新しいテクニックとは、必ずしも新しいデッキやアーキタイプを指すものではない。
既存のデッキに自分なりのアレンジを加えてより強くすることもまた、デッキビルダーの功績として評価できる。
そして今、バーンというモダンにおいては由緒正しき、しかしそれ故に固定パーツも多いアーキタイプに、新風を吹き込もうとするデッキビルダーがいた。
鈴池 史康(東京)。
レガシーの【グランプリ・京都2015】で13位に、スタンダードの【グランプリ・神戸2015】でも28位に入賞と、フォーマットを問わない活躍を見せる鈴池が、この度新たにモダンで生み出した快作について早速話を聞いてみよう。
--「鈴池さんはどうしてこの『バーン+《強大化》』という発想に行き着いたんでしょうか」
鈴池 「【グランプリ・神戸2015】のサイドイベントで開催されていた、【日本レガシー選手権2015 Autumnの優勝デッキ】が《火炎破》と《強大化》をフィーチャーしたデルバーで、これならモダンでもできるんじゃね?と思ったのが発想の元です」
--「でもモダンだと《火炎破》がありませんよね」
鈴池 「いや、ありますよ。モダンにも《火炎破》が」
--「《欠片の飛来》ですか……確かに土地を生け贄に捧げるのは一緒ですが、《火炎破》は言い過ぎでは……?」
鈴池 「確かに初手に2枚引くとやばかったりしますが、《僧院の速槍》の『果敢』も誘発しやすくなりますし、何よりプレイできたときの《強大化》が強すぎるので、デメリットもそこまで気になりませんね」
--「あとは《鐘突きのズルゴ》が入っているのも珍しいですよね。モダンだったら他にもっと良い1マナ域がいそうなものですが」
鈴池 「それが意外といないんですよね。でも使ってみた感じかなり強かったですよ。あと《強大化》があるんで『疾駆』もバカにできませんし」
--「結論として、このデッキは従来のバーンと比べるとどのような点が主に違ってくるんでしょうか?」
鈴池 「2マナの火力呪文が減って1マナの火力呪文に差し替わっているイメージなので、全体的にかなり軽く、早くなっているのが特徴ですね」
--「ありがとうございました」
《時を越えた探索》《宝船の巡航》がモダン・レガシーから次々と退場した現在、スタンダード、モダン、レガシーを通じて活躍する《強大化》こそが環境の解答となるのかもしれない。
3 《山》 3 《踏み鳴らされる地》 4 《乾燥台地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 2 《沸騰する小湖》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《僧院の速槍》 3 《鐘突きのズルゴ》 4 《大歓楽の幻霊》 -クリーチャー(15)- |
4 《溶岩の撃ち込み》 4 《稲妻》 3 《欠片の飛来》 4 《アタルカの命令》 2 《焼尽の猛火》 4 《裂け目の稲妻》 4 《強大化》 -呪文(25)- |
4 《破壊的な享楽》 3 《引き裂く流弾》 3 《頭蓋割り》 3 《ドラゴンの爪》 2 《焼尽の猛火》 -サイドボード(15)- |