井川良彦のプロツアー『戦乱のゼンディカー』レポート

井川 良彦


こんにちは、井川です。現在、日本時間10/20(火)の朝5:50。帰りの飛行機の中でこのブログを書いています。


シルバーレベルの権利を使って参加した、今回の【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】

結果だけ先に書くと、



1日目: ドラフト

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1 黒緑  ×〇〇
Round 2 青赤  〇××
Round 3 白赤 (Eric Froehlich)  〇×〇



1日目: スタンダード

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 4 4色アグロ  〇×〇
Round 5 白緑大変異  〇××
Round 6 赤単  〇×〇
Round 7 白緑大変異  ×〇〇
Round 8 4色アグロ  〇〇


6-2、



2日目: ドラフト

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 9 青白 (Paul Cheon)  ×〇〇
Round 10 赤緑 (Paul Dean)  〇×〇
Round 11 黒緑タッチ青 (瀧村 和幸)  〇〇



2日目: スタンダード

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 12 アタルカレッド
(Paulo Vitor Damo Da Rosa)
 ××
Round 13 アブザンアグロ (高橋 優太)  ××
Round 14 アタルカレッド  ××
Round 15 アタルカレッド  ××
Round 16 エスパーコントロール
(Magnus Lantto)
 〇〇



4-4。


トータル10-6。


2日目のドラフトラウンド終了時点で9-2と好調で、「残り5回戦を3-1-1でトップ8、2-3でも次のPT権利獲得」という絶好のラインだったのですが、Round 12のPV (アタルカレッド) 戦でのプレイミスがターニングポイントとなってあれよあれよと転がるように敗北を重ねてしまい、あっという間に9-6まで転落。

最終戦をなんとか勝利することで賞金1,500ドル・プロポイント6点こそ獲得しましたが、喉から手が出るほど欲しかった次のプロツアーの権利を獲得することができませんでした

途中まで調子が良かっただけに、後半の自分の弱さ・下手さに心底ガッカリしたのが正直なところです。



■ ドラフト

ドラフトはリアルで15回ほど+MOで10回ほどプレイし、自分の得意&苦手アーキタイプを体得。

PTでは2回とも練習で好成績だった=比較的やりたかった「白黒ライフゲイン」を良いポジションでドラフティングでき、計5-1という好成績を残すことができました。



井川 良彦「白黒ライフゲイン」
プロツアー『戦乱のゼンディカー』 1stドラフト
(2-1)

8 《平地》
8 《沼》
1 《砂岩の橋》

-土地(17)-

2 《城砦化した塁壁》
1 《フェリダーの仔》
1 《岩屋の衛生兵》
1 《影の滑空者》
1 《ニルカーナの暗殺者》
1 《マラキールの解放者、ドラーナ》
1 《ドラーナの使者》
2 《グリフィンの急使》
2 《精神を掻き寄せるもの》
1 《音無く飛ぶもの》
1 《幽霊の歩哨》
1 《カラストリアの夜警》

-クリーチャー(15)-
1 《二人戦術》
1 《オンドゥの蜂起》
2 《完全無視》
2 《悪魔の掌握》
1 《荒廃の一掴み》
1 《ハグラへの撤退》

-呪文(8)-
hareruya










井川 良彦「白黒ライフゲイン」
プロツアー『戦乱のゼンディカー』 2ndドラフト
(3-0)

9 《平地》
6 《沼》
1 《亡骸のぬかるみ》
1 《荒廃した草原》

-土地(17)-

2 《城砦化した塁壁》
2 《物静かな使用人》
1 《岩屋の衛生兵》
1 《影の滑空者》
1 《ランタンの斥候》
1 《ニルカーナの暗殺者》
3 《グリフィンの急使》
1 《音無く飛ぶもの》
2 《カラストリアの夜警》
1 《忘却蒔き》

-クリーチャー(15)-
2 《ギデオンの叱責》
1 《精神背信》
1 《大物潰し》
1 《ぬかるみの敵意》
2 《悪魔の掌握》
1 《突き抜けの矢》

-呪文(8)-
hareruya






《城砦化した塁壁》《岩屋の衛生兵》《グリフィンの急使》《カラストリアの夜警》といったキーカードが軒並み低評価だったようで、おいしい巡目で取れたのが大きかったです。


城砦化した塁壁岩屋の衛生兵グリフィンの急使カラストリアの夜警


【プロツアー『マジック・オリジン』】から数えて、直近出場した5プロツアー9ドラフトで「3-0×3、2-1×6」と絶好調。こうして好成績を維持できているのは嬉しいですし、自信にもつながります。



