津村健志オススメの『運命再編』注目カード20選・反省会

津村 健志



 こんにちは!

 『運命再編』がリリースされてから早1ヶ月。新セットがスタンダードに影響を与えないなんてことはほとんどありませんが、まさかここまで環境が激変するとは思いもしませんでした。

 この度は、実際に『運命再編』が与えた影響を顧みつつ、【津村健志オススメの『運命再編』注目カード20選】の反省会をしてみたいと思います。

 今回は、『選んでてよかったこの5枚』と、『どうして選ばなかったこの5枚』と題しまして、ランキング形式でお届けしていきます!

 まずは、『選んでてよかったこの5枚』からご覧ください。



■ 『選んでてよかったこの5枚』



・5位 《大いなる狩りの巫師》

大いなる狩りの巫師


 【赤緑ビートダウン】【ティムール】で活躍するこの1枚。一度アタックが成功した際の絶望感と、除去できないと手札が増え続ける極悪なクリーチャー。


Yurien Seyssel 「ティムール・ビートダウン」
SCG Open ロサンゼルス (13位)

3 《森》
2 《山》
4 《樹木茂る山麓》
4 《開拓地の野営地》
2 《奔放の神殿》
1 《神秘の神殿》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《シヴの浅瀬》
1 《マナの合流点》

-土地(23)-

3 《エルフの神秘家》
4 《爪鳴らしの神秘家》
4 《荒野の後継者》
4 《凶暴な拳刃》
3 《加護のサテュロス》
1 《龍爪のヤソヴァ》
4 《灰雲のフェニックス》
3 《大いなる狩りの巫師》
2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》

-クリーチャー(28)-
3 《頑固な否認》
2 《稲妻の一撃》
4 《火口の爪》

-呪文(9)-
3 《マグマのしぶき》
3 《軽蔑的な一撃》
2 《破壊的な享楽》
2 《弧状の稲妻》
1 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
1 《頑固な否認》
1 《稲妻の一撃》
1 《龍語りのサルカン》
1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》

-サイドボード(15)-
hareruya


 ある時は《炎跡のフェニックス》のお供として、またある時は《魂剥ぎ》に「速攻」を付ける逸材として、スタンダード環境を駆け巡っています。



・4位 《囁きの森の精霊》

囁きの森の精霊


 個人的にはとりあえず入れておいた程度の思い入れでしたが、その後【やまけんさん(山本 賢太郎)さん】【瀬畑さん(市川 ユウキ)がべた褒め】し、今では押しも押されぬ【緑信心】系デッキの必須パーツに。


Marcio Carvalho「緑単信心」
グランプリ・セビリア2015 (6位)

17 《森》
4 《樹木茂る山麓》
3 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家》
4 《旅するサテュロス》
4 《森の女人像》
3 《起源のハイドラ》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》
4 《囁きの森の精霊》
1 《高木の巨人》
3 《女王スズメバチ》

-クリーチャー(31)-
1 《開拓地の包囲》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(5)-
4 《ナイレアの信奉者》
3 《頭巾被りのハイドラ》
2 《スズメバチの巣》
2 《自然に帰れ》
2 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》
1 《高木の巨人》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya


 「予示」能力による展開力もさることながら、【緑信心】系のデッキが苦手とする、《対立の終結》《命運の核心》のような全体除去に耐性が付く能力も魅力的です。



・3位 《僧院の導師》

僧院の導師


 このセットで最高の1枚と期待されていたカード。現状では、前評判ほどの活躍ができていないように思えますが、【第3期モダン神挑戦者決定戦】では市川 ユウキさんが、松本 友樹さんの作り上げた「エスパー」デッキにて、見事に栄冠を勝ち取っています。


市川 ユウキ designed by 松本 友樹「エスパー・ミッドレンジ」
第3期モダン神挑戦者決定戦 (優勝)

2 《島》
1 《沼》
1 《平地》
2 《湿った墓》
1 《神無き祭殿》
1 《神聖なる泉》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
1 《湿地の干潟》
4 《忍び寄るタール坑》
1 《大天使の霊堂》

