皆さんこんにちは。原根です。
先日開催された【グランプリ・神戸2015】に参加してきました。今回はそのイベントレポートをお届けします。
【前回の投稿】では挨拶のみとさせていただきましたので、【Hareruya Pros】として記事らしい記事を投稿するのは今回が初となります。今後よろしくお願いします。
■ スタンダードフォーマットへの取り組み
今大会の採用フォーマットはスタンダードです。
日本国内におけるスタンダードグランプリの開催は【2013年12月の静岡】以来で、約2年ぶりとなります。
最もポピュラーで競技人口の多いフォーマットとの認識を持っていたため、この開催頻度は意外でした。今回の開催を心待ちにしていたプレイヤーは少なくないのではないでしょうか。
【来年5月にも東京の地でスタンダードグランプリが予定】されていますので、この調子でより活発化してくれることを期待しています。
僕自身のスタンダードフォーマットに対する取り組みは今年7月から始まりました。初参加のプロツアーである【プロツアー『マジック・オリジン』】が契機です。
1ヶ月間の練習を経て本番に臨んだのですが、本戦の構築ラウンドでは1勝4敗という悲惨な成績を記録してしまい、あえなく初日落ち。
今はまだ上手く表現できないのですが、マジックの各フォーマットにはそれぞれの特性のようなものが存在しているように思います。
同じマジックでも、それまで取り組んできたリミテッドやレガシーとは全く異なるゲーム感をおぼえていて、八十岡さんからも【「スタンダードは苦労しそうだね」と予告】されており、まさにその通りの結果となってしまいました。
失敗を繰り返さないために、以降スタンダード・フォーマットの継続的なプレイを決めました。
GPTやPTQ、その先のプロツアーでもスタンダードが採用されることは圧倒的に多く、競技マジックにおける中心のフォーマットであることは明確です。ここに通じておくことは活動全体を通してのプラスに働きやすいことでしょう。
PTから帰国後すぐに勉強を始め、各種イベントを通して経験を重ねていきました。
3か月の間でPPTQ通過・【WMCQトップ8】など、ある程度の前進を確認してはきましたが、このグランプリでは自身の位置付けをより明確に知ることができるはずです。
■ グランプリに向けて
【グランプリ・神戸2015】への参加にあたり、僕がプレイすることに決めたデッキは「アブザンアグロ」でした。
2 《森》 2 《平地》 1 《沼》 2 《梢の眺望》 1 《燻る湿地》 1 《窪み渓谷》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《乱脈な気孔》 2 《ラノワールの荒原》 -土地(26)- 4 《始まりの木の管理人》 3 《棲み家の防御者》 3 《荒野の後継者》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 2 《風番いのロック》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(21)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《アブザンの魔除け》 1 《残忍な切断》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(13)- |
4 《絹包み》 3 《精神背信》 2 《強迫》 2 《究極の価格》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《勇敢な姿勢》 1 《残忍な切断》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
今回のグランプリは最新セット『戦乱のゼンディカー』のリリースから1か月以上が経過しており、その間には同フォーマットでのプロツアーありグランプリありと、準備期間・判断要素とも十分に用意されていました。練習量で力の差を埋めていくタイプの僕にとってはうってつけのイベントです。
ただ残念なことに、参加そのものが危ぶまれるレベルで直近の仕事が多忙化してしまい、練習時間の確保が困難な状況になってしまいました。
当日休みをいただけただけでも御の字ですが、やはり落胆もあります。
ごく限られた時間しか費やすことのできないこの状況で尽くせるベストを考えた結果、
1. デッキそのものがダメになるリスクが低く、費やした時間の分だけプラスが望めること
2. 使用者が多いため、周囲からのフィードバックで経験不足の補完を期待できること
2. 使用者が多いため、周囲からのフィードバックで経験不足の補完を期待できること
の2点を理由に、アブザンアグロを選択。リストは【津村さんのもの】を参考にしました。
Magic Onlineで軽くテストしたところ感触良好で、残された時間もあまりなかったのでこれで行こうと決心しました。
津村さん本人にもお話を伺い、拙い質問にいくつも答えていただきました。とても感謝しています。
なんとか時間をやりくりし、GPTを1回とMagic Onlineのトーナメントに数回参加。
このGPTでBYE (不戦勝) を獲得できたのは僥倖でした。当日の負荷がグッと下がります。
懸念点としては、当時の流行りなのか偏りなのか、アタルカレッドとエルドラージランプの2デッキとばかりマッチングし、他のデッキとあまり対戦できなかったことが挙げられます。
おかげで両デッキに対する立ち回りはよく理解できましたが、ミラーマッチやエスパードラゴンなど主流デッキ相手の経験がほとんど得られないまま当日を迎えることになりました。
■ グランプリ本戦