■ スタンダード

スタンダードで使用したのは、自作のティムールドラゴン



井川 良彦「ティムールドラゴン」
プロツアー『戦乱のゼンディカー』 (5-5)

4 《森》
2 《山》
1 《燃えがらの林間地》
4 《樹木茂る山麓》
4 《開拓地の野営地》
1 《精霊龍の安息地》
2 《伐採地の滝》
4 《シヴの浅瀬》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》

-土地(24)-

4 《葉光らせ》
4 《爪鳴らしの神秘家》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
4 《失われた業の巫師》
4 《雷破の執政》
4 《囁きの森の精霊》
4 《龍王アタルカ》

-クリーチャー(25)-
2 《頑固な否認》
4 《龍詞の咆哮》
2 《焙り焼き》
3 《深海の主、キオーラ》

-呪文(11)-
3 《凶暴な拳刃》
3 《軽蔑的な一撃》
2 《払拭》
2 《光輝の炎》
2 《引き裂く流弾》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《焙り焼き》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya




雷破の執政深海の主、キオーラ龍王アタルカ



・3ターン目《雷破の執政》

・3ターン目《深海の主、キオーラ》、「+1」能力でマナクリと土地アンタップからの除去

・3ターン目の《深海の主、キオーラ》 or 《失われた業の巫師》を経由しての4ターン目《龍王アタルカ》


などといった環境随一の爆発力を持つのがこのデッキの魅力。


「スタンダードはジェイス・ギデオン・ハンガーバック」と言われるなか、どれも採用していないデッキなので“強いカードを使うのが嫌いなの?ハンデ戦?”と思われるかもしれません。


ヴリンの神童、ジェイスゼンディカーの同盟者、ギデオン搭載歩行機械


ですが、このデッキはその3種のなかでも特に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《搭載歩行機械》を強く意識したデッキであり、《雷破の執政》《龍王アタルカ》はそれらのカード自体またはそれらのカードを採用しているデッキに対して非常に強力なのです。

また環境の大型生物への除去が《アブザンの魔除け》《はじける破滅》に偏っていることもあり、《頑固な否認》《払拭》で1度除去を弾くだけでそのままゲームに勝ってしまうことも多々ありました。


2日目にプレイングミスをしてしまい、勝てていたゲームを落としてしまった実力不足。

それに加えてそもそもメタっていた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を一度もプレイされなかった不運などもあり、計5-5と凡庸な成績に終わってしまいましたが、デッキの出来自体は良かったとPTが終わった今でも思っています。



■ 今回の敗因

今回の敗因は非常に単純で、先述したように「プレイングミスで勝てていたゲームを落とした」ことにあります。


Round 12、対PV (アタルカレッド) の1ゲーム目。

《強大化》《ティムールの激闘》コンボ」という負け筋を意識しながらもライフ管理を誤り、ダメージランドで無駄に1点食らったことにより、《囁きの森の精霊》で掌握していた&次のターンに勝てたゲームを敗北。「コンボが揃ったら負け」=「揃う前に速やかに殴り勝たなければ」という思い込みがあり、ブロッカーの数やダメージ量を正確に計算できていなかった。


Round 13、対あんちゃん (アブザンアグロ) の1ゲーム目。

《龍詞の咆哮》を無駄に温存した結果、ライフ4→3になるアタックを防げず、4枚目の《包囲サイ》で敗北。4枚目の《包囲サイ》でなくても《棲み家の防御者》(まだ1枚も引かれていなかった)でもダメだったので、ライフ4をキープするべく全力を注ぐべきだった。


どちらも普段なら防げていたであろう、情けない凡ミス。

プロツアーという大舞台でこういった凡ミスをしている=冷静にプレイできていない現状では、まだまだ二流プレイヤーの域を出れないなと、強く実感しました。

どうしたらこういうミスが減るのか。弱気すぎる/強気すぎるプレイ、自分の勝ち筋/負け筋の把握、試合中のメンタルの強さなどについて今一度しっかりと考えて、次のイベントに備えたいと思います。





プロツアーが終わった直後ですが、今週末はGP北京(チームリミテッド)に出場してきます。


チームメイトは、

【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】王者(本当におめでとう!!)・新たなプラチナプロである瀧村 和幸

電脳世界のリミテッドマスター・rizerこと石村 信太朗



※画像は【マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト】より引用させていただきました。


とても信頼のおける、僕にはもったいないような2人。本当に楽しみです。

プロツアーの権利を獲得できる「トップ4以上」を目標に、頑張ってきます!

それでは、次回のブログでお会いしましょう。


井川



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