グランプリプラハ・TOP8ドラフトを分析!

大澤 拓也

大澤 拓也



 こんにちは。大澤です。新たなるファイレクシアが発売されて2週間が経ちました。スタンダードは《殴打頭蓋》《戦争と平和の剣》のせいで、Caw-Blade一強かと思いきや、《焼身の魂喰い》を使った赤単ヘイトレッドや、青黒増殖コントロール等、面白いデッキが成績を残してるようですね。構築戦でメタゲームが目まぐるしく変わっていくように、ドラフトにもメタゲームやデッキのトレンドというものが存在します。今回はその辺を掘り下げていくことにしましょう。

 その前に、今回もコメントして頂いてありがとうございます。いくつか質問を頂いていたので、早速質問に答えていきましょう。

 ルーキーこと、大礒さんからコメント頂きました。大物に突っ込まれると緊張しますね…。

>初手級のカード
《詐欺師の総督》だけ浮いて弱いと思うんですけど、初手でも十分ですか??もしくは、僕が低く見積り過ぎてるんでしょうか。


 えー……。すみません!
 こちらのミスで、紛れ込んでしまいました。本当にごめんなさい。
 コンバットトリックとして使えるクリーチャーということで、強いカードに変わりは無いのですが、見たら取っとけ。というのは言い過ぎました。緑、赤、黒ときて青も総督仲間に入れて欲しかったんでしょう!(泣)

《使徒の祝福》除去と等価、かつテンポ取れて強いと思うんですが・・・。今ならジャイグロ系よりも複数ブロックで使い易いですし。神河の《祝福の息吹》は当時強いカードという認識でしたが、大澤さんの評価は低かったですか?

 前回の記事で評価の部分を多少曖昧に書いてしまったと反省。今の環境では装備品もあることから、除去以外のスペルの優先度は多少低めにしていたんですが、大礒さんの言うような「除去と等価、かつテンポ取れる」というアグレッシブな使い方をしていなかったので、その辺の意識を改めてみようと思います。ゲームのイニシアチブを積極的に取りに行くような、早い展開のデッキだとより効果を発揮するカードだと思います。
 貴重なご意見ありがとうございました。


 冒頭でメタゲームやデッキのトレンドという話をしましたが、先日行なわれたNPH導入後初のプレミアイベントであるグランプリプラハの決勝ドラフトを見ていきましょう。1235人の中から選ばれたリミテッドの猛者が8名。彼らが行った決勝ドラフトから、今後のSOM-MBS-NPHドラフトの指針を考えていきたいと思います。



1.8人のプレイヤーのデッキを徹底比較&分析

 今回は、ドラフトの流れがどうだったかを知るために、デッキリストの中をエキスパンション毎に区切ってみました。リストの最下部に、各エキスパンションから採用されているカードの枚数も記載してあるので、その辺も踏まえてリストを眺めてみて下さい。


Shuhei Nakamura
Granprix Prague /Top8

9 《平地》
9 《沼》

-土地(18)-

【NPH】
1 《ファイレクシアの大男》
1 《合金のマイア》
1 《まばゆい魂喰い》
1 《死の犬》
1 《毒の屍賊》
1 《別館の大長》
1 《審問官の総督》
1 《練達の接合者》
【MBS】
1 《六角板のゴーレム》
1 《平和の徘徊者》
1 《刃の歩哨》
1 《ノーンの僧侶》
【SOM】
1 《ケンバの空護衛》
1 《クローンの殻》
1 《煙霧吐き》
1 《皮裂き》

-クリーチャー(16)-
【NPH】
1 《強制された崇拝》
1 《ゲスの評決》
【MBS】
1 《神への捧げ物》
1 《主の呼び声》
1 《黒の太陽の頂点》
【SOM】
1 《闇の掌握》

-呪文(6)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=10/MBS=7/SOM=5

 1パック目、2パック目の序盤(恐らく初手でしょうか?)で、《別館の大長》《黒の太陽の頂点》といったシンボルの強いカードが取れてしまい、色を変えるタイミングを逃してしまったのでしょうか。MBS、SOMからデッキに使われているカードをよく見て貰いたいのですが、かなり悲惨な結果になってしまっています。《別館の大長》《審問官の総督》を諦めて、白をタッチにすることも視野に入れ、3色に移行したほうが良かった印象を受けます。NPHで押さえてあった《合金のマイア》も、この構成では寂しいですね。



