準々決勝: 高野 成樹(東京) vs. 野村 岳史(東京)

晴れる屋

By Kazuki Watanabe


 時刻は20時を過ぎ、287名の参加者は8名にまで絞り込まれた。

 野村 岳史(東京)が駆るのは、4色人間カンパニー。スタンダードが緑に染まるきっかけとなった1枚だ。《集合した中隊》からは、《貴族の教主》《カマキリの乗り手》《サリアの副官》といった、モダン環境選りすぐりの優秀なクリーチャーが登場する。

 対するは、高野 成樹(東京)。そう、レガシーでの豊富な経験を活かしたエルフに《集合した中隊》を投入し、【第4期モダン神挑戦者決定戦】を勝ち抜いたエルフマスターだ。


集合した中隊


 このマッチの鍵は、《集合した中隊》が握っている。



Game 1


 1ゲーム目、高野は土地が引けずダブルマリガン。

 先手は野村。《魂の洞窟》の指定は、もちろん人間。《貴族の教主》が現れる。


野村 岳史


 高野は《エルフの神秘家》を出すも、次のターン、野村の《反射魔道士》がバウンス。続く《ラノワールのエルフ》に対して、野村は《集合した中隊》を早速唱える。《サリアの副官》、そして2体目の《反射魔道士》


反射魔道士


 高野も《集合した中隊》を唱えて、《エルフの幻想家》《背教の主導者、エズーリ》を並べるが、エズーリに対して野村は《流刑への道》を唱える。ここで高野は、静かに盤面を片付けた。


高野 0-1 野村



Game 2


 両者、マリガンなし。


高野 成樹


 先手、高野は《ラノワールのエルフ》。そこから《ドゥイネンの精鋭》《背教の主導者、エズーリ》と順調に展開していく。野村は《翻弄する魔道士》《集合した中隊》を指定するが、既に高野の盤面は整っている。次のターン、エルフ達が野村のライフを削り切る。

 2ゲーム目は、変わって高野が押し切った。


高野 1-1 野村




Game 3


 シャッフルを終えた野村は深く溜息をつく。2人の周りに、続々とギャラリーが集まってきた。高野はマリガン。再び引いた手札を確認し、小さく頷く。


四肢切断


 野村は《貴族の教主》をプレイ。高野はサイドインした《四肢切断》を唱え、そこから《ラノワールのエルフ》を起点に、《エルフの幻想家》《ドゥイネンの精鋭》《エルフの大ドルイド》と順調に展開していく。対する野村も《サリアの副官》で強化を図るが、再び《四肢切断》。野村が墓地にカードを置く。高野の盤面には既に7体のエルフが並んでいる。

 野村は《流刑への道》を唱えてエルフの戦力を削り、ターンエンドを宣言。そこで、高野は自分のターンを迎える前に、土地をタップする。

野村「……強い」

 そう呟きながら、高野が唱えた呪文を通す。

 《集合した中隊》だ。


集合した中隊


 《エルフの神秘家》《永遠の証人》が戦列に加わる。野村は、《流刑への道》《反射魔道士》を唱えるが、戦況を逆転させるカードは引き込むことが出来ない。

 圧倒的な展開力と継戦能力を見せる高野のエルフだが、土地は未だ3枚。マナクリーチャーの存在が彼の兵站を支えている。高野は戦力を更に増強する。《集合した中隊》が再び唱えられ、《エルフの神秘家》《エルフの大ドルイド》が戦列に加わった。

 高野は更に《エルフの大ドルイド》を唱えた。野村は苦笑いを浮かべ、そして、ドローを確認し、投了を告げた。


高野 2-1 野村



 投了が告げられた瞬間、ギャラリーからため息が漏れた。絶え間なく現れるエルフ達を眺める様子に、誰もが息を呑んでいたに違いない。両者がデッキを片付ける内に、少しずつギャラリーも他のマッチへと流れていった。

 敗れた野村が席を立つと、彼に声をかける者が居た。現モダン神、松田 幸雄である。悔しさを滲ませる野村と言葉を交わしながら、松田はエルフデッキに対する自身の思考を伝えていた。

 松田は、この決勝ラウンドの勝者と神決定戦で戦う。そして、その挑戦者が決まるのは、もうすぐだ。

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