高橋優太のプロツアー『イニストラードを覆う影』レポート

高橋 優太





これまでのあらすじ

プロレベル・ゴールドを目指して奮闘する高橋。

直近の【グランプリ・北京2016】は10-5で50位。プロポイント1点獲得。

すべてはプロツアーの結果次第。スタンダード・ドラフトに集中!



■ 4/22-4/24 プロツアー『イニストラードを覆う影』


● 1stドラフト



高橋 優太「白緑」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 ファーストドラフト

8 《平地》
8 《森》

-土地 (16)-

1 《スレイベンの検査官》
1 《内陸の木こり》
1 《薄暮見の徴募兵》
1 《古参の聖戦士》
1 《針毛の狼》
1 《悪魔の棲家の狐》
2 《冷静な建築家》
1 《戦闘的な審問官》
1 《偏執的な教区刃》
3 《鼓舞する隊長》
1 《魂を飲み込むもの》
1 《孤独な狩人》
2 《眠れぬ者の使者》

-クリーチャー (17)-
1 《腕っぷし》
1 《天使の粛清》
1 《今夜を生き延びる》
1 《ウルヴェンワルドの謎》
2 《ガラスの破片》
1 《信条の香炉》

-呪文 (7)-
hareruya



「なるべく最強色の緑を主張し、補色は赤か白。青と黒はレアからのみ参入」というのが今回のドラフト戦略。実際、練習で一番成績が良かったのは白緑だった。

低マナ域のクリーチャーが埋まりやすく、展開+強化を繰り返す肉弾ゴリ押し戦略で勝ててしまう。

《鼓舞する隊長》《剛胆な補給兵》は安く取れるコモンながらも白緑では大活躍するし、《信条の香炉》は人間デッキだと1枚でゲームに勝てる性能だ。


鼓舞する隊長剛胆な補給兵信条の香炉


1stのデッキは《今夜を生き延びる》など枚数合わせのカードも入っているが、装備品や《薄暮見の徴募兵》《ウルヴェンワルドの謎》のおかげで長期戦にも強く、なかなか良いデッキ。


薄暮見の徴募兵ウルヴェンワルドの謎



ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1赤黒 ××
Round 2赤黒 ×〇〇
Round 3青黒 〇〇


2-1。



● スタンダード・初日


使用デッキはバントカンパニー。



高橋 優太「バントカンパニー」
プロツアー『イニストラードを覆う影』

4 《森》
3 《平地》
1 《島》
1 《荒地》
3 《梢の眺望》
3 《大草原の川》
4 《進化する未開地》
4 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《伐採地の滝》

-土地 (25)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
4 《薄暮見の徴募兵》
4 《森の代言者》
4 《反射魔道士》
4 《不屈の追跡者》
4 《変位エルドラージ》
1 《巨森の予見者、ニッサ》

-クリーチャー (25)-
4 《ドロモカの命令》
4 《集合した中隊》
2 《オジュタイの命令》

-呪文 (10)-
3 《ランタンの斥候》
3 《否認》
2 《シディシの信者》
2 《侵襲手術》
2 《石の宣告》
1 《苛性イモムシ》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《翼切り》

-サイドボード (15)-
hareruya



スタンダードのベストカードは《反射魔道士》だ。


反射魔道士


バウンスでありながらプレイ制限能力でほとんど除去に近い動きであり、もしも対戦相手が同じカードを複数枚持っていたときは除去以上の働きになる。

《反射魔道士》を使う」もしくは「《反射魔道士》の影響を受けにくいデッキ構築をする」という制限をかけており、スタンダードに最も影響を与えているカードだと思う。

そしてその《反射魔道士》をインスタントタイミングで出す《集合した中隊》《集合した中隊》を再利用できる《ヴリンの神童、ジェイス》


集合した中隊ヴリンの神童、ジェイス


使いたい3枚を考えていたら、自然とバントカンパニーになった。

《ヴリンの神童、ジェイス》はフェッチ脱落で弱くなったと言われているが、むしろ強くなったように思う。

マナベース全体が弱くなったことで3色デッキは色事故を起こしやすいため、序盤の事故を緩和してくれるのは十分な働きだ。序盤は土地事故を回避し、後半は余った土地を捨て、《ヴリンの神童、ジェイス》を2枚引いても1枚目で捨てられる。

序盤・中盤・後半いつ引いても嬉しいカードであり、依然として《ヴリンの神童、ジェイス》は強力だ。たまに3枚のリストを見かけるが、入れるなら4枚!4枚入れるカードだ!