Ondrej Baudys
Granprix Prague /Top8

1 《黒割れの崖》
10 《山》
5 《沼》

-土地(16)-

【NPH】
1 《髄掘り》
1 《侵略の寄生虫》
1 《剃刀の豚》
1 《ヴァルショクの難民》
【MBS】
1 《肉食いインプ》
1 《オオアゴザウルス》
1 《カルドーサの炎魔》
1 《カルドーサの首謀者》
【SOM】
1 《モリオックの肉裂き》
1 《鉄を食うもの》
1 《ダークスティールの歩哨》

-クリーチャー(11)-
【NPH】
1 《不気味な苦悩》
1 《石弾化》
1 《鞭打ち炎》
1 《殴打頭蓋》
1 《マイコシンスの水源》
【MBS】
1 《金屑の嵐》
1 《皮剥ぎの鞘》
1 《胆液の水源》
1 《太陽の宝球》
【SOM】
1 《粉砕》
1 《金屑化》
1 《虚無の呪文爆弾》
1 《堕落の三角護符》

-呪文(13)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=9/MBS=8/SOM=7

 とにかく赤に恵まれた位置だったことがわかります。NPHでピックしているカードの点数から想像するに、《剃刀の豚》《石弾化》《鞭打ち炎》辺りは遅く取れてるように見受けられます。《殴打頭蓋》《髄掘り》《不気味な苦悩》はそれぞれに点数が比較的高いカードなので、《石弾化》辺りで赤をつまんで、そのまま流れのよい赤をピックしたというイメージがありますね。赤という色はシナジーがなく、コンセプトがたてづらいので、序盤では敬遠されがちなのでしょう。例えば《剃刀の豚》は使っても使われても、わかりやすく強いカードなのですが、有効活用出来るアーキタイプが作りづらい為、カード単体の点数よりもピックしづらいカードだと思います。
 《石弾化》《カルドーサの炎魔》と噛み合ってるとは言え、この構成では《マイコシンスの水源》《太陽の宝球》が少し寂しいので、欲を言えばタッチで何かシングルコストの強力カードがあるとより美しいデッキになったでしょう。



Anders Melin
Granprix Prague /Top8

9 《森》
8 《山》

-土地(17)-

【NPH】
2 《切りつける豹》
1 《炎生まれのバイロン》
1 《とどろくタナドン》
【MBS】
1 《火膨れ杖のシャーマン》
1 《グリッサの急使》
1 《メリーラの守り手》
1 《絡み森のカマキリ》
1 《ヴィリジアンの堕落者》
【SOM】
2 《シルヴォクの模造品》
1 《腐食獣》
1 《絡み森の鮟鱇》

-クリーチャー(15)-
【NPH】
1 《石弾化》
2 《電位の負荷》
【MBS】
1 《皮剥ぎの鞘》
1 《迫撃鞘》
2 《銅の甲殻》
【SOM】
1 《電弧の痕跡》
1 《テル=ジラードの抵抗》
1 《恐慌の呪文爆弾》

-呪文(8)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=7/MBS=9/SOM=7

 NPHで赤+Xというピックから、MBSの《ヴィリジアンの堕落者》から緑という感じでしょうか。ただ、MBS、SOMを見ていると赤をタッチにしてしまって、3色に移行したほうが良かったように思えます。《炎生まれのバイロン》《グリッサの急使》辺りは、あまりデッキに入れたくないレベルのカードなので、無理に赤緑でまとめるのではなく、色変えや、3色への展開を検討した方が良かったように見受けられます。



Joel Larsson
Granprix Prague /Top8

6 《森》
9 《島》
2 《沼》

-土地(17)-

【NPH】
2 《尖塔の監視者》
1 《脊柱の飛行機械》
1 《病毒のドレイク》
1 《死の頭巾のコブラ》
【MBS】
2 《血清掻き》
1 《ファングレンの匪賊》
1 《絡み森のカマキリ》
1 《絡み森の大男》
【SOM】
1 《空長魚の群れ》
1 《水銀のガルガンチュアン》
1 《絡み森の鮟鱇》
1 《金のマイア》
1 《鉛のマイア》