-土地(22)-

4 《瞬唱の魔道士》
4 《僧院の導師》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(10)-
2 《殺戮の契約》
4 《流刑への道》
4 《思考掃き》
4 《コジレックの審問》
2 《思考囲い》
2 《呪文嵌め》
1 《見栄え損ない》
2 《差し戻し》
4 《未練ある魂》
2 《残忍な切断》
1 《イニストラードの君主、ソリン》

-呪文(28)-
4 《機を見た援軍》
2 《否認》
2 《天界の粛清》
2 《解呪》
2 《石のような静寂》
1 《思考囲い》
1 《死の印》
1 《死の支配の呪い》

-サイドボード(15)-
hareruya


 まだスタンダードでは活躍の機会を得ていませんが、モダンのこの活躍っぷりを見れば、スタンダードで日の目を浴びるのも近いのではないかと思います。【津村健志のゴキゲン!MO生活】でも試行錯誤を繰り返していますので、お時間のある方はぜひご覧ください!



・2位 《黄金牙、タシグル》

黄金牙、タシグル


 さらば《わめき騒ぐマンドリル》なんて言ってる場合じゃなかった……。当時どれほど【Super Crazy Zoo】に熱心だったか窺える文章ですが、先ほどの「エスパー・ミッドレンジ」よろしく、《黄金牙、タシグル》フォーマットを問わず、縦横無尽に暴れまわっています。


Jeffrey Simpson「Sultai Delver」
SCG Premier IQ ロサンゼルス (準優勝)
3 《Underground Sea》
2 《Bayou》
1 《Tropical Island》
4 《汚染された三角州》
2 《霧深い雨林》
2 《新緑の地下墓地》
4 《不毛の大地》

-土地(18)-

4 《秘密を掘り下げる者》
4 《死儀礼のシャーマン》
4 《タルモゴイフ》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(14)-
4 《思案》
4 《渦まく知識》
2 《見栄え損ない》
1 《思考囲い》
1 《呪文貫き》
4 《目くらまし》
3 《Hymn to Tourach》
3 《突然の衰微》
4 《Force of Will》
2 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(28)-
2 《方向転換》
2 《狼狽の嵐》
2 《ゴルガリの魔除け》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《墓掘りの檻》
1 《外科的摘出》
1 《思考囲い》
1 《突然の衰微》
1 《残忍な切断》
1 《虚無の呪文爆弾》
1 《真髄の針》
1 《無のロッド》

-サイドボード(15)-
hareruya


 とにもかくにも、わずか1マナで出てくる4/5クリーチャーはやばすぎです。その能力もおまけというには質が良すぎますし、改めて「探査」能力の強さを世に知らしめた1枚ですね。



・1位 《精霊龍、ウギン》

精霊龍、ウギン


 みんな大好き《精霊龍、ウギン》さん。特にスタンダードでの活躍が顕著な1枚で、【青黒コントロール】【アブザン】系のデッキなど、遅めのデッキならすべからく採用を検討すべき「プレインズウォーカー」。


Jack Fogle「スゥルタイ・コントロール」
グランプリ・メンフィス2015 (優勝)

3 《沼》
2 《島》
4 《汚染された三角州》
4 《華やかな宮殿》
4 《疾病の神殿》
2 《欺瞞の神殿》
1 《神秘の神殿》
2 《ラノワールの荒原》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(25)-

《サテュロスの道探し》

-クリーチャー(4)-
3 《思考囲い》
4 《胆汁病》
2 《軽蔑的な一撃》
4 《英雄の破滅》
3 《スゥルタイの魔除け》
2 《命運の核心》
1 《残忍な切断》
4 《時を越えた探索》
1 《宝船の巡航》
2 《悪夢の織り手、アショク》
2 《荒ぶる波濤、キオーラ》
1 《頂点捕食者、ガラク》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(31)-
3 《ラクシャーサの死与え》
2 《黄金牙、タシグル》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《否認》
2 《ファリカの療法》
2 《悲哀まみれ》
1 《信者の沈黙》
1 《リリアナ・ヴェス》

-サイドボード(15)-
hareruya


 《岩への繋ぎ止め》《前哨地の包囲》を筆頭に、各種「エンチャント」から「プレインズウォーカー」まで、パーマネントなら何でも対処できる柔軟性は、ミッドレンジやコントロールデッキが欲していた夢のような能力。今後もスタンダードを牽引してくれること間違いなし!






