みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームの大久保です。
今回はスタンダードのローテーション直前ということで、特集記事をご用意させていただきました。ローテーション変更に関するみなさんの疑問点などを解消できれば幸いです。
残りわずかな期間となった『タルキール覇王譚』~『ゲートウォッチの誓い』環境を存分に楽しみつつ、『イニストラードを覆う影』リリースに備えていきましょう!
1. ローテーション変更について
本項では『イニストラードを覆う影』リリース以降のローテーション変更について改めてまとめています。特に目新しいことを書いているわけでもないので、すでにご存じの方は読み飛ばしていただいても問題ありません。
だいたい今から1年半前、2014年8月25日掲載の【公式記事「変身」】にてスタンダードフォーマットのローテーション変更について発表されました。
ここで述べられている重大な変更点をまとめると、下記のようになります。
・1ブロック2セット制への変更
・『基本セット』の廃止
・ローテーション変更
・『基本セット』の廃止
・ローテーション変更
各変更点について順番に解説していきましょう。変更の理由については【公式記事「変身」】で詳細に語られています。
■ 1ブロック2セット制への変更
まずは1ブロック2セット制への変更。『タルキール覇王譚』ブロック以前よりマジックをプレイされていた方はすでに理解していらっしゃると思いますが、これまで『タルキール覇王譚』『運命再編』『タルキール龍紀伝』のように3セットで構成されていたブロックが、今後は2セットで1ブロックになります。
現に、『戦乱のゼンディカー』ブロックは1ブロック2セット(『戦乱のゼンディカー』+『ゲートウォッチの誓い』)で構成されていますね。今後はすべてのブロックがこのように変更されます。セットリリースのスパン自体は変更がないので、約3ヵ月に1セットがリリースされ、半年で1ブロックが完結することになります。
■ 『基本セット』の廃止
もしかすると、ここ1年以内にマジックを始められた方は「そもそも『基本セット』って何?」と思うかもしれません。そういった方は、便宜上『マジック・オリジン』と読み替えていただいても結構です。
今年から『基本セット』に該当するセットは廃止されます。例年であれば『基本セット』は夏ごろに発売されていましたが、今年は『基本セット』に代わり『イニストラードを覆う影』ブロックの第2セットである『異界月』がリリースされます。
■ ローテーション変更
さて本題です。これまでスタンダードでは最大で2年分(24ヵ月)のセットを使用することができましたが、今年からは最大で1年半分(18ヵ月)になります。
直感的に分かりやすいように、これまでのローテーションと比較しましょう。
2015年7月17日(金)時点でスタンダードリーガルのセット(発売順) ◆『テーロス』 ◆『神々の軍勢』 ◆『ニクスへの旅』 ◆『マジック基本セット2015』 ◆『タルキール覇王譚』 ◆『運命再編』 ◆『タルキール龍紀伝』 ◆『マジック・オリジン』 |
2016年4月8日(金)時点でスタンダードリーガルのセット(発売順) ◆『タルキール龍紀伝』 ◆『マジック・オリジン』 ◆『戦乱のゼンディカー』 ◆『ゲートウォッチの誓い』 ◆『イニストラードを覆う影』 (7月22日に『異界月』が加わる) |
スタンダードで使用できるセットの数の差異が一目瞭然ですね。
■ 『タルキール覇王譚』と『運命再編』
『タルキール覇王譚』ブロックは旧体制(1ブロック3セット)でリリースされていたため、ローテーション変更の辻褄を合わせるために『タルキール覇王譚』と『運命再編』だけがスタンダード落ちすることになります。
これまでは1ブロックが丸ごとスタンダードから姿を消していたので、ちょっと違和感がありますね。この違和感がローテーション変更の理解の妨げになっていた、という方もいらっしゃったかと思います。
2016年秋のスタンダードリーガルのセット(発売順) ◆『戦乱のゼンディカー』 ◆『ゲートウォッチの誓い』 ◆『イニストラードを覆う影』 ◆『異界月』 ◆コードネーム『Lock』 (2017年冬にコードネーム『Stock』が加わる) |
そして、2016年秋にはコードネーム『Lock』がリリースされます。このとき『タルキール龍紀伝』と『マジック・オリジン』がスタンダード落ちすることになります。
■ 新ローテーション制度まとめ
今後は新ブロックの第1エキスパンションがリリースされるたびに、最も古いブロックがスタンダード落ちするということです。1年に1回だったローテーションは1年に2回になりますね。ちなみに新ブロックの第1エキスパンションとは、ブロック名を冠するセットのことを指します。
要するに、今後は春と秋にローテーションが起こり、2セットずつスタンダード落ちすると覚えておいても差し支えはないでしょう(※例外が発生しない限り)。
上のラインが従来のローテーション、下のラインがこれからのローテーションを表しています。
2. スタンダードから姿を消すカードたち
さて、ローテーションの変更についてはご理解いただけましたでしょうか?
