皆さんこんにちは!冬が過ぎだんだん暖かくなってきましたね。
暖かくなってきた影響か、最近は「虫」がブンブン飛んで非常にうっとおしくないですか?
GPソルトレークシティTOP8デッキ
1位 青白Delver
2位 青白Delver
3位 青白黒《未練ある魂》入りDelver
4位 赤緑ケッシグ
5位 赤緑ビートダウン
6位 白青人間ビートダウン
7位 青白Delver
8位 青白Delver
2012年4月の成績上位者リスト
HAPPYMTGでは、デッキを日付で検索することが出来るのですが、リンク先の右側のアーキタイプ一覧を見ると、アーキタイプが多い順にデッキが掲載されています。
上位だけざくっと見てみましょう。
1位 370 《秘密を掘り下げる者》デッキ
2位 147 《ケッシグの狼の地》ウルフランプ
3位 127 《出産の殻》デッキ
4位 116 赤緑ビートダウン
5位 91 太陽拳赤緑ビートダウン
いやー、見事に「虫」ばかりですね。その前のなべが優勝したGPクアラルンプールでもTOP8に16枚もの「虫」が大量発生していた事も考えると、まさしく現在の環境は「虫」を殺す殺虫剤が必要不可欠な季節に突入したと言えるでしょう。
・殺虫剤とは?
青白delverは「虫」から始まる軽くて回避能力を持つクリーチャーや、《聖トラフトの霊》のような対処することが難しい呪禁持ちのクリーチャーによるクロックパーミッション戦略が非常に強力なデッキだという事は皆さんもご存じだと思います。
ここでいう殺虫剤とは、そういった軽いクロックである「虫」や《聖トラフトの霊》、ムーアランドや《深夜の出没》や《未練ある魂》から出てくるトークンを焼き尽くすような軽量除去、あるいは疑似的にその役割を果たすようなカード群の事を言います。
軽量除去である《はらわた撃ち》、飛行トークンや《聖トラフトの霊》に耐性のある《未練ある魂》をはじめとした直接的な殺虫剤を搭載した上で、今回は環境に蔓延している「虫デッキ」こと青白Delverに対抗すべく、殺虫剤満載のデッキを作ってみました。
上記のような殺虫剤をたくさん入れるだけでなく、虫に効果的な殺虫剤を探しに行く《信仰無き物あさり》や《捨て身の狂乱》等のフラッシュバック呪文を全て「殺虫剤化」する、《燃え立つ復讐》を投入することで、なんとか環境に蔓延している青白delverに対抗しよう!という訳で今回のデッキを作ってみました。
それではまずはデッキリストの方からどうぞ。
4 《金属海の沿岸》 4 《黒割れの崖》 1 《闇滑りの岸》 1 《硫黄の滝》 4 《進化する未開地》 1 《山》 1 《沼》 1 《平地》 1 《島》 -土地- 4 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー- |
4 《思考掃き》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《はらわた撃ち》 4 《信仰無き物あさり》 4 《思案》 4 《捨て身の狂乱》 4 《マナ漏出》 4 《燃え立つ復讐》 4 《未練ある魂》 2 《炎の中の過去》 -呪文- |
4 《機を見た援軍》 4 《精神的つまづき》 4 《鞭打ち炎》 3 《存在の破棄》 -サイドボード(15)- |
まずはデッキの基本戦略から説明しましょう。
このデッキは大量の除去で虫を捌きつつ、《燃え立つ復讐》と《未練ある魂》によって大量のボードアドバンテージを得て勝つデッキです。なので、序盤のターンは《思案》や《思考掃き》、《信仰無き物あさり》でハンドを整えつつ、《燃え立つ復讐》設置後のために墓地にフラッシュバックスペルを落とすなどの中盤に向けての準備をします。《思案》や《信仰無き物あさり》は手札に《はらわた撃ち》が無い時に探しにいけるので貴重なキープ基準にもなります。