実は大会前日まで《跳ねる混成体》が入っていたが、津村 (健志) さんの意見により《変位エルドラージ》に変更。

スタンダードでベストカードの《反射魔道士》《変位エルドラージ》が組み合わさると……相手は何もクリーチャーを出せなくなる!恐ろしいコンボだ。


反射魔道士変位エルドラージ


バントカンパニー同型は《変位エルドラージ》が入っているかどうかで勝負が決まると言える。除去できないと《反射魔道士》コンボでゲームオーバーだし、マナを構えていれば《ドロモカの命令》も回避できる。

クリーチャーデッキ全般に《変位エルドラージ》が強く、能力で《搭載歩行機械》やトークンも除去できる (《搭載歩行機械》はX=0扱いで戻ってくるため) 。

《跳ねる混成体》を入れている場合ではなかった!

この変更でデッキが2段階強くなった!


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 4スゥルタイコントロール ×〇〇
Round 5エスパーPWコントロール 〇〇
Round 6アブザンカンパニー ×〇〇
Round 7黒緑《過ぎ去った季節》 ××
Round 8バントカンパニー ×〇〇


4-1。

思ったよりコントロールに当たったため、サイドの《侵襲手術》《否認》が活躍した。


侵襲手術否認


合計6-2で二日目へ。



● 2ndドラフト



高橋 優太「白緑」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 セカンドドラフト

9 《平地》
7 《森》

-土地 (16)-

3 《スレイベンの検査官》
2 《針毛の狼》
1 《ムーアランドの流れ者》
1 《悪魔の棲家の狐》
2 《戦闘的な審問官》
2 《不屈の聖戦士》
1 《裏道の急使》
2 《鼓舞する隊長》
2 《孤独な狩人》
1 《剛胆な補給兵》
1 《眠れぬ者の使者》

-クリーチャー (18)-
1 《腕っぷし》
1 《武器庫の開放》
1 《天使の粛清》
2 《グリフの加護》
1 《信条の香炉》

-呪文 (6)-
hareruya



デッキを組んだ時の感想

「つ、強い……マナカーブも綺麗で強化スペルも良い。オーラ・装備品を両方持ってこれる《武器庫の開放》はデッキに合ってる」


武器庫の開放


デッキ構築後に、対面に座っていたAさん (松本 友樹) からも「これは強い……3-0狙えますね!」とのお墨付きをもらう。

だが、結果は……


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 9赤黒 〇××
Round 10白緑 ××
Round 11青黒 ×〇×


0-3!


苦悶のねじれ



※Aさんは3-0していました。さすが。

気持ちを切り替えてスタンダードへ。



● スタンダード・2日目


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 12ゴーグルランプ ×〇〇
Round 13バント人間カンパニー ××
Round 14白単人間 ×〇〇
Round 15白黒エルドラージ 〇〇
Round 16白黒エルドラージ 〇〇


4-1。

対ゴーグルランプ、サイド後に《侵襲手術》《苛性イモムシ》がそれぞれ活躍して勝利。入れててよかった《苛性イモムシ》


苛性イモムシ


合計10-6で50位。1500$とプロポイント6点を獲得。


このプロツアーでスタンダードは8-2と好感触だったため、引き続き【グランプリ・東京2016】に向けてバントカンパニーを調整。

そのレポートは次回に。


ではまた。


高橋優太



この記事内で掲載されたカード


Twitterでつぶやく

Facebookでシェアする

関連記事