トップ8に6人のアブザンアグロ。
一体誰がこの事態を予想できたというのだろう。Caw-Bladeの悪夢を彷彿とさせるほどに、アブザンアグロはあまりに支配的な力を見せつけた。
だが、そんな中にあって。
【ダークドラゴンティムールの岡田】ともう1人、この大きな流れに抵抗する男がいた。
5色《白日の下に》コントロールを駆る堀内だ。
《白日の下に》コンといえば『戦乱のゼンディカー』発売直後の大会でこそ圧倒的な活躍を見せたものの、【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】以降は数を減らしていったデッキである。そんなデッキを、今回堀内が独自のチューンで練り上げてきた。
一方、対戦相手の【木寺】はド直球のアブザンアグロ。しかも先手が強いアブザンアグロの利点を最大限生かせるスイス1位通過なのだ。
「スイスラウンドではアブザンアグロもきちんと倒してきた」という堀内、はたしてアブザンアグロキラーとなれるか。
Game 1
お互いマリガン、先手の木寺の3ターン目「変異」がファーストアクション。一方3枚のタップインを冷静に処理したものの、堀内には《包囲サイ》の返しでもアクションがなく、不気味にマナを構え続ける。
この挙動を見て《オジュタイの命令》構えと見てとった木寺はクロックが十分あることもあり、そのまま6点アタックでターンを終えることを選択。
すると堀内はエンド前にフェッチを切って残りライフを8としつつ《アブザンの魔除け》で《包囲サイ》を追放。さらにエンド前に木寺に《アブザンの魔除け》をプレイされたところでスタックで「変異」を《残忍な切断》で処理し、《棲み家の防御者》に仕事をさせないようにする。
しかしこの隙に木寺は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイ。堀内も返しですぐさま《白日の下に》からの《シルムガルの命令》で盤面の均衡を保とうとするが、続けて木寺がプレイしたのは2体目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》！
| 木寺 聖太 |
堀内も《ヴリンの神童、ジェイス》をプレイしつつ4マナを構えるが、そこで「あ、間違えた」とポツリ。何と《オジュタイの命令》のための色マナをタップしてしまったのだ。
これで《ヴリンの神童、ジェイス》でブロックしつつエンド前に《オジュタイの命令》で呼び戻すプランを失った堀内は、騎士トークンを《スゥルタイの魔除け》しつつクリーチャーと化した《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の強烈な一撃を《ヴリンの神童、ジェイス》の代わりに自ら受けてしのごうとするのだが。
戦闘後に《包囲サイ》の2枚目をプレイされると、堀内のライフはゼロを割ってしまった。
木寺 1-0 堀内
Game 2
先手2ターン目《ヴリンの神童、ジェイス》という最高のスタートを切る堀内に対し、木寺の初動は3ターン目の《先頭に立つもの、アナフェンザ》。だがこれはエンド前《アブザンの魔除け》で追放されると、そのまま「変身」した《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》に《アブザンの魔除け》をドローモードで再利用されてしまう。
このプレインズウォーカーは返しの《乱脈な気孔》で落としたものの、莫大なテンポをとられた格好となった木寺。「X=2」の《搭載歩行機械》の返しで《包囲サイ》を送り出すが、ここで堀内がプレイしたのは5色デッキならではの「収斂」を生かした《影響力の行使》！！
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木寺も《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイしつつ《残忍な切断》で裏切った《包囲サイ》を始末と、「探査」を生かした2アクションで主導権を取り戻すが、続くターンに「変異」を《オジュタイの命令》でカウンターされ、おまけに《ヴリンの神童、ジェイス》を戦場に戻されてしまう。
何とか《搭載歩行機械》こそ《アブザンの魔除け》で追放したものの、《ヴリンの神童、ジェイス》対《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》という構図に。
そしてここで堀内がプレイしたのは《白日の下に》！
《シルムガルの命令》で綺麗に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を捌きつつ忠誠値6の《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》をコントロールと一気に有利に立つ。
| 堀内 真 |
さらに「変異」をプレイした木寺に対し、《白日の下に》を再利用した堀内は《巨森の予見者、ニッサ》サーチからセットランド、「変身」させにいく。これには木寺も《棲み家の防御者》フェイスアップからの《残忍な切断》を合わせようとするのだが、セットされたのは (Expeditionsでわかりにくかったが) 《汚染された三角州》だったため、スタックで土地をサーチして再び能力を誘発させ、無事「変身」に成功。アシャヤ・トークンを出す堀内。
木寺も《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を送り出すが、アシャヤと《乱脈な気孔》とのアタックに落とされてしまう。
これにより盤面でかなり劣勢となってしまった木寺は一縷の望みにかけ、ブロッカーに立たせた《先頭に立つもの、アナフェンザ》に《アブザンの魔除け》を「+1/+1カウンターを2個」で使用する。もし堀内に除去があれば大損というところだが、勝負に出た格好だ。
はたして堀内の対応は……何もない！
そう、ここまで終始優勢にゲームを進めているように見えた堀内だが、既にマナフラッドに陥ってしまっていたのだ。
これに対して土地が6枚でピタリと止まった木寺はなおも意気軒昂な様子。
やがて3枚目の「変異」＝《棲み家の防御者》で《アブザンの魔除け》を回収すると、《自傷疵》と《アブザンの魔除け》で堀内のクリーチャーを殲滅し、速やかに堀内のライフを削りきった。
木寺 2-0 堀内
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