【ワールド・マジック・カップ2016 大阪予選】 (以下WMCQ) から1週間。次なる舞台は【グランプリ・台北2016】。
今回は、僕より少し後のタイミングでマジックを始めた友人達を引き連れての旅を企画しました。
僕個人の海外遠征もこれで4度目となり、多少なりとも慣れが生じてきた頃。台北は距離・交通費・日本語が多少通じる点など、あらゆる面で入門編として最適ですし、やる気のあるプレイヤーは積極的にサポートしたいと考えていたからです。
■ グランプリ・台北2016 前日
始発で空港に向かいフライト。
台北と日本の間には1時間の時差がありますが、非常に順調なフライトで昼前には現地に到着しました。そのままタクシーで会場に向かいます。当日入りの場合、会場の位置が分からずにドタバタしてしまう可能性があるので、可能であれば前日入りして会場の位置を確認しておくのが望ましいです。
会場内のショップを見学したりフリープレイしたりで時間を潰し、日も暮れた頃に撤退。夕飯を探しに街に繰り出しました。
ホテルへの道中で見つけた中華料理店に適当に入店。
お味はそこそこ。いつもギャンブル気味にその辺の店に入ってみるので最初の一口はドキドキです。お店のおばちゃんが平然と日本語で話しかけてきたことには驚きましたが、聞いていた通り日本語が通じる方はごくごく当たり前にいらっしゃるみたいです。
ホテルチェックインの際も頑張って英語で話しかけたら日本語で返されたりと驚きの連続でした。
会場
— J-S (@jspeed_) 2016年6月24日
「token cards?」
「ないです」
飯屋
「何名様?はい2階行って!」
ホテル
「ah…I'd like to check in?」
「かしこまりました。ご予約番号をお願いします」
全く海外感ない
3時間とは言え飛行機での移動は結構疲れますし、荷物を背負って街や会場をうろつくのも体力を使います。早めにホテルに帰って休息を取り、翌日に備えました。
■ グランプリ・台北2016 初日
今回選択したのもバントカンパニー……ですが、【WMCQ】とは違い、人間型ではなく純正型を選択しました。
4 《森》 3 《平地》 1 《島》 1 《荒地》 4 《大草原の川》 3 《梢の眺望》 4 《進化する未開地》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《伐採地の滝》 -土地 (26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《森の代言者》 4 《反射魔道士》 4 《不屈の追跡者》 3 《変位エルドラージ》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 -クリーチャー (25)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 1 《オジュタイの命令》 -呪文 (9)- |
4 《ラムホルトの平和主義者》 3 《否認》 3 《悲劇的な傲慢》 2 《石の宣告》 2 《オジュタイの命令》 1 《巨森の予見者、ニッサ》 -サイドボード (15)- |
悩んだ末のデッキ変更でしたが、浮かんだ疑問に対して回答を示すべきだと考えました。理屈の上ではこちらのタイプを選択する方が妥当です。
対ランプを切った構造で、前日の夜ギリギリまで《狩猟の統率者、スーラク》を取るか悩んでいたものの、結局現状を維持してそのまま就寝しました。これが吉と出るか凶と出るか……。
迎えた当日。
台北の街は気温37度の猛暑で大変でしたが、会場は非常に広々としており涼しく快適。そして昨シーズンこつこつ貯めたPWPにより、しばらくは2BYEの恩恵に与ることができます。
慣れない地で慣れない言語を取り交わしての対戦と言うこともあり、1試合1試合の負荷は普段よりも大きいです。削れるものは削っておくに越したことはないですね。
さて、本戦の結果はと言うと……
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | BYE | |
Round 2 | BYE | |
Round 3 | ジャンドコントロール | ×× |
Round 4 | スゥルタイ《過ぎ去った季節》 | ×〇〇 |
Round 5 | アブザンエルドラージ | ×〇〇 |
Round 6 | 白緑トークン (BIGs・河浜 貴和さん) | 〇×〇 |
Round 7 | 白緑トークン | 〇〇 |
Round 8 | 白緑トークン | ×〇× |
Round 9 | 白赤人間 | 〇〇 |
初日は7-2。
R3のジャンドコントロールにはスクリュー事故に全体除去を連打されてあっという間に敗北。初手土地3枚からそのまま死亡。土地の代わりに引いてくるのも全て3マナ以下のクリーチャーでどうしようもありませんでした。