-クリーチャー(15)-
【NPH】
1 《無感覚の投薬》
1 《変換室》
【MBS】
1 《鋼の妨害》
1 《病気の拡散》
【SOM】
1 《分散》
1 《停止命令》
1 《冷静な反論》
1 《堕落の三角護符》

-呪文(8)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=7/MBS=7/SOM=9

 青単気味にピックしつつ《病気の拡散》《ファングレンの匪賊》《絡み森の鮟鱇》を拾った感じ。1色+流れてきたカードで色を決めるという意志は見えてきますが、あまり強力なカードに縁がなかったようですね。受けの広いドラフトが出来ていたように見えるので、少し運に恵まれなかった感があります。



Lukas Blohon
Granprix Prague /Top8

1 《墨蛾の生息地》
8 《平地》
9 《沼》

-土地(18)-

【NPH】
2 《探知の接合者》
1 《シェオルドレッドの刈り取るもの》
【MBS】
1 《入れ子のグール》
1 《ドロスの切り裂き魔》
1 《剃刀ヶ原のサイ》
【SOM】
1 《ケンバの空護衛》
1 《ロクソドンの旅人》
1 《モリオックの肉裂き》
1 《モリオックの模造品》
1 《ソリトン》

-クリーチャー(11)-
【NPH】
1 《倒れし者の記憶》
1 《四肢切断》
1 《隷属》
1 《グレムリン地雷》
1 《清純のタリスマン》
【MBS】
1 《神への捧げ物》
1 《病的な略取》
1 《悪性の傷》
1 《胆液の水源》
【SOM】
1 《選別の高座》
1 《ミミックの大桶》

-呪文(11)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=8/MBS=7/SOM=7

 2色で組むにはカードパワーが物足りないですね。デッキに入れたくないカードが数枚入ってしまっています。せっかく白いカードがシングルコストなので、早い段階から3色目を視野に入れても良かったと思います。



Robert Jurkovic
Granprix Prague /Top8

11 《沼》
6 《森》

-土地(17)-

【NPH】
1 《盲目の盲信者》
1 《囁く死霊》
【MBS】
2 《災いの召使い》
1 《荒廃後家蜘蛛》
1 《疫病口獣》
1 《腐敗狼》
1 《核をうろつくもの》
1 《ファイレクシアの消化者》
【SOM】
1 《胆液の鼠》
1 《荒廃のマンバ》
1 《死体の野犬》
1 《胆液爪のマイア》
1 《屍百足》

-クリーチャー(14)-
【NPH】
2 《不気味な苦悩》
1 《血吸いの噛み付き》
1 《ゲスの評決》
1 《寄生的移植》
【MBS】
1 《悪性の傷》
1 《迫撃鞘》
【SOM】
1 《荒々しき力》
1 《ダークスティールの斧》

-呪文(9)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=7/MBS=9/SOM=7

 文句の付け所のない、奇麗な黒緑感染ビート。感染をやる時には黒から入り、白青緑の中から、流れが良い色を選ぶのが個人的にはベストだと思うのでピックの仕方にも好感が持てますね。結果として、黒緑という既存の感染デッキと同じカラーになってはいますが、SOM-MBS-NPH環境になってからは、どの色でも感染のパートナーになり得ます。特に黒緑以外の感染クリーチャーは、《枝モズ》《ノーンの僧侶》がわかりやすい例なのですが、流れやすい傾向があるので、色を決めつけずにピックするのがいいと思います。



Petr Brozek
Granprix Prague /Top8

8 《島》
9 《平地》

-土地(17)-

【NPH】
2 《磁器の軍団兵》
1 《強欲な魂喰い》
【MBS】
2 《突風掬い》
1 《ルーメングリッドのガーゴイル》
1 《尖塔の海蛇》
1 《宝物の魔道士》
【SOM】
1 《ケンバの空護衛》
1 《カルドーサの鍛冶場主》
1 《ソリトン》

