こんにちは!秋山です。
前回の記事ではソーラーフレアの原型の組み立てから3週間ほどの調整記録を書かせて頂きました。
中編となる今回では、初めて挑む大きな大会となったLMCC参加レポからGP広島を経て、世界選手権へ向けての調整過程をお送りしたいと思います。
3 《島》 3 《平地》 3 《沼》 4 《闇滑りの岸》 4 《氷河の城砦》 4 《孤立した礼拝堂》 3 《金属海の沿岸》 1 《水没した地下墓地》 1 《幽霊街》 1 《ネファリアの溺墓》 -土地(27)- 2 《瞬唱の魔道士》 2 《聖別されたスフィンクス》 2 《太陽のタイタン》 -クリーチャー(6)- | 4 《破滅の刃》 4 《マナ漏出》 3 《熟慮》 4 《雲散霧消》 4 《禁忌の錬金術》 2 《審判の日》 1 《堀葬の儀式》 1 《漸増爆弾》 3 《忘却の輪》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(28)- | 3 《ネファリアの溺墓》 3 《機を見た援軍》 2 《幻影の像》 2 《ワームとぐろエンジン》 1 《幽霊街》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《否認》 1 《漸増爆弾》 1 《審判の日》 -サイドボード(15)- |
今回はこのデッキを僕以外にも、坂東 潤一郎、今村 宏隆にもシェアして参加しました。
・Round1 白緑ビートダウン 〇〇
・Round2 ソーラーフレア(リアニメイト特化型) ×〇△
・Round3 赤単 〇〇
・Round4 ソーラーフレア(リアニメイト特化型) 〇〇
・Round5 ソーラーフレア 〇〇
・Round6 ソーラーフレア ××
・Round7 緑単ケッシグ ×〇〇
・Round8 バント殻 ××
負けた試合は
・Round6は相手が《禁忌の錬金術》を連打して、ハンドを肥やしてるにも関わらずこっちは《熟慮》1枚しか引けずリソースに差がついて負け×2
・Round8は先攻2ターン目の殻に対処出来なかったのと、土地が詰まってしまい負け
と言った内容で残念ながら5-2-1で惜しくもトップ8を逃してしまいました。
ほぼ同じデッキを使った今村君も5-2-1でしたが、坂東さんが見事優勝!
終わった後に聞いてみたところ、4色PWコンに負けた後は白緑人間、青白人間、赤緑ケッシグ、ソーラーフレア、青黒コンなどに当たり破竹の10連勝で優勝まで駆け抜けたみたいです。
ビートダウンには《審判の日》《破滅の刃》《漸増爆弾》が。
コントロールには《雲散霧消》《ネファリアの溺墓》が非常に頼もしかったと、概ね狙い通りの動きをしてくれた模様でした。
自分で優勝できなかったのは悔やまれますが、3人とも安定した勝率を出せたので、この時点ではデッキ構築もサイドボードもかなり満足でした。
そしてLMCCを終えて、次はGP広島に向けての調整を始めることになります。
とは言っても、残された時間は1週間。そこまで大幅なメタゲームの変化は無いでしょう。
個人的に想定していたGP広島のメタゲームは
Tier1.緑単or赤緑ケッシグ
Tier2.ソーラーフレア、青黒コントロール、白緑ビートダウン、赤単、出産の殻
といった感じです。
ソーラーフレアについて、LMCC後に同じデッキを使った2人と改善点などを話し合った結果は
・《瞬唱の魔道士》は汎用性が高くて強かった。増やそう!
