こんにちは。大澤です。
世間はすっかり夏休みシーズンに突入ですね。皆さん元気にドラフトしてますか?PTQフィラデルフィアも一段落して週末には全国各地でGPT上海が行われています。
上海に行かれる方はもちろん、行かれない方も腕試しに是非参加してみてください!
まずは前回いただいたコメントから回答させていただきます。
>中村修平プロと中島主税プロが、白黒という色を良いコンビネーションとしてあげているのが意外でした。
>これは白の優秀なクリーチャーを先に取って、 補色として黒のいいところ(ダバニとディガー)を つまむという白(準)単ビート戦略の一種なのでしょうか?
インタビュー不足で申し訳ありませんでした。
しかし普段の二人のドラフトや筆者の見解からも白メインのビートの補色として黒を選択するということだと思います。
>白と黒と均等にピックしていき、最終的に黒の流れがよくて黒メインのデッキになった時の、完成形がなかなかイメージできないです。
>逆に強い黒メインの白黒のイメージがあれば一パック目、カードパワーで白と黒のカードをただ集めるということが可能になるのですが、このあたり、大澤さんのご意見を聞いてみたいです。
M12の白という色は強力なカードが低マナ域のクリーチャーに集中しているため、補色又は2色目には不向きな色だと思います。
黒の流れが良い、黒がメインになりそうと感じた場合は多少白のカードをピックしていた場合でも、気にせず他の色に手を出すほうが良い結果になることが多いでしょう。
黒メインのドラフティングについては前回の記事で高桑くんが丁寧に解説してくれているのでそちらを確認してみてください。
今回は各アーキタイプをより具体的にサンプルレシピを交えて紹介していこうと思います。
■白《飛行ビート》■
前回の記事で答えていただいたプロの方々の回答でも一番人気だった白。とにかく低マナ域のクリーチャーが優秀で層が厚いですね。
9《平地》 7《島》 -土地(16)- 1《ギデオンの法の番人》 2《鎧の軍馬》 1《嵐前線のペガサス》 1《グリフィンの乗り手》 1《珊瑚マーフォーク》 2《ベナリアの古参兵》 1《グリフィンの歩哨》 1《霊気の達人》 1《空回りのドレイク》 2《突撃するグリフィン》 1《アンフィンの殺し屋》 1《エイヴンの瞬翼》 2《流浪のグリフィン》 1《地割れのドレイク》 -クリーチャー(18)- |
1《神聖なる好意》 1《護衛の誓約》 2《霜のブレス》 1《送還》 1《否認》 -呪文(6)- |
-サイドボード(15)- |
●ポイント●
【必須パーツ】
《霊気の達人》、《霜のブレス》、《送還》
除去が少ない色なので、ブロッカーをどかす、ダメージレースを有利にできるカードを必ずピックしておきましょう。
《アンフィンの殺し屋》はこの環境では貴重なタフネス4のクリーチャー。
白《ベナリアの古参兵》
黒《出征路のグール》
赤《血のオーガ》
緑《ガラクの仲間》《聖なる狼》
とデッキに入っているのを良くみかける中堅クリーチャーの中にも、なかなか止める対象は多く、活躍が期待できるでしょう。
9《平地》 7《沼》 -土地(16)- 1《ギデオンの法の番人》 2《嵐前線のペガサス》 1《グリフィンの乗り手》 2《薄暮狩りのコウモリ》 2《夜の子》 1《グリフィンの歩哨》 2《ベナリアの古参兵》 2《出征路のグール》 2《突撃するグリフィン》 2《グレイブディガー》 1《流浪のグリフィン》 1《包囲マストドン》 -クリーチャー(19)- |
1《平和な心》 1《力強い跳躍》 1《肉体のねじ切り》 1《破滅の刃》 1《災難の瀬戸際》 -呪文(5)- |