-クリーチャー(11)-
【NPH】
1 《テゼレットの計略》
1 《変異原性の成長》
1 《貫く幻視の祭殿》
1 《戦争と平和の剣》
【MBS】
2 《水銀の噴出》
1 《神への捧げ物》
1 《青の太陽の頂点》
1 《鋼の妨害》
【SOM】
1 《真実の確信》
1 《分散》
1 《闊歩するものの装具》

-呪文(12)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=7/MBS=10/SOM=6

 綺麗な白青金属術ビートですね。
 NPHの段階では何色でもいけるピックのまま、MBSで青の流れが良く、そのまま白青になった感じですね。しかし、MBSでの強烈な青主張もむなしく、SOMであまり報われない結果となり、不純物が多少混ざってしまっています。
 ビートダウンデッキは、テンポよく動く事が最重要課題なので、2色が推奨されるのですが、カードの出が悪いとデッキパワーが下がってしまうのは宿命ですね。特にSOMがメインになる金属術デッキは、後から軌道修正もしにくいのでその辺のリスクも頭に入れておく必要があります。



Lukasz Cichecki
Granprix Prague /Top8

9 《山》
8 《平地》

-土地(17)-

【NPH】
1 《磁器の軍団兵》
1 《探知の接合者》
1 《金切り声の猛禽》
1 《堕ちたる鉄術士》
1 《ウラブラスクの僧侶》
1 《覇者、ジョー・カディーン》
【MBS】
1 《流血の臣下》
1 《オオアゴザウルス》
1 《コスの急使》
1 《オーガの抵抗者》
1 《マイアの種父》
【SOM】
1 《微光角の鹿》
1 《燃えさし鍛冶》
1 《金のマイア》
1 《剣爪のゴーレム》

-クリーチャー(15)-
【NPH】
1 《強制された崇拝》
1 《グレムリン地雷》
【MBS】
1 《窒息の噴煙》
1 《金属の熟達》
1 《太陽の宝球》
【SOM】
1 《存在の破棄》
1 《刃の翼》
1 《闊歩するものの装具》

-呪文(8)-
-サイドボード(0)-
hareruya
NPH=8/MBS=8/SOM=7

 白赤ビートなんですが、別に悪いカードではないけれど、デッキに合ってるかどうか疑問が残る《窒息の噴煙》や、シナジーが発生するカードが1枚しか入っていない《金属の熟達》がメインから入ってる辺り、台所事情の厳しさが伺えます。
 コントロール重視な環境において、ビート戦略は非常に有効な戦略だと思うのですが、色変えや色足しがしづらい手狭さがこういう時に響いてきますね。NPHの段階ではとても順調に見えるので、少し運が悪かったのかな?という気はしますが。



2.色の住み分け、協調と主張

 このドラフトで目につくのは、カードプールが弱い。特にSOMが弱いように見えます。《殴打頭蓋》《覇者、ジョー・カディーン》《戦争と平和の剣》《ミミックの大桶》等のいわゆる爆弾カードは数枚出ていますが、デッキの中核をなすようなカードが比較的少なかったように見受けられます。
 このような卓で勝ちきるにはどうするべきだったのか?それを知るために、各プレイヤーが何色をやっていたのか、住み分けを見てみましょう。

1白黒
2黒赤
3赤緑
4青緑t黒
5白黒
6黒緑
7白青
8白赤

 青がやや少ないくらいで、他の色はほぼ均等な住み分けですね。サイドボードが記載されていないので、ピックをしたが使っていない強力なカードがある可能性もゼロではありませんが、基本的には8人が最後まで自分の色を決めてピックし、色の住み分けをした結果が上で解説したデッキリストです。プールが弱いとはいえ、大半がお世辞にも強いとは言い難いデッキでした。
 8人で色を均等に分けるゲームならこれで正解かもしれません。8人のデッキが平均的な強さになっていますから。しかし、これはブースタードラフト。8人がそれぞれ3-0を目指すゲームです。今回のように、「カードプールが弱い」、「色の流れが悪い」、「位置が悪い」ということはたくさんある中で、そこからいかに3-0を目指すか。ドラフトで全く同じような状態というのはほぼあり得ません。ですが、実際そのような厳しい立場になった時に、自分の中での答えを用意できているかどうかで、デッキの完成度には大きな差がつきます。
 SOM-MBS-NPH環境でどうしたらいいの?という所に焦点を当てると、3色(2色タッチ1色)になることを想定し、手広いピックをしながら流れの良い色が何色かを見極めて、チャンスが来たら逃さない事が重要になってきます。



