神が選ぶ『戦乱のゼンディカー』注目カードトップ3!

晴れる屋メディアチーム


 10/2(金)、ついに最新エキスパンション『戦乱のゼンディカー』が発売されます。

 多数の魅力的なカードの収録に、どのカード/デッキが強いのか、どのカードを買えばよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 そこで第4期「神」の3人に、各フォーマットでの「注目カードトップ3」を聞いてみました!


■ 「神」とは?

晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。
スタンダード・モダン・レガシーの3フォーマットで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。

詳しくはこちらをご覧ください。→【神決定戦特設ページ】


各フォーマットのエキスパートであり第一人者でもある彼らの意見を、ぜひ参考にしてみてください。

それでは、どうぞ!



◆ 第4期スタンダード神 高橋 優太 (Hareruya Pros 所属)



『戦乱のゼンディカー』エキスパンション全体の印象

 『戦乱のゼンディカー』セット全体としては、除去スペルを弱くしてクリーチャーを出す方向にシフトしたのかなという印象です。

 まず軽いスペルで初手をキープする理由になっていた《稲妻の一撃》《思考囲い》《胆汁病》《今わの際》などが軒並み脱落。

 2マナだと《究極の価格》《龍詞の咆哮》《ギデオンの叱責》など条件付きのものが多いですが、3マナを超えると《破滅の道》《タイタンの存在》など急に除去性能が上がります。《ギデオンの叱責》《破滅の道》《タイタンの存在》は使われる除去だと思います。




 しかし軽い除去が少ないとなると、2ターン目の行動としては自分からクリーチャーを出して行った方が良い。

 クリーチャーでの戦闘を推奨する方向に持って行っている
のかなと。



『戦乱のゼンディカー』スタンダード注目カードトップ3!


■ 1位 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》




 3つの能力どれも強力ですが、「クリーチャー化すると同盟者になること」「出すトークンが同盟者であること」から同盟者シナジーに組み込むのが一番良さそうです。

 3ターン目《ランタンの斥候》→4ターン目《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》→5ターン目《ゴーマ・ファーダの英雄》と、白の同盟者がマナカーブ順でシナジーもあり強い!

 もっと単純に、コントロールデッキに入れてブロッカー量産して相手を展開させてから《対立の終結》という動きも良さそうです。


対立の終結




■ 2位 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》




 5マナで除去+αの《見えざる者、ヴラスカ》を彷彿とさせるプレインズウォーカー。

 《見えざる者、ヴラスカ》が採用しても1-2枚程度でそこまで活躍しなかったことを考えると聞こえは悪いかも知れませんが、《見えざる者、ヴラスカ》との最大の違いは「+1」能力の強さ。

 《見えざる者、ヴラスカ》は「+1」能力を無視して本体にアタックされることもありましたが、この《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》毎ターンアドバンテージを生み出すため放置しにくい。
 
《衰滅》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》という動きはそれだけでゲームに勝てそうです。



■ 3位 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》




 おや?元祖《無限に廻るもの、ウラモグ》より強いのでは?

 盤面が不利になっていても1枚で逆転できるカードであり、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を除去できるのは《アブザンの魔除け》《完全なる終わり》程度しかない。

 【フルスポイラー】が発表されて以来、どうやって最速ウラモグデッキを作るか考えていました。3ターン目《ニッサの巡礼》→4ターン目《爆発的植生》→5ターン目《精霊龍、ウギン》で盤面一掃→6ターン目《見捨てられた神々の神殿》経由で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

 関連して、《見捨てられた神々の神殿》はエルドラージに限らず《精霊龍、ウギン》を出すターンが早まるのでオススメです。






◆ 第4期モダン神 市川 ユウキ



『戦乱のゼンディカー』エキスパンション全体の印象


 正直あまりカードパワーは高くないなという感想です。

 ですが、その中でも《大草原の川》などの基本土地タイプを有した2色土地や、待望だった対抗色ミシュラランド、かつてのゼンディカーブロックの流れをくむ同盟者、エルドラージクリーチャーなど、モダンで組み合わせるとよりギミックが強固になるカードも含まれています。

 ですので、モダンと言う観点においては創作意欲の沸くエキスパンションと言えるでしょう。






『戦乱のゼンディカー』モダン注目カードトップ3!



■ 1位 《珊瑚兜への撤退》




 巷でにわかに騒がれている《珊瑚兜への撤退》

 何が騒がれているのかと言うと《聖遺の騎士》と組み合わせての無限(っぽい)コンボ。

《珊瑚兜への撤退》が場にある状態で《聖遺の騎士》を起動
《平地》《森》、もしくはそれにアクセスできるフェッチランドをサーチ
《珊瑚兜への撤退》が誘発、《聖遺の騎士》をアンタップ……


 この工程を繰り返すことにより(デッキの構築次第ですが)《聖遺の騎士》のパワーを20以上にすることも可能です。
 
 対戦相手の場にクリーチャーがいる場合などに応じて《ならず者の道》《ケッシグの狼の地》をデッキ入れておいて、最後に持って来ると良いでしょう。

 また、《聖遺の騎士》《珊瑚兜への撤退》と動いて、フェッチランドをプレイ、《珊瑚兜への撤退》の誘発のスタックで《聖遺の騎士》を起動。相手がそれのスタックで《終止》などの除去呪文を《聖遺の騎士》にプレイしたとしたら、こちらもスタックでフェッチランドを起動→再度の《珊瑚兜への撤退》の誘発により《聖遺の騎士》をアンタップして起動→《セジーリのステップ》を持ってくるとなんと相手の除去を避けながらコンボを決めることもできます。

