By Shin Tomizawa
The Last Sunも二度目の開催を迎え、年末を締めくくるイベントとして定着してきた感がある。
今年の総まとめとしてのイベントらしく、今年勢いがあったプレイヤー同士の対戦をお届けしよう。
第2ラウンドフィーチャーテーブルに呼ばれたのは現「スタンダード神」瀬尾 健太。なんでも大きな大会の戴冠は初めてだという。今年はマジック的には良い年だったのではないか。
対するはGP名古屋準優勝、第2回BMO両種目入賞と、国内で今年勢いがあった選手といえば真っ先に名前が挙がるプレイヤーの一人、朴 高志。
神の座を射止めたジェスカイ・トークンを選択した瀬尾と、BMOに持ち込んだものと同様の赤単を駆る朴。
お互いに得意デッキを持ち込んだ二人の注目の対戦だ。
Game 1
「スタンダード神」瀬尾が先手を確保。
瀬尾のオープニングハンドは、呪文は潤沢だが土地が《凱旋の神殿》のみといったもの。
手札を見て熟考し、スタートを決断した。
対する朴はやや土地が多いものの、マリガンするほどではないと判断したか、7枚の初手をキープした。
気になる占術の結果は満足いく物だったようで、瀬尾はライブラリトップを動かすことなくターンを終えた。
朴は順調に《火飲みのサテュロス》から立ち上がる。
瀬尾がこれに対して先ほど見つけたフェッチランドから《稲妻の一撃》で処理すると、朴は土地を置くのみ。どうにも動きが鈍いか?
朴 高志 |
瀬尾の2度目のドローは土地をトップデッキとはいかず、《道の探求者》を呼び出してターン終了。
対照的に朴は2連続土地をドローしてマナフラッド気味な様子。ひとまず《軍族童の突発》で戦線を固める。
瀬尾は《道の探求者》をゴブリン軍団を意に介さず攻撃に送り出して2点を通し、何も唱えずにターンエンド。
朴もすれ違いとばかりに3体のトークンの攻撃を浴びせ、さらに《軍族童の突発》をおかわり。
再度瀬尾の攻撃の手番。3匹のゴブリンが《道の探求者》の攻撃を受け止めると、瀬尾は待ってましたとばかりに1体に《稲妻の一撃》。
だが、待っていたのは朴の方。対応して《かき立てる炎》を《道の探求者》に打ち込み、見事に1対2の交換を成功させる。
朴は勢いよく全軍を突撃させ、ダメージレースでも大幅に優位に。
瀬尾がようやく3枚目の土地を引き込み、《ゴブリンの熟練扇動者》を呼び出すが、朴はまたも待ってましたとばかりにタップアウトの隙を突いて、《凱旋の間》と《槌手》を使い、10点以上も残っていた瀬尾のライフを一息に奪い尽くした。
朴 1-0 瀬尾
Game 2
再び先手は瀬尾。またも土地1枚の初手を、今度はそれが《平地》だったため即マリガンを選択した。
朴も「僕もお付き合いします」と苦笑してマリガンを宣言。
お互いに6枚の手札でゲームは始まった。
《凱旋の神殿》で、今度はカードをライブラリの底に送った瀬尾に対して朴は《僧院の速槍》でいきなりの辻斬りを。
2ターン目に第1ゲームと同じく《道の探求者》を召還する瀬尾。
朴は即座に《灼熱の血》を浴びせて、ライフ20点という目標に向かって大きく前進。
瀬尾の残りライフは第2ターンにして既に14。これがスタンダードのトップスピードか。
続く3ターン目、瀬尾は《僧院の速槍》と《神々の憤怒》を交換し、朴は《国境地帯の匪賊》を続ける。
瀬尾は《軍族童の突発》で防御を固めるが、朴は《国境地帯の匪賊》に《モーギスの軍用犬》を「授与」して攻撃の手を緩めない。瀬尾はトークン1体と引き換えにダメージを防ぐことを選択した。
さてここで瀬尾が長考に入った。
《ゴブリンの熟練扇動者》を呼び出すか、《稲妻の一撃》を構えるか。
結局《ゴブリンの熟練扇動者》で殴り合う選択を取り、ゴブリントークン全軍が勢いよくレッドゾーンに飛び出していくが、朴が握っていたのは、瀬尾にとってはあまりにも重い2枚目の《灼熱の血》!
さらに《激情のゴブリン》を戦線に追加すると、瀬尾はもう防戦一方といった雰囲気だ。
ゴブリントークンのブロックと《稲妻の一撃》を使って5/4の《国境地帯の匪賊》こそ排除したものの、さらに《国境地帯の匪賊》を追加され、続くターンには全軍の攻撃が。
これを《急報》で迎え撃ち、残ったライフを狙った《稲妻の一撃》を《否認》しと、ようやくリソースをフラットに持ち込んだが、瀬尾の残りライフは3まで追い詰められてしまった。
朴が最後の一押しを引き込むとそれを即座に処理する瀬尾。この交換を数回繰り返すが逆転のトップデッキには及ばず、生き残った《国境地帯の匪賊》が瀬尾を介錯した。
瀬尾 健太 |
朴 2-0 瀬尾