Deck Tech: 村田 淳の「Perfect Dredge」

晴れる屋

晴れる屋

By Hiroshi Okubo





 『BIGMAGIC協賛「Adam Paquette直筆プレイマット争奪モダン」』の上位テーブルに、何やら人だかりができていた。有名なプレイヤー同士のマッチアップだろうか? と近くにあったペアリング表を見てみたが、どうやらそういうわけでもなさそうである。

 好奇心に駆られてその卓へと近づいてみると、テーブル上では悪夢のような光景が繰り広げられていた。


 まず目を引くのは墓地と思しきエリアだ。そこにはカードが大量に、しかし整然と並べられていた。まるで誇示するかのように。

 次に戦場に目を移すと、数多の《秘蔵の縫合体》《恐血鬼》が一斉攻撃を仕掛けている最中だった。互いの土地の枚数から察するにどうやらゲーム開始から数ターンしか経過していないようだったが、対戦相手のジャンドはもはや虫の息である。


秘蔵の縫合体恐血鬼黄泉からの橋


 4/5の《タルモゴイフ》がかろうじて《秘蔵の縫合体》を1体ブロックするが、今度は墓地の《黄泉からの橋》の誘発型能力によってゾンビトークンが戦場に並び始める。ジャンドを使用していたそのプレイヤーは最後のドローを確認すると、潔くカードを片付け始めるのだった……


 《ゴルガリの墓トロール》解禁から1年と3ヵ月。これまでに数多のデッキビルダーが構築に挑み、そして夢半ばに敗れてきたアーキタイプ、ドレッジ。


戦慄の復活


 《戦慄の復活》が禁止されているモダン環境において、そのアーキタイプに最も最適なカードは何なのか? 《復讐蔦》《ロッテスのトロール》? 無数に存在する墓地利用カードや共鳴者との組み合わせが試されてきたが、そのどれもがイマイチ奮わず、いつしかローグデッキの一つとしてメタゲームからは完全に取り残されてきた。

 だが、この『BIGMAGIC協賛「Adam Paquette直筆プレイマット争奪モダン」』の場で大暴走していたそのデッキは、完全で、完璧な、完成を遂げ、今まさにこのトーナメントで花開かんとRound 5終了時点で5-0と無敗で駆け抜けていた。

 今回はその驚異的な「Perfect Dredge」を組み上げてきたそのプレイヤー、村田 淳(新潟)にお話を伺うことにした。





--「現在5-0とのことですが、ドレッジデッキを作成された経緯について教えてください」

村田「経緯、と言いますか……実は、モダンフォーマットが制定されたときからずっと使用しているアーキタイプなんです」


ゴルガリの墓トロール


--「フォーマット制定時から!? 《ゴルガリの墓トロール》が解禁されたとき、などではなく?」

村田《ゴルガリの墓トロール》解禁は僕にとってももちろん嬉しいニュースでしたが、ドレッジを使い始めたのは今言った通り、それよりもずっと前からです。もともとあまりコピーデッキが好きではなくて、自分でデッキを組みたい性質(たち)だったので、試行錯誤を繰り返して今に至る、といった感じです」

--「具体的には、どのような過程を経てこのリストに辿り着いたのでしょう?」

村田《御霊の復讐》《堀葬の儀式》《グリセルブランド》のパッケージを入れてみたり、横並びする構成にして《農民の結集》で攻める形にしてみたり、といった感じですね」

--「なるほどなるほど……あれ、レガシーのドレッジでは定番の枠である《ナルコメーバ》は入っていないんですね。これも調整の結果抜けてしまったんですか?」


ナルコメーバ


村田「そうですね。スロットも不足気味なので、単体で戦力になりにくい上に瞬殺プランにも貢献しないことと、レガシーほど頭数に依存するデッキでもないことから入れていません」

--「現在5-0(インタビュー時点)とのことですが、このデッキの強さを支えるカードは何なのでしょうか?」

村田「わりと最近入ったカードですが、『イニストラードを覆う影』から《縫い翼のスカーブ》《秘蔵の縫合体》《傲慢な新生子》の3枚を得たことが大きいです」


縫い翼のスカーブ秘蔵の縫合体傲慢な新生子


村田《傲慢な新生子》は言うに及ばずですが、《縫い翼のスカーブ》《秘蔵の縫合体》のおかげで『発掘』を連鎖できなかった場合でも普通にビートダウンとして戦うことができ、より安定したプレイが可能になっています」

--「『イニストラードを覆う影』のおかげでデッキが完成した、というわけですね。さきほど瞬殺プランという言葉が出ましたが、このデッキの最高速度はどれくらいなのでしょうか?」

村田「3ターンですね。《傲慢な新生子》《思考掃き》で1ターン目から『発掘』して、2ターン目に《大いなるガルガドン》《臓物の予見者》といったサクり台で《恐血鬼》《秘蔵の縫合体》といったクリーチャーを生け贄に捧げて《黄泉からの橋》を誘発させ、3ターン目に総攻撃で20点に達することがあります」


大いなるガルガドン臓物の予見者


--「このデッキの得意なマッチアップをお教えください」

村田「まだこの形になってから日も浅いのであまり実戦経験はありませんが、青いカウンターを構えてくるようなデッキやBG系のようなフェアデッキ全般に有利です」

--「逆に、苦手なマッチアップは?」

村田「そこまで明確に苦手な相手はいませんが、やはりサイド後に墓地対策を取られると厳しくなりますね。サイドボードに《真髄の針》を取っているので《大祖始の遺産》くらいは何とかなることが多いですが、《安らかなる眠り》は無理です」

--「ありがとうございました!このあとも頑張ってください」



村田 淳「Perfect Dredge」
『BIGMAGIC協賛「Adam Paquette直筆プレイマット争奪モダン」』

4 《蒸気孔》
1 《血の墓所》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《宝石鉱山》
2 《真鍮の都》
2 《マナの合流点》
1 《ダクムーアの回収場》

-土地(18)-

4 《傲慢な新生子》
2 《臓物の予見者》
4 《恐血鬼》
4 《臭い草のインプ》
4 《秘蔵の縫合体》
4 《縫い翼のスカーブ》
4 《ゴルガリの墓トロール》
4 《大いなるガルガドン》

-クリーチャー(30)-
4 《思考掃き》
4 《信仰無き物あさり》
4 《黄泉からの橋》

-呪文(12)-
4 《呪文貫き》
4 《真髄の針》
3 《古えの遺恨》
2 《宝石の洞窟》
2 《仕組まれた爆薬》

-サイドボード(15)-
hareruya




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