 「《欠片の双子》コンボで良いじゃん」って感じもしますが、このコンボは妨害されたとしても《欠片の双子》と違ってアドバンテージを失わないですし、《聖遺の騎士》は単体のカードパワー、《珊瑚兜への撤退》は「占術」を用いてそれ自体がコンボパーツを探しに行ける器用さがあります。

 それ故、《欠片の双子》コンボの下位互換ではとどまらない可能性は十分にありえます。

 何が言いたいかというと、《聖遺の騎士》1000枚買え!!!!!


聖遺の騎士




■ 2位 《塵への崩壊》




 《塩まき》じゃなかった《塵への崩壊》

 能力に関しては今更話すこともない《塩まき》なんですが、「マナコスト」と色に注目。

 マナコストは「3R」と、《塩まき》と違いシングルシンボルなのが特徴です。ダブルシンボルの出しづらい、【トロン】や、【精力の護符デッキ】などがサイドに取りやすくなります。

 また『戦乱のゼンディカー』初登場の能力「欠色」により、マナコストに赤を含んでいながらこのカードはなんと無色!

 そのため《古きものの活性》でのアクセスが可能になり、サイドカードを運用しやすくなります。

 これにより導き出される解は『トロンや、精力の護符デッキがサイド後同型で打ち合うカード』。



 Wow……不毛……なんて不毛な争いなんだ……《不毛の大地》



■ 3位 《同盟者の宿営地》




 全国の同盟者フリークの皆様、お待たせしました。待望の同盟者専用の5色土地の登場です!

 《魂の洞窟》と併せてデメリットなしの5色土地が8枚に強化。更に《反射池》は、《同盟者の宿営地》《魂の洞窟》が場にあればこれも5色出せる土地として運用できますので、快適な5色ビートダウンも夢ではありません。

 生け贄に捧げて同盟者を手札に戻す能力も同盟者のETB能力と相性が良く、隙がありません。単純に除去避けとして使用しても良いですね。

 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》など、同盟者にまつわる強力カードも登場したことですし、同盟者デッキがモダンで活躍するかも!?



◆ 第4期レガシー神 川北 史朗



『戦乱のゼンディカー』エキスパンション全体の印象

 毎回思うのですが、レガシー視点で強いカードというのは新しいエキスパンションが出ても中々ない。

 特に今回はエルドラージで無色のビッグマナ系のカードが多数出ているせいか、比較的マナが軽いカードが使われるレガシーにおいては、「使えないカードがほとんどかな~」といった感想を持ってしまっています。

 それでも前回の【『マジック・オリジン』レガシー注目カードベスト3】《ヴリンの神童、ジェイス》を挙げることができなかった反省の意を込めて、今回は真剣に選びました(勿論前回も真剣に選んでますよ 笑)。

 さて、ここからが本番ですね。

 私がレガシー的観点で注目している『戦乱のゼンディカー』のカード3枚です。



『戦乱のゼンディカー』レガシー注目カードトップ3!


1位 《珊瑚兜への撤退》




 ん?レガシーでこのカードはありえない程弱くない?と思った方も多いと思います。

 実はこのカード、晴れる屋さんの【MTG Just Now! vol.13 -聖遺の騎士 etc.-】のコラムでも書かれている通り、《聖遺の騎士》と組み合わせると凄いことになるんです。

 1ターン目《貴族の教主》、2ターン目《聖遺の騎士》、3ターン目《珊瑚兜への撤退》でデッキの土地構成によっては《聖遺の騎士》が20/20でアタックにいける!!

 ただしレガシー環境では課題が山積み……

 (1) レガシーでは《剣を鍬に》《突然の衰微》など軽い除去が豊富である点

 (2) 3マナの呪文を2回も通さないといけない点
  ⇒3マナというと……【オムニテル】だったら、《実物提示教育》でほぼ勝ちに直結できますね。

 (3)《珊瑚兜への撤退》という単体のカードが弱い点

これらの課題をクリアできるデッキビルダーを求む!!



2位 《タイタンの存在》




 【MUD】【ポスト】で使える、念願のクリーチャー除去。1ターン目《秘密を掘り下げる者》もこれで何とかできる!!

 すみません、弱いかもしれません……。



3位《絶え間ない飢餓、ウラモグ》




 【ポスト】デッキに時々入っている《無限に廻るもの、ウラモグ》よりは強いということで挙げています。

 それだけです……。


 この他に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》も「もしかしたら?」と思ったのですが、同じマナ域である《遍歴の騎士、エルズペス》の方が強いと思ったので、ランク外にしました。







「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点で、各フォーマットの『戦乱のゼンディカー』の注目カードをレビューしてもらいました。

彼らが、そして世界中のプレイヤーたちが、これらのカードをどう使うのか。

発売直後に行われる【プロツアー予備予選】【bigmagic open Vol.5】【第5期レガシー神挑戦者決定戦】、そして【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】をお楽しみに!!



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