ビートにもコントロールにもとても強かった。デッキにカウンターが増えたので、選ぶスペルの選択肢も増えてより強さが増しました。
早いビートダウンには重さを感じることもありますが、それでも増量に値すると思いました。
・《太陽のタイタン》が弱い場面が増えた
デッキにスペルが増えたので当然っちゃ当然ですね。
具体的には2ターン目からカウンターや除去をプレイし続け、《禁忌の錬金術》を打たずに6ターン目を迎えるなど。
ハマったときは強いことは強いのですが、そういうときもやはりあるので1枚くらいでいいかなぁと。
・同系におけるサイドボードの《ネファリアの溺墓》はとても強かったが…
バレてなかったから強かった説も濃厚で、ネタバレしてしまうとどうだろうという不安はありました。簡単に対処される訳では無いのですが、相手も同じ戦略を使ってきた場合にかなり運頼みになってしまうのが嫌ですね。
・おそらくトップメタである《ケッシグの狼の地》デッキに対して耐性がもう少し欲しい
現時点で五分から少し有利という感じだったので、よく当たりそうなことを考えるともう少し対策を《ケッシグの狼の地》に寄せてもいいかなと思いました。
と、言った感じです。
まぁデッキの方向性や根本は余りいじらずに、個々のパーツを少しいじってみようかなといったところですね。
僕は3バイを取るために直前GPTは出るつもりだったので、そこで最終調整をしていこうと思いました。
■10/28 直前GPT
参加レシピは以下
3 《島》 3 《平地》 3 《沼》 4 《闇滑りの岸》 3 《氷河の城砦》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《金属海の沿岸》 1 《水没した地下墓地》 1 《幽霊街》 1 《ネファリアの溺墓》 -土地(27)- 3 《瞬唱の魔道士》 2 《聖別されたスフィンクス》 1 《太陽のタイタン》 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(7)- | 3 《破滅の刃》 4 《マナ漏出》 3 《熟慮》 4 《雲散霧消》 4 《禁忌の錬金術》 3 《審判の日》 1 《堀葬の儀式》 3 《忘却の輪》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(28)- | 3 《ミラディンの十字軍》 2 《ネファリアの溺墓》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《機を見た援軍》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《幽霊街》 1 《否認》 1 《漸増爆弾》 1 《喉首狙い》 -サイドボード(15)- |
・サイドボードに《ミラディンの十字軍》《記憶の熟達者、ジェイス》の採用
会場を見渡してみると、やはり《ケッシグの狼の地》系のデッキがかなり多く見られたので、《最後のトロール、スラーン》を受け止めたり、《原初の狩人、ガラク》に殴りにいけたりと、攻守に渡って活躍してくれる《ミラディンの十字軍》を3枚採用することにしました。
青黒コントロールにも強いのもいいですね。
また直前GPTでは時間切れによる引き分けが無く、時間切れになった時点でのライフ差によって勝敗が決まってしまいます。
《ネファリアの溺墓》プランは確かに同系や青黒などには効果的なのですが、これだけではどうしてもゲーム時間が長引いてしまう為に時間切れの可能性があります。
そこで、アグレッシブに攻めることができて対処されなければ速やかに勝利に繋がる《記憶の熟達者、ジェイス》を採用しました。
・ランド調整
《氷河の城砦》→《金属海の沿岸》に変更。やはり序盤にもたついてしまうのはゲームの勝敗に大きく響くので、序盤に強い《金属海の沿岸》をフル採用。
序盤のタップインと終盤のタップインでは価値が違いますからね。
・フィニッシャー選択
前述の理由で《太陽のタイタン》が少し弱く感じたので、1枚《ワームとぐろエンジン》に変更。
会場に意外と赤単が多かったのも採用の理由の1つですね。
[直前GPT1回目]
・Round1 青緑ドレッジ 〇〇
・Round2 緑単ケッシグ 〇〇
・Round3 白緑ビートダウン 〇〇
・Round4 赤単 ×〇×
サイド後の最後の1枚で《瞬唱の魔道士》と《審判の日》のどっちの3枚目を残すか迷いに迷って《審判の日》を残した結果、ハンドに《審判の日》が3枚溜まって負けました(笑)
《機を見た援軍》はあったので、1枚《瞬唱の魔道士》にしてたら勝ってたなーと悔やみました。
気を取り直してGPT2回目に参加!
