Round 4: 金川 俊哉(山梨) vs. 田中 侑(東京)

晴れる屋

By Hiroshi Okubo


 Hareruya Pros・金川 俊哉(山梨)。昨夜、友人たちとキューブドラフトで遊んでいる最中に急遽「ヴィンテージ神決定戦」への参戦が決まったそうだ。対する田中 侑(東京)もデッキは先週用意したものだと言う。

 数時間前にデッキを渡されたという金川と、先週デッキを用意したという田中の試合。はたして田中に一日の長があるか? あるいは金川がその地力で勝利を掴むか?



Game 1


 先行は金川。《島》《定業》。第2ターンには土地を置くのみというゆっくりとした立ち上がりだ。

 対する田中はダブルマリガンからスタート。「まずは自己紹介を……」と《魂の洞窟》でマーフォークを指定して《呪い捕らえ》、第2ターンに《銀エラの達人》(コストは《銀エラの達人》)とマーフォークたちを呼び出していく。

 これに金川も「渡られちゃうなぁ」と苦笑を浮かべつつ、3ターン目にはしっかりと《僧院の導師》をプレイ。初動は遅れたが、まだまだ巻き返せそうだ。



金川 俊哉


 田中は《真珠三叉矛の達人》でしっかりと「島渡り」を付与してクロックを刻み、着実に金川の時間を奪い取っていく。

 しかし返すターン、金川は《定業》《噴出》《Mox Sapphire》と呪文を連打し一気にモンクトークンを並べ立て、《僧院の導師》でやり返す。さらに田中の《幻影の像》《Force of Will》で打ち消し、さらにモンクトークンが並ぶ。

 金川の前にはモンクトークンが5体も並んでおり、《僧院の導師》も健在という状況。盤面だけを見ると勝負あったかのように思われたが、先に攻撃し始めた分だけ田中に分があった。ここまで連続で「果敢」するもダメージレースを捲るには至れず、トップを確認して投了を宣言した。


金川 0-1 田中


 苛烈なダメージレースが行われていた第1ゲームだったが、2人の間に流れる空気は非常に和やかだった。第2ゲームもこのまま田中のマーフォークたちがモンクたちの脇を泳ぎ切ってしまうのだろうか?


Game 2


 《Mox Ruby》《Mox Pearl》《太陽の指輪》《Tundra》と1ターン目にして5マナを揃える金川。これぞヴィンテージといったロケットスタートだが、どうやらクロックが引けていないようだ。

 田中は《銀エラの達人》からスタート。第1ゲーム同様、田中のマーフォークたちが先に攻勢をかける展開となりそうか?



田中 侑


 しかし、第3ターンに金川の手から放たれたのは《Ancestral Recall》!これに《目くらまし》《狼狽の嵐》が当てられるが、金川のマナはすでに7マナに達しており、要求されたマナを難なく支払ってこれを解決した。

 アドバンテージ差で押し切られてしまう前にと《メロウの騎兵》をプレイして《銀エラの達人》でアタックに行くが、《メロウの騎兵》《突然のショック》され、さらに後続の《真珠三叉矛の達人》を巡る打ち消し合戦にも敗れ、消耗戦に持ち込まれそうな雰囲気だ。

 ここで金川の手から満を持して《僧院の導師》が登場する。田中の盤面のクリーチャーは《銀エラの達人》のみ。ギャラリーが固唾をのんで見守る中、田中が望みを託してドローをすると、そこにあったカードは……


宝船の巡航


 《宝船の巡航》だ。さっそくこれを唱え、《アトランティスの王》をプレイする。これによって「島渡り」を得た《銀エラの達人》《僧院の導師》の脇をすり抜けていく。ここまでのゲームで《銀エラの達人》に地道に攻撃され続けていた金川のライフはこれで9点。

 金川はここにきて「果敢」の種となるような有効牌を引けない。反対に田中は2枚目の《アトランティスの王》をプレイし一気に金川のライフを2まで削る。


 最後のターン。田中が《宝船の巡航》を引けたなら、自分も……と望みを託してドローし、手札を公開する。


精神的つまづき精神的つまづき


 「負けでーす!」の声とともに、金川と《僧院の導師》は”果敢なく”散った。


金川 0-2 田中


この記事内で掲載されたカード