第4回戦の上位卓で、一際異彩を放つデッキがあった。
《凶暴な拳刃》と《嵐の憤怒、コラガン》が戦場を駆け抜け、対戦相手の決死の反撃を《残忍な切断》が刺し、《頑固な否認》がわずかな希望を断つ。
攻守一体。流麗で隙のないその戦いぶりは、大役者が魅せる殺陣の大立ち回りを思わせる。
岡田 卓也(埼玉)。
彼が操る得物、訊けば「Dark Dragon Temur」というデッキ名だという。その名前からは禍々しさすら漂うが、一体どのようなデッキなのだろうか? 製作者の岡田に話を聞いてみた。
岡田 卓也 |
--「岡田さんは、どういった経緯でこのデッキを組まれたのでしょうか?」
岡田 「まず《頑固な否認》を使いたかったんですよ。それと飛行クリーチャーで空から殴りたくて、こうなりました」
--「《頑固な否認》ですか。」
岡田 「テンポのよさを意識した結果ですね。今は3マナ、4マナで1ターンに1アクションっていうデッキが多いので、《頑固な否認》と《残忍な切断》で速いターンから2アクションを取って先手後手を入れ替えるのがメインコンセプトです」
--「なるほど。このデッキはどういったデッキに対して強いのでしょうか?」
岡田 「特にコントロールとの相性はいいと思います。一つ一つの挙動が大きい相手なので、カウンター呪文でクロックを守っていけばだいたい勝てます。あとは対処されにくい《伐採地の滝》の存在も大きいです」
--「アブザンやジェスカイなどとの相性はどうですか?」
岡田 「基本的に1ターン1アクションの相手なので、スピードの差で戦う感じになります。このマッチアップは特に《爪鳴らしの神秘家》のマナ加速が活きやすいですし、《雷破の執政》の4/4飛行というサイズが偉いですね」
--「メインボードに2枚採用されている《ティムールの魔除け》の使い勝手をお聞かせください」
岡田 「《ティムールの魔除け》は強いですよ。どのモードも強力ですが、特に3つ目のブロック阻害のモードがいいですね。《搭載歩行機械》のトークンや《カマキリの乗り手》なんかも無視できますし、対戦相手もこのモードをケアしていない状況が多いので」
--「なんだかすごく練り込まれたデッキですね。長らく調整なさっていたんですか?」
岡田 「いえ、実践投入はこれが初めてです(笑)。何度か1人回ししただけで。というか、組んだの自体わりと最近なんですよ。でも、手ごたえは感じています」
--「それでここまで全勝というのも凄まじいですね……実際に対戦をしてみて、”ここをこういう風に変えたい!”といった部分はありましたか?」
岡田 「まずマナベースですね。実は《樹木茂る山麓》と《血染めのぬかるみ》が足りなかったんですよ。今日の構築はそこも織り込み済みでしたが、マナベースを改善したうえで5マナ域の《嵐の憤怒、コラガン》や《龍語りのサルカン》、《氷瀑の執政》を見直したいです」
--「具体的にはどのような調整をお考えですか?」
岡田 「《揺るぎないサルカン》とか、あとは1マナ重くはなりますが《龍王シルムガル》なんかもいいかもしれないですね。このあたりは環境に合わせて選択でしょうか。あと《シルムガルの嘲笑》は減らしてもいいかもしれないです。アブザンが減ってきたら、メインの《荒野の後継者》とサイドの《層雲の踊り手》を入れ替えてもいいかもしれません」
--「ありがとうございました」
岡田はこのあと第6回戦まで全勝でスイスラウンドを勝ち進み、トップ8まであと一歩のところまで上り詰めている。【GP神戸】を控える今、『第5期神挑戦者決定戦』という舞台で、また新たなデッキの台頭は成るか?
2 《島》 2 《山》 1 《森》 1 《沼》 1 《燃えがらの林間地》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《汚染された三角州》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 3 《開拓地の野営地》 3 《伐採地の滝》 1 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地(25)- 4 《爪鳴らしの神秘家》 2 《荒野の後継者》 2 《空乗りのエルフ》 4 《凶暴な拳刃》 4 《雷破の執政》 2 《嵐の憤怒、コラガン》 1 《氷瀑の執政》 -クリーチャー(19)- |
3 《頑固な否認》 4 《龍詞の咆哮》 2 《シルムガルの嘲笑》 2 《ティムールの魔除け》 3 《残忍な切断》 2 《龍語りのサルカン》 -呪文(16)- |
3 《自傷疵》 2 《層雲の踊り手》 2 《黄金牙、タシグル》 2 《乱撃斬》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《光輝の炎》 1 《払拭》 1 《悪性の疫病》 -サイドボード(15)- |