-サイドボード(15)- |
●ポイント●
【必須パーツ】
《破滅の刃》や《肉体のねじ切り》等の除去・《グレイブディガー》
白青に比べてクリーチャーの質は落ちるので《グレイブディガー》を取り、より低マナ域によせて積極的にクリーチャー同士の相討ちを行い消耗戦を狙っていきましょう。
《夜の子》は相打ちしただけで得した気分。
《災難の瀬戸際》は飛行ビートならほとんど除去に近い働きをしてくれます。《ギデオンの法の番人》とはコンボ。
とにかく遅く回ってくるので意識しなくても1~2枚は計算できるのが嬉しいですね。
■赤《狂喜ビート》■
白の次に人気だった赤。
除去がある分、白と違って補色としても使えるのであまり流れが良くなくても逃げることができるのが魅力です。
9《森》 8《山》 -土地(16)- 1《ラノワールのエルフ》 1《ゴブリンの長槍使い》 1《ルーン爪の熊》 2《ガラクの仲間》 1《血のオーガ》 2《隠れ潜む鰐》 2《聖なる狼》 1《血まみれ角のミノタウルス》 2《大蜘蛛》 1《大いなるバジリスク》 2《暴走するサイ》 -クリーチャー(16)- |
1《火葬》 1《チャンドラの憤慨》 1《垂直落下》 2《トロール皮》 1《アラクナスの蜘蛛の巣》 1《剛力化》 -呪文(7)- |
-サイドボード(15)- |
●ポイント●
【必須パーツ】
《火葬》、《チャンドラの憤慨》等の除去・《血のオーガ》、《血まみれ角のミノタウルス》等の狂喜クリーチャー・《ラノワールのエルフ》
狂喜を達成するための低マナ域クリーチャー+マナブーストとこの環境にかなりマッチしている《ラノワールのエルフ》は是非押さえておきたい1枚です。
《隠れ潜む鰐》、《大蜘蛛》、《垂直落下》と人気の白青に強いカードが多いのが強み。
《聖なる狼》+《トロール皮》のコンボもそんなに苦労せずにどちらも手に入れることができるのが嬉しいです。
9《山》 7《島》 -土地(16)- 1《ゴブリンの投火師》 2《幻影の熊》 2《ゴブリンの長槍使い》 1《ゴブリンのトンネル掘り》 1《珊瑚マーフォーク》 2《焦熱のヘルハウンド》 2《血のオーガ》 1《霊気の達人》 1《空回りのドレイク》 1《血まみれ角のミノタウルス》 1《稲妻の精霊》 1《エイヴンの瞬翼》 2《地割れのドレイク》 -クリーチャー(18)- |
1《ショック》 1《火葬》 2《霜のブレス》 1《送還》 1《マナ漏出》 -呪文(6)- |
-サイドボード(15)- |
●ポイント●
【必須パーツ】
《火葬》、《ショック》等の除去・《地割れのドレイク》
低マナ域のカードは比較的安く取れるので、狂喜付きのクリーチャーや、赤のパワーが高いクリーチャーを劇的にサポートしてくれる《地割れのドレイク》をしっかりピックしておきたいですね。
赤には何気にゴブリンが多いので《ゴブリンの酋長》なんかとって見るとなかなか良い働きをしてくれますよ。
7《山》 9《沼》 -土地(16)- 2《苛まれし魂》 1《ゴブリンの投火師》 2《薄暮狩りのコウモリ》 1《夜の子》 1《ゴブリンの長槍使い》 1《貪る大群》 2《血怒りの吸血鬼》 1《出征路のグール》 1《血のオーガ》 2《漂う影》 1《グレイブディガー》 1《稲妻の精霊》 1《ゾンビの大巨人》 1《骨砕きの巨人》 -クリーチャー(18)- |
1《破滅の刃》 1《ソリンの渇き》 1《肉体のねじ切り》 1《反逆の行動》 1《チャンドラの憤慨》 1《投げ飛ばし》 -呪文(6)- |
-サイドボード(15)- |
●ポイント●
【必須パーツ】
《破滅の刃》、《ソリンの渇き》等の除去・《グレイブディガー》