 ……ここで終了できれば大団円なんですが、世の中には良いことばかりではありません。ここからは、恐怖の『どうして選ばなかったこの5枚』です。



■ 『どうして選ばなかったこの5枚』



・5位 《謙虚な離反者》

謙虚な離反者


 マッキーさん(三原 槙仁)の【Humble Twin】で使用されたことで、一躍時の人となった《謙虚な離反者》


三原 槙仁「青黒赤双子」
第3期モダン神挑戦者決定戦(8位)

3 《島》
1 《山》
1 《沼》
1 《蒸気孔》
1 《湿った墓》
1 《血の墓所》
1 《踏み鳴らされる地》
4 《沸騰する小湖》
4 《汚染された三角州》
2 《滝の断崖》
2 《涙の川》
1 《硫黄の滝》
1 《僻地の灯台》

-土地(23)-

4 《謙虚な離反者》
3 《呪文滑り》
2 《瞬唱の魔道士》
4 《詐欺師の総督》
3 《やっかい児》
2 《鏡割りのキキジキ》

-クリーチャー(18)-
4 《血清の幻視》
4 《稲妻》
3 《コジレックの審問》
3 《思考囲い》
1 《送還》
4 《欠片の双子》

-呪文(19)-
3 《血染めの月》
2 《渋面の溶岩使い》
2 《誘惑蒔き》
2 《古えの遺恨》
2 《仕組まれた爆薬》
2 《大祖始の遺産》
1 《呪文滑り》
1 《払拭》

-サイドボード(15)-
hareruya


 このリストを見たうえで、あえて言いましょう……わかりません!こんな使い方を予測するのは不可能です。こういったカードを、発売直後からあっさりと使いこなすマッキーさんのセンスには脱帽ですね。



・4位 《魂剥ぎ》

魂剥ぎ


 《黄金牙、タシグル》と同様に、これまた「探査」能力の強さを遺憾なく披露してくれたカード。まだ使用頻度はそれなりですが、個人的に密かに期待している注目株。


Hector Carceles Mendez《魂剥ぎ》
グランプリ・セビリア2015 (2日目進出)

3 《森》
1 《山》
1 《平地》
3 《樹木茂る山麓》
3 《吹きさらしの荒野》
4 《欺瞞の神殿》
2 《ラノワールの荒原》
2 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《マナの合流点》
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(23)-

3 《エルフの神秘家》
4 《サテュロスの道探し》
4 《森の女人像》
1 《苦悶の神、ファリカ》
3 《大いなる狩りの巫師》
4 《彩色マンティコア》
2 《嵐の神、ケラノス》
4 《魂剥ぎ》
2 《サグのやっかいもの》

-クリーチャー(27)-
4 《神々との融和》
3 《払拭の光》
3 《僧院の包囲》

-呪文(10)-
4 《炎の円》
3 《白鳥の歌》
3 《否認》
2 《異端の輝き》
1 《死者の神、エレボス》
1 《悲哀まみれ》
1 《払拭の光》

-サイドボード(15)-
hareruya


 このデッキならば、《魂剥ぎ》《怒りの天使アクローマ》すらも凌駕する究極生命体になることができます。今後デッキの安定性を更に上げることができるのならば、スタンダードで一大旋風を巻き起こすことも夢じゃないでしょう。



・3位 《マルドゥの急襲指揮者》

マルドゥの急襲指揮者


 友晴さん(齋藤 友晴)の【黒単ビートダウン】や、【黒白戦士】デッキで使用され、徐々に、しかしながら確実に評価を上げてきた1枚。


齋藤 友晴「黒単人間ビートダウン」
グランプリ・メンフィス2015 (20位)

14 《沼》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《汚染された三角州》

-土地(22)-

4 《マルドゥの影槍》
4 《苛まれし英雄》
4 《血に染まりし勇者》
3 《無情な切り裂き魔》
4 《苦痛の予見者》
4 《モーギスの匪賊》
4 《マルドゥの急襲指揮者》

