チームドラフトの基本戦略

大澤 拓也

大澤 拓也


 こんにちは大澤です。
 前回のコラム「チームドラフトのススメ」ということでお送りしたのですが、コメント欄を始め、各方面から反響を頂きとても嬉しく思っています。
 中でも「思い出話が良かった」という意見が多かったんですが、ドラフトをあまりやったことない方やマジック自体をあまりプレイしていない方から「チームドラフトがやりたくなった」なんて意見も頂けて、チームドラフトの魅力を少しでも皆様に伝えることができたんじゃないかなと思います。
 今回はチームドラフトにおいての具体的な戦略について紹介していこうと思います。



1.基本戦略

 前回にも少し触れましたが、普通の8人ドラフトとの違いは、チームが勝ち越す(6人戦なら5勝、4人戦なら2勝)ことが目的であり、敵チームに強いデッキを作らせない意識が必要ということです。

【色を予測しろ】
 言葉だけ聞くと、とても難しいことのように思えますが、ちょっと意識をすれば誰にでも予測することができます。
 自分が流すカードに順位を付け「下は~を取りそう、そうなるとその下は~を取りそうだな」と予測し、それを繰り返して、次の逆回りでどんなカードが回ってくるかどうかでその予測が的確だったかどうか判断します。
 初手で取ったカードとの兼ね合いや個人間のカードの評価の違いで多少の誤差が出る場合もありますが、ドラフトの序盤ではその誤差も生じ難い(強力なカードを流すことが多かったり、既にピックしてるカードとの兼ね合いで取れないということが起き難いので)と思います。
 上の色を完璧に予測するにはソート等の知識が必要だったりするので、なかなか難しいですし、何よりレアやアンコモンを取られてしまった場合、役に立たないこともあるので「~が流れてきたからこの色はやってなさそうだな」くらいの予測をしておきましょう。
 チームドラフトに限らず、ドラフトにおいてとても重要なテクニックになりますので、日頃から意識して練習していきましょう。

欠点…予測するのは重要ですが、色を決め付けて、思い込んでしまうと予測が外れていた時にとんでもないことになってしまいます。初手カードとの兼ね合いや予期せぬ色変え等は頻繁に起こることなので常に柔軟な思考を持つことが必要です。


【強力なカードを流すな】
 自分の周りの色がある程度把握できるようになると、色々応用が効くようになります。その一つが、一般的にも広く知れ渡っていてる戦略である「カット」。
 単語自体は聞いたことがある人は多いと思いますが、かなり奥が深く、難しいテクニックです。個人的には8人ドラフトにおいて「カット」はほぼ考える必要がないと思っています。
 何故なら自分以外の7人のうちの3人にしか当たらないので、1人のデッキを弱くするメリットが薄く、少しでも自分のデッキを強化するカード(サイド等で使う可能性があるカード)を取るほうが効果的だと思うからです。
 しかしこれがチームドラフトとなると話は全く別です。自分の上下のプレイヤーとはチームメイトまで考えると6人戦なら3回ずつ、4人戦なら2回ずつやることになるので、自分以外のデッキの強さは8人ドラフトと比較すると、とても比重の高い物になります。
 だからといって敵チームに強力なカードを渡さないために考えなしに片っ端から何色でも取れ!というとそうではありません。
 時には自分の流したカード、流れてきたカードから上下のプレイヤーの色を予測し、敢えて強力なカードを流すこともあります。
 もしその予測が当たっていた場合は、自分のチームメイトに強力なカードが渡る可能性があり、そうでなくても敵チームにカットをさせることができます。

欠点…敵のデッキを意識しすぎると当然自分のデッキも弱くなります。自分のデッキとのバランスを考えたり、カットしたカードを上手く使えるように工夫しましょう。


【色を被せろ】
 それでは強力なカードが2枚出てしまった時にはどうしたらいいのか?

 例えば自分のパックで白と青の強力なカードが出たとします。そこで自分は白いカードをピックした場合、下のプレイヤーは高い確率で青のカードをピックしたと予測出来るでしょう。
 そういう場合に、2色目に意図的に青を選び、下のプレイヤーに流してしまった青の強力なカードを使いづらくさせることができます。使いづらいばかりか、下のプレイヤーが無理やり青をやろうとすると、デッキの構成自体が弱体化する可能性も出てきます。
 当然、弱いカードを無理矢理とってもしょうがないのですが、カードの流れ方次第で”色を敢えて被せる”という選択肢も取り得ると言う事を覚えておくといいと思います。

 欠点…このテクニックも「カット」同様にチームドラフトならではの戦略になります。同じ場面で8人ドラフトでは下のプレイヤーに青のカードを流した場合、青を2色目に選ぶ優先度は下がります。