本項では、『タルキール覇王譚』と『運命再編』に収録されて長らくスタンダードの核を担ってきた、スタンダードから姿を消すカードについてまとめたいと思います。
■ 強すぎたクリーチャー
『タルキール覇王譚』と『運命再編』は楔の3色をテーマにしたセットでした。ジェスカイ、ティムール、アブザン、マルドゥ、スゥルタイ……これらの5つの氏族はそれぞれが非常に特徴的で、『タルキール覇王譚』リリース以降常にスタンダード環境には氏族を象徴するカードが活躍していました。
最たる例でいえば、この2枚でしょうか。登場から長らく「アブザンアグロ」や「ジェスカイミッドレンジ」でエースを務め、スタンダードの顔だったこのクリーチャーたちはスタンダード落ちしてしまいます。これからは《焙り焼き》や《引き裂く流弾》をプレイするたびに少し甘酸っぱい気分になりそうです。
■ 歴代最強のドロー呪文
そして他にも大きな変化はあります。「探査」呪文がスタンダードから姿を消すことです。
《時を越えた探索》と《宝船の巡航》。4月8日(火)以降、これらを4枚使える公式フォーマットは存在しなくなります。とはいえヴィンテージであれば(1枚だけですが)これらのカードを使用することができるので、これを機に下の環境に触れてみるというのもいいかもしれませんね。
■ 超多色環境との別れ
もしかすると、これが一番大きな変化かもしれません。フェッチランドが落ちます。
これまで『戦乱のゼンディカー』のバトルランドとの組み合わせで幅を利かせていたフェッチランド。「ダークジェスカイ」や「アブザンブルー」、果ては「5色《白日の下に》」と環境の多色化に大きく寄与してきました。
こうして見ると、これまでのスタンダードは歴代最強クラスのドロー呪文と歴代最高クラスの色マナ基盤の両方が揃っていた環境だったんですね。恐ろしや……。
■ いぶし銀の活躍を見せたカード
最後に、その強力なカードパワーからスタンダードフォーマットにおいて高い使用率を誇っていたカードたちを見てみましょう。
他にもたくさんあるとは思いますが、主たるところで言えばこの4枚などでしょうか。これらはいずれもフォーマットの垣根を超えて活躍を見せています。
こうして振り返ってみると、『タルキール覇王譚』と『運命再編』のカードはスタンダードはもちろんのこと、モダンやレガシー、果てはヴィンテージまでをも激変させた非常にカードパワーの高いセットでした。
逆を言えば、下のフォーマットをプレイしている方にとっては、これからも末永くこれらのカードと付き合っていくことになるのでしょう。『タルキール覇王譚』リリース以降、モダンやレガシーに参入したという方も多そうですね。
3. スタンダードに残るカードたち
スタンダードはローテーションを迎えますが、何もすべてのカードが入れ替わるわけではありません。
本項では、『タルキール龍紀伝』、『マジック・オリジン』および『戦乱のゼンディカー』ブロックに収録され、現在スタンダードで活躍中のカードをまとめていきたいと思います。
■ 若き日のプレインズウォーカー
まず、現行スタンダード環境でもっとも多く使用されているであろう2マナクリーチャーからご紹介します。
《ヴリンの神童、ジェイス》。『マジック・オリジン』に収録されていた彼は、まだまだ秋まで現役です。ルーター能力により墓地が肥やせるため「探査」と相性がよかったジェイスですが、これからは「マッドネス」との組み合わせでますます活躍してくれることでしょう。
また、多くの緑系デッキに採用されていた《巨森の予見者、ニッサ》はローテーションによる被害も恩恵も少なく、これからもコンスタントに使われそうですね。