[直前GPT2回目]
・Round1 青白ブレード 〇〇
・Round2 赤単 ×〇〇
・Round3 青黒テゼレット 〇〇
・Round4 緑単ケッシグ 〇〇
・Round5 青白人間 ×〇〇
2回目にして無事3BYEを取ることが出来ました!これで俄然、本選にもやる気が出るというものです。
ただ最後に当たった青白人間は対戦経験が余り無かったのですが、対戦してみると想像以上にキツくて余り当たりたくないなと感じました。
どうやら聞くところによるとMOでかなり流行ってきているらしく、今回のGP広島の台風の目になるのではないか?という話になりました。
3 《島》 3 《平地》 3 《沼》 4 《闇滑りの岸》 3 《氷河の城砦》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《金属海の沿岸》 1 《水没した地下墓地》 2 《幽霊街》 -土地(27)- 3 《瞬唱の魔道士》 3 《聖別されたスフィンクス》 1 《太陽のタイタン》 -クリーチャー(7)- | 3 《破滅の刃》 4 《マナ漏出》 3 《熟慮》 4 《雲散霧消》 4 《禁忌の錬金術》 3 《審判の日》 1 《堀葬の儀式》 3 《忘却の輪》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(28)- | 3 《ミラディンの十字軍》 2 《ネファリアの溺墓》 2 《漸増爆弾》 2 《機を見た援軍》 2 《記憶の熟達者、ジェイス》 2 《ワームとぐろエンジン》 1 《虚無の呪文爆弾》 1 《否認》 -サイドボード(15)- |
・《聖別されたスフィンクス》の増量
どんな相手にも生き残れば単体で簡単に勝て、《忘却の輪》くらいしか対処法が無い白系のビートダウンに特に強いので増量。
・メインから《幽霊街》2枚
これは《ネファリアの溺墓》が効くデッキよりも、《幽霊街》が効くデッキの方がフィールドに多いと判断したためです。
特に《ケッシグの狼の地》デッキには効果的ですし、《ガヴォニーの居住区》や《ムーアランドの憑依地》《ネファリアの溺墓》と割りたいランドばかりですしね。
・サイドボードの改良
直前GPTで採用した《ミラディンの十字軍》と《記憶の熟達者、ジェイス》は想像通りの働きをしてくれてかなり好感触だったので続投することに。
白緑ビートダウンに加えて、青白人間も増加にあるということでそれらに強い《漸増爆弾》も復活。
《ケッシグの狼の地》デッキに強く、そしてそれ以外にも万遍に戦えるように組みました。
・Round1~3 BYE
・Round4 白緑人間 ×〇〇
・Round5 ソーラーフレア 〇×△
・Round6 赤緑ケッシグ 〇〇
・Round7 ソーラーフレア 〇〇
・Round8 赤単 ×〇〇
・Round9 ソーラーフレア(浅原晃さん) 〇××
最後の浅原さん戦は、3本目に入った時点で残り10分程度しか無く、仕方なく《ミラディンの十字軍》などアグレッシブサイドプランを取るものの《忘却の輪》や《ヴェールのリリアナ》で裁かれてしまい負け。
それでも初日は7-1-1とまずまずの成績で終えることができました。
トップ8に残る為には2日目5-1がボーダーといったところですね。
・Round10 赤緑ケッシグ 〇〇
・Round11 赤単 ×〇×
・Round12 青黒コン ××
・Round13 ソーラーフレア 〇×〇
・Round14 エスパーブレード 〇×〇
・Round15 緑単ケッシグ 〇×〇
Round11の赤単には一進一退で迎えた3本目、相手の2T3T《燃え上がる憤怒の祭殿》を1枚対処できずに育てられて焼死。
Round12の青黒にはメインは完封され、2本目も相手の4Tからの《ネファリアの溺墓》でこちらの攻め手がほとんど落ちてしまいライブラリーアウト負けしてしまいました。
最終結果は11-3-1の33位。あと一勝が遠かった……
しかし、同じデッキを使った浅原さんが見事トップ8入りを果たし、見事4位という好成績を残してくれました!LMCCに続き、肝心の自分は勝てなかったのであまり自慢にはならないかもしれませんが(笑)
それよりも驚くべきことはGP広島のトップ8に残ったデッキ達です。
《ケッシグの狼の地》デッキが0!?
青白人間がなんと3!!
