Brainvalley

中村 修平


新たなるファイレクシア関連の問題で決着がついたみたいですね。

その一報を聞いた時は丁度グランプリロンドン開催中。しかもネット環境に無かった上に聞いた先がラファエル・レヴィからだったので、冗談かと疑ってしまいましたが、後から複数の人伝てに聞いてようやく事実だと理解できました。契約の重要さ、会社として判断、社会的信用と損失、それを考えれば仕方が無いという一方で、個人的な心情を言わせてもらえればギヨーム達をプレミアイベント会場で、あるいはその前後に私的に交流を持ちづらくなる事にただ本当に残念です。

それはさておき、編集長様から「カードにフォーカスして記事を書いている以上、新たなるファイレクシアのカードで宜しく!!好きな事書いて良いんだよ、っていうか、せっかくだからカード叩いてもいいからね!!」なんていう、薄汚い大人の圧力をかけて頂いたので、どうやらネガティブ評価基調でカード紹介をせざるを得なくなってしまいました。大人の事情は本当に怖いです。

そんな訳で今回のターゲットはお前だ!方式でいってみましょう。という事になってしまった第3回。今回のお題となるのはどこかで弱い理由が見当たらないなんて書いちゃった殴打頭蓋。

パワーが上がる絆魂装備なんていう中二性能だけには飽き足らず、これでもかと思いつく限りの能力を付け足して、お前は小二レベルかという出来にしてしまった頭の悪い装備品。

「どや、強いやろ!」と言わんばかりR&Dからの挑戦状。というか生体武器というシステム自体、デザインの限界ギリギリあたりだと思うんですよね。装備というオーラ(エンチャント)のほとんど上位互換から、数少ない劣っている要素である「戦場に出た時に単体では何もしない」という部分を取り除いちゃってる訳ですから。その点《骨溜め》はエレガント。自身が非クリーチャーなのにクリーチャーを一定枚数デッキに投入しないと駄目という適度に制限がありつつも書いてある事はかなり強い。「こいつはいつか来る!」と思って4枚わざわざ買ってたのに、まさかこんな頭が悪そうな装備品を後付けで印刷されてしまうとは。こんなの出てしまったら《骨溜め》さんに日の光が訪れることなんて二度となさそうじゃないですか。

まあ簡単にゲームに勝てるカードは大好きなんで特に問題はないといえばそれまでなんですが、骨駄目…じゃなかった、《骨溜め》さんの為には少しでも重箱の隅をつついて、殴打頭蓋の初期値段を下げるのに貢献したいと思います。



1. 飛行が無い事

兎にも角にもこの環境はクリーチャーであれば飛行付きが重宝されています。

理由は簡単、タイタンのような巨大生物がどこを見ても溢れている環境だから。

しかもデッキによって4ターン目くらいにはもう召喚、次のターンにはむしろ本体がコンガリ焼けて死亡というデッキが流行る始末。

小粒なクリーチャーで戦うデッキにはそれなりの基準を超えていなければならず、そこに到れないからこそ、去年の今頃はあれだけ使われた《復讐蔦》が鳴りを潜めてしまっているのです。今のスタンダード環境で必要なのは次の3つのどれか1つです。


より高速化する

《ゴブリンの先達》《ステップのオオヤマネコ》《吸血鬼の裂断者》

バンパイアやボロスなどは1ターン目から2点以上の打点を用意してきます。速さは正義です。


単純なビートダウンを諦めて、システムの構築部品とする

《水蓮のコブラ》《草茂る屋敷》と言ったマナ生物や《狡猾な火花魔道士》のような目的が明確なカードですね。レッドゾーンでは無い場所で活躍するクリーチャー達にも、居場所があります。


装備品のサポートを貰いながら戦線を展開する

このカテゴリーの理想としては攻撃する時はブロックされ難く、守備に廻ったときは相手のクリーチャーを確実に止める事が可能で、装備の付け先として一枚で複数のクリーチャーを用意できるのが望ましい。

このタイプのカードとして筆頭とも言えるのがご存知、コウブレイドのコウの方、一声『コウ』と鳴ければあと3匹は出てくるアイツです。8マナでようやく4/4相当というマナ効率的は相当に劣る《戦隊の鷹》が現在のスタンダードで最上位に位置するのも、ひとえに装備品との相性の良さがあるからです。

更に飛行という回避能力が、攻撃面でのブロックのされ難さと守備面での特に剣が付いたクリーチャーを確実にブロックできるという有用性が、コウブレイドがどのようにアレンジされても4枚搭載され続けているという理由になっているのです。

それに比べれば4/4という中途半端なサイズに飛行も付いてない殴打頭蓋なんて言わば弱い《復讐蔦》。つまり、最初は使われるかもしれませんが、そのうち流行らなくなる!!