この色の組み合わせは1マナで恒久的にダメージが与えられるクリーチャーが
《苛まれし魂》
《ゴブリンの投火師》
と2種類いるので狂喜に最も適している色と言えます。
《薄暮狩りのコウモリ》は狂喜クリーチャーの中では比較的安く取れて優秀なので是非押さえておきましょう。
《反逆の行動》+《貪る大群》or《投げ飛ばし》のコンボは安くて強力なコンボなので覚えておきましょう。
■緑《テンポビート》■
白と赤は人気が高いのでメイン色にできないことも少なくないでしょう。
そんな時は白と赤の次にクリーチャーがしっかりしている緑の出番です。
9《森》 7《沼》 -土地(16)- 2《ラノワールのエルフ》 2《ガラクの仲間》 1《夜の子》 1《薄暮狩りのコウモリ》 2《隠れ潜む鰐》 2《聖なる狼》 1《出征路のグール》 1《血怒りの吸血鬼》 1《大蜘蛛》 2《グレイブディガー》 2《大いなるバジリスク》 1《暴走するサイ》 -クリーチャー(18)- |
2《トロール皮》 1《アラクナスの蜘蛛の巣》 1《垂直落下》 1《破滅の刃》 1《肉体のねじ切り》 -呪文(6)- |
-サイドボード(15)- |
9《森》 7《平地》 -土地(16)- 1《ギデオンの法の番人》 1《ラノワールのエルフ》 2《ガラクの仲間》 2《ルーン爪の熊》 1《嵐前線のペガサス》 2《聖なる狼》 1《隠れ潜む鰐》 1《グリフィンの歩哨》 1《ベナリアの古参兵》 2《大蜘蛛》 1《突撃するグリフィン》 1《流浪のグリフィン》 1《大いなるバジリスク》 1《暴走するサイ》 -クリーチャー(18)- |
1《トロール皮》 1《アラクナスの蜘蛛の巣》 1《垂直落下》 1《平和な心》 1《神聖なる好意》 1《力強い跳躍》 -呪文(6)- |
-サイドボード(15)- |
9《森》 7《島》 -土地(16)- 2《ラノワールのエルフ》 2《ガラクの仲間》 1《ルーン爪の熊》 1《珊瑚マーフォーク》 2《聖なる狼》 1《隠れ潜む鰐》 1《霊気の達人》 1《空回りのドレイク》 2《エイヴンの瞬翼》 1《大蜘蛛》 1《アンフィンの殺し屋》 1《大いなるバジリスク》 2《地割れのドレイク》 -クリーチャー(19)- |
2《トロール皮》 1《剛力化》 2《霜のブレス》 1《送還》 -呪文(6)- |
-サイドボード(15)- |
●ポイント●
《霜のブレス》、《霊気の達人》、《ラノワールのエルフ》《トロール皮》
基本的に緑の戦い方は同じで1ターン目の《ラノワールのエルフ》からクリーチャーを展開していき、補色の呪文や《トロール皮》にてサポートしていく戦略です。
先程も言いましたが、一番人気である飛行ビートに強いのが緑の魅力です。
白・青・黒のコモンに飛行が存在し、アンコ以上になると赤にも強力な飛行クリーチャーがいるため《垂直落下》は十分メインに投入していい呪文でしょう。
■リミテッドにおけるメタゲーム■
今回は筆者の考える現段階での代表的なアーキタイプを紹介しました。
これから、色や戦略の人気の移り変わりによって、今回紹介したサンプルレシピからデッキの完成形も変わっていくと思います。例えば、緑が流行ると《垂直落下》はメインには入れずらいカードになる事もあるでしょうし、後手デッキが流行するようになれば、《困窮》や《精神腐敗》等の、コントロールに対して強いカードの評価が上がってくると言う事はよくあります。
リミテッドにもちゃんとメタゲームってあるんです。
実はまだ前回の記事でクワが紹介してくれた「後手デッキ」のほうは試せていないので、次回からはMOにもM12が導入されるということで、その辺も踏まえてより実戦的な内容でお送りしたいと思います。