《異端の癒し手、リリアナ》に関しては《先祖の結集》がスタンダードから姿を消しますが、その相棒である《ナントゥーコの鞘虫》は健在なため未知数です。特に《ナントゥーコの鞘虫》は種族が「ゾンビ」なので、『イニストラードを覆う影』で思わぬ化学反応が発生するかもしれません。
■ ドラゴンの舞う空
前後してしまいましたが、『タルキール龍紀伝』もスタンダードに残るということで龍王たちもまだまだその雄姿を見せてくれることでしょう。
特に現行スタンダードでも採用実績の高かったこの3枚は次の環境でも頭一つ抜けて強い存在となりそうですね。《シルムガルの嘲笑》、《忌呪の発動》、《龍詞の咆哮》といったドラゴンボーナス呪文も一緒にどうぞ。
ただし、《嵐の憤怒、コラガン》や《漂う死、シルムガル》は『運命再編』のカードなので、スタンダード落ちしてしまいます。ローテーションを迎えたあともうっかりデッキ内に入れていた、などということがないように気をつけましょう。
■ 最強の捕食者・エルドラージ
モダン・レガシーでも大暴れしている『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』のエルドラージとはスタンダードでは2017年春までの付き合いになります。
『タルキール覇王譚』の《幽霊火の刃》は落ちてしまうため、現行スタンダード環境の「青単エルドラージ」のようなウィニータイプのデッキは数を減らす可能性がありますが、『タルキール龍紀伝』の《爆発的植生》などは残るためランプデッキも引き続き脅威となりそうです。
もちろんエルドラージだけでなく、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》のようなカードも健在です。
《反射魔道士》などは今後も環境を定義する1枚になりそうです。《ゲトの裏切り者、カリタス》も上述の《ナントゥーコの鞘虫》のように、『イニストラードを覆う影』の新カードとシナジーを見つけ出す可能性がありそうですね。
■ まだまだたくさん!強力なカードたち
『タルキール龍紀伝』と『マジック・オリジン』からそれぞれ象徴的なカードをご紹介させていただきましたが、まだまだ他にも強力なカードはたくさんあります。
これらのカードと『イニストラードを覆う影』の新カードがどのような融合を果たすのか、今から楽しみです。ローテーションによる環境の激動はスタンダードの醍醐味の一つでしょう。
4. 終わりに
「ローテーション変更について」「スタンダードから姿を消すカードたち」「スタンダードに残るカードたち」と3つの段落で語らせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
今回のローテーションの変更で、スタンダードは誰もが知らない世界へと移り変わります。何しろ3ブロック(※『タルキール龍紀伝』+『マジック・オリジン』を1ブロックに換算)で構成されたスタンダードなんて、プロプレイヤーだって経験したことはありません。これからどんな環境になっていくのか、楽しみですね。
あるいは最近マジックをはじめられたという初心者の方にとっては、はじめてのローテーションかもしれません。長い間連れ添ったカードとの別れは寂しいかとは思いますが、ぜひ気持ちを前向きに、新セット『イニストラードを覆う影』のカードとともに楽しんでいきましょう。
公式フォーマットで《時を越えた探索》や《宝船の巡航》が4枚使用できる最後の期間ですので、むしろ積極的に大会に参加してこれらの呪文をプレイするのもいいかもしれませんね。
4月8日(金)発売予定の『イニストラードを覆う影』。注目のプレインズウォーカーも続々収録されており、リリースされる日が待ち遠しいですね!
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