そして白緑ビートダウン、赤単殻、鍛えられた鋼、ソーラーフレア。
台風の目になると思われてた青白人間は台風どころの騒ぎじゃない躍進を見せましたね。
8 《森》 4 《平地》 4 《剃刀境の茂み》 4 《陽花弁の木立ち》 4 《ガヴォニーの居住区》 -土地(24)- 4 《アヴァシンの巡礼者》 4 《極楽鳥》 2 《月皇ミケウス》 4 《ミラディンの十字軍》 2 《刃の接合者》 4 《刃砦の英雄》 2 《霊誉の僧兵》 -クリーチャー(22)- | 3 《踏み荒らし》 2 《迫撃鞘》 3 《忘却の輪》 3 《情け知らずのガラク》 3 《エルズペス・ティレル》 -呪文(14)- | 2 《天界の粛清》 2 《帰化》 2 《饗宴と飢餓の剣》 2 《戦争と平和の剣》 2 《最後のトロール、スラーン》 1 《悪鬼の狩人》 1 《忘却の輪》 1 《情け知らずのガラク》 1 《原初の狩人、ガラク》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 -サイドボード(15)- |
優勝もMartin Juzaの白緑ビートダウンでしたし、《古えの遺恨》で死滅したと思われた《鍛えられた鋼》も復権と、メタゲームの変化を感じられずにはいられませんでした。
一ヵ月後に行われる世界選手権に向けて、このメタゲームの変化を見逃さずに調整をしていかないといけないな、と強く感じました。
■11/1~11/17 世界選手権へ向けて
GP広島も終わり、次は世界選手権です。
ご存知の通り、世界選手権はスタンダード・リミテッド・モダンの3種目で行われます。
これまでスタンダードばかりやっていたせいで他のフォーマットの練習が不足していたので、しばらくはリミテッドとモダンの調整に時間を割くことになります。
なんせモダンに関しては先ほど行われたPTフィラデルフィアにも参加していませんし、何より禁止カードの変更により全く未知なフォーマットなので右も左もわかりません(笑)
とにかく想定されるデッキを全て作って、対戦して、あわよくば新たなデッキの開発……と時間がいくらあっても足りない状態でした。
そこでとりあえずスタンダードに関しては、主にMOのトーナメントや国内・国外の大会に目を通してメタゲームの推移を追っていこうかなと。やはり海外の大会となると、MOのメタゲームは非常に参考になります。
実際のメタゲームより多少進んでることも多いですし、海外のプレイヤーの好みのデッキなどもあるので、国内だけで考えていてはダメですね。
そんな感じで日々モダンに四苦八苦しつつ、ネットでデッキを見ているとかなり怪しげなデッキが勢力を増してきました。なんだこりゃ?
10 《島》 4 《金属海の沿岸》 3 《氷河の城砦》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《幻影の熊》 4 《非実在の王》 4 《幻影の像》 4 《瞬唱の魔道士》 1 《縫い合わせのドレイク》 -クリーチャー(21)- | 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 3 《蒸気の絡みつき》 2 《はらわた撃ち》 4 《マナ漏出》 2 《四肢切断》 -呪文(19)- |
2 《精神的つまづき》 2 《瞬間凍結》 2 《雲散霧消》 2 《縫い合わせのドレイク》 2 《機を見た援軍》 1 《ムーアランドの憑依地》 1 《はらわた撃ち》 1 《否認》 1 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
形は違えどタイプ分けするなら、《瞬唱の魔道士》《秘密を掘り下げる者》を軸にした青+αのクロックパーミッションといったところでしょうか。あまり強くはなさそうだなーと思っていたのですが、MOなどでかなり勝っていたので見過ごす訳にはいかず実際に組んで回してみました。
赤単や火力多めの《ケッシグの狼の地》デッキなどには弱いのですが、コントロールに対しての強さはかなりのもの。またブン周りはどのデッキに対してもとても強烈で、クロックパーミッションというデッキの性質上、相手に何もさせずに勝ってしまうゲームも少なくありません。
肝心のソーラーフレアとの戦跡は、と言うとやはりイリュージョンが少し有利かなといったところでした。
練習を重ねるうちに戦い方もわかってきたのですが、クロック用意→カウンター×∞のどうしようもないゲームは存在します。こちらとしてはいかに相手のクロックを裁くか。とにかく場にクロックを失くしてゲームを長期戦にすることが大事です。
それこそ1体の生物に《審判の日》を打ってもいいですし、プレイで迷ったら盤面を綺麗にすることを優先すべきですね。
このマッチアップで重要なのは何より除去です。そしてカウンターが有効に使えない場面が多く、弱いです。
確実にメタゲームは動いていて、《ケッシグの狼の地》、ソーラフレアが支配していた環境初期に比べて、ビートダウン寄りになってきているなと感じました。
と、世界選手権でのメタゲームも見えてきて、これに合わせてデッキを調整していくことになります。
中編となる今回はここで終わりたいと思います。
次回は最後の後編!世界選手権の参加レポとソーラーフレアのまとめについて書いていきたいと思います。
また次も宜しくお願いします!