こんにちは。塚本です。
いきなりですが、30代を超えてから少しずつ体がオッサン化してしまっています。味覚が変わったり、生活サイクルが変わったりと色々な変化がありますが、その中で一番困っているのは体の緩みです。
具体的にいうと、お腹が出てきました。加えて元から線の細い体型なので、歴史の教科書などでよく見る巻物に描かれている『餓鬼』のようなフォルムになってしまっていて非常に醜いです。
このままではまずいと、この憎っくき脂肪を取る方法を調べていたら、どうやらお腹に負荷をかけると良いみたいです。
ここでいう負荷とはつまり腹筋と呼ばれる筋トレのことなんですが、負荷をかけてタンパク質を取れば脂肪が筋肉に変わり、ダイエットと同時に6つに割れた魅力的な腹筋が手に入るようです。なるほど筋トレか、と思いながら僕は【グランプリ・東京2016】の会場で統率者に興じていました。
その時、対面のプレイヤーが《進歩の災い》をプレイし、戦場のエンチャントやアーティファクトが壊され《進歩の災い》の上にたくさんの「+1/+1」カウンターが乗っかりました。もしやこれは!?僕はその時、目を見開きました。《進歩の災い》の筋肉量が増えたのを目視したんです。
筋トレをして自己を強くする概念。これはクリーチャーにも流用できるのではないでしょうか!?
しかし、先ほど得た知識では、筋トレには負荷とタンパク質の因果関係がありました。恐らく《進歩の災い》のように自分で筋肉をつけられるクリーチャーは限られていて、多くのクリーチャーは負荷とタンパク質の摂取という2ステップが必要なのでしょう。
まず、クリーチャーへの負荷とは何か考える。クリーチャーにダメージを与えることでしょう。しかしクリーチャーにダメージを与えると致死ダメージで死ぬか、ダメージが蓄積されてターンエンドにそれが元に戻るだけで、クリーチャーが肉体的に成長する要素はありません。
次にタンパク質についてですが、マジックにタンパク質的要素は皆無です。それらしきフレーバーをクリーチャーにもたらすものは、ダメージを軽減したり再生したり「+X/+X」の修正を与えるものが大半です。
しかし、その中には「+1/+1」カウンターを置く効果も存在します。カウンターとして何ターンも残るものはトレーニングの成果に結びつけても良いと思いますが、1体のクリーチャーをムキムキにしたところでゲームに勝つのは難しいのが難点です。
このままでは筋トレを統率者に落とし込めません。
複数のクリーチャーを一気に屈強な筋肉ダルマに変えて、一撃でKOできるような手段は存在しないものか?と、カードリストを眺めていたら《凶暴の命令》というカードが目の前に飛び込んできました。
確かにクリーチャー全体がムキムキになりますが、乗る数が少ないし呪文のコストも重い。これもだめかと思いきや、ヒントは近くに隠されていました。類似カードである《活力の風》です。このカード自体の効果は単なる修正なので仮初の筋肉しかつかない紛い物ではありますが、カード名に含まれている「活力」にピンときたんです!
このクリーチャーこそが、負荷を筋肉に変える効果をもたらしてくれる今回のキーパーソンなのではないのか?《活力》さえいれば、たとえタフネスが1しかないクリーチャーであろうと、どんな負荷をも筋肉に変換してくれます。タンパク質とは活力だったんです!!
やっと筋トレデッキの核が見つかったので早速デッキ構築の開始です!タンパク質である《活力》と負荷である火力呪文でデッキのカラーリングはすぐに赤緑に決まりました。しかし、効率良く負荷をかけないと多人数戦を戦闘ダメージで勝てるほどにクリーチャーが成長しないので生半可な火力ではいけません。
すぐに脳内に出てきた《シヴ山の隕石》は「+13/+13」なのでなかなか良いマッスルと言えますが、対戦相手1人すら倒せないカウンターの数なので、もっとインパクトが必要だ……とリストをさらに眺めていると、《冒涜の行動》を発見!!
これはきました!うまくいけば<赤>を支払うだけでみんなが凄いマッスルに!!いや、これはもうマッスルがバーニングするといっても過言ではないでしょう!!
