The Last Sun 2013予選@晴れる屋スタンダード杯の様子をレポート第2弾!!

happymtg編集チーム

By Atsushi Ito

 プロツアー・テーロスも終わり、テーロスもすっかりスタンダード環境に馴染んだこの時期に。

 『The Last Sun2013』本戦の権利を獲得するべく、59名が晴れる屋トーナメントセンターに集った。

 プロプレイヤーによって示されたいくつもの道筋。その道筋を辿るのか、あるいはまた新たな道を開拓するのか。

 プレイヤーたちのデッキ構築能力が、今こそ試されている。

 そして年末には。

 グランプリ・静岡14が控えているのだ。

 スタンダードは、今まさに。

 旬を迎えた。

1.メタゲームブレークダウン
2.Round4カバレージ
3.Round6カバレージ
4.優勝者インタビュー
5.The Last Sun2013予選@晴れる屋スタンダード杯 トップ16
6.トップ16デッキリスト
7.今後の予選スケジュール







1.メタゲームブレークダウン






 前回の予選と比較すれば一目瞭然だが。

 1か月足らずの間に、メタゲームは明らかに様変わりした。

 青単、黒単、緑単という、『信心』系単色デッキの台頭。

 しかしそれだけではない。

 プロツアーのメタゲームから一歩先に進んだ結果、それぞれがタッチカラーの検討に余念がない。

 また、この『信心』過多のメタゲームを読み切り、狙いすましたコントロールで迎え撃とうという勢力も少なからず存在する。

 依然として一強デッキが存在しない、過酷なメタゲームの中で。

 先んじて抜け出すのは、いったいどのアーキタイプなのだろうか。


2.Round4カバレージ

Round 4: 舘野 智昭(東京) vs. 瀧村 和幸(神奈川)

 ここまで順調に3-0し、1番テーブルでフィーチャーマッチに選ばれたのは、瀧村。

 今年のワールドマジックカップ東京予選では準々決勝で『らっしゅ』高橋 純也に敗れ苦杯を嘗めたものの、その実力は確かなようだ。

 瀧村のデッキはもはやお馴染みとなった青単信心だが、対する舘野はトリコロールタッチ《思考囲い》という異色のデッキ。

 舘野のカードチョイスで瀧村を翻弄することができるかが焦点になりそうだ。

Game 1

 後手の舘野がマリガン。瀧村は早速《審判官の使い魔》から《潮縛りの魔道士》と攻め立てる。一方の舘野は《前兆語り》を送り出すが、瀧村は意に介さず《夜帷の死霊》で制空権をとりにいく。

 続く瀧村の《思考を築く者、ジェイス》《中略》され……しかしフルタップのこれに《審判官の使い魔》を合わせなかった瀧村。返すターンに舘野の《至高の評決》をもろに食らってしまう。

 一転してリソースが厳しい瀧村、《潮縛りの魔道士》《変わり谷》と再展開してクロックを維持しようとするが、《潮縛りの魔道士》には《拘留の宝球》が合わせられる。

 残るクロックは《変わり谷》のわずか2点。万事休すか。





 ……だが、一方で舘野の残り手札は土地とカウンター呪文ばかり。

 この《変わり谷》が、全く止まらない。

 エンド前の《拘留の宝球》を対象とした《サイクロンの裂け目》こそ、何とか《中略》するものの。

 続く《波使い》によって強化された《変わり谷》に、ぴったり残り3点を削り取られてしまった。

舘野 0-1 瀧村


Game 2

 《思考囲い》《波使い》《波使い》《思考を築く者、ジェイス》《夜帷の死霊》というラインナップから《夜帷の死霊》を抜く順調なスタートを切った舘野。

 だが、瀧村がトップした《凍結燃焼の奇魔》をキャストした返し、今度は3枚目の土地が置けない。

 この隙に瀧村、《変わり谷》をセットすると、舘野がトップした《前兆語り》を容赦なく《反論》





 そしてついに。

 舘野の場には2枚の土地しかないのに。

 瀧村の場に《波使い》が降臨してしまう。

 何をどうやっても《至高の評決》が撃てない舘野。

 最後のドローは……

 舘野を嘲笑うかのような《スフィンクスの啓示》だった。

舘野 0-2 瀧村




3.Round6カバレージ

Round 6: 富沢 翔大(神奈川) vs. 徳山 善彦(埼玉)