前日も終電まで仕事がありましたが、会場すぐ傍のホテルを押さえられていたことと、BYEを獲得できたことによるスリープインサービスのおかげでギリギリまで休むことができ、万全の体調で臨むことができました。
今大会で5回目のグランプリ参加となりますが、BYE持ちの状態で参加が叶ったのは初めてのことです。
ラウンド数が1つ2つ減るとゲーム消化によって蓄積する疲労は確実に軽減されますし、それにより後半戦の集中力持続が期待できます。
9回戦をフルに戦い切った際はいつもヘトヘトの状態で、疲労は思考力の低下にも繋がりますから、ベストパフォーマンスを発揮するためにもByeの獲得は今後も積極的に狙っていきたいですね。
さて肝心の本戦結果の方ですが……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | BYE | |
Round 2 | BYE | |
Round 3 | アブザンアグロ | 〇×× |
Round 4 | 赤緑エルドラージ・ランプ | 〇〇 |
Round 5 | アブザンアグロ | 〇×〇 |
Round 6 | アブザンアグロ | 〇〇 |
Round 7 | グリクシスドラゴン | ×× |
Round 8 | アタルカレッド | 〇〇 |
Round 9 | アブザンアグロ | 〇〇 |
初日の成績は7勝2敗、ギリギリで2日目に進出。
敗北を喫したのは「アブザンアグロ」と「グリクシスドラゴン」です。
BYE明けのRound 3を早速落としてしまいました。
1ゲーム目、相手先手から《始まりの木の管理人》→能力起動→《先頭に立つ者、アナフェンザ》→《包囲サイ》とブン回られつつも、残りライフ4点を死守して逆転勝ち。
幸先の良いスタートだと調子付いたのですが、2ゲーム目を2ランドストップで落とし、3ゲーム目は初手からスペルが増えず、土地を並べるだけになって負けとガックリ……
ラウンド序盤でこうしたゲームが起きてしまうと非常に堪えます。
Round 7の「グリクシスドラゴン」は全く初見のデッキで、プレイされるスペルが予測できずいいようにやられてしまいました。
特に1ゲーム目のこちらのドローはとても良く、きちんと立ち回れていれば勝機はあったはずです。
2ゲーム目も正確なサイドボーディングが行えず、《荒野の後継者》を《コラガンの命令》で美味しく対処されるなどして惨敗。
カラーリング・デッキコンセプト的にあってもおかしくないカードだったので、ケアが足りていませんでした。
参加者総数が2500名を超えた今回のグランプリ、トップ8のボーダーは13勝2敗のオポネント勝負となります。
7勝2敗からのスタートはオポネントが低くなりがちなので目は薄いですが、タイブレークラインにも「プロツアー参加権」が与えられるため、ここには大きな意味があります。
2日目進出を果たした猛者達が相手ですが、身が引き締まりますね。
気合を入れて臨む2日目は……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 10 | アブザンブルー | ×× |
Round 11 | アタルカレッド | 〇×〇 |
Round 12 | アブザンアグロ | 〇〇 |
Round 13 | アブザンアグロ | ×〇× |
Round 14 | アブザンアグロ | 〇〇 |
Round 15 | アブザンアグロ | ×〇〇 |
初戦のアブザンブルー戦を落としてしまい、アッサリ目無しに……重たく偏ったこちらの手札に《軽蔑的な一撃》が突き刺さりました。
隣の卓でも同様のマッチアップが発生していたのですが、アブザンブルー側がプレイした《影響力の行使》と《頑固な否認》が一瞬でゲームをひっくり返していました。
青い要素はアブザン同士の戦いで明確に優位を築けますね。完敗です。
その後ミラーマッチでも1つ負けを重ねてしまい、2日目の成績は4勝2敗。
トータル11勝4敗の106位、獲得賞金$200でした。
■ 反省
パッとしない成績ですし、勝つゲームに勝ち負けるゲームに負ける、流れに身を任せるだけのような2日間になってしまったので、とても良い結果とは言えません。
ミスも沢山ありました。もっとたくさん練習を積んで精度を高めることができていればと悔やむことが多かったです。
その最たるはアブザンアグロのミラーマッチ、後手番のサイドボーディングです。
当初のプランでは、以下のようなサイドボーディングを予定していました。
しかしハンデスは使っていて弱いと感じる場面が非常に多く、ラウンドを重ねるごとに4→3→2→1と数を減らして行き、最後には0に。
最終的なサイドボーディングは以下の通りです。
予定していたプランがしっくりこず、ラウンド間で再考して微調整を加えて行きました。
後手番の際は除去を積み増して盤面を捌きつつ、「探査」やインスタント除去によるテンポ差の逆転を意識した方が効果的だと感じました。
試行回数が少なく完璧なものではありませんが、いずれにせよ本番の場でこのようなことをしているようでは到底ベストたりえないと悔いが残ります。
短い練習時間で結果を求められる場面にはこの先も出くわすはずです。
今回に限った話ではないと思いますし、そうした状況での効率的な取り組み方を見つけて行く必要があります。
早速ですが、次の目標である【グランプリ・名古屋2016】も『ゲートウォッチの誓い』発売からわずかに1週間しかありません。
今の僕はとにかく時間を要するようなやり方しか持つことができないでいるので、この点は明確に課題ですね。
上記のサイドボーディングに然り、「こうしたらこうなる」と言った定石の理解を含む「知識と経験の蓄積」が必要だと認識しています。
以上です。
それではまた次回。
原根
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