《冒涜の行動》と相性の良い《反動》で相手がいきなり突然死!「お前のクリーチャー達の筋肉では負荷に耐えられなかったようだな!!」と言わんばかりに対戦相手に負荷の反動が襲う快感を味わえるでしょう。しかし《活力》がいない場面だと自分のクリーチャーの負荷が致死量のダメージとして襲ってくるので、注意が必要です。
次に《活力》と相性の良いカードをピックアップ。これらはクリーチャーの数が足りないなら乗るマッスルの数を倍にしてしまおうという魂胆のほかに、《トリスケリオン》との3枚コンボも狙う用途で採用。
つまりは乗るカウンターの数を倍にするエンチャントと《活力》と《トリスケリオン》が揃ってしまえば、《トリスケリオン》の無限ダメージが完成するのです。《トリスケリオン》が自分の筋肉を自分にぶつけ負荷にすることによって倍の筋肉を手に入れ……最終的には無限に増えた筋肉を対戦相手にぶつける恐ろしいクリーチャーが爆誕します。
赤緑というカラーリングの特性上《冒涜の行動》を探し出すのは難しいので、《活力》だけは何としても探し出し、後は大量ドローや《冒涜の行動》の疑似カードを探し出しましょう。
ここで構築の方針が固まったのでデッキ構築スタート!
統率者の《憎悪の種、ウラシュト》が個人のマッスルで勝利をもぎ取りそうな能力だったので、《高まる残虐性》+カウンター倍のトレーニング・メニューも追加!《憎悪の種、ウラシュト》だけでなく《ジョラーガの戦呼び》をマッスルにしても面白いことになるように、マナ加速も兼ねてデッキにたくさんのエルフを採用しました。
《冒涜の行動》の類似カードとして《連鎖反応》を発見。コストに目をつぶればそれなりに働くと信じていますが、カード名のフレイバーから「周りのクリーチャーがたちがどんどんムキムキに!」という想像が働くので早く撃ちたい!
最後にデッキの動かし方の補足として3つのマッスル・コンボを紹介します。
● ボディービルダーのスタートダッシュ・マッスルで序盤から筋肉爆発!!
《雄牛のやっかいもの》・《下生えの勇者》・《マナ喰らいのハイドラ》という特に手間も加えずに勝手にムキムキに育っていくデッキの3大ボディービルダーを《硬化した鱗》でバックアップし、序盤から力による暴力を見せつけていくコンボ。
《雄牛のやっかいもの》・《下生えの勇者》は多相とエレメンタルなので《炎族の先触れ》でサーチできます。なので、すでに手札に《活力》がある場合や《硬化した鱗》を引いてきたときにはこのコンボを優先すると気持ち良くなれますよ!
マッスル度:★★★★☆
● マッスルの倍々ゲーム!己の筋肉の限界に挑め!!
《倍増の季節》・《野生の活力》といった、置かれる「+1/+1」カウンターの数が2倍になるエンチャントと、クリーチャーの上に置かれている「+1/+1」カウンターの数を2倍にするインスタント・《英雄たちの結束》を使い、マッスルの限界に挑んだコンボ!
コンボの起点を《高まる残虐性》にすれば、クリーチャーの上に「+1/+1」カウンターがまず10個乗り、そのクリーチャーに《英雄たちの結束》を使えば「+1/+1」カウンターが10個乗る代わりにその倍の20個乗るので、結果30個乗ることに!
これがもし《倍増の季節》・《野生の活力》の両方をコントロールしていたり《高まる残虐性》を墓地から唱えていたと考えるとウキウキ、いやムキムキが止まらないです!!
この限界突破の筋肉を付けるコンボは統率者である《憎悪の種、ウラシュト》との相性も抜群なので、中盤以降はこのコンボを目指して動けばマッスルなエクスタシーが得られます!!
マッスル度:★★★★★
● 無限の筋肉循環システム完成!!マッスルの向こう側へ!!
《活力》と《トリスケリオン》のコンボと同じく、《季節の導き、節貴》の能力と《倍増の季節》系を組み合わせた無限ダメージのコンボですが、《ゴブリンの砲撃》や《爆破基地》はトークンをばらまくカードとの相性が良いだけでなく、《反動》+《冒涜の行動》のコンボ時に自分のクリーチャーの数を減らし、自爆を防げる点でも便利!
《季節の導き、節貴》自体は《伏魔殿》と2枚コンボでも無限ダメージが成立しますが、《伏魔殿》自体が単体で運用するにはあまりにも危険なので、スリルなマッスルを求める方ならデッキに入れてみるのもいいでしょう!!
マッスル度:∞
こうしてクリーチャーに筋肉をつけるアプローチを進めていった過程で分かったことがあります。筋肉をつけるためにはかなりの努力と手間が必要ということです。なのでこの経験を活かして継続して筋トレを続けようと思いました。これでもう餓鬼体型とはおさらばです!
ということで、まずは景気付けに家系ラーメンに突撃して英気を養おうと思います。
それでは、また次回!
この記事内で掲載されたカード
Twitterでつぶやく
Facebookでシェアする