あらかじめ各カードの点数付けを自分でしておくと、返ってくるカードの分別がつきやすくなります。もし返ってくるはずのカードが返ってこない場合は、自分の点数が他の人と比べてズレている可能性があるので、他の人の意見を聞いたり、その環境の記事を読んだりして点数を修正していくといいですね。



 ◇ vol.8 ~勝敗の鍵を握るのはコンバットトリック~
 




 連載8回目はコンバットトリックの使い方についての解説記事。

 連載8回目にして初めてプレイングに関する記事を書きました。というのも、まずはピックを楽しむのがドラフトだと思っているので、プレイングは後半の方で解説しようと考えていたからです。

 しかし、ピックと同じくらいプレイングも重要です。コンバットトリックの使い方1つでゲームの勝敗に関わってくるケースは少なくありません。基本は損しにくいタイミングを見極めてプレイすることを心がけると良いですね。得しそうなタイミングだからと勢い勇んでプレイして、相手からのスペルで大損してしまう、というケースが少なくなるようにしましょう。



 ◇ vol.9 ~攻撃でゲームの主導権を握ろう~





 連載9回目はコンバットにおける攻撃の重要性を解説する記事でした。

 攻撃しなければ勝てないのと同じく、攻撃するだけでは勝てないゲームも多くあります。しかし、その見極めは相手がどんなコンバットトリックを持っているか?どんなクリーチャーが後続で出てくるか?など、様々な要因により複雑になっていくものです。

 この見極めの力を付けるためにも、どんどん攻撃して、成功や失敗を繰り返していきましょう。そのうち守らねばいけないタイミングもおのずと分かってくると思いますので、それまではガンガン攻撃していきましょう!



 ◇ vol.10 ~ダメージレースを身につけよう~





 連載10回目はダメージレースについて解説しました。

 ダメージレースの概念を理解したら、リミテッド初心者は完全に脱出したといえます。それほどまでに感覚を掴むのが難しい要素であるダメージレース。リミテッドにおける自身の成長に悩んでいるときはぜひ記事を読み返して、ダメージレースの概念を復習して実践してみてください。



 ◇ vol.11 ~自分の得意なパターンを作ろう!~





 そして連載11回目はエキスパンションの環境ごとに自分の得意なパターンを作ることのメリットの解説記事でしたね。

 このセオリーの解説を最後に持ってきたのは、これがエキスパンションごとの環境終盤では一番大切なセオリーだと言えるからです。

 環境終盤ではそれぞれのプレイヤーがある程度の経験値を持った状態でドラフトに臨みます。そうすると、全てのカードに対して各々がカードの点数付けが済んだ状態なので、カードパワーが高いカードが流れてきづらくなります。

 そこで他の人と差をつけるのが、自分の経験則からくる得意なパターンなのです。この得意なパターンは他の人と共有できる経験ではない、自分だけのものです。

 つまり自分の得意なパターンとは、あなただけが知る『環境ごとのドラフトセオリー』であると言えます。

 僕は今回こうして環境を問わないセオリーを紹介してきましたが、今後は皆さんもぜひ自分だけのセオリーを見つけて、将来は僕のようなドラフトジャンキーとして、様々な大会で活躍してみてくださいね。



■ 2. 最後に

 実は初回から11回まで通して見ると、実戦譜ではピック序盤~終盤までの流れを具体的に解説してあります。

 「2パック目の途中からは具体例がほとんどないけど……」と感じた方もいると思うのですが、2パック目の途中以降は、現状のデッキに合ったカードや立てた方針通りのカードをピックしていくだけなので、実際にはピックは2パック目の1~4手目の時点で自分ができることはほとんど終わってしまっていると考えてもいいでしょう。その後のピックに関しては経験を積んでピックの質さえ高めることができれば、作業的に難しいことはほとんどありません。

 ドラフトで壁に当たることがあれば、このドラフトセオリーの記事を読んでいただけたら、ほとんどが解決できると思います。なので、そういうときは各記事を読み返していただけたら幸いです。

 それでは、1年間12回分もの記事、最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございました!

 また晴れる屋さんで記事を書かせていただく機会がありましたら、そのときはよろしくお願いします!



Twitterでつぶやく

Facebookでシェアする

関連記事

このシリーズの過去記事