Round 11: 三原 槙仁(千葉) vs. 中村 肇(神奈川)

晴れる屋



By Atsushi Ito


 スタンダード最終戦。7勝3敗という崖っぷちラインからはフィーチャーマッチ常連のこの2人の対決をお送りしよう。

三原 「いやー中村さんにはいつも菊名合宿とかでお世話になってるからなー……」

中村 「から?」

三原 「全力で立ち向かわないと」

中村 「お、おぅ。しかしこのおっちゃんに勝った記憶あんまりないんだよな……デッキの相性も悪いし。朝から何回フリーデュエルしたかわからん」

 などと軽口が飛び交う中、負けられない戦いが始まった。





Game 1

 先手の三原が《エルフの神秘家》から《旅するサテュロス》と快調な動き。中村も《旅するサテュロス》《稲妻の一撃》を当てるが、三原は構わず3ターン目《世界を喰らう者、ポルクラノス》を降臨させる。

 さらにマリガンスタートな上に土地が2枚で詰まってしまった中村を尻目に、三原は《エルフの神秘家》《森の女人像》と展開してマナを伸ばした後、《書かれざるものの視認》を「獰猛」でプレイ!


書かれざるものの視認クルフィックスの狩猟者クルフィックスの狩猟者


三原 「控えめだね」

 8枚見てもめくれたのは《クルフィックスの狩猟者》2体のみという結果。中村にとっては一安心というところ。

 だが、続けてプレイされた《開花の幻霊》でドローを進めた三原がライブラリトップをめくるとそこには《ニクスの祭殿、ニクソス》がこんにちは。

 場には《世界を喰らう者、ポルクラノス》、「信心」は十分。



中村 肇 



中村 「あー良い勝負だったなー(棒)」


三原 1-0 中村



Game 2

 《エルフの神秘家》から《森の女人像》と再びビッグアクションへの道を作っていく三原に対し、中村は《急報》をプレイするものの再び3枚目の土地に詰まる立ち上がり。だが《開花の幻霊》に対して《消去》を当てた返しで今度こそ3マナ目を引き当てる。

 一方三原は《クルフィックスの狩猟者》から《旅するサテュロス》とつなげるが、マナフラッドに陥っているのか、2枚ほどの手札を抱えて8マナフルオープンでターンを返す。

 この隙に中村は《クルフィックスの狩猟者》《ジェスカイの魔除け》を撃ちこんでお茶を濁し、土地が伸びるまでの時間を稼ごうとするが、《クルフィックスの狩猟者》を出し直した三原が《思考囲い》で牽制。

《軍族童の突発》
《軍族童の突発》
《対立の終結》
《軽蔑的な一撃》
《急報》
《予知するスフィンクス》

 という手札から《対立の終結》を抜き去り、続くターンには更なる《思考囲い》を手札に引き入れたところで、ついにトップに《書かれざるものの視認》が公開される。

 三原の手札の《思考囲い》が見えているため、《軽蔑的な一撃》を構える意味がない中村はやむなくフルタップで《予知するスフィンクス》をプレイするのだが、《ニクスの祭殿、ニクソス》から《書かれざるものの視認》をプレイした三原が今度は一発で《世界を喰らう者、ポルクラノス》を降臨させる。

 これで盤面は五分か……というところで。



三原 槙仁 



三原 「で、もう1発」

 さらにそのターン中に《旅するサテュロス》《ニクスの祭殿、ニクソス》をアンタップし、手札から2枚目の《書かれざるものの視認》

 そう。三原はフラッドに陥っていたのではなく、中村の《軽蔑的な一撃》をかいくぐるべくずっと機を窺っていたのだ。

 「獰猛」で降臨したのは《破滅喚起の巨人》が2枚。「-4/-4」で中村のトークンを薙ぎ払い、さらに4/6が2体でプレッシャーをかける。

 中村も《軍族童の突発》《世界を喰らう者、ポルクラノス》「怪物化」を使わせてからの《急報》で急場をしのごうとするが。

三原 「それ、このターンで死んでるね」

 三原は前のターン、《思考囲い》を温存したまま《書かれざるものの視認》2発を通している。第1メインに撃たれると、《急報》を撃たざるをえなくなり……

 もはやサイズのよくわからなくなった『怪物化』《世界を喰らう者、ポルクラノス》が、中村を一息で屠った。

三原 2-0 中村