準々決勝: 鈴池 史康(東京) vs. 木原 惇希(東京)

晴れる屋

By Kouhei Yamashita


 293人ものプレイヤーが集まったモダン神挑戦者決定戦。

 多種多様なデッキが存在することでおなじみのモダン環境だが、なんとトップ8には全て異なるアーキタイプが残った!


 木原のデッキは《風景の変容》コンボ。

 7枚の土地さえ場にあれば《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と6枚の《山》を持ってきていきなり18点ダメージを叩き出せるコンボデッキだ。

 戦乱のゼンディカーから《白日の下に》が投入されており、このデッキにありがちな、土地は並ぶがなかなか《風景の変容》を引けないという負けパターンに陥りにくくなっている。


 対する鈴池のデッキは【デッキテク】でも紹介した「強大化バーン」だ。

 1マナ3点火力が多く入っているこのデッキは、1枚のカードが3点分の働きをすることが”ノルマ”となっているが《強大化》は6点分の働きをする。

 この《強大化》がうまく決められるかどうかが勝利のカギとなってくるだろう。



Game 1


 鈴池は《僧院の速槍》《稲妻》されてしまうと、後続のクリーチャーを全くプレイすることができない。

 手札の《強大化》が泣いている。



鈴池 史康


 木原にいくらかの火力を打ち込んでみるものの、土地を多く引いていることもあり到底20点のライフを削るには至らない。

 7枚の土地から木原が《風景の変容》をプレイすると素早く投了。


鈴池 0-1 木原




Game 2


 鈴池が2ターン目にプレイしたのは《大歓楽の幻霊》

 これが除去できない木原は厳しい表情。

 《明日への探索》《遥か見》を重ねて4ターン目に6マナを用意した木原は、《白日の下に》からの《稲妻》でようやくこの厄介なスピリットを除去する。

 しかし既に《大歓楽の幻霊》は1枚で6点のダメージを生み出し、十分に”ノルマ”を達成している。


大歓楽の幻霊


 鈴池は潤沢な手札から3枚の火力、《稲妻》《頭蓋割り》《溶岩の撃ち込み》を素早くプレイし木原のライフを削りきった。


鈴池 1-1 木原




Game 3


 鈴池は後手ながら1ターン目《鐘突きのズルゴ》

 2ターン目《僧院の速槍》《ゴブリンの先達》(これは《差し戻し》される)という素晴らしい立ち上がりを見せる。手札の《強大化》が生かせそうだ。

 当然木原も《強大化》のことは警戒しているようで、マナをタップアウトすることはない。

 余談になるが、木原は《風景の変容》デッキの選択理由について「プレイが簡単だから」と述べている。

 しかしカウンターを構えるか、マナ加速呪文をプレイするかの選択をかなり慎重に行っている。

 予選ラウンド様々なデッキに勝利してきていることから、モダン環境を深く理解して正しい選択を続けてきたのだろう。



木原 惇希



 さて《強大化》への警戒を緩めず、数度の攻撃を受けた木原がいよいよ動いた。

 《白日の下に》から《神々の憤怒》で一挙3体を除去する!

 返すターン、未だ土地が2枚で止まっている鈴池はここで、このマッチ初めてとなる長考をする。

 木原の残りライフは9、削り切れるのか。。。

 選んだ結論は《僧院の速槍》《溶岩の撃ち込み》

 《神々の憤怒》の追放能力が効いており、《強大化》の探査コストが支払えないことが悔しい。

 木原は《強情なベイロス》をプレイしライフ8。

 そして鈴池は土地を、引けない。

 土地が並んだ木原は満を持して《白日の下に》をプレイ。

 導かれるのは当然、《風景の変容》


白日の下に風景の変容



鈴池 1-2 木原


 マッチを通してとうとう1度も《強大化》をプレイできなかった鈴池が惜しくも敗北。

 木原、準決勝進出!



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