 ついに最終戦。

 ここまで4-0-1、見事に2番テーブルで無敗対決となったのは、富沢と徳山。

 隣の1番テーブルで戦う唯一の全勝、瀧村の勝敗次第では、優勝も狙える位置につけた2人。

 そんな2人が駆るのは、テーロスが生み出した青いビートダウン。

 青単信心の同型対決だ。

 富沢はタッチ黒、徳山は純正と、対照的な選択だが。

 はたして、どちらがより上手い《波使い》使いとなるか。

Game 1

 先手の富沢が徳山の《潮縛りの魔道士》に対して《夜帷の死霊》をプレイする立ち上がり。さらに徳山の《凍結燃焼の奇魔》《家畜化》することに成功する。

 返すターンに4枚目の土地が置けない徳山、仕方なく《海の神、タッサ》をプレイして次に備えるが、ここで富沢がセットしたのは何と《ニクスの祭殿、ニクソス》!!

 7マナから《波使い》をプレイ、トークン8体を生み出すと、さらに《凍結燃焼の奇魔》を4/1にし、《潮縛りの魔道士》《究極の価格》を打ち込んでフルアタック。うっかりパワーを4以上にしてしまったため《家畜化》は剥がれるが、徳山を一方的に追い詰める展開。

 だが徳山も、《急速混成》を2連打して富沢の脅威を一時的に取り除くと、《思考を築く者、ジェイス》で攻勢を押しとどめにいく。

 それでも、ここまでの攻防で残りライフが4しかない徳山。

 富沢が《海の神、タッサ》をプレイすると、ブロック不可となった生物たちに一息に蹂躙されてしまった。

富沢 1-0 徳山

Game 2

 徳山、一転して《雲ヒレの猛禽》から《凍結燃焼の奇魔》というロケットスタート。富沢も《前兆語り》からの《夜帷の死霊》で応えるが、《凍結燃焼の奇魔》が止まらない。さらに《夜帷の死霊》を追加する徳山。

 しかし富沢はここで《思考を築く者、ジェイス》をキャスト。即座に+1し、徳山の攻勢を一気に押しとどめる。徳山もフルパンで《思考を築く者、ジェイス》の忠誠値を1にするが、《潮縛りの魔道士》《凍結燃焼の奇魔》が止められると、《悪夢の織り手、アショク》こそ《否認》するものの、あと一歩で《思考を築く者、ジェイス》が殺せない。

 ならばこちらもと《思考を築く者、ジェイス》をプレイした徳山。-能力で手札を拡充し、次々とパーマネントを展開。圧倒的な物量差で富沢を押しつぶそうとする。さらに続くターン、《ニクスの祭殿、ニクソス》から膨大なマナを出しつつの再びの-能力で《海の神、タッサ》《波使い》《変わり谷》をめくると、《海の神、タッサ》を手札に加え、ついに富沢の防御の要だった《思考を築く者、ジェイス》を打ち落とすことに成功する。

 返しの《夜帷の死霊》で徳山のライブラリから《波使い》がめくられるも、既に《海の神、タッサ》と十分なマナをコントロールしている徳山。すべてのクリーチャーをアンブロッカブルにし、11点アタック!!





 富沢のライフは、わずかに残り1。

 破れかぶれでアタックした《夜帷の死霊》……しかし。

 このタイミングでめくられたのは、徳山の《サイクロンの裂け目》!!

 だが、徳山は既に《海の神、タッサ》を有しており。

 落ち着いてクリーチャーを出しなおすと、続くターンにアンブロッカブルで富沢を介錯。決着は3本目に持ち越された。

富沢 1-1 徳山

Game 3

 淡々とした立ち上がりから、互いの《夜帷の死霊》が睨み合う中盤戦。

 徳山の《急速混成》《否認》され、《波使い》《究極の価格》。さらに《思考を築く者、ジェイス》には《反論》

 富沢の完璧な防御網だが、お互い決め手がない。





 幾らかのドローゴーを経て。そしてついに、ゲームが動いた。

 徳山、《サイクロンの裂け目》で富沢の《夜帷の死霊》を戻すと、出しなおしたところで《解消》を合わせる!!