R8の白緑トークン戦では、ここで引かれなければ勝ちの場面で《次元の激高》をトップされ、やむなく《集合した中隊》+《手掛かり・トークン》を起動するもスカ&全て土地。
一転して窮地に陥り動揺してしまい、《不屈の追跡者》+《進化する未開地》で2枚ドローを狙いに行くべき場面で《伐採地の滝》をセットした結果、更にトップされた《大天使アヴァシン》に対する対応策がなくなり敗北と散々。
1つ目の負けはやむなしとしても2つ目は酷過ぎました。翌日に引きずらないように切り替える必要があるのですが、僕はこのあたりの切り替えが下手でホテルでもしばらく考え込んでしまい、夜遅くまで延々と一人回ししていました。
■ グランプリ・台北2016 2日目
お陰で寝不足と絵に書いたような失態を犯してしまいましたが、まだまだ気を落とすようなところではありません。今大会のボーダーは12-2-1のオポネント勝負。初日7-2ですが普段以上にチャンスはあります。
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 10 | 白黒コントロール | ×〇〇 |
Round 11 | 赤緑エルドラージランプ | 〇〇 |
幸先よく2連勝!苦手なランプ戦も事故に救われ勝利します。
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 12 | 赤緑エルドラージランプ (トップ8・Mingrerk Setsompopさん) | ×× |
まだいた!!負け!!
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 13 | 白緑トークン (Hareruya Pros・津村 健志さん) | ×〇× |
Round 14 | 青赤ドラゴン | ×〇〇 |
Round 15 | バントカンパニー | ×△ |
最終成績は10-5。
R12のランプに敗れたところで緊張の糸が切れてしまい、R13~R15はプレイがズタボロ。
R15に関しては特に酷く、横で見ていたHareruya Pros・八十岡 (翔太) さんに「1000パー勝ってたよ!」と物凄い勢いで指摘されてしまいました……。
■ 反省
優勝したTeam Cygames・市川 ユウキさんのリストと75枚同じリストであり、今大会のバントカンパニーの隆盛から見てもデッキは間違いなく良いものであったと思うのですが、プレイヤーとしての腕が足りず、残念な結果に終わってしまいました。
敗北した5つのマッチの内、3つは敗北に直結するミスを3本目に犯しています。自分で気づいているだけでもこれだけあるのですから、もっともっと数えきれないくらいのミスを重ねたことでしょう。
情けなさのあまり絶望しましたが、このまま腐っては何も得ることができません。ホテル・飛行機・自宅でずっとこの2日間のミスについて考えていました。
ただ漠然と「ミスをしないようにする」ではきっとミスは減りません。
ミスは意図しない状況で発生するものであって、大方の場合その気配にすら気づくことができません。これまで犯してきたミスの一つ一つを思いつく限り書き出して並べ、傾向を分析することにしました。
その結果、ほとんどが「3本目」「残り時間が少なく」「自分が勝ちそうな時」に集中していました。
慢心、焦り、勝利への欲求等々、ベストなプレイを取る上での妨げとなる感情に支配されています。しかしながら、自分自身望んで慢心したり焦ったりしているわけではなく、これに対してただ「そういう状態になるな!」と言うのも難しい話です。
練習量から生まれる自信や場慣れから来る落ち着きで払拭できる可能性もありますが、今回のような直前のデッキ変更やその場の高揚感と言った要因でそうできないことも少なからずあることでしょう。
「そうなってしまった時どうするか」も大事ですが「そうならないようにする」のも同じぐらい大事で、事前にきちんと考えておける分効果は出やすいです。
「3本目に入らない」「自分が勝ちそうにならない」は不可能ですが、「残り時間が少なくならないようにする」は十分現実的な対策です。
例えば八十岡さんからの指摘の中に「土地のソートがダメ、そこからの基本的な所作 (使用するマナの選出やタップ) が遅い」と言うものがあり、確かに僕はこの辺を最序盤から慎重にやり過ぎてしまう傾向があるので、圧縮できる部分は徹底的に圧縮して、自分の負けパターンに入らないように常日頃心掛けるべきでしょう。
マジックの上手さってデッキ構築やプレイは当然として、もっと総合的なものだなと感じました。
ただ感心している場合ではありません。やってやらねばプロならば。
それではまた次回。
原根
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