はたして、モダンのトーナメントには何を持ち込むのが正解なのだろうか。
親和?ジャンド?バーン?アブザンカンパニー?
否。確かにある意味正解かもしれないが、表現として正確ではない。
モダンにおける正解とは、自らが最も自信を持てる選択をすることなのだ。
それを証明するかのように、この第7期モダン神挑戦者決定戦において、《硬化した鱗》というマニアックなカードを片手に、6回戦時点で6戦全勝と破竹の勢いでスイスラウンドを駆け抜けている男がいた。
石井 宏(東京)。
ここでは石井の手による意欲作、「白緑《硬化した鱗》人間」についてインタビューを試みた。
--「このデッキは石井さんがご自身で作られたデッキということですが、どういった経緯で製作されたのでしょうか?」
石井「もともと《教区の勇者》入りの同盟者のポテンシャルには着目していたんですが、『イニストラードを覆う影』が発売されて《サリアの副官》を見たときに、『あ、これで人間+同盟者がモダン級のコンセプトになるかも』と思ったのがきっかけですね。それからずっと調整して、現在の形になりました」
--「どういった調整を経てこういった形になったんでしょうか?」
石井「まずはじめは白赤で《アクームの戦歌い》や《稲妻》を入れた形を試していたんですが、とにかく相手の除去がきつくて。他にも《ズーラポートの殺し屋》と《ボジューカの盗賊》を入れた白黒にしたりもしましたが、最終的には《硬化した鱗》がある緑に落ち着きました」
--「この《硬化した鱗》型の強みはどういった部分にあるんでしょうか?」
石井「なんといっても爆発力ですね。《教区の勇者》が11/11ほどのサイズに育つことも珍しくないので、相手のクリーチャーのサイズが多少大きくても関係ない盤面を作れるのが魅力です。また、《硬化した鱗》があるとクリーチャーを火力圏外に逃がしやすいので、そこから《ランタンの斥候》につなげればダメージレースで圧倒的に優位に立てるのもポイントです」
--「スペル構成では《輝く群れ》が特に目を惹きますが、これはどういった理由からの採用でしょうか?」
石井「もとはこのスロットは《流刑への道》だったんですが、ジェスカイ《先駆ける者、ナヒリ》に当たったときに《稲妻》《瞬唱の魔道士》とかで捌ききられてしまうことがあったので、フルタップでもクリーチャーを守れるように採用しました」
--「リムーブするカードはそんなに入っていなさそうですが、それでも平気なんでしょうか?」
石井「今日はあまり活躍しなかったので、もしかしたら《流刑への道》に戻すかもしれません(笑) でもバーンと当たって《焼尽の猛火》を跳ね返して勝ったんですが、その瞬間はさすがに強かったですね」
--「サイドボードは《石の宣告》と《貴族階級の嘲笑》が比較的珍しいかなと思いますが、こちらはどういった趣旨でしょうか?」
石井「《石の宣告》はトークン系の対策ですね。《貴族階級の嘲笑》は、以前呪禁オーラに当たって踏みつぶされたので、そこへの憎しみで投入しました(笑)」
--「最後に、このデッキの魅力を教えてください」
石井「このデッキのキーカードである《サリアの副官》と《硬化した鱗》の力でとにかくすごい勢いでカウンターが乗るので、単純に使っていてとても面白いです」
--「ありがとうございました」
4 《平地》 1 《森》 4 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《低木林地》 4 《魂の洞窟》 -土地(20)- 4 《教区の勇者》 4 《ハーダの自由刃》 4 《探検隊の特使》 4 《貴族の教主》 4 《カザンドゥの刃の達人》 4 《オラン=リーフの生き残り》 4 《サリアの副官》 4 《ランタンの斥候》 -クリーチャー(32)- |
4 《輝く群れ》 4 《硬化した鱗》 -呪文(8)- |
4 《流刑への道》 3 《戦争の報い、禍汰奇》 3 《安らかなる眠り》 2 《石の宣告》 2 《貴族階級の嘲笑》 1 《スレイベンの守護者、サリア》 -サイドボード(15)- |
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