 全てに共通して言えることは、いかに効率良く敵チームに強力なカードを使わせずに、自分を含めた味方チームのデッキを強くできるかということですね。



2.マジック情報戦

 チームドラフトでは、8人ドラフトより多くの情報が共有できることから、敵チームのデッキの色や入ってるカードをより高い精度で予測する事が出来ます。そして、それらの情報を元に、より具体的なレベルでデッキ構築やプレイに役立てることが出来ます。
 何故予測できるかと言うと、チームドラフトでは上の上と下の下のプレイヤーは味方チームなので、自分が流したカードから上下の敵チームが何を取ったのか確認できるからです。
 例えば「《病気の拡散》流したけど見た?」とか「《感電破》《拘引》一緒に流したんだけど、どっちが回ってきた?」なんてことを聞けば敵チームのプレイヤーが何色なのか、除去はどのくらい入ってるのか大体予測ができると思います。

感電破拘引

 それらの情報から、敵チームに青が二人いると予測できたなら「島渡りと飛行クリーチャ除去はメインだな」とか、強力なエンチャントを流したという情報があれば「エンチャント破壊をメインから入れてこう」というように、デッキ構築に反映することが出来ます。
 メインボードから、特定のカードや色に対して対応出来ているような、サイドボードした状態で戦うことができるという事ですね。
 デッキ構築の時だけでなく、試合中でも「手札4枚あるのに5マナ立ててエンドしてきたんだけど、どんなスペル構えてる?」とか、「アーティファクト除去何枚入っている?」、「3/3に向かって2/2がアタックしてきたんだけどトリックスペルは何が入ってる?」なんてことを確認することができます。
 カットしたり、色予測のためにカードを憶えるのと一緒に、除去やコンバットトリックの種類は相手のデッキの構成を予測したり、警戒すべきカードの情報を共有する上でとても重要なので、注意して憶えておきましょう。



3.意識すべきこと

 チームドラフトならではの注意しなければいけない点は、チームメイトを頼り過ぎないこと。情報を共有したり、チームメイトと協力することはとても大事なことですが、マッチ単体で見れば、基本的には個人戦です。
 ルールに地域差はあるとは思いますが、大体の場合は多少の相談やアドバイスは認められています。しかし、何から何までチームメイトに聞いて、言いなりになるのは何か違うと思いますし、何より自分のためにならないと思います。
 以前、「人は痛みを伴わないと成長しない」なんてことを冗談めかして言ったことがありましたが、実は自分のマジックに対する持論の一つだったりします。
 相談やアドバイスを受ける場合でも、何がダメで何が良かったのか、何故そういう結論に至ったのかをちゃんと理解することがとても重要です。
 ただ漠然と「どうすればいい?」とアドバイスを求めて、それに従うだけでは練習してる意味がありません。
 チーム戦なので、個人戦の時よりも勝敗が重くのしかかってくるとは思いますが、そんな時だからこそいつもより集中して真剣勝負ができるので、ミスをしたらそのミスは絶対忘れられないし、相手の上手いプレイはとても印象に残るし、自分が成長するチャンスの場だと思っています。

 個人的にチームドラフトに限ったことでは無いのですが、リミテッドの練習でとても重要なことだと思うのはフリープレイをすること。
 マジックというのは2本先取で勝敗が決まってしまいます。それ自体を否定する気はありませんが、3-0したから強いデッキ、0-3したから弱いデッキとマッチの勝敗だけで何事も判断してしまうのは良くないと思っています。
 事故やミスで勝ったり負けたりするのもマジックですし、そこから反省できることもあると思いますが、それだけではデッキの本質を理解するのは少し物足りない気がします。
 リミテッドは構築と違って同じデッキで繰り返し対戦することが少ないので、その辺を意識して練習してもらいたいです。
 他にもピックやカード選択、プレイについて人と意見を交わすこと、感想戦はとても重要だと思います。
 人はどうしても固定観念を持ってしまうもので、リミテッドは特にそういう部分が強く出てしまうレギュレーションだと思うので、色んな人の意見を聞いて、自分の引き出しを多くすることが心掛けるようにしましょう。

 折りしも今週末は基本セット2012の発売日。ただパックを剥くよりも、ついでにドラフトで遊ぶことが出来れば、カードも覚えられる、マジックも強くなる。一石二鳥以上の効果があると思います。
 この機会に是非、チームドラフトやってみて下さい。イベント会場で見かけたら、いつでも「チームドラフトしよう!」と声をかけて貰えれば、お相手致します!!