-クリーチャー(27)-
4 《胆汁病》
3 《英雄の破滅》
4 《ウルドのオベリスク》

-呪文(11)-
4 《責め苦の伝令》
4 《思考囲い》
3 《潰瘍化》
3 《残忍な切断》
1 《英雄の破滅》

-サイドボード(15)-
hareruya


 「疾駆」能力のおかげで、「ソーサリー」除去呪文に耐性がある点も評価できますし、ブロッカーがいない間に強襲するのも非常に強力。友晴さんのように《ウルドのオベリスク》と組み合わせるも良し、「戦士」という特性を生かしても良し、今後の更なる活躍に期待ができる1枚です。



・2位 《勇敢な姿勢》

勇敢な姿勢


 言い訳がましくなってしまいますが、このカードは強いが面白味に欠ける、ということで、渋々【20選】から外したカードでした。しかし、まさかこれほどまでに使われるとは予想していなかったということで、2位にさせていただきました!


Martin Juza「ジェスカイ・アグロ」
グランプリ・セビリア2015 (5位)

2 《島》
2 《平地》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《神秘の僧院》
4 《凱旋の神殿》
2 《天啓の神殿》
4 《シヴの浅瀬》
2 《戦場の鍛冶場》

-土地(24)-

4 《道の探求者》
1 《魂火の大導師》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《カマキリの乗り手》
3 《嵐の息吹のドラゴン》

-クリーチャー(16)-
3 《乱撃斬》
4 《稲妻の一撃》
3 《勇敢な姿勢》
1 《アブザンの優位》
4 《かき立てる炎》
1 《前哨地の包囲》
3 《宝船の巡航》
1 《時を越えた探索》

-呪文(20)-
3 《軽蔑的な一撃》
3 《神々の憤怒》
2 《オレスコスの王、ブリマーズ》
2 《否認》
2 《太陽の勇者、エルズペス》
1 《異端の輝き》
1 《勇敢な姿勢》
1 《前哨地の包囲》

-サイドボード(15)-
hareruya


 以前から高タフネスクリーチャーに手を焼いていた、【赤白】【ジェスカイ】で重宝していますね。特に<かき立てる炎>で対処できない<包囲サイ>、<黄金牙、タシグル>を2マナで対処できる点は特筆に値します。



・1位 《前哨地の包囲》

前哨地の包囲


 神様……正直に告白いたします。私は《紅蓮の達人チャンドラ》の方が強いと思っていました。毎ターンモードを選べるカードが、そうでないカードに負けるはずがないと。

 実際には戦闘ダメージでも《英雄の破滅》でも破壊されない点が評価され、それこそ《紅蓮の達人チャンドラ》よりも優先されるほどの活躍を披露しています。


Ben Stark「赤白ビートダウン」
グランプリ・メンフィス2015 (準優勝)

9 《山》
4 《平地》
4 《凱旋の神殿》
4 《戦場の鍛冶場》
3 《進化する未開地》

-土地(24)-

4 《道の探求者》
4 《魂火の大導師》
4 《ゴブリンの熟練扇動者》

-クリーチャー(12)-
4 《乱撃斬》
3 《稲妻の一撃》
1 《勇敢な姿勢》
4 《軍族童の突発》
4 《かき立てる炎》
4 《岩への繋ぎ止め》
4 《前哨地の包囲》

-呪文(24)-
3 《嵐の息吹のドラゴン》
3 《消去》
3 《見えざるものの熟達》
2 《勇敢な姿勢》
2 《弧状の稲妻》
2 《龍語りのサルカン》

-サイドボード(15)-
hareruya


 まさか「エンチャント」が「プレインズウォーカー」を超える日がくるとは思ってもいませんでしたが、良い教訓となりました。次回はこういったカードを見逃さないようにがんばります!



■ 終わりに



 いかがでしたか?今回は、<前哨地の包囲>を選んでいなかったのが最大の失敗でした。次回以降は精度を高めていけるよう、カードリストをより慎重に見ていきたいと思います!みなさんも、ぜひ自分なりの20枚を見つけて評価してみてくださいね。

 それでは、また次回の記事でお会いしましょう。