3.3色デッキの有効性

 SOM×3やSOM-SOM-MBSと比較した時に《地平線の呪文爆弾》、各マナマイアというコモンの多色を後押しするカードが減って、変わりに手に入ったのは《マイコシンスの水源》とアンコモンの《合金のマイア》。多色を後押ししてくれるカードは、以前と比べて減っています。

 では何故、3色のデッキを推奨しているのか。

 これは前回の記事でも触れているのですが、速い、前のめりな感染デッキを作りづらくなったことによる環境の低速化が一つ。もうひとつは、ドラフトを実際にしてみると解ると思うのですが、NPHに入っているカードが、【感染】や【金属術】といったコンセプトを強烈に意識したピックがしづらいカード構成になっている事。そのことで、カードパワーを犠牲にした奇麗な構成の2色デッキを作るメリットが少なくなってきています。この2つが大きな理由だと思います。

拘引電位の負荷病気の拡散オキシダの屑鉄溶かし



精神間引き病毒のドレイク肉食いインプファングレンの匪賊


 実際にどのようなカードをタッチするのかというと、ドラフトでは定番ともいえる除去をタッチする方法や、《倒れし者の記憶》《ファングレンの匪賊》《肉食いインプ》《水銀の噴出》《病毒のドレイク》《精神間引き》《大槌の接合者》等の、フィニッシュにつながる、もしくは大きなアドバンテージを稼げるカードをフィニッシャーとしてタッチするという方法。ゲームが長引いた後に使って強いカードは、色マナの要求も相対的に緩くなります。タッチカラーを使ってカードパワーを引き上げる場合は、色マナ事故やせっかくのパワーカードが使えないという一方的な展開にならないように、メインカラーの低マナ域のカードでしっかりと攻防が出来る構成を意識する事も大事になってきます。
 強烈なシナジーが形成されるデッキが少なくなった以上、パワーカードで戦う戦略を肯定するためにも、【結果として3色デッキにも出来る受けの広いピック】という選択肢を常に念頭に置いてピックして行くことが大事になってきます。



4.なりふり構わず最強デッキを目指す!

 最後に、ドラフトというたった336枚のランダムなカードプールから、【相対的に】強いデッキを作るというゲームに対するスタンス的な話を少し。
 ドラフトにおいて、なんとなく根付いてしまっているように感じる「協調(上家、下家と色を被らせない)ドラフトが大事。」や「カット(自分がやっていない色のカードを取る)をしてはいけない」などのセオリー。昨今では、このセオリーを鵜呑みにして勘違いしている人がたくさんいると思います。

「1パック目初手に黒の強力カードが3枚あったけど、下と被りそうだから黒の強力カードより劣るけど白いカードを取ろう。」
「黒の強力カードが流れてきたけど、下が黒だから流そう。」

 このエピソードに共通して言えることは、【目の前にある確定情報よりも自分以外の色を予想した上で、永遠に確定することが無い不確定情報を重んじている。】という事です。下家があなたのファーストピックと同じ色の10点カードを引いていれば、思い通りに流したカードを取ってくれるとは限りませんし、上でも同じことが起こっている可能性があるわけです。
 信じれるものは目の前に見えているカード。流れてきたカードからいかに何かを読み取り、流れの良い色をピックできるかが重要です。下家とは、どんなに色が被っても2パック目だけしか影響がありません。色を【譲る】のではなく【押しつける】という認識でピックをしましょう。

 ちょっと話が逸れてしまいましたが、この辺のドラフト論はまたの機会に改めて、じっくり書かせていただこうと思います。
 次回は、デッキの骨子を決めるためのターニングポイントになるピックで、どのような事を考えてピックをしているのかという所に焦点を絞って、ご紹介していこうと思います。