3ターン目以降は、序盤のドロースペルで獲得出来たであろう、《燃え立つ復讐》を張る事で、その後の後続を次ターンからのフラッシュバック呪文でシャットアウトする事ができます。
《燃え立つ復讐》の着地後は、序盤に墓地に落とした《未練ある魂》をフラッシュバックして盤面を作りつつ、フィニッシャーである《炎の中の過去》で墓地の1マナ域のカードやファイレクシアマナのカードを大量にフラッシュバックしてフィニッシュ!というのが基本の流れになります。
デッキの基本的な流れを説明させていただきましたが、次はこのデッキがどれだけ優れた殺虫剤を積んでいるのか、重要なカードを説明していきましょう。
殺虫剤A:《燃え立つ復讐》
このデッキの主役。ほぼ恒久的にクリーチャーかプレイヤーに2点を飛ばすというそのカードの性質上、青白delverに入ってるクリーチャーに対処しやすい上に、そのままフィニッシャーにもなります。デッキの呪文を全て殺虫剤に変換させていく姿は、次々に殺虫剤を作り出し、虫のいない世の中作りに貢献している、「アー○製薬」のようなカードと言えるでしょう。
殺虫剤B:《はらわた撃ち》
マナを縛られる事無く「虫」に対処できる非常に強力な「殺虫剤」。《燃え立つ復讐》を置いた状態で《瞬唱の魔道士》からフラッシュバックするとタフネス3にも対処できるようになる殺虫剤。定番殺虫剤とも言えるこのかーど。デッキ名にもなっている「フマキラー」と呼んであげるのが一番しっくりきますね。
殺虫剤C:《未練ある魂》
飛行のクロックが多い青白delverに対してはこちらも飛行のクリーチャーを用意しましょう。消耗戦になった時はこちらのスピリットの数押しは非常に強力な戦術ですし、《燃え立つ復讐》設置からのフラッシュバックは戦況をガラリと変えてくれます。《聖トラフトの霊》に対しても複数ブロックで打ち取る事ができるので、呪禁が厳しいこのデッキにおいて非常に重要なカード。直接対処するわけでは無い「殺虫剤」。少し異端な部類に入ります。
ぶんぶん飛び回っている虫やトラフトをブロックしていく姿は、まるで軒先の「ハエ取り紙」を彷彿とさせます。
殺虫剤D:《精神的つまづき》
サイドボードから。1マナ域をかなりの枚数採用している青白delverには非常に効果的。虫は勿論のこと、《思案》を打ち消して機能不全に陥らせることも可能です。サイド後の《外科的摘出》もケアできるのも素晴らしいですね。未然に「虫」やその他の害を防いでくれる様は、「虫避けスプレー」のような安心感を覚えてしまいます。
殺虫剤E:《鞭打ち炎》
こちらもサイドボードから。青白delverにおいて盤面に登場してしまうと除去することのできない《聖トラフトの霊》や《不可視の忍び寄り》をまとめて一掃する事ができます。勿論展開された虫もトークンも一網打尽。サイド後は呪禁生物が除去する事ができなくて負けた!という不安要素も無くなり、青白delverに明確に有利を付ける事ができる、重要カード。普通の殺虫剤が届かない、呪禁クリーチャーすらも薙ぎ払う様は、煙によって屋内全ての虫を一網打尽にする「バルサン」と、その凶悪さをダブらせてしまいます。
青白delverにはこれらのカードがが効果的に働くために相性が良いです。ゾンビ系のデッキも、《燃え立つ復讐》が間に合えばメインも戦えますし、サイド後の《機を見た援軍》が強いのでサイド後は有利がとれます。《燃え立つ復讐》に触る事ができないのも大きな理由ですね。逆に赤緑白《出産の殻》デッキなんかは、《絡み根の霊》や《刃の接合者》、《高原の狩りの達人》等の除去耐性のあるカードに対して、こちらは1枚のカードでは対処する事が難しいために、若干厳しい相性となります。
アヴァシンが帰還したら…?
アヴァシンが帰還した世界はどうやら闇の隆盛の環境からガラッと姿を変えているようですね。という訳でこのデッキもアヴァシンの帰還が発売した後の世界に変身してみましょう!