 こうなると徳山の《夜帷の死霊》に支配された格好となってしまった富沢。

 どうにか《波使い》をプレイするものの、徳山の《夜帷の死霊》《波使い》をめくられると、ダメ押しに《急速混成》で自身の《波使い》だけが除去されてしまい。

 圧倒的なエレメンタルトークンのパワーを前に、富沢が沈んだ。

富沢 1-2 徳山


4.優勝者インタビュー


--「優勝おめでとうございます。瀧村さんはマジック歴は長いんですか?」

瀧村 「ありがとうございます。僕はウルザブロックあたりでちょっとやってて、でも途中でやめて、イニストラードで復帰した組ですね」

--「今回のデッキは青単信心のようですが、何か工夫した点などあれば教えてください」

瀧村 「ほとんど完コピなんで、特にないですね。最近テーロスリミテッドをよくやっていて、その影響でサイドに《トリトンの戦術》を入れているくらいかな。このカード爆裂シャクれますよね」

--「今日は爆裂シャクったんでしょうか」

瀧村 「いえ、一度も使いませんでした(笑) コントロール系と多く当たったので……」

--「青単信心は今メタゲーム的にはどうなんでしょう。2色目をタッチした形もよく見られますが」

瀧村 「日本では黒単が多いですが、青単信心側には相手が対処しなければいけないカードが多く入っているので、悪くないと思いますよ。相手が除去を撃ちたいときに《審判官の使い魔》が睨みをきかせたりしますしね。2色目タッチは黒とか白とか色々試しましたけど、どうもしっくりこなかったです。この痩せビート型が一番手に馴染みましたね」

--「ありがとうございました。最後に写真を1枚撮らせていただけますでしょうか」

瀧村 「あ、じゃあまつがんさんも一緒に写りましょうよ!」

--「!?」





 ワールドマジックカップ東京予選での経験もあってか。

 瀧村はフィーチャーマッチくらいでは動じない強靭なメンタリティの持ち主である、という印象を受けた。

 きっと『The Last Sun2013』本戦でも、その抜群の安定感を見せつけてくれることだろう。


瀧村 和幸 「mono pig devotion」
The Last Sun2013予選@晴れる屋スタンダード杯6-0 (1位)

20 《島》
4 《変わり谷》
1 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-土地(25)-

4 《雲ヒレの猛禽》
4 《審判官の使い魔》
4 《凍結燃焼の奇魔》
4 《潮縛りの魔道士》
4 《海の神、タッサ》
4 《夜帷の死霊》
4 《波使い》

-クリーチャー(28)-
1 《急速混成》
2 《サイクロンの裂け目》
2 《タッサの二叉槍》
2 《思考を築く者、ジェイス》

-呪文(7)-
3 《反論》
2 《急速混成》
2 《否認》
2 《家畜化》
2 《思考を築く者、ジェイス》
1 《霊異種》
1 《トリトンの戦術》
1 《真髄の針》
1 《ニクスの祭殿、ニクソス》

-サイドボード(15)-
hareruya


潮縛りの魔道士波使いトリトンの戦術





5.The Last Sun2013予選@晴れる屋スタンダード杯 トップ16






1.Takimura Kazuyuki
2.Tokuyama Yoshihiko
3.Liu Yuchen
4.Tsurifune Takashi
5.Kogure Takamasa
6.Hoshino Masaaki
7.Tomizawa Shoudai
8.Tani Osamu
9.Yajima Yasunori
10.Aizawa Keiji
11.Kamo Riki
12.Yokoya Hajime
13.Takao Shota
14.Honma Rie
15.Mishima Hideo
16.Yamada Toshihiro


 以上16名の方々、権利獲得おめでとうございます!『The Last Sun2013』本戦も頑張ってください!!


6.トップ16デッキリスト


 栄えある予選通過者たちのデッキリストは【こちら】



7.今後の予選スケジュール

 今後も、各地で続々と予選大会が行われる予定です!
 皆さん、奮ってご参加ください!


『The Last Sun 2013』予選大会のスケジュールは【こちら】