………


あれ、でもこれ装備品でもあるんで《戦隊の鷹》に付くんですよね。

さて、次に行きますか。



2. 5マナであること

現代マジックのスタンダード環境における5マナ域以上には最低限でゲームに勝てるレベルのカードであることが求められます。理由は簡単、4マナ域に《精神を刻む者、ジェイス》がいるから。中途半端なクリーチャーならばジェイスのバウンス⇒カウンター構えで完全にシャットアウト。クリーチャーでないパーマネントでも、毎ターンブレインストームのアドバンテージ量に追いつけるのは至難。それかいっそのことジェイスを直接対処できるものというようなカードを探すのであれば、もっと軽いカードがあるのであまり必要性を感じない。こんな風にして使われるカードは本当に限られてしまいます。

試しに現在のスタンダードで使われている5マナのカードを列挙してみましょう。

《ギデオン・ジュラ》《悪斬の天使》《先駆のゴーレム》《リリアナ・ヴェス》《滞留者ヴェンセール》

さすが、一つ上の6マナ域には各種タイタンという絶対的な切り札に挟まれた谷間の世代、そもそも使われているカード自体少ないですね。抜けて強いといえるのは《ギデオン・ジュラ》くらいでしょうか。いずれにせよ単体でゲームに勝てるクラスか、そもそも軸が違うプレインズウォーカーくらいにしか生存権がないマナ域といえます。

そんな中で、このメンツの中でも少し微妙感が漂っている《悪斬の天使》よりも殴打頭蓋の基本スペックは下。ジェイスでバウンスされればただの置物だし、おまけに回避能力も無くてトークンが《饗宴と飢餓の剣》で止まってしまう黒。こんなスペックで使われるはずが無い!これは値段が下がる!!!

でもこのカード、装備品だから《石鍛冶の神秘家》から出てくるんですよね。

しかも適当に石鍛冶から戦場に出して、適当にチャンプブロックした後に石鍛冶に装着すれば言ってる問題の大半は解決してしまいます。


………


まあ、このくらいは予想の範疇、最近収監された誰かさんも言ってた「想定の範囲内」ってやつですよ。



3. 石鍛冶パッケージ+1

これくらいでへこたれていては厨スペックのカード叩きなどできません。《石鍛冶の神秘家》パッケージが強さの源というなら、本当に石鍛冶で持ってくるのに値するカードかというのを検証すれば良いじゃないですか。いくら適当に作った装備品と言えども石鍛冶さんの不動の相棒である《饗宴と飢餓の剣》には及ばないでしょう。トークン黒いし。

しかし裏を返せばスイカバー以外のどの装備品よりも強いってことになりますね。

このところコウブレイドに1枚投入が定位置となった《迫撃鞘》。同系に強いという触れ込みの《肉体と精神の剣》。そもそも石鍛冶パッケージの強み自体が多種多様な装備品を状況に併せて持ってこれる事にあるので、何かを押しのけてというよりは追加で入るという形になるのですが、その中でも群を抜いて強いカードという印象。もしかしたらスイカよりも強い気すらしてきました。

何はともあれ少なくともボロスにしか使われていない、我らが《骨溜め》さんよりは確実に上位になる事間違いなしです。という訳でまたもや《骨溜め》さんのジャンクコーナー行きが近づいてしまいました。



汎用ヒト型決戦兵器《ギデオン・ジュラ》までも…

しかも警戒というのがまた憎たらしいところを突いてきます。絆魂との相性もさることながら、今現在のスタンダード環境を支配しているプレインズウォーカーである《ギデオン・ジュラ》に対しても強烈な牽制になります。

警戒のおかげでいつまでたっても《暗殺》出来ずに、しかもガードも空かないので挑発してもあまり意味がない。

となると?空いた5マナ圏に?収まるのは…?

という訳で短い間でしたが、たいして使ってもいなかった《骨溜め》さんとは別れを告げて殴打頭蓋派になる時が来てしまったようです。

やっぱり強いですわ。このカード。



Shuhei Nakamura / 「No-Honedame」

4《金属海の沿岸》
4《氷河の城砦》
4《天界の列柱》
4《地盤の際》
5《島》
3《平地》
1《乾燥台地》
1《墨蛾の生息地》

-土地(26)-

4《戦隊の鷹》
4《石鍛冶の神秘家》
2《ファイレクシアの変形者》

-クリーチャー(10)-
1《戦争と平和の剣》
3《転倒の磁石》
1《饗宴と飢餓の剣》
2《殴打頭蓋》
4《定業》
3《呪文貫き》
3《マナ漏出》
2《糾弾》
4《精神を刻む者、ジェイス》
1《滞留者ヴェンセール》

-呪文(24)-
-サイドボード(0)-
hareruya