4 《金属海の沿岸》 4 《黒割れの崖》 1 《闇滑りの岸》 1 《硫黄の滝》 4 《進化する未開地》 1 《山》 1 《沼》 1 《平地》 1 《島》 -土地- 4 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー- |
4 《思考掃き》 4 《はらわた撃ち》 4 《信仰無き物あさり》 4 《思案》 4 《捨て身の狂乱》 4 《燃え立つ復讐》 4 《未練ある魂》 4 《有毒の蘇生》 4 《轟く怒り》 2 《払拭の一撃》 -呪文- |
4 《機を見た援軍》 4 《精神的つまづき》 4 《鞭打ち炎》 2 《払拭の一撃》 1 《忘却の輪》 -サイドボード(15)- |
奇跡:あなたがこのカードを引いた際に、それがこのターンであなたが最初に引いたカードである場合、それを手札から公開してもよい。この方法でこれが公開された時、あなたはこれをマナ・コストでなくを支払って唱えてもよい。
つまり、ドローした時に手札にいれる前にチラッとカードを確認してそれが奇跡カードだった場合はそのまま公開したらそこで奇跡のカードをプレイできる、という事です。逆にそのタイミングでプレイしなければその後は奇跡コストを払ってそのカードをプレイする事はできないという事ですね。
という事は、相手のターンにもドローを多くするこのデッキは「奇跡」が起こりやすいという事になります。
奇跡への軌跡
このデッキは偶然にも「奇跡」へのアクセス手段が豊富です。
パターンA:《思案》
《思案》をプレイしたら3枚のうちに奇跡のカードがあれば、次のターンに簡単に「奇跡」が起きます。これが一番簡単な「奇跡」の起こし方で、今後「奇跡」のカードをデッキに入れるならば《思案》は必ずといっていいほど相方としてデッキに入ると思います。
パターンB:《有毒の蘇生》
《有毒の蘇生》は墓地から山札の上にカードを積む事ができます。という事は墓地から奇跡のカードを山札の上に積む事により簡単に「奇跡」を起こす事ができます。通常ドロー以外で引いてしまった奇跡のカードは《信仰無き物あさり》で捨ててしまって再利用しちゃいましょう。
一度起こした奇跡を、ライブラリートップに積み込む事で、2度目の奇跡を演出することも勿論可能です。
パターンC:《捨て身の狂乱》、《思考掃き》
インスタントで相手のターンにドローする事により、より「奇跡」を起こす確率が上昇します。これは偶然山札の上に奇跡のカードが置いてなければ「奇跡」は起きませんが、通常の2倍「奇跡」を起こす確率があがっているのは大きいですよね。
どの奇跡?
多数の奇跡カードが収録されましたが、その中でも使いやすくデッキと噛み合っている《轟く怒り》と《払拭の一撃》に絞りました。というのも、相手のターンにドロースペルを使用する時に、もし奇跡のカードを引けたとしてもコストが2マナ以上だとほぼ撃てないと思われるからです。
《轟く怒り》はこのデッキが苦手なサイズの大きなクリーチャーに対処できる上、プレイヤーへのダメージソースとしてもかなり優秀です。5点という数字はライフの4分の1であり、それを奇跡コストで唱える事ができたなら1マナで4分の1のライフを削る事ができます。更に《有毒の蘇生》なんかで使いまわしたら、すぐに相手のライフを削りきってしまえるでしょう。
《払拭の一撃》はこのデッキが悩まされる「不死」付きのクリーチャーや《出産の殻》と各種装備品に耐性が付くという理由で採用してみました。
他にも《時間の熟達》なんかも使ってみたいと思いましたが、やはりコストが払うのが難しいのと、「虫」なんかのクロックが入っている訳ではないので追加ターンを2マナ払って得てもたいした事が起きないのではないかという懸念材料があり、不採用となりました。逆に《時間の熟達》を使うのであれば「虫」を入れたクロックパーミッションのようなデッキで使うと強そうですね。
いかがだったでしょうか?「虫」にお困りの皆さんは是非殺虫剤として使ってみてくださいね。
次回はアヴァシンの帰還が発売した後のスタンダード環境のデッキを紹介する事になると思いますので、次回もよろしくお願いいたします。それでは皆さんまた来月お会いしましょう!