我々がマジックのイベントを楽しむのに欠かせない存在の一つがジャッジである。特にグランプリなどの大型イベントで、糊の効いた黒いユニフォームを着こなし、あちこちで挙がるジャッジコールにも慌てることなく丁寧に応じてくれる毅然とした姿はかっこいいものだ。
そんな彼らだが、何事にも最初がある。本カバレージで川崎 大輔さんがインタビューを行っているような歴戦のヘッドジャッジたちも、当然過去には初めてのグランプリジャッジを経験しているはずなのである。
そこで、今回はグランプリジャッジ初体験だという、普段は晴れる屋に勤めているレベル1ジャッジの田村 千明氏にインタビューを行った。
■ 初めてのグランプリ
--「今回はじめてグランプリのジャッジを経験されたとのことですが、いかがでしたか?」
田村「僕はサイドイベントのジャッジをしていたのですが、やはり大きな会場でたくさんの参加者の方が集まるイベントということで、少し緊張しましたね(笑) 一緒に働くジャッジや運営スタッフの皆さんも知らない方ばかりでしたし……」
--「普段は晴れる屋でジャッジをされていますが、やはりグランプリになるといろいろと心持ちも変わるものですか?」
田村「グランプリではサイドイベントといえどもプレイヤーの方もマジックに対して真剣な方が多いので、裁定などは普段以上に気を遣う場面が多かったです。あ、『以上』って強調してください。普段は気を遣ってないって言ってるわけじゃないので(笑)」
--「ちゃんと太字にしておきますね。他にグランプリならではのエピソードなどはありましたか?」
田村「うーん……大会運営や進行自体は、ほかのレベル2ジャッジの方々にも助けていただいたこともあり、普段晴れる屋でジャッジをしているときとあまり変わらずにできましたね」
--「大きなアクシデントなどもなく、順調に?」
田村「あ、今日会場まで来るのにりんかい線を使ったんですけど、慣れない路線だったこともあって乗車ミスがあり少しだけ遅刻してしまって、先輩ジャッジに優しく注意されました。その節はすみませんでした」
■ 田村のジャッジ観
--「ジャッジになろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?」
田村「もともとマジックは『ミラディン』の頃から始めて以来ずっと好きで、4年くらい前にマジックプレイヤーでもある仕事の先輩からノリ(?)で『ジャッジになりなよ』って話をされて、『はい』って。それからなんだかんだでジャッジするのが楽しくて続けてる感じですね」
--「楽しく続けて、ここまできたと。実際にグランプリに関わってみて、何か得たものなどはありましたか?」
田村「得たものというか、今回改めて思ったことですが……これだけたくさんの人たちがマジックに関わっているんだというのを目の当たりにして、これからもマジックプレイヤーの方々を大切にしていきたいなという気持ちが強まりました」
--「ジャッジとしての目標などはありますか?」
田村「レベル2になること。そして、グランプリ本戦のジャッジをやることです」
--「なるほど……グランプリ本戦のジャッジを目指すモチベーションは何なのでしょうか?」
「グランプリ本戦のジャッジの中には海外のジャッジの方も多いんです。だから僕も本戦のジャッジを担当して、国内だけじゃなく世界中のジャッジと仲良くなりたいんです」
■ ジャッジとしての志
--「先ほどジャッジ業が楽しいとおっしゃっていましたが、具体的にどのような魅力があるのでしょうか?」
田村「ジャッジってコミュニティがすごく盛んで、特にこういうグランプリみたいな大型イベントに参加するといろんなジャッジと知り合えるんですよ。僕も実際、今回のグランプリで友達がたくさんできましたし。だから、マジック好きの友達を増やしたい!という方にはオススメです」
--「僕のようにコミュニケーションが苦手な人間には、既存のコミュニティの中に入っていくことに少し抵抗があるんですが、そういった方でも馴染めるのでしょうか?」
田村「ジャッジ界の風潮……とまでは言いませんが、ジャッジは新参者に優しい方が多い傾向にあるんです。まぁ、後輩ジャッジの育成もジャッジの仕事のうちだからなのかもしれません。なので、あまり心配しなくてもすぐに馴染めると思いますよ」
--「最後に、ジャッジはどんな人に向いていると思いますか?」
田村「マジックが好きっていうのが一番ですね。僕自身、ジャッジとしてルールや大会運営について学ぶことで、マジックをより深く楽しめるようになりました。やっぱり間違ったルールで遊ぶと楽しくないし、いろいろな意味で納得した上でゲームしたいですよね」
--「ありがとうございます。これからもがんばってください!」
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