『イニストラードを覆う影』で最も強化されたデッキは何か?
こう問われた時、ほとんどのプレイヤーは口を揃えて答えるはずだ。「白単人間」と。
白ウィニーは、長いマジックの歴史の中で、連綿と受け継がれてきたアーキタイプだ。
12knights、エイトクルセイド、リベリオン、キスキン、鍛えられた鋼……
「クリーチャーを並べ、全体強化によって盤面を制圧する」というシンプルな動きに魅了された人は非常に多く、根強い人気を誇る。
ここ最近のスタンダードでは、それほど振るわなかったが、『イニストラードを覆う影』によって、スタンダードのトップメタに返り咲いた。背景世界ではエルドラージや吸血鬼・ゾンビが跋扈しているが、メタゲームの世界では人間の活躍が目覚ましい。
多数のデッキが鎬を削るモダン環境でも、人間は活躍している。今回ご紹介するのは、モダン神に向かう道を歩む、佐藤 文彦(東京)の「白単人間」だ。
--「今回使われているのは、白単人間ですよね。このデッキを選んだ理由をお聞かせ願えますか?」
佐藤「モダンの環境も、比較的フェアなデッキが増えてきた印象がありまして。それらに強く、更にコンボなどにも速度で勝てるデッキを、ということで選びました」
--「リストを拝見させていただきましたが、《宿命の旅人》は入っていないんですね」
佐藤「はい。参考にしたレシピには入っていましたが、あまり強いと思えなかったので。入れ替える形で、《堂々たる撤廃者》を入れてみました」
--「『イニストラードを覆う影』で登場した《サリアの副官》は4枚採用されていますね」
佐藤「強いですね。全体をワンサイズ大きくすることができますから。こちらのクリーチャーが3体ほど並んでいる状態でプレイすれば、ゲームを決め得る力があると思います」
--「『窮地』状態の《町民の結集》と組み合わさったら、一気に逆転もあり得ますね」
佐藤「あと、モダンの特徴として、軽い火力がとにかく多いんですよね」
--「《神々の憤怒》、《紅蓮地獄》などですか」
佐藤「ええ。それらに対しても、タフネスを1上げる、というのは想像以上に効いてきます。ただし、《スレイベンの守護者、サリア》との二択では、サリア優先です」
佐藤「それと、《精霊への挑戦》は攻めでも守りでも強いので4枚入れてます」
--「《アクロスの英雄、キテオン》も4積みなのですね」
佐藤「4枚だとやはり手札でダブつく場面もありますね。しかし裏返ればとにかく強いので。 《スレイベンの守護者、サリア》を守ることができますからね」
--「では、続いてサイドボードですが、まず目に付くのは……」
佐藤「《虚空の杯》、ですかね(笑)」
--「はい(笑) かなり驚きました。指定する数字が難しそうですが……」
佐藤「基本はX=0ですね。《死せる生》や、アドグレイスにも刺さります。あと苦手なデルバー系相手には、勇気を持ってX=1を指定します。こちらは、《魂の洞窟》を経由すれば打ち消さませんから」
--「《沈黙》もなかなか珍しい選択ですね」
佐藤「そうですね。相手の全体除去を1ターン凌げば、返すターンで十分に動くことができるので入れています」
--「《ファイレクシアの破棄者》も目に留まりますが」
佐藤「これはクロックのある《真髄の針》ですね。トロンなどを相手に刺さることが多いので入れています」
--「では最後に、次の『異界月』でも白は強力なカードが増えそうですが、注目しているカードはありますか?」
佐藤「やはり新サリア(《異端聖戦士、サリア》)は気になりますね。モダン環境でも、きっと活躍すると思います」
--「ありがとうございました。この後もぜひ頑張ってください!」
16 《平地》 2 《魂の洞窟》 2 《変わり谷》 -土地 (20)- 4 《アクロスの英雄、キテオン》 4 《ボロスの精鋭》 4 《教区の勇者》 4 《万神殿の兵士》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《サリアの副官》 2 《堂々たる撤廃者》 -クリーチャー (26)- |
4 《精霊への挑戦》 2 《流刑への道》 4 《町民の結集》 1 《グリフの加護》 3 《清浄の名誉》 -呪文 (14)- |
2 《オーリオックのチャンピオン》 2 《ファイレクシアの破棄者》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《沈黙》 1 《流刑への道》 1 《解呪》 2 《石のような静寂》 2 《安らかなる眠り》 2 《虚空の杯》 -サイドボード (15)- |
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